これまでのお話
実家をしまうにあたって、車庫の解体や樹木の伐採をすることになった。
樹齢100年を超える柿の木の祟りを恐れて、神主さんに出張お祓いをしていただいた。
その後、樹齢80年以上の梅の木8本くらいと、樹齢50年以上と100年越えの柿の木を2本切っていただくことになった。
また、こちらもおそらく樹齢60年は越えていると思われるお茶の木の長い垣根も伐採する。
梅の枝の先端が相当な数が電線にかかっているので、今回はその道のスペシャリストの関電工に伐採していただくことになった。
関電工の方がいう。
「関電工の伐採、高いですよね でも、人件費というより、樹木を運ぶコンテナが高いんですよ。クレーンも出ますしね。」
とのこと。
確かにとても立派なコンテナが2つも庭に運びこまれていた。
立派で、レンタル料が高そうだった。
スタッフの方も5人位いらした。
とても大がかりな感じがした。
スタッフの方々は木々の根元に差してあるお祓い棒を見て、みなさん嬉しそうだった。
この時も、やっぱりお祓いしておいて良かったな、と思った。
伐採は始めるととても早くて、どんどん切っていく。
電線に絡みついている枝も、うまい具合にほどいていく。
そして切った木をクレーンでどんどんコンテナに運び、夕方までには全ての樹木の伐採が終わった。
ちょうどその日、関電工に大物を切っていただく前に伐採してあった木々も処理する予定だった。
それらの木々も庭を埋めていた。
長男(私の弟)がレンタトラックを借りて、必死で市のごみ処理場を往復していた。
ご近所の方たちの手助けもあり、こちらも無事に運び終わったようだった。
大がかりな作業の後、実家の庭はただただ、樹木の切り株を残すのみになった。
切り開かれが庭を見て、「本当に広いな。」と思った。
子供の頃はこの庭で、キャッチボール、かくれんぼ、木登り、狭いスペースで野球やサッカーもしたような気がする。
実家の庭は広いから、そこだけで充分遊べて、「色んな事があったなぁ。」と思い出していた。
ままごとをしても、庭に植物が大量に生えていたから、それらをご馳走に見立てて、ままごとの食卓はむちゃくちゃ豪華だった。
今はボロい車庫だけど、私が子供の頃はあそこにたくさんの藁が保管してあって、その藁でアルプスの少女ハイジの干し草のベッドを作ったりしたし。
トランシーバーを持って木に登り、スパイごっこもしたな。
頭の良い従妹のお兄ちゃんが、「この地面を掘って地球の裏のブラジルに行こう。」というので、幼馴染や従妹たちと、日が落ちるまで庭に穴を掘ったりしてね。
かくれんぼとか、缶蹴りとか、庭が広すぎてなかなか見つけられず、最後に鬼が泣くというのはしょっしゅうで
庭の裏に大きな穴が開いていて、そこに大きなカエルがいたっけなぁ、とか。
見たこともない渡り鳥みたいな大きな鳥が、木の陰で羽を休めていたり。
ウグイスの鳴きまねを口笛でしていたら、本物のウグイスをおびき寄せたこともあった。
母がタヌキが出たとか、ハクビシンがいたとか言っていたな。
マジでトトロもいたかもな
ほんと、色々あったな。
伐採するまでは早くスッキリしたいと思っていたけれど、全ての木々が伐採されると、寂しかった。
間際までドタバタだったけど、お祓いして良かったと思った。
庭の木々に心の中で「ありがとう。」と言った。