プロセスの共有とMeshビジネス 「スクムトゥス:skmtSocial Project」
明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたいます。
今年最初のブログエントリーとして、坂本龍一『skmtSocial project』を取り上げる。
プロジェクトのHPで坂本龍一のロングインタビューが面白い。
http://skmtsocial.com/youtube/
---------------------------------
結果を共有するのは面白くない。
プロセスに面白さが隠されているのに、それを共有しないビジネスが多い。
無料だろうが有料だろうが、良い音質で聴いて欲しい。
パブリックビューイング的なものをつくると、(病院とか)予想を超えたところからの反響がある。
公式、非公式アカウントを分けることの必要性。
ネガティブな発言は、もっとあってもいい。Twitterには、陽の気があるのか。
2010年は、ソーシャル・ネットワークディバイドが起きた年。
個々人がメディア。自分で編集して、自分なりの切り口として見せる手軽さ。
ネット上にある情報を再利用することが大事になっている。例:tumblr
モノで持っておきたい大事なモノと、ファイルで持っておくべきモノ、この区分けが重要。
例:アナログ盤で持っておくことが逆に”クール”になったりする
どんな場面にも、音楽があることが不思議。フリー化の流れ。実験していくことが大切。
Ustによって、「たまたま聴いてみたら良かった」というセレンディピティーが起きてる。
これは、「あれは会場で聴きたいね」といった新しいリスナーを獲得できるチャンス。
無理やりに一方的に聴かせるよりも、一旦リスナーの反応を見ることに徹してみる。
NPOみたいな組織が、聴かれるべき良い音楽を取り上げていくのもひとつ。
フリーの流れは止められない。でも、フリーで手に入るのは”情報”。
音楽にはそれだけではない。ライブは体験。体験は情報にはならない。
フリーで、ネット上でどんなに3Dになっても、体験にはならない。
リスナーは、体験にはお金を出す。
コンサートには来るが、CDを買ったことがないリスナー。
ライブなどで体験した後に、”思い出”として持ち帰るCD。
---------------------------------
ライブの裏舞台や製作過程といったプロセスにこそ意味が出てくるという。
今まで観たこともない、体験したこともない故、その領域に魅了される人が多いということか。でも、分かる気がする。完成されたモノやコト以上に、中途半端に未完なモノになぜか興味を持ってしまう自分がいる。例えば、
・コケ落としの、あの絶妙な運動を目の当たりにした時
・タレントさんが社内を歩いている時
・行きつけのレストランのオーナーが、ラフな格好でスーパーで買い物してるのを見た時
・道端に空き缶が転がっている時(誰かの助けを求めるように)
普段あまり触れられない、見られないモノ。
モノの裏側。オフショット。
Other Side of the Thingsといった感じ。
対象物とのインタラクティブを通じて、自分が最後のピースをハメる(これは何だ?と解釈する)瞬間にこそ、快感を覚える。中途半端を完成させたくなるってのは、人間の本能なのかもしれない。
80年代から始まる坂本龍一の鋭さや最先端への取り組みには、常々驚かされる。
人々を魅了してやまないような仕掛けを作り続けているのも、すごいことだ。
少々脱線するが、10年9月にリリースされた「Mesh」という書籍がある。この中に、
Trivertising(トライバタイジング)
という概念が書いてあった。
要は、広告は、消費者にトライアルを促すような役割をもっと担うべきというのだ。それは無料でもいい。ソーシャルを利用して、ユーザーにパブリックビューイングの組成を促す坂本龍一がやろうとしてるように。
Advertility、使ってみたい広告は、広告をコンテンツ化させて、広告そのものを役立ててもらおうという試み。それに対し、Trivertisingは、ソースやお肉の店頭販売演出のような、一旦試してもらうことを推奨する。音楽で言うと、ライブに来てもらう。その後にCDを買ってもらう、的なことだ。
ビジネスモデルとしては、多分にリスクを抱えるものとなりそうだが、
味見をしてもらわないと、うんともすんとも言わない消費者がいるのも事実。
ザッポスのように、靴の試着をWEB販売でも実現させてしまうかのごとく、だ。
・WEB上で、ピザの匂いや味を事前に味わってもらう ※テクノロジーを利用して
・ARで店内を最新のファッションショーに変えてしまう(ランウェイをARで創る)
・iPadでの事前実演
何かこの辺をクリエイティブに作れると、面白い仕掛けができるんじゃないかな。
今まで見たこともない、聞いたこともない手口を考案すること。
国境を超えて、人種を超えて、色々と試行錯誤する年にしていきたい。
The Mesh: Why the Future of Business Is Sharing/Lisa Gansky

¥2,224
Amazon.co.jp
本年も宜しくお願いいたいます。
今年最初のブログエントリーとして、坂本龍一『skmtSocial project』を取り上げる。
プロジェクトのHPで坂本龍一のロングインタビューが面白い。
http://skmtsocial.com/youtube/
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結果を共有するのは面白くない。
プロセスに面白さが隠されているのに、それを共有しないビジネスが多い。
無料だろうが有料だろうが、良い音質で聴いて欲しい。
パブリックビューイング的なものをつくると、(病院とか)予想を超えたところからの反響がある。
公式、非公式アカウントを分けることの必要性。
ネガティブな発言は、もっとあってもいい。Twitterには、陽の気があるのか。
2010年は、ソーシャル・ネットワークディバイドが起きた年。
個々人がメディア。自分で編集して、自分なりの切り口として見せる手軽さ。
ネット上にある情報を再利用することが大事になっている。例:tumblr
モノで持っておきたい大事なモノと、ファイルで持っておくべきモノ、この区分けが重要。
例:アナログ盤で持っておくことが逆に”クール”になったりする
どんな場面にも、音楽があることが不思議。フリー化の流れ。実験していくことが大切。
Ustによって、「たまたま聴いてみたら良かった」というセレンディピティーが起きてる。
これは、「あれは会場で聴きたいね」といった新しいリスナーを獲得できるチャンス。
無理やりに一方的に聴かせるよりも、一旦リスナーの反応を見ることに徹してみる。
