不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
今回も引き続き、不登校の繊細さについてお話をしたいと思います。
繊細過ぎる子どもは時として、自分の気持ちがわからなくなってしまうところがあります。
自分の気持ちがわからない
時に感受性の強い子どもは、強い感情に振り回されてしまうところがあります。
そのために、自分の気持ちがわからなくなります。
例えば、ペットの猫がなくなったとします。
普通の人、あるいはそこそこ感受性が強い人であれば、悲しくなって涙が出ます。
しかし、感受性が強すぎる人は、感情が強すぎるあまり、悲しいという気持ちがマヒしてしまいます。
悲しいのか、泣きたいのか、どうしたいのかがわかりません。
しばらく経って、ある日、急に泣きたい衝動に駆られて、涙が止まらなくなってしまいます。
自分の感情に気づくのに、かなりの時間を要してしまうのです。
不登校の子を何人か見てきましたが、こうした感受性が強すぎるあまり、今の自分の気持ちに気づくのにかなりのタイムラグがある子が多いのです。
自分の気持ちを伝えることができない
さて、自分の気持ちがわからないとうことは、そのまま自分の気持ちを伝えることができないということにつながっていきます。
例えば、友達から嫌なことを言われたとします。
その時に、まず「自分は嫌なことを言われて傷ついている」ということに気づくのに時間がかかります。
時間がかかるといっても、感受性が強いために心の中はかなり傷ついています。
しかし、自分は傷ついたという自覚はありません。
そして、気づかないために、相手に対して自分の気持ちが言えず、言われるがままの状態になってしまいます。
流したらいいといわれても、自分の気持ちがわからないのだから流すことなどできません。
そしてたまった気持ちが急に爆発して、「もう嫌だ」となるか、頭痛や腹痛・パニック発作など身体症状として感情が噴出してしまうのです。
特に思春期に差し掛かると、「これが嫌だ」「これがいい」という自分のOKラインというのが出てきます。
しかし、感受性が高すぎると、そのOKラインがわからないまま、傷ついてしまい、エネルギー切れを起こして学校に行けなくなってしまうという現象が出てくるのです。
大切なのは子どもの「嫌」をどう出せるように援助するか
感情というのは出しやすさに順序があります。
1) 嫌という気持ち
2) 好きという気持ち
3) こうしたいという気持ち
4) こういう風にしたいという気持ち
の順番です。
もちろん、個人差があり、子どもによっては「嫌」がなかなか出ない子どももいます。
しかし、嫌という気持ちは自分の感情を知るうえで、非常に大切な要素です。
不登校初期の子どもの多くは、この「嫌」という感情がなかなか出ない傾向にあります。
「嫌」という気持ちがどうもつかみにくい印象です。
この「嫌」という気持ちが出せるように話を聴いていくこと。
これが不登校を解決していく上で、大切なプロセスでもあるのです。
感受性が強いため、少しずつでいいので、自分の嫌や好きをを言葉に出していき、気持ちと付き合えるように育てていくことがとても重要なポイントでもあります。
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室長:田中勝悟
