肩こりが鍼灸治療でよくなる理由 3 ~東洋医学の考え方で「肩こり」を治す~ | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

前回、「肩こり」を2つのタイプに分類した上で、

「肩こりは人間、ヒトであることの宿命」というのは、正しい。

と書きました。
ただこれは、西洋医学で説明した方が分かりやすいと思うので、次回にゆずります。
今回は

「筋肉の使いすぎによる肩こり」も「筋肉を使わないことによる肩こり」も、
ある一つの共通点があります。


と書いた、「ある一つの共通点」について。

東洋医学で説明した方が分かりやすいので、その考え・理論で種明かしすると

特に肩や首の部分で「気血」のめぐりが悪い、「気血」が滞っている

という点です。

「気血(きけつ)」というのは文字通り「気」と「血」。

ならば、「気」とは何か、「血」とは何か、ちゃんと定義しないといけません。

ところがこの定義、一つに決まっていないのです。

「血」は西洋医学の「血液」と重なる部分もあって比較的イメージしやすい。
一方「気」となると、

「気=生体エネルギ—」
気=免疫機能
「気=運動機能」
「気=ホメオスタシス(恒常性)」
「気=からだの構成物質=素粒子(!)・原子・分子」
「気=西洋医学や自然科学では説明できない何か」(!)

と、さまざまです。

ただ、東洋医学では、「気血」の定義が何であれ、

心身が健康なら、「気血」が滞りなく全身をめぐっている。

と考えます。

裏を返せば、(論理学でいう「対偶」・・・A→B なら notB→notA というヤツですが)

「気血」に滞りがあって全身をめぐっていなければ、心身は健康でない。

ということです。

なので、治療方針は

「気血」の滞りをなくして全身にめぐらせる

具体的には

○気血の滞りを直す(と言われている)場所に、物理的刺激(鍼・灸・按摩・導引(体操/運動療法)など)を加える
○気血の滞り方(「証」(しょう)といいます)に対応した薬を服用し、食べ物をとる

になります。

それでは、鍼灸における「気血の滞りを直す(と言われている)場所」とはどこか?
これも後にゆずるとして(先送りばっかりしてすみません・・・)

次回は、「西洋医学から見た肩こりの原因と治療」についてのお話を。
※今回の記事の内容、一応覚えておいてくださいね。