NPOみたいな組織が、聴かれるべき良い音楽を取り上げていくのもひとつ。
フリーの流れは止められない。でも、フリーで手に入るのは”情報”。
音楽にはそれだけではない。ライブは体験。体験は情報にはならない。
フリーで、ネット上でどんなに3Dになっても、体験にはならない。
リスナーは、体験にはお金を出す。
コンサートには来るが、CDを買ったことがないリスナー。
ライブなどで体験した後に、”思い出”として持ち帰るCD。
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ライブの裏舞台や製作過程といったプロセスにこそ意味が出てくるという。
今まで観たこともない、体験したこともない故、その領域に魅了される人が多いということか。でも、分かる気がする。完成されたモノやコト以上に、中途半端に未完なモノになぜか興味を持ってしまう自分がいる。例えば、
・コケ落としの、あの絶妙な運動を目の当たりにした時
・タレントさんが社内を歩いている時
・行きつけのレストランのオーナーが、ラフな格好でスーパーで買い物してるのを見た時
・道端に空き缶が転がっている時(誰かの助けを求めるように)
普段あまり触れられない、見られないモノ。
モノの裏側。オフショット。
Other Side of the Thingsといった感じ。
対象物とのインタラクティブを通じて、自分が最後のピースをハメる(これは何だ?と解釈する)瞬間にこそ、快感を覚える。中途半端を完成させたくなるってのは、人間の本能なのかもしれない。
80年代から始まる坂本龍一の鋭さや最先端への取り組みには、常々驚かされる。
人々を魅了してやまないような仕掛けを作り続けているのも、すごいことだ。
少々脱線するが、10年9月にリリースされた「Mesh」という書籍がある。この中に、
Trivertising(トライバタイジング)
という概念が書いてあった。
要は、広告は、消費者にトライアルを促すような役割をもっと担うべきというのだ。それは無料でもいい。ソーシャルを利用して、ユーザーにパブリックビューイングの組成を促す坂本龍一がやろうとしてるように。
Advertility、使ってみたい広告は、広告をコンテンツ化させて、広告そのものを役立ててもらおうという試み。それに対し、Trivertisingは、ソースやお肉の店頭販売演出のような、一旦試してもらうことを推奨する。音楽で言うと、ライブに来てもらう。その後にCDを買ってもらう、的なことだ。
ビジネスモデルとしては、多分にリスクを抱えるものとなりそうだが、
味見をしてもらわないと、うんともすんとも言わない消費者がいるのも事実。
ザッポスのように、靴の試着をWEB販売でも実現させてしまうかのごとく、だ。
・WEB上で、ピザの匂いや味を事前に味わってもらう ※テクノロジーを利用して
・ARで店内を最新のファッションショーに変えてしまう(ランウェイをARで創る)
・iPadでの事前実演
何かこの辺をクリエイティブに作れると、面白い仕掛けができるんじゃないかな。
今まで見たこともない、聞いたこともない手口を考案すること。
国境を超えて、人種を超えて、色々と試行錯誤する年にしていきたい。
The Mesh: Why the Future of Business Is Sharing/Lisa Gansky

¥2,224
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「人とつながるは錯覚」~情報端末から距離を (小池龍之介氏)
今日の日経新聞。インタビュー領空侵犯に、月読寺住職の小池龍之介氏が登場。
すさまじい洞察力に深い感銘を覚えた。
一方で、佐藤雅彦氏が展開する世界観とも、すごく近しいことを指摘しているとも思った。
目の前の現象を冷静に見つめ直し、その本質を問う。
その思考作業の繰り返しが、途方も無い人間心理の読み解きに役立つのだろう。
外部からドカン!と驚きを一方的に届けるのではなく、
日常の中に溢れる日常感覚を、少しズラす、揺さぶるだけでも、驚きが生まれるのだろう。
広告・コミュニケーションは、ソーシャルの時代を迎えている。
でも、人間本来の意識からそのトレンドを改めて見つめ直すことも必要だ。
小池氏の指摘、これは必見に値する。
(以下、記事内容より)-------------------------------------------------------------------
デジタルツールを通じて人と人がつながるといわれますが、それは錯覚です。ネット空間の情報の海の中で誰もが共通して強い関心を抱くものがあります。それは『自分の所在』です。自分が人からどう扱われているか、大事にしたいと思われているか……。すごく気になるのです。皆から認められたいというのは、誰もが抱く気持ちですが、自分あてのメッセージが生存に役立つ情報だと…
ツイッターやメールですぐに返事が来ないと、寂しくなる。すぐに返答が返ってくると、つながってるんだな、と感じる。その瞬間は気持ちいい。でも、ここに大きなワナがある。嬉しいと感じる脳内の作用に”慣れ”が生じるからです。
返事が早くもらえないと不安になり、不信感や怒りに襲われる。しかも、次の反応が来ても前ほどは気持よくない。何か足りない感じがして、もっと速く、もっと多く、という循環に入り込みます。
ネット疲れ・ネット中毒、情報端末から得られるのは、主に記号情報。バーチャルな情報負荷量が増え、心の負荷が高まり、心が現実からどんどん離れてしまう。それでも、ちっぽけな快感を得ていないと安心できなくなり、絶えず情報端末にアクセスするようになる。一瞬の快楽をもたらす脳内物質のドーパミンは、生物の生存には役立っているが、野放しにすると暴走してしまう
ネット空間で本当に売られているものは、何か?実は、”自分”が商品になっている。誰かに見てもらえる。誰かとつながることが商品になっている。つながりが欲しいということは、裏を返せば、みんな寂しいということ。寂しさが商売のネタになっていると言えるでしょう。情報ツールと距離を置かないと、人は現実の身体感覚を忘れ、言語だけであれこれ考える”脳内生活”になってしまう。
すさまじい洞察力に深い感銘を覚えた。
一方で、佐藤雅彦氏が展開する世界観とも、すごく近しいことを指摘しているとも思った。
目の前の現象を冷静に見つめ直し、その本質を問う。
その思考作業の繰り返しが、途方も無い人間心理の読み解きに役立つのだろう。
外部からドカン!と驚きを一方的に届けるのではなく、
日常の中に溢れる日常感覚を、少しズラす、揺さぶるだけでも、驚きが生まれるのだろう。
広告・コミュニケーションは、ソーシャルの時代を迎えている。
でも、人間本来の意識からそのトレンドを改めて見つめ直すことも必要だ。
小池氏の指摘、これは必見に値する。
