南ア、ゼネスト再び
W杯は問題なく終わり、世界的にアフリカへの好感度はちょっと持ち上げられて、日本国内に限ってもアフリカの話を持ち出しても好意的に聞いてくれる所が多くなったような気がする。
国内最大の某大手流通グループが南アフェアの話を持ちかけたら、これまでにないいい反応を見せてくれて、それじゃちょっと仕込みましょうかと云う話になっている。
それはそれでいいのだけれど、南アからの連絡によると、またしても公務員の100万人規模の無期限ストが始まり、役所・病院などが機能停止に陥っているらしい。
ストの目的はいつもの賃上げ要求。
アフリカ各国は積極的に投資を呼び込もうとするが、労働力の質の割りには決して安くない賃金は自明のことで、南ア政府のように、ストを打たない外国労働者を積極的に呼び込み国内に二重構造を自ら作り出そうとしているのは、今後大きな問題になるのではないだろうか。
プトレマイオスの「月の山」
昨日の「バティアン(Batian)」で思い出した。
Batianというのは、ケニア山の中心の最高峰で万年雪に覆われた峰の名前で、ここは本格的にロッククライミングを習得した人でなければ挑戦できない絶壁で、一般の人で「ケニア山に登りました」というのは、このバティアン峰の麓のレナナ峰(Lenana Peak)に到達しましたと云うことを「登りました」と云う。
アフリカには万年雪をいただく高峰が3つあり、キリマンジャロ、ケニア山、そしてウガンダとコンゴ国境のルウェンゾリ山地のスタンレー峰と云うことになっている。
そのルウェンゾリは、行ってみたいと思いつつも、結局、山影すら見ることができず、今にして思えば「ああ、あの時、行っておくべきだった」と後悔の念が残る。
京都大学のサル学の研究者は50年前からルウェンゾリ山地に分け入っており、岩波新書に「ゴリラとピグミーの森」というがあり、コンゴ動乱が発生したときで、ルウェンゾリのゴリラを諦めて南のチンパンジーに研究対象を急きょ変更したりと云うのがあって、細かい記述は憶えていないけれど面白かったという記憶がある。
そのルウェンゾリ山地は、古代ギリシャのプトレマイオスが、荒涼たる砂漠からとうとうと流れ出て来て枯渇することのないナイル河の源流には、万年雪をいただいた「月の山」があると言っていて、それはルウェンゾリのことだと云われている。
そして、正確な文言はどうなのか知らないけれど、「すばらしいものは、つねにアフリカからもたらされる」と言ったのもプトレマイオスだった。
コーヒーの話
二宮書店という出版社があり、教科書・世界地図などを出している会社で、社会科の副読本で使われる統計要覧なども出している会社で、そこが出している『データブック・オブ・ザ・ワールド』というコンパクトだけれど実に楽しめる統計要覧がある。
ケニアの経済紙のWeb版 http://www.businessdailyafrica.com/ を見ていたら、ケニアで新種のコーヒーが開発され、今年末にかけてリリースされるという記事が目に付いた。
ケニアにはアラビカ種でルイル・イレブン(Ruiru11)という花形品種が脚光を浴びていたが、こんどのバティアン(Batian)というのはRuiru11よりも成長が早く、成木になると収量も病気への抵抗力もRuiru11を凌ぎ久々の期待の新種で、将来はケニアの生産量を押し上げることが期待されるのだという。
ケニアのコーヒーというのは、生豆ベースで、1978年の12万8千トンが最高記録で、その後は凋落の一方で2008年には4万2千トンまで落ち込んでいる。
一方、世界の生産はついに400万トンを超えたと云うことで、冒頭のデータブックを見たらやっぱりベトナム・インド・パプアニューギニアなどのアジアの生産量が堅実に伸びて、消費も中国に代表される新興国が伸びているというデータだった。
日本では酸味の強いケニアコーヒーはあまり好まれないけれど、品質としてはアジアモンスーンで栽培されるアラビカよりも格段にメリハリのあるいいものが生産できるのに、ちょっと残念なことだ。
ケニアではコーヒーに関わった時期もあり、国内業界の事情を詳しく知っているだけに、余計に残念でならない。