箸専門店 箸久 スタッフブログ -9ページ目

たったひとつのたからもの

当店はお箸専門店なので
お箸がいっぱいあります


木の種類で約30種類
お箸全体では450種類くらい
取り揃えています


はじめて来られたお客様は
数に圧倒される方が多いのですが


商品ごとにつけてある
お箸の説明書を
真剣に読んで

少しずつ、
お店の作戦に、、ではなく(^_^;)

お箸の世界に魅かれ始めている方も
いらっしゃいます


そんなある日の光景


お客様が一時間くらいずっと
いろいろなお箸を見ていました


ふとある場所で止まり、じっと
お箸の説明を読んで

時々、帯をはずしてお箸を手に取り
重さや感触を確かめていらっしゃいます


私が遠めにその売り場を見てみると

(@_@;)


な、なんと当店の中でも
1.2を争う高級箸の
スネークウッド(蛇紋木 )


青黒檀 ではありませんか


だいたいのお客様は
その売り場に興味を示されますが

価格を見て、そぉっと
他のコーナーに移っていかれます


私が客でもお財布とにらめっこした時点で
きっとそうします(>_<)


ところが、そのお客様は
尚も、じっと見ておられて


やがて、そのお箸 をレジまで持ってきて


「すみません、このお箸下さい
ただ、すぐにお金が用意できないので
内金を入れていくので
取っておいていただけますか?」と
おっしゃいました


私は一つ返事で
「はい、わかりました(^_^)」
と答えました


そのお客様のお箸を見ている目が
本当に「愛おしいものを見つめる」ような
やさしさと真剣さが表れていたからです


またお客様は
「どれくらいの期間とっておいていただけますか?」
とも聞かれてこられました


私は、内心、買っていただけるのなら
特に期間は関係なくと思っていたのですが
一応、「一ヶ月くらいは大丈夫ですよ」
と答えました


お名前とご連絡先をお聞きして

すぐにお帰りになるのかと思っていたら

今度はご自分用のお箸を
6膳くらいレジにお持ちになりました


それらの合計金額だけでも
結構な額でした


それから約1ヶ月が経ったころ
再び、お客様はご来店になりました


また内金を入れていかれました


ただまだ、ご購入金額すべてでは
ないのでまた「お取り置き」になりました


聞くところによると
お求めのご予定のお箸は
「誕生日プレゼント」のようでした


私は、このお箸を受け取られる方は
幸せな人だなと強く思います


自分だったら誰かに何かを
プレゼントするときに

少しずつ「積み立てて」まで
その商品をプレゼントするかな。。と


きっとそのとき持っているお金の範囲内で
最初に思った商品と違ったとしても
「代替品」を探してしまうでしょう


でも本当のプレゼントは、、、
自分が決めた商品を
値段の高低にかかわらず
「相手にプレゼントしたい」と
思う気持ちなんだろうなと。。


そしてそうやって選ばれ、
贈られた商品はきっと
受け取られた方にとっても
送る側にとっても

「たったひとつのたからもの」なんだなと


このお客様が商品を購入する時の
笑顔が今から楽しみです

お箸選びのヒント 其の一

今日はササキさんが

「お箸選びのポイント」をそっとお教えします

独断と偏見の部分も多いかもしれませんが(-_-;)


第一回目は「~いい箸とはどんな箸?普段使い編~」です


一口に「使えればいい」と言ってしまえば

それだけのことではあるが

意識しているしていないにかかわらず

お箸は紛れも無く

日本の食事にかかせない

食器のひとつです。

ここでは少々角度を変えて

こだわって見ていきましょう。


箸は物体ですから

五感で言えば見ての通り

長さ・太さ・形・色・

デザインなどの要素があります。


音・・・箸は木の種類も様々なので

その堅さや他の食器などによって

音も異なります。


香・・・天然木特有のほのかな香りや

天然漆の柔らかい香りがあります。


手触り・・・手に持ったときの持ち心地、

天然素材ならではの感触、重心の心地よさ


舌触り・・・口に入れたときの温もり、

やさしい感触。



機能性で見ると・・・


持ちやすい、すべりにくい、

つかみやすい、扱いやすいなどは

基本的に大切な要素です。

持って、使ってみて違和感がなく、

まるで指先の延長であるかのように
自然に使える箸がいいですね。

使い続けるうちに

手になじんでくるのが一般的です。



縁起・祈願で見ると・・・


木地では栗、桑、桜など・・・
形状では五角(合格)箸、八角箸(末広がり)など・・・
絵柄では南天(難を転じて福を招く)、

ひさご(無病息災)、(魔除けの意味から安産のお守り)など・・・



希望・期待感で見ると・・・


折れにくく丈夫で長く使える箸は?


