17歳の駆け引き⑦
お風呂から戻ってきた彼に、尋ねた。
「まだ、連絡とってるの?」
「いや、とってないよ」
「何、これは?」
「知らない、勝手に送ってきたんだよ」
ホントにそうかもしれない。だけど、ナニシテル?って、久々だったり、勝手に送ってくるものだろうか?
「本当のことを話してほしい。別れるつもりないけど、こう分からないままじゃ、私もどうしていいのか分からないもの。本当のことを言ってくれたら、もっと好きになれる」
思い返せば、この方法を私は今でも使っている。成長がないというか、、、(涙)そして、男は何故か、面白いほどよく釣れる。
「ごめん、、、」
と言って彼は、関係?が断ち切れていないことを認めた。とは言っても、毎日学校では一緒だし、バイトを終えると彼の部屋の窓から忍び込んでいた私。土日だって別々に過ごした覚えはない。彼曰く、手紙が見付かった以降も、その女の子には特に何も言わず、付き合ってるんだかいないんだかの関係をバイト先で続けていたそうな。
「どうするの?」
彼を責める言葉は吐かず、ただ、彼の目をじっと見つめる。いつもと違う調子の私にとまどいながらも、彼はきっとどこかで安堵していたことだろう。「バイト先でも、もう絶対話さないから」こう言ってにっこり微笑んだ。
私もどこかでもう疲れてしまっていたのかもしれない。それ以上言うことも聞くこともなく、また2人、テレビを見て笑い合った。
嵐の前の静けさ、、、?
17歳の駆け引き⑥
「別れるっ」
「もうしないから」
「いやっ」
「ホントにごめんっ」
夜中に押し問答を繰り返し、泣きながら眠りについた。好きだと言われ抱き締められてしまったら、何も言えない。ここで「じゃあ、別れよう」と認められてしまったら、今度は私が「別れないで」と懇願していたに違いないのだから。
3学期が始まり、些細な喧嘩を繰り返しながら、高校3年生になった。
4月のある日、私たちは学校をさぼって鎌倉の海へ向かった。手紙の一件以来、喧嘩のたびに私はその話を持ち出していたのだが、このままでは一向に前に進めない。「水に流す」という意味で、2人気持ちを新たにするために海を選んだのだ。
春とは言え、浜辺の風は冷たかった。私たちは長い間、海を見ていた。彼が何を考えていたかは分からない。私は、忘れよう、これからまた彼と仲良くやっていこう、と、もやもやした気持ちを海に投げ捨てた。
それから数日たったある夜、彼がお風呂に入っている間に、彼のベルがなった。
『ナニシテル?アキ』
アキ、、、それは、手紙の差出人の名前だった。
17歳の駆け引き⑤
「信じてたのに」
確かそんなことから始めたと思う。今では絶対に言わない言葉。
上の階では彼の家族が寝ているのだから、大きな声は出せない。必死に我慢はしていたが、嗚咽までは抑えることが出来なかった。彼はコンポの電源を入れ、ボリュームを大きくした。
私が何を言っているのか理解してきた彼は「誤解だよ」としらを切っていたが、手紙を見たと告げると、表情を一変させた。
、、、
相手は、バイト先の子だそうだ。クリスマス後にバイト先の皆で飲んで、そのまま1人暮らしの先輩の部屋で何日か過ごし、年末は私と、そして、年始には新年会と称して、また先輩の部屋で飲んだ暮れていたと言う。先輩の部屋では皆雑魚寝で、隣に寝ていた女の子と、流れでそうなってしまったのだと、彼はボソボソと語った。
例えば、彼の話が嘘だっとしても、chuや腕枕をしたのが、先輩の部屋でなかっとしても、そんなこと関係ない。さっきまで、私にしていてくれた腕枕。彼はどんなに疲れた時だって腕枕してくれた。私だけの、、、じゃなかった。
とたんに、彼が汚らわしく思えた。
「別れたいなんて言わないでよ」
彼が言った。