(以下、記事内容より)-------------------------------------------------------------------
デジタルツールを通じて人と人がつながるといわれますが、それは錯覚です。ネット空間の情報の海の中で誰もが共通して強い関心を抱くものがあります。それは『自分の所在』です。自分が人からどう扱われているか、大事にしたいと思われているか……。すごく気になるのです。皆から認められたいというのは、誰もが抱く気持ちですが、自分あてのメッセージが生存に役立つ情報だと…
ツイッターやメールですぐに返事が来ないと、寂しくなる。すぐに返答が返ってくると、つながってるんだな、と感じる。その瞬間は気持ちいい。でも、ここに大きなワナがある。嬉しいと感じる脳内の作用に”慣れ”が生じるからです。
返事が早くもらえないと不安になり、不信感や怒りに襲われる。しかも、次の反応が来ても前ほどは気持よくない。何か足りない感じがして、もっと速く、もっと多く、という循環に入り込みます。
ネット疲れ・ネット中毒、情報端末から得られるのは、主に記号情報。バーチャルな情報負荷量が増え、心の負荷が高まり、心が現実からどんどん離れてしまう。それでも、ちっぽけな快感を得ていないと安心できなくなり、絶えず情報端末にアクセスするようになる。一瞬の快楽をもたらす脳内物質のドーパミンは、生物の生存には役立っているが、野放しにすると暴走してしまう
ネット空間で本当に売られているものは、何か?実は、”自分”が商品になっている。誰かに見てもらえる。誰かとつながることが商品になっている。つながりが欲しいということは、裏を返せば、みんな寂しいということ。寂しさが商売のネタになっていると言えるでしょう。情報ツールと距離を置かないと、人は現実の身体感覚を忘れ、言語だけであれこれ考える”脳内生活”になってしまう。
セミトラ展 ~WEBとリアルの融合は、人間機能の拡張を誘う
先日、セミトラ展に行ってきた。
----------------------------------------------------
インターネットと既存のコミュニケーション手法を融合しながら、斬新なプロジェクトを次々と展開する「Semitransparent Design(セミトランスペアレント・デザイン/通称セミトラ)」。
SONY BRAVIAのキャンペーンサイト「Live Color Wall Project」や表参道のイルミネーション「表参道アカリウムコール」プロジェクトをはじめ、ウェブ空間と現実空間をつなぐ作品を発表し、カンヌ国際広告祭、New York ADC、D&ADなど数々の賞を受賞、その活動が注目されるクリエイター集団。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201010/g8_exh_201010.html
----------------------------------------------------
その前も佐藤雅彦展やCEATECに行ってきたが、こういう世界観が本当に好きだ。
新旧のテクノロジーの強烈な印象(新しい使い方)を与える一方で、
人間本来の肌感覚や感受性を引き出しているからだ。
テクノロジーの自慢や見せ合いに終わらない、
そういった展示物を目で見る楽しさは、本当に楽しい。
テクノロジーに、ちゃんとした意味があり、人間的な個性が芽生えている。
今回のセミトラ展では、フォントやレコード盤の傷など、
普段から接しているけども、あまり意識しないモノやコトが
テクノロジーというフィルターを通じて”違ったように”見えてくる。
物事を一側面から眺めている到底分からない世界。
そうした世界に出会った時、知ってるんだけど、新しいという
冷静と情熱の間を行き来する感動に出会う。
これがたまらない。
また、セミトラ展がいいなと思ったのは、マグカップ。
リアルに会場に行ってその場で自分の名前を入力すると、
その後家に帰って自分の名前入りのマグカップが買えるという仕組み。
(しかもセミトラ作成のフォントでw)
イベントやリアル世界の追体験をWEB上で体感できる余韻を残す。
そこでは、唯一無二の物が手に入る。
あたかも、感動の延長戦を味わえるかのようだ。
一度で二度美味しい。相当いい。
さて、映画「アイロボット」ではないが、
昨今、テクノロジーは生活空間の中で、意志を持って現れ始めている。
ある種、人間との対話を促しているのだが、
それって結局は、「人間本来が持つ機能の拡張」を促していることだったりもする。
ARだってそうだ。
裸眼だと空間は空間にすぎないが、ARはその空間に”変な物体”を遊離することができる。
最近、マーシャル・マクルーハンのメディア論を見聞することが多い。
以下のブログには詳細に書いてあるが、その一節、
”ここで着目すべきは、メディアが人間の機能および感覚の拡張であるとすれば、新たなメディアを使いはじめることで人間そのものが変化するということでしょう”
に深く共感を覚える。
「すべてのメディアは人間の機能および感覚を拡張したものである」
http:/http://gitanez.seesaa.net/article/169955219.html
前回のブログエントリー「Facebookは日本人のDNAを進化させる!?」で
書いたことと軌を一にしていて驚いた(まぁ誰でも思い付くっちゃ思い付く…)。
ただ、ずっと前からこうした議論がされてきているのに、
なぜ人間本来の機能拡張云々についての言及が少ないのだろうか。
以下、同ブログより引用するが、この部分をもっと理解し、
それを現業にもっといかしていくべきだと強く思う。
この理解の先に、GoogleやFacebookを超える新しいビジネスが待っている予感がするからだ。
------------------------------------------------------------
マクルーハンはメディアがもたらす内容ではなく、その影響こそを捉えるべきだと主張し続けました。それが有名な「メディアはメッセージである」という言葉に込められた意味でしょう。
目を理解するのに、目で見た内容ばかりをあれこれ言っても埒があかないのは、誰でもわかります。なのに、目の拡張であるメディアである文字や書物を理解するのに何故か僕らはその内容について、あれこれ言いたがる。テレビやインターネットの影響についても同様で、影響を云々いう場合に、その内容がもたらす影響ばかりを議論しがちで、そのメディア自体が人間の機能や感覚をどのように変え、それにより衰退し、復活し、転換するものが何かを問うことをしません。
それでは、メディアについて理解しようとしていないのも同様です。メディア、つまり、人工物。それをなんらかの理由でデザインしたがる僕らがそれでいいんでしょうか?
