仏の座(ホトケノザ)2


仏の座(ホトケノザ)はシソ科オドリコソウ属の二年草である。
本州から沖縄にかけて分布し、道端や畑などに生える。
草丈は10~30センチくらいである。
下部の葉には長い柄があり、上部のものには柄がない。
葉は半円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は3~6月である。
上部の葉の脇に紅紫色をした唇形の花を数個ずつ輪生する。
花冠には細長い筒があり、下の唇は3つに裂ける。
萼には毛が多く、先端は5つに裂ける。
名の由来は、花の下にある葉が茎を包み込むようになっているのを仏の蓮華座に見立てたものである。
別名を三階草(サンガイグサ)という。
これは、葉が段々になってつくところからきている。
写真は3月に板橋区立赤塚植物園で撮った。
学名:Lamium amplexicaule


★いずこよりおいでませるや仏の座
 しばし憩えや春まだ遠く


仏の座(ホトケノザ)

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大三角草(オオスミソウ)2


大三角草(オオスミソウ)はキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草である。
雪割草(ユキワリソウ)の名でも流通している。
山形県以南の日本海側に分布し、山地の日陰に自生する。
花が大きく、色や形も極めて変異に富むのが特徴である。
草丈は10~15センチくらいである。
開花時期は2~5月である。
ところで、雪割草(ユキワリソウ)の原種は、日本に自生する三角草(ミスミソウ)、大三角草(オオスミソウ)、洲浜草(スハマソウ)、毛洲浜草(ケスハマソウ)の4種のほか、海外に9種ほどあるそうだ。
これらの交配によって、鮮やかで豪華な園芸品種が造り出されている。
花色は白が基本だが、ピンク、ブルー、薄紫など多彩である。
なお、花弁のように見えるのは萼片である。
写真は3月に大船植物園で撮った。
学名:Hepatica nobilis var. japonica form. magna


★集い咲く大三角草はうっすらと
 わが身を染める紫の色


大三角草(オオスミソウ)

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竜田草(タツタソウ)2


竜田草(タツタソウ)はメギ科タツタソウ属の多年草である。
原産地は朝鮮半島北部、中国東北部、アムール地方などである。
日露戦争当時に軍艦龍田の乗組員がこの花を持ち帰ったことからつけられた名前である。
草丈は10~25センチくらいである。
根際から生える葉は先が窪んだ心臓形で、蓮(ハス)の葉に似ている。
開花時期は3~4月である。
花は葉の展開に先立ってさくものと同時に咲くものがある。
茎先に花径1~2センチくらいの淡い紫色の花を1輪つける。
花びらは6~8枚である。
別名を糸巻草(イトマキグサ)という。
葉の形からつけられた名前である。
根茎を干したものは生薬で鮮黄連(せんおうれん)といい、苦味健胃薬とされる。
写真は3月に川口グリーンセンターで撮った。
学名:Jeffersonia dubia


★大陸の川辺彩る竜田草
 海を渡りて心慰め


竜田草(タツタソウ)


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馬酔木(アセビ)‘スプリングベル’2


馬酔木(アセビ)はツツジ科アセビ属の常緑低木である。
日本原産で、古くは万葉集の中にも登場する。
東北以南の山野に自生し、庭木ともされている。
花期は3~4月ころである。
濃緑色の葉が茂る枝先に壺形の白い小花を総状に多数つける。
花の色は、緑や黄色みをおびたものや桃色、赤などの園芸品種もある。
スプリングベル(Spring Bell)は、大船植物園で琉球馬酔木(リュウキュウアセビ)に赤芽、赤花の園芸品種を花粉親として交配し育成したものである。
特徴は一つ一つの小花が大きく、花穂も大きく長くつけるてボリュームがあることである。
咲き始めは爪紅(つまくれない)の桃色で、次第に白色に変化する。
花期は3~4月ころである。
写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Pieris japonica cv. Spring Bell


★咲き初めは爪紅に染まり咲く
 恥じらうようにスプリングベルは


馬酔木(アセビ)‘スプリングベル’

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鶯神楽(ウグイスカグラ)2


鶯神楽(ウグイスカグラ)はスイカズラ科スイカズラ属の落葉低木である。
日本固有種である。
北海道の南西部から九州にかけて分布し、山野に普通に生える。
樹高は150~300センチくらいになる。
全体無毛で、よく枝分かれをする。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尖っているものも丸いものもある。
葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は4~6月である。
葉の脇から長さ1~2センチの花柄を出し、筒状の淡い紅色の花を1個か2個下向きにつける。
また、6月ころには楕円形をした実が赤く熟する。
実は甘くて食用にもなる。
名の由来は、鶯が繁みの陰で岩戸神楽を舞っていると見立てたものだという。
俳句の季語は春である。
写真は3月に小石川植物園で撮った。
学名:Lonicera gracilipes var. glabra


★俯いたピンクの花がゆらゆらと
 鶯かぐら誰を待つやら


鶯神楽(ウグイスカグラ)

