Hardnutのブログ -13ページ目

パラダイムシフトの筈だったのに



四歳(よとせ)の春は過ぎ易し。

自然災害には抗うことはできず、受け入れなければならないけれど、間違いなく人災だった原発事故は、それまで漫然と許容していたことが迂闊であったと後悔の念にとらわれる。


パラダイムシフト(Paradigm Shift)とは、それまで当然と考えられていた認識や思想、価値観・常識などが革命的にもしくは劇的に変化することを言うが、まさしく、あれはパラダイムシフトとなるべきものだったのに、あれから4年を経てあたりを見回してみればまるで何事もなかったかの様に時間が過ぎていく。


オランダ人ジャーナリスト、カーレル・ファン・ヴォルフェレンが20年以上前に著した『日本 / 権力構造の謎』『人間を幸せにしない日本というシステム』でていねいに日本人の思いを代弁していたが、そんなことを言われなくても日本人はみんな知っているのに、なぜ変われないのだろうかと鬱々と思う。


権力を行使するものは、自分たちに都合よく権力を行使し、不都合は隠し説明せず、火事場泥棒のようなことを平然と行う。




ドバイ空港より 「ミッション・コンプリーテッド!!!」




先週一週間にわたり、南米パラグアイの日系農協の方々に技術指導のマネごとのようなことをし終えて、土曜日にサンパウロ乗継ドバイ経由で帰国の途についた。

サンパウロ国際空港は昨年のW-Cup、来年のオリンピックということで、以前の乱雑さは解消されつつあるようだ(上記写真)。


アメリカ乗継が嫌いだから、ちょっと飛行時間の長くなるドバイ経由のエミレーツにしているけど、1-2時間長い短いという話ではなく、南米までの約30時間の飛行時間そのものは、やっぱり長い。


とにかく長旅で往復だけで疲れてしまうけれど、パラグアイの日系農協の方々にappreciateしていただいて本望です。これもミーム継承の一部と思い、引き続き支援していきたい。


ドバイ空港にて



インスタントラーメン戦争・イン・アフリカ



パラグアイはブラジルの経済圏に属し、自動車・機械・食品などほとんどの輸入ものはブラジル産かブラジル経由で輸入される。

ブラジルには日清食品の工場があり、こんなインスタントラーメンを製造している。


上記タイトルはちょっと大袈裟で正確ではないが、「♪サッポロ一番、味噌ラァ~ァメン!」のサンヨー食品と日清食品のアフリカでの展開の対比がおもしろい。


サンヨー食品は、非上場の同族会社で、数年前に就任した新社長は積極果敢に海外展開を図り、ついに西アフリカ・ナイジェリアに100億円以上を投資して最新のインスタントラーメンの一貫生産ラインを立ち上げ、ナイジェリアとその近隣諸国への販売攻勢をかけている。


一方、一部上場で日本を代表する大手食品会社の日清食品は、東アフリカケニアで、日本の援助で35年前にできたジョモケニアッタ大学との産学協働事業として大学の施設の一部を使用して、そこに日清食品の小型生産ラインを導入して「現地人好み」の味を言うことで、商品名を「Nyama Chima」ラーメンとしたインスタントラーメンの製造販売をしている。スワヒリ語で、Nyamaは「肉」、Chomaは「焼く」。


この西と東の対比のどこがおもしろいかと云うと、当節、上場会社ということは株主の意向が会社運営に反映され、もし経営陣がなにやら失敗をやらかせば取締役は厳しく経営責任を追及されるため大勝負に出られない日本の大手企業と、自分の責任は自分がとるという民間非上場会社の対比でもあるからだ。


ここのところずぅーっとアフリカの経済発展が取り沙汰され、いまこそアフリカに投資する時だなどと威勢のいいことがずっと言われ続け、そのわりには出てくる話はBOPビジネスだったり、インクルーシブ・ビジネスなどと、アフリカでのいくつかの成功例を引き合いに出して、政府機関などが「それに続け!」とから騒ぎが続いている。


日清食品の場合も、アフリカへ投資しようと思ったのだろうが、リスクを考えてオモチャのようなプラントを、それもJICAの資金援助のひとつであるPPP(Public Private Partnership)という官民協働事業のスキムを使って資金援助を受け、また、日清食品の社内での取扱も「海外投資」ではなく、CSR、つまり企業の社会貢献の活動の一部として日清食品のホームページでも紹介している。

つまり、ケニアでの事業は失敗の可能性もあるので、株主から追及されないようはじめから投資ではなく慈善事業なのだ。


創業家の気鋭の新社長が、自前の資金で本腰を入れ、現地パートナーも世界穀物市場で急成長を続けるシンガポール本社の Olam Internationalを選んで攻勢をかけるのに対し、上場大企業のサラリーマン経営陣が国税を原資とする援助資金をもらって、チマチマとおまま事のような「アフリカ事業を展開」していると云う、この対比が面白いと思って見ている。


BRICsの一環の成長著しいブラジルなら、味の素と手を組んで積極的に海外投資ができても、アフリカはやっぱり慈善事業の対象なのだろう。