ハッピーコンピューティングのブログ -67ページ目

ハッピーコンピューティングのブログ

東京都小平市の小さなプログラミング教室のブログです。

ハッピーコンピューティングに来てくれている小学3年生の子が

雑誌の記事を元にして、ARアプリをプログラミングしました。

 

 

プログラミング環境は Scratch2.0 オフラインバージョン。

 

パソコンについているカメラから映像が取り込まれています。

その映像に、現実には存在しないネコが登場しています。

猫を叩くと画面内をぴょんぴょん逃げまわります。

 

プログラムを書いたのは生徒さんですが、遊んでいるのは私、39歳の大人です(汗)
 

ARはArgumented Realityの略。「拡張現実」と訳されたりしている技術です。

この言葉が一躍有名になったのは社会現象にもなった昨年の「ポケモンGo」です。

 

ゲームをプレイするだけでなくて、作る側にも興味を持ってもらえればいいなと思います。

「プログラミングを学ぶと論理的な思考力が養われます」というのは使い古されたキャッチフレーズです。 
実際のところ養われるかもしれないけれども
私自身、論理的な思考力が高いかどうか測ったことないし、
実際測ってみて点数が低かったら嫌だから測るつもりもない。
ということで、喧伝するのを控えてきました。
競合店と同じキャッチフレーズを使うのもシャクだし。

「論理的な思考力が養われるってホントですか?」
って訊かれたら
「そう言われてますね」とお返事する程度。
たぶん今後も私の返事は同じです。

私なりにプログラミングの魅力や、子どもたちにオススメする理由を考えると、
それは「ブラックボックスへの知的好奇心の育成」とでも言いましょうか。

「プログラミングを学ぶと、
そうか!そうなってたのか!とか、
わかったぞ!よく考えられてるな!とか、
ってことはここをこう変えたらこうなるはず!とか、
隠された構造に手を突っ込んで
知らなかったことを知る
分からなかったことが分かる
さらには自分の手で作り変えることもできるという喜びの心が育まれます」

と言う感じです。
これはとても測定しにくいもので現在の学校のテストの点数には現れにくいものです。
だけど、子どもたちの「もっと知りたい」という本能的欲求を満たすことはできる。コンピュータは人間が作り上げた、いわば「知の塊」ですから、その効果は高いのではないかと思います。

そうやって育まれた知的好奇心は
将来どのような専門分野に進んでも必要とされるものであり
根気強く学び、研究する土台になるものだと思います。

モノも情報も溢れた環境の中で
子どもたちは次から次へと消費して
与えても吸収していないのでは?というのが
現代の教育の課題なのかなと
子を持つ親としてぼんやり考えることがあります。

子どもたちは大人になるために
大人の背中を見て真似しているのだから
消費行動に駆られているのは子どもたちではなくてむしろ親
スマホ片手に情報に振り回されて
先にマスコミに飼いならされたのは大人たちでしょう。

私は技術雑誌や書籍を子どもたちに勧めますし、そういう雑誌、いわばマスコミに載っているRaspberryPiだとかAR、VR、その他新しい技術にワクワクします。
でも、踊らされて消費行動に走るのは避けたいなと思います。

WindowsがパソコンのOSとして圧倒的なシェアがあった頃
弱小のLinux界の雑誌「Linux Magazine」の記事にこんな文章がありました。おぼろげな記憶で不正確ですが。

「あなたがもし『簡単』で『便利』を求めるならばWindowsを使えばいい。これを読む必要はない。あなたがもし『自由』な『喜び』を求めるならこの記事を読んでくれ」

こんなふうな趣旨の文章で始まって、ハタチそこそこの学生だった私は胸をときめかせて読んだように記憶しています。肝心の内容を覚えていませんが(笑)

気をつけるべきキーワードは「簡単」「便利」あるいは「気軽」かな?
簡単で便利なものをお気軽に試して
使いこなせなかったり飽きたりしてポイッ。
そんな風な行動を改めたいですね。教育のためにも。