西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院

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日本抗加齢医学会指導士、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター、ケアマネジャー、保育士(!)でもある鍼灸師のサイトです。

2021年春季 実用イタリア語検定3級を受検してきました。(第52回・大阪会場)

 

真っ白に燃え尽きました・・・

 

 

3級になると作文問題(80〜100語)が入ってくるのですが

●日本語でもストーリーが思いつかない

●単語がわからない(あるいはとっさに出てこない)

●文法がわからない

●表現(言い回し)がわからない

 

ショックなので、寝ます。

HEMMI計算尺のお話 その2です。

(その1 は「HEMMI計算尺 No.2664S & No.45Kをゲット! 〜零戦も東京タワーも新幹線も〜」

 

HEMMI No.45Kは

20cmの中学生用モデルです(本体は23cmあります)

 

スタンダードモデル(事務・技術用モデル)のNo.2664S と並べてみると、

かわいらしいコンパクトな作りです。

 

 

コンパクトながら、指数・対数や三角関数も計算できます。

 

 

「1729.03の立方根」と「tan78゚」を計算してみました。

 

●1729.03の立方根

1729.03=1.72903*(10^3)を利用します。

 

K尺の1.729にカーソル(赤線)を合わせ、D尺の値を読むと・・・

ということで、

1729.03の立方根、

計算尺だと12.00です。(1.200*10)

電卓で計算すると、12.0023837857なので、さすが、の精度です。

 

実はこの「1729.03の立方根」、

 

『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(下)

( 大貫昌子 訳、岩波現代文庫)

 

に収められたエッセイ「ラッキー・ナンバー」に登場する数字なのです。

ファインマンがブラジルのレストランで食事をとっていると、

そろばんの名手の日本人が入ってきて、計算スピードの比べっこをすることになってしまった。

 

極めつけの問題が、そろばんの名手の日本人が出した「1729.03の立方根」。

ファインマンは「近似」の概念を利用して、(あと、たまたま12^3=1728を知っていた偶然も手伝って)

日本人がやっとの思いで「12.0」と小数点第1位まで計算したとき、

すでに小数点第5位まで計算してしまった・・・

 

そろばんでなくて計算尺だったら、暗算マニアのファインマンに勝てていたかもしれませんね。

 

 

●tan78゚

 

まず、tan12°を求めます。(「なぜ?」かは後でご説明します)

計算尺をひっくり返してTI尺を「12」度にセット。

 

そのまま裏返すと、C尺にtan12°の10倍の値が示されます。

(すごい仕様!)

よって、tan12° = 0.212です。

(※C尺の目盛りの2.12を10で割ると得られます)

 

ここで

 

★tan(90°-θ)= 1/tanθ 

 

の公式を利用します。

 

tan78° =tan(90°-12°)= 1/tan12° = 1/0.212

 

1/0.212を計算します。割り算です。

D尺の目盛りを読むと4.71。

 

ということで、

tan78゚は

計算尺だと4.71です。(D尺)

電卓で計算すると、4.7046301095なので、やはり、さすが、の精度です。

 

それにしても

 

★tan(90°-θ)= 1/tanθ 

 

の公式をすっかり忘れておりました……面目ございません……

 

この関係式のおかげで、0° 〜 45° までのtanが求まれば、

90° まで、もっと言えば全ての角度のtanが求まります。

 

そういうわけで、tanを計算するTI尺の目盛りは45° までになっています。

本当によくできています、HEMMIの計算尺!

 

気づいたら大好きになってしまいました。

 

HEMMI計算尺 No.2664S & No.45Kを入手しました。

長い間欲しかったので、届いたときは本当にうれしかったです。

 

ジブリ映画『風立ちぬ』にも登場した計算器ですが、

映画の公開前から気になっていました。

 

★現在、棒状の計算尺は製造中止のため、中古品しか出回っていません。

 

例えば「2.74^13.8」のような指数計算(べき計算)も

計算尺を使えばすぐに答えが出せます。

 

(1)log2.74 を求めます。

0.438。

 

次に、

 

(2)0.438*13.8 を求めます。かけ算です。

6.04

くらい?