その視点に立って考えると、僕らはまったく彼のメディア論を理解してこなかったのではないかと思えてきてしまいます。その無理解は、特に「人間中心ほにゃらら」などと得意がって主張している人にとっては、致命的な無知といえるのではないでしょうか? 自戒を込めてそう思います。
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インターネットと既存のコミュニケーション手法を融合しながら、斬新なプロジェクトを次々と展開する「Semitransparent Design(セミトランスペアレント・デザイン/通称セミトラ)」。
SONY BRAVIAのキャンペーンサイト「Live Color Wall Project」や表参道のイルミネーション「表参道アカリウムコール」プロジェクトをはじめ、ウェブ空間と現実空間をつなぐ作品を発表し、カンヌ国際広告祭、New York ADC、D&ADなど数々の賞を受賞、その活動が注目されるクリエイター集団。
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/g8_exh_201010/g8_exh_201010.html
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その前も佐藤雅彦展やCEATECに行ってきたが、こういう世界観が本当に好きだ。
新旧のテクノロジーの強烈な印象(新しい使い方)を与える一方で、
人間本来の肌感覚や感受性を引き出しているからだ。
テクノロジーの自慢や見せ合いに終わらない、
そういった展示物を目で見る楽しさは、本当に楽しい。
テクノロジーに、ちゃんとした意味があり、人間的な個性が芽生えている。
今回のセミトラ展では、フォントやレコード盤の傷など、
普段から接しているけども、あまり意識しないモノやコトが
テクノロジーというフィルターを通じて”違ったように”見えてくる。
物事を一側面から眺めている到底分からない世界。
そうした世界に出会った時、知ってるんだけど、新しいという
冷静と情熱の間を行き来する感動に出会う。
これがたまらない。
また、セミトラ展がいいなと思ったのは、マグカップ。
リアルに会場に行ってその場で自分の名前を入力すると、
その後家に帰って自分の名前入りのマグカップが買えるという仕組み。
(しかもセミトラ作成のフォントでw)
イベントやリアル世界の追体験をWEB上で体感できる余韻を残す。
そこでは、唯一無二の物が手に入る。
あたかも、感動の延長戦を味わえるかのようだ。
一度で二度美味しい。相当いい。
さて、映画「アイロボット」ではないが、
昨今、テクノロジーは生活空間の中で、意志を持って現れ始めている。
ある種、人間との対話を促しているのだが、
それって結局は、「人間本来が持つ機能の拡張」を促していることだったりもする。
ARだってそうだ。
裸眼だと空間は空間にすぎないが、ARはその空間に”変な物体”を遊離することができる。
最近、マーシャル・マクルーハンのメディア論を見聞することが多い。
以下のブログには詳細に書いてあるが、その一節、
”ここで着目すべきは、メディアが人間の機能および感覚の拡張であるとすれば、新たなメディアを使いはじめることで人間そのものが変化するということでしょう”
に深く共感を覚える。
「すべてのメディアは人間の機能および感覚を拡張したものである」
http:/http://gitanez.seesaa.net/article/169955219.html
前回のブログエントリー「Facebookは日本人のDNAを進化させる!?」で
書いたことと軌を一にしていて驚いた(まぁ誰でも思い付くっちゃ思い付く…)。
ただ、ずっと前からこうした議論がされてきているのに、
なぜ人間本来の機能拡張云々についての言及が少ないのだろうか。
以下、同ブログより引用するが、この部分をもっと理解し、
それを現業にもっといかしていくべきだと強く思う。
この理解の先に、GoogleやFacebookを超える新しいビジネスが待っている予感がするからだ。
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マクルーハンはメディアがもたらす内容ではなく、その影響こそを捉えるべきだと主張し続けました。それが有名な「メディアはメッセージである」という言葉に込められた意味でしょう。
目を理解するのに、目で見た内容ばかりをあれこれ言っても埒があかないのは、誰でもわかります。なのに、目の拡張であるメディアである文字や書物を理解するのに何故か僕らはその内容について、あれこれ言いたがる。テレビやインターネットの影響についても同様で、影響を云々いう場合に、その内容がもたらす影響ばかりを議論しがちで、そのメディア自体が人間の機能や感覚をどのように変え、それにより衰退し、復活し、転換するものが何かを問うことをしません。
それでは、メディアについて理解しようとしていないのも同様です。メディア、つまり、人工物。それをなんらかの理由でデザインしたがる僕らがそれでいいんでしょうか?
その視点に立って考えると、僕らはまったく彼のメディア論を理解してこなかったのではないかと思えてきてしまいます。その無理解は、特に「人間中心ほにゃらら」などと得意がって主張している人にとっては、致命的な無知といえるのではないでしょうか? 自戒を込めてそう思います。
Facebookは日本人のDNAを進化させる?~フランスの橋・駅は”人名”である
フランス出張から帰ってきて3週間。
期間中、電車やタクシーで移動していたのだが、
気になったことがあった。
それは、街の中にある橋や駅、
その他建物の名前に”人名”が多く残っていること。
その人の功績を讃えてのことだろう。
例えば、
アレクサンドル3世橋
アルマ-マルソー駅
シャルル・ド・ゴール=エトワール駅
ショセ・ダンタン=ラ・ファイエット駅
など、枚挙に暇がない。
これって、日本では滅多にありえないこと。
例えば、
田中さんの偉大な橋
中村家の駅
工藤先生の小さな駅
など、書いてあったら滑稽にすら映る。
なんでこんな違いがあるのか?