これは使い方やお手入れにもよりますが
比較的、重め、堅め、

漆塗りの箸といえるでしょう。

ただし、どうしても消耗はします。

 箸先への負荷は数十キロとも言われ、
毎度毎度何十回も口に入れて使うのですから。


靴を選ぶ場合は、デザインもさることながら
用途による機能を重視する傾向があります。
ですから「代え」を含めて何足も持つのでしょう。


その意味では箸も靴によく似ています。
箸だって何膳か持ち、

使い分けてもよいのではないか?

と思ったりします。


私:職業柄、三食、外食用にそれぞれ

使い分けています。(^_^)

実際、1膳に絞るのはなかなかむずかしいのではないでしょうか。


たかが箸選び・・・されど箸選び・・・というわけで

今日はこの辺で・・・


いつまでも歳の数だけやさしさを

みなさんは「結婚記念日」
覚えていらっしゃいますか?


ご自身の記念日も勿論ですが
ご両親の結婚記念日はどうですか?


当店のギフトの目的のうち
還暦と誕生日祝いの次に多いのが
「結婚記念日」です


ご両親の結婚記念日は
「自分にはあまり関係ない」
思ってらっしゃる方も
多いかも知れませんが


今の自分が存在するきっかけとなった
大切な「記念日」の一つでもあると
思いませんか?


また血縁関係の有無にかかわらず

「人生のよき先輩」として

積み重ねてきた軌跡を記念し


そしてこれからの自分の未来の姿を
思い描く「祈念日」でもあるような気がします


結婚記念日はその積み重ねた年数ごとに
呼び方と意味がありますが


私はお箸やさんになる前には
「金婚式」と「銀婚式」くらいしか
知りませんでした(^_^;)


