はり師・きゅう師 国家試験が迫ってきました。
平成31年 2 月24日(日曜日)。
(合格発表は、平成31年3月26日(火曜日)午後2時)
大半は教科書から出ます。
合格率が下がってきているとはいえ、
ちゃんと教科書を勉強していれば、合格ラインの6割は正答できます。
とは言うものの、やはり不安ですね。
ということで、過去問で復習しつつ、出題傾向を知っておく方が有利です。
これはすべての資格試験に当てはまります。
今回は「病理学」。
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第26回(2018年)の問題より。
問題39 放射線障害を最も受けやすいのはどれか。
1 神経
2 腎臓
3 性腺
4 軟骨
(解答 3)
問題41 奇異塞栓がみられるのはどれか。
1 心室性期外収縮
2 心房中隔欠損症
3 大動脈弁狭窄症
4 感染性心内膜炎
(解答 2)
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病理学も基礎科目、「知っていないと答えられない」ので
(そのかわり知っていれば即答できます)
やはり教科書や副読本(ギャノングの生理学など)を見ながら過去問を解いていくのがおすすめです。
このとき、次の二点を守ってほしいのです。
(1)病理学の教科書だけでなく、
必ず解剖学と生理学と衛生学・公衆衛生学の教科書も参照してください。
「病理学」という学問の性質のゆえなのですが、
解剖学、生理学、衛生学・公衆衛生学は、「健康な、病気になっていない状態」の学問。
その健康な状態が崩れると病気になるわけですが、
正常でなくなった体に何が起きているのかを調べる学問が「病理学」です。
何が正常か分からなければ、何が異常なのかも分かりません。
病理学は「基礎医学の王様」と呼ばれる理由もここにあります。
解剖学や生理学や衛生学(感染症学)を理解してこそ分かる世界だからです。
(2)病気になる「メカニズム」も理解してください。
問題に即して説明します。
問題39 放射線障害を最も受けやすいのはどれか。
1 神経
2 腎臓
3 性腺
4 軟骨
(解答 3)
強すぎる放射線はDNAを壊します。
ということは、遺伝子が壊されるリスクが上がります。
壊れた遺伝子のまま細胞分裂が起きると大変困ります。
がんになったり、表れてほしい形質が表れなかったりするからです。
ということは、細胞分裂がさかんなところが特に困ります。
よって、この選択肢では「性腺」になるわけです。
問題41 奇異塞栓がみられるのはどれか。
1 心室性期外収縮
2 心房中隔欠損症
3 大動脈弁狭窄症
4 感染性心内膜炎
(解答 2)
奇異塞栓あるいは奇異性塞栓症は
「右-左短絡が存在する心奇形を有する動物において、
静脈に出現した塞栓が開存孔を介して左心に移行し、
動脈末梢において塞栓症を引き起こすもの」
血栓は静脈で作られることが多いので、通常、塞栓は静脈末梢で起きます。
ところが、心房中隔欠損症などで、血栓が静脈末梢にいかずに動脈にいくと、
動脈末梢で血栓がつまってしまいます(塞栓)。
英語で奇異性塞栓をparadoxical embolismと言いますが
「paradoxical」(パラドキシカル)は「逆説的な」。
パラドックス「paradox 逆説」の形容詞形です。
本来起こるパターンと「反対」のパターンで、という意味。
この場合は「静脈末梢」の反対の「動脈末梢」、ということになります。
問題文や選択肢に出てくる用語で
分からないもの、説明できないものが一つもないようにしておきましょう。