日本辺境論ではないが、日本人は”個”をあまり立てようとしない。
集団性やその場の空気にこそ、価値があるとする。
(※以前、外資代理店の方に、「俺たちだってKYは重視するよ!」と怒られたことはあったが…)
なので、街の中にある橋や駅には、
土地柄やその場の事実を伝承するものが多い(はず)。
そこで、ふと思った。
Facebook(実名) vs mixi(匿名)の話について。
もともと日本人は、主張するのが苦手。
それは国民的DNAとして刷り込まれているかもしれない。
”顔が割れたくない”。
だから、mixiとか、匿名性のあるSNSの方が日本人に合っているとされてきたのだろう。
でも、
実名性の高いFacebookを通じて、そんなシャイなのDNAが書き換えられる気がしている。
なぜなら、サイバー空間では、主張の塊ばっかりだし、
それが実名・匿名に関係なく起きているからだ。
逆に言うと、こうしたソーシャルメディアを思春期に、かつ、
生まれながらに体得するこれからの世代は、日本人としてのDNAを
”壊し、新しい何かを創造する世代”である気がしてならない。
いやつまり、何が言いたいかというと、
ソーシャルメディアは、人の情報体験・行動のみならず、
国民的DNAすら変革するパワーがあるということ。
自分自身に関して言うと、
mixiを卒業し、Facebookやtwitterに情報の受発信ツールを移してから、
自分の性質が変わった気もしている。
これまでの人生で、ブログなんて書こうと思ったこともないし、、、
例えば、2030年。
田中さんの偉大な橋
中村家の駅
工藤先生の小さな駅
のような、個を立てる現象が普通に起きていると、
なんか社会全体が楽しくなりそうだ。
そんな橋を見に、
観光客が増えてたら、
面白いだろなー。
期間中、電車やタクシーで移動していたのだが、
気になったことがあった。
それは、街の中にある橋や駅、
その他建物の名前に”人名”が多く残っていること。
その人の功績を讃えてのことだろう。
例えば、
アレクサンドル3世橋
アルマ-マルソー駅
シャルル・ド・ゴール=エトワール駅
ショセ・ダンタン=ラ・ファイエット駅
など、枚挙に暇がない。
これって、日本では滅多にありえないこと。
例えば、
田中さんの偉大な橋
中村家の駅
工藤先生の小さな駅
など、書いてあったら滑稽にすら映る。
なんでこんな違いがあるのか?
日本辺境論ではないが、日本人は”個”をあまり立てようとしない。
集団性やその場の空気にこそ、価値があるとする。
(※以前、外資代理店の方に、「俺たちだってKYは重視するよ!」と怒られたことはあったが…)
なので、街の中にある橋や駅には、
土地柄やその場の事実を伝承するものが多い(はず)。
そこで、ふと思った。
Facebook(実名) vs mixi(匿名)の話について。
もともと日本人は、主張するのが苦手。
それは国民的DNAとして刷り込まれているかもしれない。
”顔が割れたくない”。
だから、mixiとか、匿名性のあるSNSの方が日本人に合っているとされてきたのだろう。
でも、
実名性の高いFacebookを通じて、そんなシャイなのDNAが書き換えられる気がしている。
なぜなら、サイバー空間では、主張の塊ばっかりだし、
それが実名・匿名に関係なく起きているからだ。
逆に言うと、こうしたソーシャルメディアを思春期に、かつ、
生まれながらに体得するこれからの世代は、日本人としてのDNAを
”壊し、新しい何かを創造する世代”である気がしてならない。
いやつまり、何が言いたいかというと、
ソーシャルメディアは、人の情報体験・行動のみならず、
国民的DNAすら変革するパワーがあるということ。
自分自身に関して言うと、
mixiを卒業し、Facebookやtwitterに情報の受発信ツールを移してから、
自分の性質が変わった気もしている。
これまでの人生で、ブログなんて書こうと思ったこともないし、、、
例えば、2030年。
田中さんの偉大な橋
中村家の駅
工藤先生の小さな駅
のような、個を立てる現象が普通に起きていると、
なんか社会全体が楽しくなりそうだ。
そんな橋を見に、
観光客が増えてたら、
面白いだろなー。
Google TV、本当の狙い
何かと騒がれているGoogleTV。
AppleTVも買ったし、自分も多分これも買うだろう。
しかし、これがどんなインパクトを持つか?本当の狙いって何なのか?
報道にあるような表層的なことが、狙いではないと思われる。
以下の記事には、こう書いてある。
”グーグルの狙いはテレビ視聴者を収益源であるネット広告の分野に引き込むこと”
確かに、表面的には、これは正しい。
TVのインターフェースもかっこいいし、価格も安いし、利用者も増えそう。
ネット広告の分野での儲けも増えそうだ。
しかし、これは表面的な現象にすぎない。
真相は、
「あらゆる広告代理業のビジネスモデルを奪い、とくにTV広告市場2兆円で覇権を握ること」
つまり、今までの代理業がなくなる。
僕らが人海戦術でやってきた代理業が、全部、デジタルに置き換わる。
GoogleTV Adsが狙う「リビングルームに、よりインタラクティブなCMデリバリー・ルート」の整備が
進んでいくと、BtoBでのダイレクトな広告取引が成立し、代理店の存在意義が薄れていってしまう。
Googleは、独自の入札システムを持っているし、on TVでもそれを駆使してくる。
広告業に従事する者として、GoogleTVのビジネスの狙いは
破壊神のような存在として映る。
そして、もう一つ。”GRP指標”の崩壊だ。
地デジ解禁と共に、GRP価値のデフレが確実に起きる。
チャネル数が増えるし、しかも、地デジに対応していない地域を加味した場合、
まずもってリーチ数が落ちることになる(今カウントできている地域でカウントできないから)
GoogleTVが登場すると、間違いなく、それに拍車がかかる。
別にGRPに頼らなくても、on PCの指標を持ち込めばいいからだ。
GRPはビデオリサーチが開発したもの。
これをもとに、on TVの世界では、
旧態依然として、現在もTV広告取引が行われている。
ところが、そのTV領域にon PC、つまり、ネット領域が進出してくると、どうなるか?