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豆桜(マメザクラ)2


豆桜(マメザクラ)はバラ科サクラ属の落葉低木ないし小高木である。
フォッサマグナ要素の植物で、富士山や箱根を中心とした山地に分布する。
このため別名を富士桜(フジザクラ)ともいう。
樹高は3~8メートルくらいである。
樹皮は暗い灰色で、老木には縦に粗い亀裂が入る。
葉は小形の倒卵形ないし卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は鋭く尖り、つけ根は円形ないし楔形である。
縁には鋭い重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
柄は長さが1センチくらいで軟毛が生える。
表面にも裏面にも毛が生える。
開花時期は4~6月である。
葉の展開に先立って開花する。
花の色は白ないし淡い紅色である。
一重で花径は2センチくらいである。
写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Prunus incisa


★限られた地域に生きる豆桜
 群れなし咲いて見事な姿


豆桜(マメザクラ)

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支那実桜(シナミザクラ)2


支那実桜(シナミザクラ)はバラ科サクラ属の落葉小高木である。
原産地は中国で、湖北省や湖南省などに分布する。
中国名を「桜桃」といい、実を食用にする。
別名を唐実桜(カラミザクラ)ともいう。
日本の原種との交配によって多くの園芸種が生まれている。
樹高は2~8メートルくらいである。
樹皮は灰褐色で、皮目(ひもく=樹皮にあって空気を通す部分)が点在する。
よく枝分かれをし、樹形は傘状となる。
幹からは気根(空気中に伸びる根)を出す性質がある。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉のつけ根は心形で、葉の先は鋭く尖る。
葉の縁は重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)となる。
開花時期は3月である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
枝先に散形状の花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、花径15~25ミリくらいの淡い紅色を帯びた一重の5弁花をつける。
一房には2~3輪の花がつく。
花びらは横に平らに開く。
萼片は緑色で5枚ある。
雄しべは40本くらいあり、雌しべは1本である。
実は直径15ミリくらいで、赤く熟して食用になる。
枝は硬くて美しく、細工物の原料となる。
写真は3月に小石川植物園で撮った。
学名:Cerasus pseudocerasus


★このわたし生まれ育ちはチャイニーズ
 一重の愛に肌は薄紅


支那実桜(シナミザクラ)

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早春桜(ソウシュンザクラ)2


早春桜(ソウシュンザクラ)はバラ科サクラ属の落葉低木である。
豆桜(マメザクラ:Prunus incisa)の園芸品種である。
豆桜(マメザクラ)は別名を富士桜(フジザクラ)ともいい、富士山や箱根などの山地に分布する。
名の由来は花径も小さく、樹高も低いところからきている。
一重咲きの小輪で、花径は2センチくらいである。
花びらの先が凹んでいることや、筒形の萼があることなどが特徴である。
花の色は白ないし薄紅色である。
早春桜(ソウシュンザクラ)は早咲きなのでこの名があるのだろう。
花は一重で小振りだが、写真に撮ったものは色の濃い紅色であった。
写真は3月に小石川植物園で撮った。
学名:Prunus incisa cv. Sousyunzakura


★早咲きの桜競いて花の宴
 一足早い花見の季節


早春桜(ソウシュンザクラ)

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ローズゼラニウム2


ローズゼラニウム(Rose geranium)はフウロソウ科テンジクアオイ属の常緑小低木である。
原産地は南アフリカである。
樹高は30~100センチくらいである。
葉には柄があり、深く3つに裂ける。
裂片はさらに細かく切れ込む。
葉には甘い薔薇の香りがあり、ローズティーの原料となる。
また、窓辺に置くと防虫効果があるという。
開花時期は3~6月である。
よく枝分かれをし、花径3センチくらいの淡いピンク色をした5弁花をたくさん咲かせる。
花びらのうちの2枚に濃い紅紫色の斑が入る。
和名は匂い天竺葵(ニオイテンジクアオイ)である。
写真は4月に伊豆海洋公園で撮った。
学名:Pelargonium graveolens


★どことなく花の姿が魅惑的
 名前のせいかな色のせいかな


ローズゼラニウム

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黐躑躅(モチツツジ)


黐躑躅(モチツツジ)はツツジ科ツツジ属の落葉低木である。
伊豆半島以西から四国にかけて分布し、低山や丘陵地に自生する。
樹高は1メートルくらいである。
葉も枝も花も毛深く、触るとねばねばとひっついてくる。
鳥餅のように粘ることからつけられた名前である。
開花時期は3~4月である。
花径5センチくらいの淡い紅紫色をした漏斗状の花をつける。
園芸種に大紫(オオムラサキ)、琉球躑躅(リュウキュウツツジ)、花車(ハナグルマ)などがある。
写真は2月に小石川植物園で撮った。
学名:Rhododendron macrosepalum


★身を護る術は巧みな黐躑躅
 絡めとります我が身に代えて


黐躑躅(モチツツジ)2

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