ケニア - やぶ蛇のバシール招待
先週の憲法公布式に、ダルフールの虐殺容疑で国際裁判所から逮捕状が出ているスーダンのバシール大統領がキバキ・ケニア大統領の招待を受けて参列したことについていろいろなところから批判がでているようで、国連安保理はケニアへ制裁措置を検討中らしいし、EU議会は非難声明を可決し、オバマも「Disappointed」というコメントを出した。
憲法改正の国民投票で圧倒的な支持を受けたキバキ大統領は、じゃ、公布式は盛大にやってやろうと思ったのかどうかしらないけれど、ちょっと調子にのり過ぎてはしゃいでヤブをつついてしまって蛇がでてきちゃった。
でも、国内では首相のオディンガは、「外圧」を見方につけてバシールを招待したことに遺憾の意を表しているけれど、面白いのは、AU(アフリカ・ユニオン)は、バシールを擁護し、キバキを支持している。
さすがにアフリカ・ユニオン、結束は堅い。
新憲法公布の話題が落ち着いてきて、昨日から国勢調査の結果がトップ・ニュースになっている。
昨年国勢調査が行われて、その結果が公表されたが、驚いたのはついこの前3000万人を超えたケニアの全人口は、今回4000万人近くになっており、一年で100万人づつ増加しているのだそうだ。
そして、キクユのトップは変わりないけれど、すっと2位だったルオがルイヤにもカレンジンにも抜かれて4位になっていたこと。
これも、ちょっと驚きだった。
アフリカ - 次に注視するもの
先週金曜日のケニアの新憲法公布式は順調に執り行われたようで、週末は、日本のメディアがそれをどう伝えるのかを新聞・インターネットなどでチェックしていた。
やはり予想通り、これはアフリカにとっては結構画期的なことと思っても、日本のメディアの扱いは必ずしもそうではなく、「ケニア新憲法公布」をニュースとして伝えるのではなく、この公布式典にバシル・スーダン大統領が出席したというのがニュースとなっていた。
数か月前のスーダンの総選挙で再選されたバシル大統領は、例のダルフールの紛争地で虐殺に関わったとしてICC(国際刑事裁判所)から逮捕状が出ているのに、一か月前くらいにはチャドを訪問し、そして今度はケニアを訪問し、それもコフィ・アナンはじめアフリカの他の国の元首、各国大使を招待した式典に出席させたキバキは何を考えているのだというのがニュースの要旨。
ジンバブエ政府の、10年前に始まった白人の農地摂取法とその後のゴタゴタもそうだけれど、確かに理不尽で無茶苦茶なことと思って先進国の人たちが「ケシカラン !」と言って批判したり、経済制裁までしても、アフリカ各国政府は必ずしも先進国と同様の反応は示すことはなく、理解を超えるけれどお互いにかばい合い助け合うということをする。
なかなか理解できないけれど、かれらのそう云う理解できないメンタリティがあることを承知しておくべきだろう。
で、ケニアの新憲法公布はそれなりの大きなイベントとして終了して、これからウォッチしておきたいのが南アの状況で、打ち続く公務員のストに続いて医療従事者組合もストに参加する構えを見せており、さらに、鉱業総連が今週木曜日からストに参加するというような声明を出した。
W杯の無事終了したところでの予定の行動と云うようにも見られるけれど、数日とか数週間という短いスパンではなく、ちょっと長い目で南アのウォッチし続けなければならないようだ。
ケニア: 今日、新憲法公布式典
ケニア時間の27日(金)、午前10:00時よりUhuru Parkで新憲法公布式典が開催される。
前国連事務総長のコフィ・アナンは昨日ナイロビに到着し、その他の国の元首国も式典までにナイロビ入りするとのこと。
この前大統領に再選されたルワンダのポール・カガメがケニアの新憲法公布を称賛する声明をマスコミに発表し、新憲法の内容と、これを承認したケニア国民に賛辞を送っていた。
カガメという人物もちょっとウサン臭いところがあるけれど、さすがに政治家だけにいいことを言っていた。
もうひとつ、インターネットの記事で興味を引いたのはケニアとジンバブエの対比で、2007年末の総選挙で混乱に陥ったケニアと、ほぼ同時期(1月違い)に総選挙を行ってやはり混乱に陥ったジンバブエのことを考察した記事で、一方はあのゴタゴタから抜け出しみごとな新憲法草案をつくり、それを国民投票で承認して今日の公布に導いたのに、なぜ他方はまだ草案作りにも着手出来ないのかと云うことが述べてある。
『Africa : Why Kenya has pulled ahead of Zimbabwe』
http://allafrica.com/stories/201008270014.html
日本語では「仏に魂をいれる」という言い方があるが、英語では「命を吹き込む」という言い方があり、この記事には「 breathing life into the constitutional document」という言い方をしていた。
もうひとつ、日本語には「骨抜きにする」という言い回しもあるれけど、ケニアの人たちにはこの新憲法を骨抜きにしないでしっかりと実施してほしいものだ。