 

仕上げです。

 

(3)10^6.04=(10^6)*(10^0.04)なので、

 

10^0.04を求めます。

微妙なところですが、1.097としましょうか。

 

計算尺で出した「2.74^13.8」の答えは「1.097*10^6」です。

 

実際のところ、どうなのでしょうか?

 

1.099*10^6 なので、精度としてはかなりいいと思います。

 

もちろん、そうなるように計算尺を作ってあるから当然なんでしょうが、

ちょっと感動しました。

 

★本題の計算尺の話からそれますが、

常用対数表が手元にあれば計算尺や電卓がなくても指数計算(べき計算)ができます。

 

ーーー

 

実は日本は、かつては計算尺大国でした。

ヘンミさんのホームページによれば、

1965年時点で、

ヘンミ計算尺のシェアは日本の約98%、世界でも約80%を占めていたそうです。

マイクロソフト社のOS「Microsoft Windows」どころではありません。

 

ところが

1960年代に登場した電卓の普及(1970年代から小型化し安価になります)によって衰退し、

わたしが大学に入った1994年には、

すでに計算尺は大学生協や一般の文房具屋さんには置かれていませんでした。

 

そのかわり関数電卓が売られていました。

プログラミング機能つきで5000円だったか8000円だったか(1万円はしなかった)・・・

「理系だから買っておくか」と買いました。

 

生協の店員さんが若い男性の方で、

 

「関数電卓いろいろ計算できて便利ですよ、

『シン』、『コシン』、『タン』が計算できますんで」

 

と説明してくれたのを、懐かしく思い出します。

 

ところが結局、大学の授業で三角関数や指数関数を使って実際に計算することはほとんどなく、

量子力学や統計熱力学で使ったか使わなかったか、という程度でした。

(学部や学科によって事情は違うと思います。わたしは理学部化学科でした)

卒業研究でも三角関数が出てくる式(キュリーの法則を導く式)を「紹介(引用)」しただけです。

そして関数電卓は、大学卒業後の度重なる引っ越しでなくしてしまいました。

どこかのタイミングで捨てたんでしょう。

 

今や、

エクセルやGoogle、電卓アプリで計算できてしまって、

モノとしての電卓さえ要らない時代です。

簿記や会計の現場では必要かもしれませんが。

 

それでも、そんな時代だからこそなのか、

計算尺が欲しくなって、買ってしまいました。

 

この「目盛りのついたものさし」が、ついこの間まで

日本のものづくりの技術を支えてきたのです。

零戦や戦艦「大和」、東京タワーや新幹線も、計算尺で計算して設計されました。

(計算尺は「たす・ひく」はできないので、手回し計算機やそろばんなども併用していたようです)

万博公園の「太陽の塔」(1970年)も、計算尺を使って設計されたのではないでしょうか。

 

教育用具としてであれば、計算尺は今でも十分使えます。

概数(近似、誤差、有効数字)、位取りなどを学ぶのに、

とても適しています。

 

それに、指数計算(べき計算)をするのでも、

指数や対数の基本的な性質を知らないと計算尺を使いこなせないので、

そういう復習にもいいかもしれません。

 

今の子は忙しいから見向きもしないかな……

夏休みの自由研究にどうでしょうか。「厚紙で計算尺を作ってみました!」みたいな。

 

 

製造元のヘンミさんには怒られるかもしれませんが

認知症予防ツールとしてもいいかもしれません。

 

「百ます計算はちょっと物足りない」という方に

 

「計算尺を使って(解説書・手引書を見てもO K)

半径が600*sin65°の球の体積を求めなさい」

 

これは結構頭を使うと思いますよ。

 

大学入試や企業の求人の集団面接/実技試験にも使えそうです。

 

1976年生まれのわたしより若いひとは、学校の授業で計算尺を使ったことがないはずです。

(わたし自身、学校の授業で使ったことがありません)

「計算尺」という存在すら知らないひとも多いかもしれません。

 

「(解説書・手引書は与えない/常用対数表と三角関数表は与える)

計算尺の使い方を考えてわたしたち(試験官)にプレゼンしてください。制限時間は30分です」

 

など、なかなかいい課題ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

5人チームで行えば、協調性や調整能力、指導力、表現力、正直かどうかなども分かるでしょう。