それぞれの記念日の
名前と意味を知るうちに


その深さに気づいて
自分でも感銘を受けたところもあるので
紹介してみたいと思います


1年目 「紙婚式」

何も書かれていない

真っ白い純粋無垢な状態から
将来を夢を思い描きます



2年目 「綿婚式」
質素倹約を心がけ、贅沢をつつしみ
地に足をつけた生活をしましょう



3年目 「革婚式」
そろそろ倦怠期に差し掛かる時期なので
革のようにしなやかに粘り強く


お互いを想いやり
時間が経つほどに

深みを増す味な夫婦に



4年目 「花婚式」
花が咲き実がなるように
夫婦が美しく花開き実を結ぶ瞬間
実やかけがえのない「子」



5年目 「木婚式」

夫婦がやっと心が通い、
「ふたりでひとつ」
一本の木のようになる



6年目 「鉄婚式」

鉄のように強く固い絆で
苦難に負けない人生を歩む



7年目 「銅婚式」
家族や財産の安定してくる時期



8年目 「ゴム婚式」
ゴムのように弾力があり
ちょっとやそっとではちぎれない
しなやかな夫婦に



9年目 「陶器婚式」
陶器を扱うように大切に
「ヒビ」の入らないように
過ごしてきた年月



10年目 「錫(すず)婚式」
錫のように美しさと柔らかさを
兼ね備えた夫婦



11年目 「鋼鉄婚式」
硬くて強い鋼のように
しっかりと「愛のチカラ」で結ばれた夫婦



12年目 「絹婚式」
絹のように柔らかく艶があり
それでいてさらさらと

きめの細かい二人の愛情



13年目 「レース婚式」
幾重にも深く織りなす二人の愛の証



14年目 「象牙婚式」
象牙のように長い歳月を経て美しく
ゆるぎのない価値のある夫婦に



15年目 「水晶婚式」
透明で曇りの無い澄み切った光を持った
水晶のような信頼の心



20年目 「磁器婚式」
磁器のように年月とともに

価値を増す夫婦の関係



25年目 「銀婚式」
四半世紀を苦楽をともに過ごしてきたことへの感謝と
「いぶし銀」のように美しく、光り輝く金を
さらに目指してお互いが切磋琢磨するように



30年目 「真珠婚式」
富と健康の象徴でもある海の宝石にたとえて
これからのますますの繁栄を願う



35年目 「珊瑚婚式」
永い年月をかけて成長していく珊瑚のように



40年目 「ルビー婚」
ルビーの深紅のような二人の

深い信頼と誠意



45年目 「サファイア婚式」
誠実と徳望で結ばれた結婚生活



50年目 「金婚式」
金色の輝きを得た 豊かで大きな記念日



55年目 「エメラルド婚」
深い緑のエメラルドのように、
静で尊い夫婦生活



60年目 「ダイヤモンド婚式」
長寿と一族の繁栄は、
世界で一番硬いダイヤモンドのよう輝いている



ここまで書いてきて矛盾するようですが

今まで過ごしてきた時間を決められた
「○○記念日」というようなカタチに
ただ当てはめるのは


もしかしたら
それぞれの人のすごした時間と
比較したら

「軽すぎる」のかもしれません


それなのであくまでも

「目安」のひとつとして

ご覧いただければと思います


大切なことは過ごしてきた時間に自分で
「記念日」という名前を重ねるのではなく


今この瞬間瞬間を大切に生きて

「歳の数だけのやさしさを」
ミルフィーユのように重ねていき


年月が経ったときに自分以外の人が
それを見たり感じたりしたときに

自分に投げかけてくれる言葉や
表情が一番の「宝物」であり
「記念日」なのかもしれません


とはいえ私はそんなに立派に
時間をすごしていないので(^_^;)


重ねてきた結婚記念日は
自分の「思い出と戒め」として


そしてこれから迎える

「結婚記念日」は

私の親がそのころ


どんな「夫婦」であり
「親」だったかを


思い出しながら


良い部分は見習い、


悪い部分は「反面教師」にして

頑張っていき


その瞬間瞬間に応じて
自分にあった記念日の「名前」を
つけてつきたいと思います


みなさんの結婚記念日には
どんな名前がついていますか?

しなやかな心遣い

お箸やさんになるまでは
あまり意識していなかった


・・というより


知らなかったものの一つに
「のし」の種類や「表書き」があります。


「蝶結び」や「結び切り」の違いなどは
勿論、知っていましたが、


表書きはこんなにも
古くからの日本人のつつましやかで
素敵な表現がたくさんあるとは
思ってもみませんでした


と同時に知らなかった自分が
恥ずかしいというよりも

どことなく日本人として
「損をしていた」ような
不思議な感覚でした


その代表格の言葉が


「松の葉」


小さくて細い松の葉で包めるくらい
僅かですということから


「ほんの気持ちです」という
意味合いで使い

ちょっとしたお礼や
手土産を持参するときに使います


また「松の葉」は葉が落ちたときも
ふたつでひとつ」というその姿から


生涯ずっと寄り添う夫婦にたとえた
縁起物としての意味もあり、


新潟県の一部などでは結婚式の
引出物の一つとしても使われています。


私の場合にはお客様に対して
お客様が、「ちょっとした御礼」とか
「あまりかしこまってあげたくない」など
どんな表書きか悩まれているときに


「松の葉」をおすすめしています


受け取られた方が仮に
「松の葉」の意味をご存知でなくても


その言葉の持つやわらかさと
贈り主(差出人様)の一歩下がった
しなやかな心遣いは


きっと伝わり、受け取られた方が
気になってインターネットや
国語辞典で調べる方も多いと思います


そして意味がわかったら
きっと贈り主の人柄を
思い浮かべることでしょう


正式には目上の方へ贈られるときが


「松の葉」


同僚の方や目下の方へは


「まつのは」


または


これも綺麗な響きで
気に入ってしまったのですが

「花一重」


があります


「花びら一枚ほどのわずかな気持ちですが」
という謙虚な気持ちを表した表現で、


傍若無人な私には
「無縁」な気もしますが


お箸やさんになったことで
こんな素敵な言葉の意味を
知っただけでも

なんだかうれしく思います


私だけかもしれませんが

悲しいとき
寂しいとき
少し気持ちが落ち着かないとき


いくつもの素敵な言葉よりも
たったひと言の思いやり
心をやさしくまあるくしてくれます。


のし紙の表書きひとつでも
直接言葉は交わさないけれど

同じような役割をしてくれるような気がします


お客様からお客様へ
お箸をただ販売しているのではなく

ほんの少しでも
お客様同士の心をつなぎ

「メッセンジャー」の役割が出来たら

それだけで
この仕事をしていて
幸せだと思えます(^_^)