webに繋がっているので、アクチュアルとして不安定なGRP(誤差が大きい)が、明確に把握できるようになる。クライアントにとっては、PDCAが回しやすくなる。視聴率ではなく、電波経由・web経由は問わず、同じコンテンツを見た人の数が把握できるので、広告取引単位とする「GRP+PV (+録画数)」という統合指標の開発導入が進む。
つまりは、ものすごく正確に視聴数が把握できるようになるわけだ。
しかも、GoogleTVは、クラウド型TVの位置を狙っている。
WEB上に大きな、”番組の倉庫”を持つことを狙っている。
そうなると、僕らは、自宅にHDDを持たず、好きな時に、
好きなコンテンツや有名人を検索して、
その都度ストリーミングして番組を見られるようになる。
録画や記録という概念が、そもそも消えるわけだ。
ユーザーにとっては、すごく便利。
でも、広告業にとっては、すごく厄介。。
・・とはいえ、これはGoogleTVが普及して、
世帯、個人あたりの視聴数がおおよそ把握できた場合に、最大効果を発揮する。
誤差なく正確に視聴数を計測して、なおかつ、それをクライアントに納得してもらうには、
規模の経済(ネットワーク外部性)が必要だからだ。
ただし、GoogleTVは、安い。これは相当安い。
赤字覚悟で、これだけ普及価格を押してくるということは、
TV広告の金脈を侵食した方が儲かるから、との算段だろう。
利益ポテンシャル領域の本質をきちんと理解し、
なおかつ、行動も速い。
この競合に、果たして広告業は、どう立ち向かうのか・・?
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ソニー:世界規模で巻き返しへ ネットTV発売
毎日新聞 2010年10月13日 22時29分
新型テレビの操作方法を説明するソニーのインストラクター 世界の主なインターネット対応テレビ(機器)
ソニーは日本時間の13日、テレビ番組とインターネットを同時に楽しめる新型のネット対応テレビ「ソニー・インターネットTV」を、米国で16日から発売すると発表した。米検索最大手グーグルの基本ソフト(OS)を搭載したもので、テレビ番組を見ながら、キーボードの付いたリモコンで、動画のダウンロードや検索ができる。米国では量販店などで販売、日本での発売も検討している。テレビにネット機能を搭載する動きは世界的に進んでおり、新たな競争をテコに世界的な普及が進むとの見方が強まっている。
「世界で初めて真のインターネットテレビ体験を届けられる。新たな価値を創造したい」。ソニーの石田佳久・ホームエンタテインメント事業本部長は、ニューヨークでの会見で「世界初」を強調、ライバルメーカーに後れを取るテレビ市場での販売巻き返しに自信を見せた。
「ソニー・インターネットTV」はグーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」のテレビ向け改良版によるシステム「グーグルテレビ」を初採用。米インテルのMPU(超小型演算処理装置)も搭載しており、キーボード付きのリモコンを使って、インターネットに接続したり、メールの送受信が可能。テレビ番組を見ながら、簡易型ブログ「ツイッター」(つぶやき)ができたり、動画などのダウンロードや、さらに関連情報を検索することもできる。国内でネット接続が可能なテレビは従来も販売されていたが、見たい映画や番組を探す際にテレビ番組とサイト上の動画を一度に検索できなかった。ソニーの新型テレビは、番組とサイト上の動画などを同時に検索できる。11年初めからはアンドロイド向けソフトも使え、ネット活用の幅がさらに広がる。ソニーが4月に米国で始めた映画配信サービス「キュリオシティ」や、音楽配信サービス「ナップスター」も利用可能で、ソフト販売収入を増やす狙いもある。
グーグルの狙いはテレビ視聴者を収益源であるネット広告の分野に引き込むこと。JPモルガン証券の和泉美治シニアアナリストは「グーグルの市場はパソコンが中心だったが、より消費者の目に触れる機会が多いテレビは大きな魅力」と指摘。世界のテレビ利用者は約40億人とされ、パソコンの約4倍。「グーグルテレビ」で検索連動型の広告を表示することで、広告価値が高まる。
また、10年1~6月の薄型テレビ市場でのソニーの世界シェアは11.5%の3位。価格競争力や独自のマーケティングを武器にシェアを伸ばしたサムスン電子は23.4%(1位)、LGエレクトロニクスが14.1%(2位)で韓国勢に大きく水をあけられている。ソニーはストリンガー会長兼社長が掲げる「ハードとソフトの融合」を体現する高付加価値商品で違いを打ち出し、世界市場での復権を図る考えだ。
ただ、「グーグルテレビ」は今後公開される見通し。ソニー以外のメーカーが採用するのも「時間の問題」(日本の大手電機)と見られ最初の提携相手のソニーが先行者メリットを生かせるかが注目される。
◇世界シェア急拡大 日本では普及に時間か
ネットテレビが日本で普及するには時間がかかるとの見方が強い。ソニーは10月上旬に開かれたIT家電見本市「シーテック」にインターネットTVを出品しなかった。アップルTVやサムスン電子も日本での発売は未定、というお寒い状況だ。
背景には、テレビの放送番組をインターネットで配信しようとすると、規制が多いことがある。また、「ネットからダウンロードする手間をかけなくても、映画1作100円など格安のレンタルDVD店が全国に存在している」(関係者)という日本の特殊な状況もありそうだ。ただ、「アップルの新型携帯端末iPad(アイパッド)の発売で、日本の電子書籍事業が一気に加速したように、グーグルテレビが出ればネットテレビ事業が普及する可能性はある」(ROAの宋国憲取締役)と望みをかける声もある。
