前回の記事「硬膜と上部頚椎と後頭下筋群と目と(前半)」の最後に書いた、スタンレー・ローゼンバーグ氏の著書『からだのためのポリヴェーガル理論』。

 

 

この本、結構すごいです!

 

「頸椎と腹側迷走神経の機能不全」という節のはじめに、

 クライアントをテストして腹側迷走神経系に機能不全があることを発見すると、私は上部頸椎のずれがないかを観察します。つまり第一頸椎(環椎)の回旋があるか、第二頸椎(軸椎)が最適な位置から傾斜しているかどうかに注目します。基本エクササイズを行うと、ほとんどの場合、クライアントの第一頸椎と第二頸椎が、より良い配置に戻ります。そして、その後、腹側迷走神経系のテストを行うと、適切に機能していることがわかります。 (p.286)

と、書かれています。

腹側迷走神経については、私も、「恐れや緊張が強すぎる方へ」④鍵となる神経等々の記事を書いていますので参考にして下さい。

また、基本エクササイズについては後ほど書きます。

 

上記引用部の先には、スタンレー・ローゼンバーグ氏が教えているクラニオセイクラルのクラスで自分がモデルになって行なった実験について書かれているのですが、なんと、彼が“最近頭を悩ませている不快なことを考え”ると、“即座に第一頸椎の横突起が動き、片側が上がり、反対側が下が”ったというのです。

 

マッサージ師養成学校では、ペアを組んで第二頸椎の状態を調べあったりもしたのですが、私の場合、後ろに飛び出た棘突起が大きく右にずれていて驚かれました。

つまり、第二頸椎が右に回旋していたのですが、何のためにそんなことが起きたのでしょうか?

第一頸椎と第二頸椎の回旋には、進化的な意味があります。このような状態では、椎骨動脈に圧をかけ、脳幹への血流を減らし、社会交流に必要な五つの神経の機能に影響を与えます。これは腹側迷走神経優位ではない状態へと私たちを押しやります。しかし、危機に瀕して、戦うか逃げる必要があるとき、あるいは現在の状況に身体的、感情的に直面できないとき、より高度な機能を遮断することで私たちの生存を助けるのです。(P.287)

 

上から第一頸椎、第二頸椎。この二つの頸椎が回旋したら、確かに赤い椎骨動脈に圧がかかるのはわかりますよね。

“社会交流に必要な五つの神経”とは、腹側迷走神経・三叉神経・顔面神経・舌咽神経・副神経のことで、これらは腹側迷走神経複合体とも言われています。

このことも、「恐れや緊張強すぎる方へ」③ポリヴェーガル理論という記事に、簡単ですが書いています。

 

「ポロヴェーガル理論」に出会って、自分は、長い間、腹側迷走神経やその複合体を癒すために時間を費やしてきたのだと感じました。

でも、体は、それらの機能を抑えようとし続けてきたというのは皮肉ですよね。

一〇個の小さな筋肉が頭蓋底の後頭骨と、第一と第二頚頸をつなげています。これらの筋肉の八個は後頭下筋と呼ばれ、椎骨の表面後方(後面)にあります。外側頭直筋と前頭直筋というほかの二つの筋肉は、この同じ椎骨の前面にあります。(中略)これら一〇個の筋肉のうち、一つでも緊張状態になると、第一頸椎と第二頸椎は関節から外れてしまい、そのままの状態を維持することになってしまいます。(P.288)

と、書かれてもいますし、第一頸椎・第二頸椎のずれには、やはり後頭下筋が大きく関わっているようです。

 

では、そのずれを戻し、血流を改善し、社会交流システムでもある迷走神経複合体の機能を回復させるための基本エクササイズとはどのようなものなのでしょうか?

基本エクササイズの方法

(中略)

1.気持ちよく仰向けになって、左右の手の指を組みます。

2.手を後頭部の後ろに置きます。(後略)

3.頭を所定の位置に保って、目だけを出来るだけ快適に動かして、右を見ます。頭を回転させないで、目だけを動かします。右を見続けます。

4.三〇秒から六〇秒たつと、つばを飲み込んだり、あくびが出たり、ため息が出たりします。これが自律神経系からのリラックスの合図です。(後略)

5.目を戻して、まっすぐ前を見ます。

6.(前略)今度は目を左に動かします。

7.ため息、あくび、つばを飲み込むなどが起きるまで、目をそこから離さないでください。(P.282-284)

図も載っていますし、関心がある方は本を見て頂きたいのですが、流れは引用させてもらいました。

なぜなら、それが、目の運動であることを知ってもらいたかったからです。

基本エクササイズが目の動きを含むのは、八つの後頭下筋と眼球を動かす筋肉との間に直接的な神経的接続があるからです。(P.289)

眼球を動かす筋肉ー外眼筋と後頭下筋との直接的な神経的接続というのが、私はまだよくわかっていません。

けれど、こうしてiPadに向かい過ぎると、上部頚椎の回旋が強くなり最悪、目眩や吐き気に襲われることもあります。

 

様々なワークを受けてもなかなか改善しなかった上部頸椎のずれを治すには、上記エクササイズに取り組んでみるべきなのでしょう。

 

けれど、幼児期に受けた最後の斜視の手術で藪睨みになってしまい気にするのを止めた左目。

その運動には、なかなか積極的になれないのです。

 

それにしても、EMDRのように眼球運動を用いたトラウマの治療法がありますが、私のように眼球運動に問題がある者は、過去の嫌な記憶を処理しづらいといったことはないのでしょうか?

トラウマと目には関係があるような気がするので、少しでも整理できたら、また記事を書きますね。

 

そして、基本エクササイズの効果もいつか報告したいと思います😅

 

 

 

 

 

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