住宅ローンの知識(変動金利詳細その3)…⑧
7月24日(金)
昨日に引き続き、『未払利息』について
『未払利息』の発生により、当然『元本』が減りません。
そして、『未払利息』も払わなくてはなりません。
5年ごとの見直しにより、毎月の返済額がアップします。
但し、アップは最大1.25倍ですので、
その範囲内で前5年間の不足分の修正が行われます。
で、疑問が?
『旧返済額1.25倍の範囲で処理できない場合は、どうするのか?』
結論、『金融機関によって異なります。』
以前、金融機関に確認したのですが、あまり明確に答えていません。
何故なら、『未払利息の発生が、現実にないから』…
至極当然です。
(変動金利詳細その①、短期プライムレート参照)
①1990年12月(8.000%)から今日までの約20年間、金利は右肩下がり(低下)。
②1995年12月(1.655%)から今日まで一度も2.000%を超えたことがない。
約13年6ヶ月の最大変動幅は、0.5%。
これでは『未払利息』は、絶対発生しません。
※住宅ローンに関してです。
金融機関の処理方法は、『条件変更』でしょう。
5年毎の見直しの際に、借入残高・金利情勢・債務者属性…等
あくまで借主と相談の上、
『分割で返済』・『一括返済』・『期間変更』…
20年以上もないので、金融機関としても何んともいえないでしょう。
では、
今後も『未払利息』は、発生しないのか?
『未払利息』は、金利が大幅に上昇する時に発生するので
今後、発生の可能性は、あるでしょう。
但し、極めて稀な期間ではないでしょうか。
何故なら、『未払利息は金利が大幅に上昇』
『大幅』とはどの程度か?
『未払利息』が発生する時の金利の算出方法は
『毎月の返済額×12÷借入残高×100』…でOK
具体的に(その1・その2 参照)
当初借入額3,000万円、期間35年、変動金利1.275%のケース
当初5年間の毎月の返済額は88,585円です。
そして…返済が徐々に進み
借入残高が2,800万円の時に、何%になったら『未払利息』が
88,585円×12÷28,000,000円×100=3.7965%
つまり、金利が3.7965%以上になると『未払利息』が発生します。
当初金利が1.275%で、約2.5%の金利上昇したケースです。
(金利が3倍に上昇したケースです)
つまり、そう簡単に『未払利息』が発生するとは考えられない…
金利が右肩下がりの今日までも…
それから、何れ金利の上昇が考えるられる今後も…です。
『変動金利は未払利息が発生してリスクがいっぱい』と
変動金利が諸悪の根源のように説明している専門家が…
『未払利息』とは何か?を理解しておくことは必要ですが、
過剰反応する必要は、決してありません。
変動金利の原理原則だけは、『肝』です。
一言で
『月々の返済額が変わらなくても、返済額の内訳の
元本と利息の額は変動する』
『金利が上昇する時は、元本の返済が進まない』
では、また…
住宅ローンの知識(変動金利詳細その2)…⑦
7月23日(木)
変動金利のリスクについて
最大のリスクは、金利上昇により発生する『未払利息』です。
変動金利の返済額は、毎月変動しません。
また、6ヶ月ごとの金利見直しによっても変動しません。
原則、5年間の毎月の返済額は変わりません。
では、金利の変動で何が変わるのか?
返済額に占める元本と利息の額が変わります。(6ヶ月ごとに)
事例で検討してみます。
借入金額3,000万円、当初金利1.275%、期間35年、元利均等返済
毎月の返済額:88,585円
(5年間は、この返済額が同じです)
第1回目の返済に占める元本と利息は
元本:56,710円
利息:31,875円
第1回目の返済後の残高:29,943,290円(30,000,000円-56,710円)
第2回目の返済に占める元本と利息は
元本:56,771円
利息:31,814円
第2回目の返済後の残高:29,886,519円(29,943,290円-56,771円)
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こんな具合に毎月徐々に元本が減っていき、
毎月の返済額に占める元本が増え
毎月の返済額に占める利息が減ります。
でも、変動金利ですのでこのままの状態は、ありえません。
では、当初5年間で金利が大幅に上昇したらどうなるか?
仮に、残高が28,000,000円の時に4.5%になったら
毎月の返済額88,585円
元本:0円
利息:88,585円
※支払うべき利息:105,000円(28,000,000円×4.5%÷12)
未払利息:16,415円(105,000円-88,585円)
※この状態が続くとどうなるのか?
元本の返済がありませんので、未払利息は雪だるま式に増加します。
怖い怖い未払利息です。
今日はこの辺で、
でも疑問が?『この未払利息は、どのように処理されるのか?』…では。
次回は、その後の未払利息について。
では、また…
住宅ローンの知識(変動金利詳細その1)…⑥
7月22日(水)
ようやく衆議院も解散。
私は『アホ太郎解散』と呼びたい。
改革は後退し、将来に瑕疵を残した首相の責任を問いたい。
自民でも民主でも『社会保障(年金・医療・介護)』の
抜本改革になるとは思えないが、先ずは政権交代を望みます。
本題
変動金利の詳細です。
多くの住宅ローンの解説書をみると
『変動金利はリスクが大きい』
『低金利時代には長期固定金利がベター』…とあります。
間違いではありませんが、
4人に一人以上が変動金利を選択しているのも事実です。
決して、全員の方に変動金利を勧めている分けではありません。
変動金利も選択肢の一つと考え、
どのようなリスクがあり、自分自身の資金計画とマッチするかを
検討いただきたいからです。
変動金利のポイント(一般的なケース)
①短期プライムレートに連動して金利が変動
②変動金利は固定金利より低金利
③金利は6ヶ月ごとに改定
(毎年4月1日と10月1日に見直し、7月と翌年1月の返済分から6ヶ月間適用)
④返済額は5年間固定
⑤次の5年間の返済額は、旧返済額の1.25倍を限度
(前5年間に利息負担が毎回の返済額を上回る場合であり、
金利が同じ水準であれば、返済額は同じ)
⑥金利の大幅な上昇により、未払利息が発生する可能性がある
以上は、変動金利の最低限の留意点です。
そんな中、金利の変動について
かつて、預金金利が8%もあった時代、当然借入金利も高金利。
借入金利が8%にもなったらとても返済できない…と心配。
変動金利は怖い…の先入観、これも当然。
では、変動金利が連動する『短期プライムレート』は
どのように推移しているのか?
1990.12~1991.12は、この約1年間はなんと8.00%でした。
でも、1995.12に1.655%になり、2009.7は1.475%です。
この間に一度も2.00%を超えた期間はありません。
この間は最低1.375%で最高1.875%です。
つまり、約13年6ヶ月間の最大変動幅は、0.5%です。
そこで、現在の金利を比較してみましょう。
山梨中央銀行の現行の金利で比較
①変動金利 :基準金利2.475% (優遇金利▲1.2%)で
実質金利1.275%
②固定金利(10年):基準金利3.9%(当初優遇金利▲1.5%)で
実質金利2.4%
その差は、1.125%
この差が許容範囲とも考えられます。
繰り返しますが、13年6ヶ月間の短期プライムレートの
変動幅は0.5%
あまり現実的ではありませんが、あくまで試算で。
3000万円の住宅ローン(35年返済、上記金利で金利変動なしのケース)
変動金利:毎月返済額88,585円(総返済額3,720万円)
固定10年:毎月返済額105,648円(総返済額4,437万円)
だからといって、変動金利を…勧めている分けではありません。
きちんとリスクも理解して、始めて何を選択するかです。
次回は、変動金利のリスクについて検証してみます。
では、また…