

脳卒中・脳梗塞ランキング
まとめ6の続きです。
⭕まとめ−7‐1
麻痺側が動き始めた初期の考察と脳内地図の考察‐1
ビューティローラーは本来は美容機器ですので、電気でモーターを動かして木製のローラーを回転させています。この繰り返しの強烈で受動的な機械的刺激が骨格筋を強制的に動かしています。
一方、人間の身体では、脳からの微弱な電気信号が錐体路(皮質脊髄路)を通り錐体外路との共同で骨格筋を動かしています。
要は、ビューティローラーも電気信号(受動的)で筋肉を動かしていますし、人間の身体も脳からも電気信号(能動的)で筋肉を動かしています。
受動的・能動的の違いはあるものの電気で筋肉を動かし動かされて筋肉ポンプが稼働していることになります。
しかし、ビューティローラーの電気信号は大きく強いですが、
一方、麻痺側の手足が動き始める時の脳からの電気信号の指令は小さく弱いです。
参考図→筋肉線維と神経の関係−酒井医療株式会社
どちらも、結果的に強制的・受動的に筋肉を動かす刺激が効を成しています。
脳から運動指令が麻痺側の手足に伝わり動き始めるた時の運動指令の電気信号は小さく弱いので、動かせられる手足の筋肉の収縮も充分ではありません。
参考図→看護roo・カンゴルー
参考→私の考える脳の可塑性−8
Ⅷ(ビューティローラー使用による経験から・筋肉と神経の関係)
https://ameblo.jp/hapikuni/entry-12842119310.html
私は、次第に麻痺側の手足が動き始めると、痙縮が減少して、拘縮が運動障害の一番の原因になって行くと考えていますが、
麻痺側の手足の動き出す始めの時は、脳からの運動指令の電気信号が小さく弱いの麻痺側の手足の筋肉を収縮させる事が充分でない時ですから、
この時期に反復動作訓練や歩行訓練をして、筋肉を無理に動して筋肉が疲労するまで実施すると、
直ぐに心拍数が上がり無酸素運動になってしまいます。
詳しく説明すると、
有酸素運動時のエネルギー源は、
① 体内に貯蔵されている多糖類のグリコーゲン→
② 体脂肪→
③ 筋肉の成分(=糖質→脂質→タンパク質)
とエネルギー源が変化する運動となります。
これは理想的な運動とも言えます。
一方、麻痺側の手足が動き始める時に
反復動作訓練や歩行訓練を実施すると
運動神経の電気信号は小さく弱く麻痺側の手足の筋肉の収縮も小さく弱いために心拍数が上がってしまい無酸素運動になります。
すると直ぐに
① 筋肉の成分(=糖質→脂質→タンパク質) が使われて、
筋肉に蓄えられている糖質の一種である筋グリコーゲンが分解して、筋肉のエネルギー=ATP(アデノシン三リン酸)を使用します。
しかし、筋グリコーゲン(糖)の分解時には乳酸も同時につくられます。
この乳酸の生成過程で水素イオンが作られるために、元々中性である筋肉が酸性に傾いて筋肉が硬くなり筋肉が疲労します。要は筋肉疲労の原因は乳酸ではなく、筋肉が酸性になるのが原因で、
酸性化は
無酸素運動≫有酸素運動です。
(有酸素運動でもやり過ぎると筋肉が疲労して硬くなります。)
筋肉が疲労して酸性化して硬くなる原因は、
① エネルギー源である筋グリコーゲン(糖)の蓄えが少なくなることで収縮出来なくなる→筋肉が収縮する時には、アクチンがミオシンと結合して動きますが、この時にATPを必要とします。このATPが不足する=筋肉のエネルギーが不足して硬くなる
② 水素イオンの蓄積により筋肉が酸性に傾き、筋肉の収縮力が抑制され能力を低下させてしまう=筋肉の収縮能力が低下して硬くなる
③ 筋収縮は筋小胞体からカルシウムイオンが放出することで起こりますが、ATPやクレアチンリン酸(ATPの代わりに骨格筋ででき、速効のエネルギー源となる物質)が分解されてできるリン酸がカルシウムイオンの放出を阻害して筋収縮が行いにくくなること=筋肉の収縮をリン酸が邪魔をして硬くなる
つまり、
① 筋肉のエネルギーが不足して硬くなる
② 筋肉の収縮能力が低下して硬くなる
③ 筋肉の収縮をリン酸が邪魔をして硬くなる
以上です。
参考→脳卒中(脳出血・脳梗塞)と有酸素運動・無酸素運動‐1+2
https://ameblo.jp/hapikuni/entry-12860942876.html
https://ameblo.jp/hapikuni/entry-12860942981.html
繰り返しますが、麻痺側の手足の動き出す始めの時は、脳からの運動指令の電気信号が弱く小さくて麻痺側の手足の筋肉を収縮させる事が充分でない時ですから、
特に、この時に
筋肉を無理に動かすと筋肉が疲労して、筋肉は硬くなって更に短縮化して、拘縮が悪化してしまう事があると思われます。(リハビリによる回復の停滞=リハビリの壁)
例えれば、
運動神経も手足の筋肉の発達も不十分である赤ちゃんに筋トレをさせるようなものです。
リハビリを実施する際には、麻痺側の手足が動き始めても能力以上の運動をさせないことが重要です。
動き始めると嬉しいさの余り無理に動かしてしまうという罠に陥って、筋肉が疲労して硬くなり、思うように完全回復に繋がらないのというのが現状ではないでしょうか?
反復動作訓練により、脳からの運動指令の電気信号は次第に太く強くなって行く効果はありますが、
(=現行のリハビリ・しかし原因に対する治療ではない)
その前に筋肉を徹底的に解し柔らかくして麻痺側の手足が動き易い環境にする事が重要で脳の可塑性を引き出すと考えています。
ある程度最初から麻痺側の手足が動く軽度〜中程度の脳卒中経験者であれば完全回復は可能かも知れませんが、
脳卒中発症時から麻痺側の手足が全く動かない完全麻痺の経験者には、私が使用しているスポーツジムにあるビューティローラーの利用を強くお勧めします。
ビューティローラーの繰り返しで受動的で強烈な刺激は深部まで届きます。
よって姿勢維持に重要なインナーマッスルまで筋肉を解し柔らかくすることが可能です。
⭕️追加(2024年11/23)→
このブログの内容は難しいとのご指摘を受けましたので、今回のブログの内容を簡単に説明します。
麻痺して動けなくなった麻痺側の手足が動き始めた時には、無理をしてはいけないということです。
例えれば「神経機能も筋肉も未熟な赤ちゃんに筋トレをやらせるようなもの」という内容です。