先行きが不透明な日本を尻目に、世界的にはネット対応テレビは本格普及に入るとの見方が強い。調査会社ROAによると10年には世界のテレビ市場の14%に当たる3420万台、14年には42%の1億3300万台に達する見通しだ。「動画配信にも手間取らない高速大容量のインターネット回線の普及と競争激化による価格低下で、ネット対応テレビ普及の道が開かれる」(アナリスト)とみられ、各社は関連機器を含む製品やソフトの充実を急いでいる。
「わずか99ドル(約8100円)の小さな箱があれば、何千ものハイビジョン映画やテレビ番組を見られる」。米アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は9月1日、サンフランシスコでの発表会で、テレビとつなげて、インターネットに接続できる新型「アップルTV」を片手に語った。
初代アップルTVは07年3月に299ドル(約2万4000円)で発売されたが、購入した映画などを内蔵ハードディスクにいくつも保存すると、すぐに容量不足になるなど使い勝手の悪さが目立った。今回はテレビ番組を1本99セント(約81円)、映画は1本4.99ドル(約400円)と安くしたうえ、ネットを通じてレンタルする方式に変更。本体価格も99ドルに大幅値下げするなどハード、ソフトの両面で値下げ攻勢をかけている。
米ネット小売り大手「アマゾン」もアップルに対抗し、インターネットを通じて販売するテレビ番組の価格を9月に1本99セントに値下げ。また、サムスン電子も40型のネットテレビを7万円台と比較的低価格で発売、世界市場での高いシェア獲得を狙う。各社の競争激化は価格下落を促しており、「急速な普及の条件が整った」(アナリスト)との声が強まっている。
【ことば】インターネット対応テレビ
インターネット接続機能を持ち、パソコンなどを経由せずに映画や音楽の配信サービスを受けたり、ウェブサイトの閲覧や検索、メール送受信ができるテレビ。動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」対応やテレビ電話などの機能はメーカーによって異なる。韓国のサムスン電子やソニーが発売したインターネット対応テレビは、多機能携帯電話「スマートフォン」のように利用者がソフトを自由に追加できるため、「スマートテレビ」とも呼ばれる。
AppleTVも買ったし、自分も多分これも買うだろう。
しかし、これがどんなインパクトを持つか?本当の狙いって何なのか?
報道にあるような表層的なことが、狙いではないと思われる。
以下の記事には、こう書いてある。
”グーグルの狙いはテレビ視聴者を収益源であるネット広告の分野に引き込むこと”
確かに、表面的には、これは正しい。
TVのインターフェースもかっこいいし、価格も安いし、利用者も増えそう。
ネット広告の分野での儲けも増えそうだ。
しかし、これは表面的な現象にすぎない。
真相は、
「あらゆる広告代理業のビジネスモデルを奪い、とくにTV広告市場2兆円で覇権を握ること」
つまり、今までの代理業がなくなる。
僕らが人海戦術でやってきた代理業が、全部、デジタルに置き換わる。
GoogleTV Adsが狙う「リビングルームに、よりインタラクティブなCMデリバリー・ルート」の整備が
進んでいくと、BtoBでのダイレクトな広告取引が成立し、代理店の存在意義が薄れていってしまう。
Googleは、独自の入札システムを持っているし、on TVでもそれを駆使してくる。
広告業に従事する者として、GoogleTVのビジネスの狙いは
破壊神のような存在として映る。
そして、もう一つ。”GRP指標”の崩壊だ。
地デジ解禁と共に、GRP価値のデフレが確実に起きる。
チャネル数が増えるし、しかも、地デジに対応していない地域を加味した場合、
まずもってリーチ数が落ちることになる(今カウントできている地域でカウントできないから)
GoogleTVが登場すると、間違いなく、それに拍車がかかる。
別にGRPに頼らなくても、on PCの指標を持ち込めばいいからだ。
GRPはビデオリサーチが開発したもの。
これをもとに、on TVの世界では、
旧態依然として、現在もTV広告取引が行われている。
ところが、そのTV領域にon PC、つまり、ネット領域が進出してくると、どうなるか?
webに繋がっているので、アクチュアルとして不安定なGRP(誤差が大きい)が、明確に把握できるようになる。クライアントにとっては、PDCAが回しやすくなる。視聴率ではなく、電波経由・web経由は問わず、同じコンテンツを見た人の数が把握できるので、広告取引単位とする「GRP+PV (+録画数)」という統合指標の開発導入が進む。
つまりは、ものすごく正確に視聴数が把握できるようになるわけだ。
しかも、GoogleTVは、クラウド型TVの位置を狙っている。
WEB上に大きな、”番組の倉庫”を持つことを狙っている。
そうなると、僕らは、自宅にHDDを持たず、好きな時に、
好きなコンテンツや有名人を検索して、
その都度ストリーミングして番組を見られるようになる。
録画や記録という概念が、そもそも消えるわけだ。
ユーザーにとっては、すごく便利。
でも、広告業にとっては、すごく厄介。。
・・とはいえ、これはGoogleTVが普及して、
世帯、個人あたりの視聴数がおおよそ把握できた場合に、最大効果を発揮する。
誤差なく正確に視聴数を計測して、なおかつ、それをクライアントに納得してもらうには、
規模の経済(ネットワーク外部性)が必要だからだ。
ただし、GoogleTVは、安い。これは相当安い。
赤字覚悟で、これだけ普及価格を押してくるということは、
TV広告の金脈を侵食した方が儲かるから、との算段だろう。
利益ポテンシャル領域の本質をきちんと理解し、
なおかつ、行動も速い。
この競合に、果たして広告業は、どう立ち向かうのか・・?
