
札幌に、オンナ二人で行ってきました。
あれもこれも…と予定を詰め込まずに、
でも、美味しいものや綺麗な風景には出会いたい。
そんな、よくある“癒し旅”。
――のつもりだったんですが、
その中で、思いがけず、
心に深く残る場所がありました。
それが、モエレ沼公園です。
旅の2日目。
行こうと思っていたラベンダー園が、
まさかの休園。
で、急遽、行くことになったのが、
「イサム・ノグチ」の公園。
アートに詳しいわけでもない私が
名前を知ってるくらいだから、
ちょっと有名な場所なんだろうな。
そんな軽いノリで向かったのに――
行ってみたら、
あまりのスケールと静けさと美しさに、
しばらく言葉が出ませんでした。
ここが、元・ごみ処分場?
あとで知って驚いたのですが、
モエレ沼公園がある場所は、
かつてごみの埋立地だったそうです。
しかも、不法投棄も増えて、水はけも悪く、
札幌市にとっては“悩みの種”だったとか。
そんな土地の再生を託されたのが、
世界的彫刻家・イサム・ノグチ。
彼はこの荒地を見て、こう言ったそうです。
ノグチは
「人間が傷つけた土地をアートで再生する。
それは僕の仕事です。」
いやいや、
この言葉、すごいなぁ。
感動しませんか?
「地球に彫刻する」という発想
ノグチが描いたのは、ただの公園ではなく、
“地球に彫刻する”というコンセプト
山を造り、
ガラスのピラミッドを建て、
巨大な噴水をデザインし、
ちょうどショーの時間
風景そのものをアートとして創りあげたのです。
しかし、
その構想を描いた翌年にノグチは逝去。
(1988年:設計、1989年:死去)
それでも札幌市と建築家たちは、彼の理念を引き継ぎ、
・1998年に一部開園
・2005年にグランドオープン。
かつて悪臭の漂っていた場所が、
多くの人の手によって、
生まれ変わったわけです。
帰りのタクシーで、じんとした話
帰り道、タクシーの運転手さんに
聞いてみたんです。
「地元の方も行かれるんですか?」と。
すると、
「あそこは、我々みんながよく思ってるんですよ」
その言葉に、胸がじんとしました。
ごみ処分場 → 公園 → アート × 自然 × 市民の誇り
*ガラスのピラミッドからの風景
今日書いたこと経緯は、
帰宅してから調べて知ったことばかり。
あの場で感じた“静かな圧倒”は、
間違いなく本物だった!
大人になると、
こういうヒストリーに感動するよね。
季節を変えて、また訪れてみたい。
そんな場所が、またひとつ増えました。
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