【はり師・きゅう師 国試対策】病理学の勉強法 「病理学は『基礎医学の王様』」と称される理由 | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

はり師・きゅう師 国家試験が迫ってきました。

 

第27回 はり師国家試験きゅう師国家試験の試験日は

平成31年 2 月24日(日曜日)。

(合格発表は、平成31年3月26日(火曜日)午後2時)

 

大半は教科書から出ます。

合格率が下がってきているとはいえ、

ちゃんと教科書を勉強していれば、合格ラインの6割は正答できます。

 

とは言うものの、やはり不安ですね。

ということで、過去問で復習しつつ、出題傾向を知っておく方が有利です。

これはすべての資格試験に当てはまります。

 

 

今回は「病理学」。

 

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第26回(2018年)の問題より。

 

問題39 放射線障害を最も受けやすいのはどれか。

1 神経

2 腎臓

3 性腺

4 軟骨

(解答 3)

 

問題41 奇異塞栓がみられるのはどれか。

1 心室性期外収縮

2 心房中隔欠損症

3 大動脈弁狭窄症

4 感染性心内膜炎

(解答 2)

 

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病理学も基礎科目、「知っていないと答えられない」ので

(そのかわり知っていれば即答できます)

やはり教科書や副読本(ギャノングの生理学など)を見ながら過去問を解いていくのがおすすめです。

 

このとき、次の二点を守ってほしいのです。

 

(1)病理学の教科書だけでなく、

必ず解剖学と生理学と衛生学・公衆衛生学の教科書も参照してください。

 

「病理学」という学問の性質のゆえなのですが、

 

解剖学、生理学、衛生学・公衆衛生学は、「健康な、病気になっていない状態」の学問。

その健康な状態が崩れると病気になるわけですが、

正常でなくなった体に何が起きているのかを調べる学問が「病理学」です。

 

何が正常か分からなければ、何が異常なのかも分かりません。

 

病理学は「基礎医学の王様」と呼ばれる理由もここにあります。

解剖学や生理学や衛生学(感染症学)を理解してこそ分かる世界だからです。

 

(2)病気になる「メカニズム」も理解してください。

 

問題に即して説明します。

 

問題39 放射線障害を最も受けやすいのはどれか。

1 神経

2 腎臓

3 性腺

4 軟骨

(解答 3)

 

強すぎる放射線はDNAを壊します

ということは、遺伝子が壊されるリスクが上がります。

壊れた遺伝子のまま細胞分裂が起きると大変困ります。

がんになったり、表れてほしい形質が表れなかったりするからです。

ということは、細胞分裂がさかんなところが特に困ります。

よって、この選択肢では「性腺」になるわけです。

 

問題41 奇異塞栓がみられるのはどれか。

1 心室性期外収縮

2 心房中隔欠損症

3 大動脈弁狭窄症

4 感染性心内膜炎

(解答 2)

 

奇異塞栓あるいは奇異性塞栓症は

「右-左短絡が存在する心奇形を有する動物において、

静脈に出現した塞栓が開存孔を介して左心に移行し、

動脈末梢において塞栓症を引き起こすもの」

 

血栓は静脈で作られることが多いので、通常、塞栓は静脈末梢で起きます。

ところが、心房中隔欠損症などで、血栓が静脈末梢にいかずに動脈にいくと、

動脈末梢で血栓がつまってしまいます(塞栓)。

 

英語で奇異性塞栓をparadoxical embolismと言いますが

「paradoxical」(パラドキシカル)は「逆説的な」。

パラドックス「paradox 逆説」の形容詞形です。

本来起こるパターンと「反対」のパターンで、という意味。

この場合は「静脈末梢」の反対の「動脈末梢」、ということになります。

 

 

問題文や選択肢に出てくる用語で

分からないもの、説明できないものが一つもないようにしておきましょう。