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ソニー:世界規模で巻き返しへ ネットTV発売
毎日新聞 2010年10月13日 22時29分
新型テレビの操作方法を説明するソニーのインストラクター 世界の主なインターネット対応テレビ(機器)
ソニーは日本時間の13日、テレビ番組とインターネットを同時に楽しめる新型のネット対応テレビ「ソニー・インターネットTV」を、米国で16日から発売すると発表した。米検索最大手グーグルの基本ソフト(OS)を搭載したもので、テレビ番組を見ながら、キーボードの付いたリモコンで、動画のダウンロードや検索ができる。米国では量販店などで販売、日本での発売も検討している。テレビにネット機能を搭載する動きは世界的に進んでおり、新たな競争をテコに世界的な普及が進むとの見方が強まっている。
「世界で初めて真のインターネットテレビ体験を届けられる。新たな価値を創造したい」。ソニーの石田佳久・ホームエンタテインメント事業本部長は、ニューヨークでの会見で「世界初」を強調、ライバルメーカーに後れを取るテレビ市場での販売巻き返しに自信を見せた。
「ソニー・インターネットTV」はグーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」のテレビ向け改良版によるシステム「グーグルテレビ」を初採用。米インテルのMPU(超小型演算処理装置)も搭載しており、キーボード付きのリモコンを使って、インターネットに接続したり、メールの送受信が可能。テレビ番組を見ながら、簡易型ブログ「ツイッター」(つぶやき)ができたり、動画などのダウンロードや、さらに関連情報を検索することもできる。国内でネット接続が可能なテレビは従来も販売されていたが、見たい映画や番組を探す際にテレビ番組とサイト上の動画を一度に検索できなかった。ソニーの新型テレビは、番組とサイト上の動画などを同時に検索できる。11年初めからはアンドロイド向けソフトも使え、ネット活用の幅がさらに広がる。ソニーが4月に米国で始めた映画配信サービス「キュリオシティ」や、音楽配信サービス「ナップスター」も利用可能で、ソフト販売収入を増やす狙いもある。
グーグルの狙いはテレビ視聴者を収益源であるネット広告の分野に引き込むこと。JPモルガン証券の和泉美治シニアアナリストは「グーグルの市場はパソコンが中心だったが、より消費者の目に触れる機会が多いテレビは大きな魅力」と指摘。世界のテレビ利用者は約40億人とされ、パソコンの約4倍。「グーグルテレビ」で検索連動型の広告を表示することで、広告価値が高まる。
また、10年1~6月の薄型テレビ市場でのソニーの世界シェアは11.5%の3位。価格競争力や独自のマーケティングを武器にシェアを伸ばしたサムスン電子は23.4%(1位)、LGエレクトロニクスが14.1%(2位)で韓国勢に大きく水をあけられている。ソニーはストリンガー会長兼社長が掲げる「ハードとソフトの融合」を体現する高付加価値商品で違いを打ち出し、世界市場での復権を図る考えだ。
ただ、「グーグルテレビ」は今後公開される見通し。ソニー以外のメーカーが採用するのも「時間の問題」(日本の大手電機)と見られ最初の提携相手のソニーが先行者メリットを生かせるかが注目される。
◇世界シェア急拡大 日本では普及に時間か
ネットテレビが日本で普及するには時間がかかるとの見方が強い。ソニーは10月上旬に開かれたIT家電見本市「シーテック」にインターネットTVを出品しなかった。アップルTVやサムスン電子も日本での発売は未定、というお寒い状況だ。
背景には、テレビの放送番組をインターネットで配信しようとすると、規制が多いことがある。また、「ネットからダウンロードする手間をかけなくても、映画1作100円など格安のレンタルDVD店が全国に存在している」(関係者)という日本の特殊な状況もありそうだ。ただ、「アップルの新型携帯端末iPad(アイパッド)の発売で、日本の電子書籍事業が一気に加速したように、グーグルテレビが出ればネットテレビ事業が普及する可能性はある」(ROAの宋国憲取締役)と望みをかける声もある。
先行きが不透明な日本を尻目に、世界的にはネット対応テレビは本格普及に入るとの見方が強い。調査会社ROAによると10年には世界のテレビ市場の14%に当たる3420万台、14年には42%の1億3300万台に達する見通しだ。「動画配信にも手間取らない高速大容量のインターネット回線の普及と競争激化による価格低下で、ネット対応テレビ普及の道が開かれる」(アナリスト)とみられ、各社は関連機器を含む製品やソフトの充実を急いでいる。
「わずか99ドル(約8100円)の小さな箱があれば、何千ものハイビジョン映画やテレビ番組を見られる」。米アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は9月1日、サンフランシスコでの発表会で、テレビとつなげて、インターネットに接続できる新型「アップルTV」を片手に語った。
初代アップルTVは07年3月に299ドル(約2万4000円)で発売されたが、購入した映画などを内蔵ハードディスクにいくつも保存すると、すぐに容量不足になるなど使い勝手の悪さが目立った。今回はテレビ番組を1本99セント(約81円)、映画は1本4.99ドル(約400円)と安くしたうえ、ネットを通じてレンタルする方式に変更。本体価格も99ドルに大幅値下げするなどハード、ソフトの両面で値下げ攻勢をかけている。
米ネット小売り大手「アマゾン」もアップルに対抗し、インターネットを通じて販売するテレビ番組の価格を9月に1本99セントに値下げ。また、サムスン電子も40型のネットテレビを7万円台と比較的低価格で発売、世界市場での高いシェア獲得を狙う。各社の競争激化は価格下落を促しており、「急速な普及の条件が整った」(アナリスト)との声が強まっている。
【ことば】インターネット対応テレビ
インターネット接続機能を持ち、パソコンなどを経由せずに映画や音楽の配信サービスを受けたり、ウェブサイトの閲覧や検索、メール送受信ができるテレビ。動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」対応やテレビ電話などの機能はメーカーによって異なる。韓国のサムスン電子やソニーが発売したインターネット対応テレビは、多機能携帯電話「スマートフォン」のように利用者がソフトを自由に追加できるため、「スマートテレビ」とも呼ばれる。