大事なものがどんどん増えていく

お箸やさんにはいろいろな
お客様がやってきます


「銀のお箸ありますか?」とか
「名入れ込みで500円くらいのお箸ありますか?」

とかご希望に沿う、添えないは別として


結構、お箸をお求めになる
理由や種類も様々です


その中で一番多いのが
「一本だけ売ってくれませんか?」
というお客様です。


勿論、お箸は2本で一膳なので
基本的には難しいのが現状ですが


「一本、折れてしまった」とか
「一本だけ失くしてしまった」
という方がほとんどなので


そういう場合には、臨機応変に
対応し、一本だけお売りすることもあれば


交換させていただく場合もあります
(買ってから期間があまりたっていなく
折れたり、傷んでしまった場合など)


そんなある日の昼下がり
一人のおばあちゃんが
お店に入ってこられて


「このお箸と同じお箸を
一本だけ、売っていただけませんか?」

とちょっと照れくさそうに
聞いてきました


差し出されたお箸を見てみると
ほとんど使った形跡がなく

金の彫刻名入れで「きく」
綺麗に入っています


私:どうされたのですか?
こちらのお箸でしたら


一膳、交換させていただいて
同じように名入れをさせていただいて


一本分の金額で結構ですよ(^_^)


おばあちゃんの持ってこられたお箸は
削り箸で、同じお箸は勿論
お店に在庫としてありますが


すべて手つくりなので
少しずつ、重さや太さ、色合いが
異なるため、


持ってこられたお箸と
すべての条件を合わせるのが
難しかったので、


そのように(交換)ご案内したのですが


おばあちゃんは
「いや、一本だけでいいんです」
と今度はお願いするように言ってこられました


私が少し戸惑った表情を一瞬見せると
おばあちゃんは事情を話してくれました


「「このお箸は孫が敬老の日
少ないお給料からプレゼントしてくれたんです。


遠くに住んでいるので贈ってきてくれて


今度遊びにきた時に御礼かねがね、
「いつも大切に使っているよ(^_^)」
見せるつもりで、大事に使っていたんです


が、この間、台所で洗っているときに
自分では気づかなかったんですけど


ゴミ箱に一本だけ落としてしまったらしく

どこを探しても見つからないんです(>_<)


せっかく買ってくれて
名前まで入れてくれたのに

本人の前で「失くしちゃった」とは
申し訳なくて言えないので


でもかといって、全く新しいものだと
孫の気持ちまで失くしてしまう様で。。」」


私は、事情を聞かないうちに
親切な提案と思って簡単に
「交換します」と
言った自分が恥ずかしくなりました(>_<)


おばあちゃんの持ってこられたお箸と
同じお箸を店の在庫から全部持ってきて


色合いや太さ、重さなど
一番近いものを探しました


そしてようやく見つけ出し、
名入れをし、一時間後に取りに来て
お渡しして帰り際におばあちゃんは


「ありがとうございます。
歳をとってくると
大事なものがどんどん増えていくけれど


それを自分では
ちゃんと守って大切にしているつもりなのに
忘れたり、失くしたりしてしまう


それがちょっと切ないし情けない」

元気の無い声でおっしゃいました。


でもお孫さんからもらったお箸を
たとえ一本は失くしてしまわれたかもしれませんが


中に入っていたパンフレットを手がかりに
当店を探し出して、同じお箸を見つけて

同じように取り戻そうとした気持ちが

何よりもお孫さんの気持ちを受け取って
そして大切に思っている証ですよ(^_^)


おばあちゃんは少し笑顔を浮かべて
お店を後にされました


日々、接しているお箸は

お店を離れた瞬間、贈った人の
心がこもって受け取る人に伝わり

当店の中では同じ商品であっても
決してそれに代わるお箸は無いんだなと

改めて感じました。


お箸は人の心と心をつなぐ

「架け橋」なんですね(^_^)