不登校・ひきこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
不登校の繊細さについてお話しします。
不登校の子は人の気持ちを読むことに長けています。
気持ちを読みどころか、その人の裏の裏まで瞬時に読んでしまうのです。
そのため、非常に気疲れしてしまうのです。
芸能人には不登校経験者が多い
まず、芸能人には不登校を経験した人が多いということ。
マツコ・デラックスや指原莉乃、藤田ニコル、千原ジュニアなどなど。
女優や俳優、声優さんも不登校気質の方は結構多いです。
芸能人の仕事の特徴は明確な「答え」がないということです。
「これだけをすれば大丈夫」というのはなく、出演者のために、視聴者や見てくれる人のために、「どうすれば喜んでもらえるだろうか」というのを考えて行動をしていかないと、すぐに飽きられてしまうような世界です。
その上で、周りに合わせるだけではなく、「自分らしさ」をどう与えていくかというのも問われます。
向き不向きは当然ありますが、非常にシビアな世界で、相手の気持ちを察知する繊細さが問われる世界でもあります。
ある声優さんの卵とのお話
私は昔、不登校を経験をしたことがある声優の卵さんとお話をする機会がありました。
そこでどんな風に演技をしているのかと聞いたところ、
「そのキャラがその状況に陥って、
友達からこういう風に言われたら、
たぶんこう感じて、
こういう風に伝えたいんだけど、
でもそれだと相手がこう思うから、
こういう風に言うんだろうな
って想像して演技しています」
一瞬「???」となりましたが、話を要約すると「そのキャラの裏の裏の気持ちまで感じてしまう。読むとか想像するとかじゃなくて、そこまで自然とイメージしてしまう」とのことでした。
「そういうのって、普段の人間関係でもあるの?」と聞くと、「はい。だから、しんどくなるんです」と話してくれました。
繊細ゆえに人付き合いがしんどくなる
裏の裏まで相手の気持ちを察知してしまうために、人づきあいがしんどくなります。
要するに
「あの人は、今こういう風にいったけど、本当はこういう風に思っているだろうし、私のことをこう考えているから、あんなことをいったんだろう」
そんな風に考えながら人と接してしまうのです。
裏の裏まで考えすぎてしまうために、人との関わりの中で傷ついたり、エネルギー切れを起こしてしまうのです。
もし、なかなかイメージができなければ、一日だけでもいいです。
ずっと「この人は今どう思っているのか、どう感じているのか」と本気で考えながら過ごしてみてください。
裏の裏まで考えながら過ごしてみましょう。
できれば5人くらいの人に対して、上のように考えながら過ごしてみるといいです。
普通の人は一日どころか数時間も持たないと思います。
気疲れするし、自分の言いたいことも言えなくなります。
しかし、不登校の子は上のような感覚を常に持って過ごしています。
とてもすごいと思いませんか?
実はこうした傾向を持つ不登校や引きこもりの人は結構多いのです。
裏の裏まで読んでしまう才能をどう活かすか
裏の裏まで読んでしまうという不登校の子の繊細さは、立派な才能の一つです。
そして、社会で生きていくために、かなり必要とされているものでもあります。
100%活かすことができれば、大いに役立つことができます。
しかし、それ故に、苦しんでしまい、ちょっとしたことで悩み、立ち止まってしまいます。
この才能と上手に付き合えるようになるためには、相応の時間が必要です。
不登校になるといことは、自分の才能と付き合うための準備期間かもしれません。
そして、自分の才能を活かすためには、どこかで爆発的な行動力が必要になることもあります。
「え?なんでいきなりそんなことをするの?」
と親や周りが思ってしまうようなことをすることがあります。
それは自分の才能に向き合おうとしている彼らの試みかもしれもしれません。
そうした試みを繰り替えていくうちに、自信の繊細さと上手に付き合えるだけの強さが育ってくるんじゃないかと思います。
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室長:田中勝悟
