neko


         泣いてない

         フリができれば

         だいじょうぶ

         つよい心に

         なれないときも


──いつの間にか、子どもみたいに泣かなくなった。

──いつの間にか、泣いてないフリが上手になった。


大人になるってことは、少しずつ泣かない自分が増え

てゆくことだと思う。


いつもいつも、つよい気持ちでいるのは難しいけれど、

ひとまず、泣いてないフリができれば、だいじょうぶ。


平気な顔して、つよいフリして、きゅっと笑いながら。

そうして人は、きっぱりと生きることを覚えてゆく。


Photo: Foujitaさん  Perfumed Garden Annex


turu


         まっすぐに
         伝えられなくて
         だけど、くるん
         いつもあなたに
         向かっている


気持ちをまっすぐ伝えるのは、難しい。
素直になれなくて、くるんくるんと回ってしまって。
だけど心は、いつもそこに向かってる。
くるん、とあなたに伝わればいいなって思う。


Photo : poesieさん

hana


         「誰がいちばん

         かわいい?」

         べつべつに

         聞きにくるのね

         かわいい顔して


「このいえでいちばんかわいいのは、だれでしょう?」

子どもたちがまだ幼かったころ、それぞれがこっそりと

ささやきにきたのは、こんなセリフ。


そのとき、そのとき、母は同じように答えてきた。

「あなたが、いちばんよ」

まるで、重大な打ち明け話でもするみたいに──。

思いのたけ、いとおしい気持ちを込めて──。


ひとは、それがとても陳腐な質問だとわかっていても、

ときどき、聞きたくなるのだと思う。

子どもだとか、大人だとか、そういうこととは無関係に。

「あなたが、いちばん」という言葉を。


誰かにとっての「いちばん」であることは、生きていくうえ

での決定的な力になる。

「いちばん」という言葉を抱きしめてさえいれば、ひとは、

日々の暮らしを明るく、つよく、こらえてゆける。


Photo: Kazuさん



sora


  昨日は きのうの色

  今日は きょうの色

  まっさらな今日は、きょう決めた色になる


  今日は きょうの色
  明日は あしたの色
  まっしろな明日は、あした決める色になる

tukusi


          さりげなく

          いとしいものを、

          束ねてゆく。

          今日のみちで、

          このみちで。


走っているときは、見えないもの。

急いでいるときは、見えないもの。

気持ちに余裕があるときは、ちゃんと見えるもの。

まいにちの中には、そんなものたちがたくさんある。


だからときどきは、ゆっくり、のんびり歩くことも大事。

空を眺めたり、地面を確かめながら──。

寄り道したり、お喋りしたり、笑い合ったりしながら──。


いつもの道をゆっくり歩けば、ちゃんと目をこらせば、

ささやかな愛しいもの、嬉しいもの、幸せなものが、

ほんとうに、たくさんあることがわかるから。