「しっかりやっといて」
「いい感じにやっておいて」
「いつものようにやればいい」

 

もしあなたが部下の立場だったら、
こんな言葉を上司からかけられて、
本当に“いい仕事”ができるでしょうか。

 

前回は、役割を決めることが、
部下が動き始めるための「土台」になる、という話をしました。

 

 

今回はその続きです。


役割の次に大切なのは、
「やることの言語化」と「認識の確認」。

 

悩める加藤職長と、
自戒を込めて語る吉田部長との対話を通して、
現場で起きがちな“行き違い”の正体を見ていきましょう。

■ やることが、言語化されていますか?

 

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吉田部長
加藤職長、作業員それぞれの役割を決めて、
職場の様子はどうかな?

 

加藤職長
みんな活き活きしていて、いい感じになっていると思います。

 

吉田部長
それはいいね。
じゃあ、リーダーとして次に何をするといいと思う?

 

加藤職長
えっ、次ですか?(汗)
役割は決めたので、
あとは勝手にやってくれるんじゃないでしょうか。

 

吉田部長
作業員は、「自分は何をするのか」
ちゃんとイメージできているかな?

 

加藤職長
……できていると思うんですが。

 

吉田部長
やっぱり最初は、言葉にして“具体的に”伝えていこう。

「役割があるから大丈夫」と思っていると、


つい、

「いい感じにやっておいて」
「いつものようにやっておいて」

こんな指示になりがちなんだ。

 

そうすると、解釈のズレが起きやすくなるし、
「まあ、これくらいでいいか」という
手抜き作業にもつながりやすい。


結果として、災害のリスクも高くなる。

 

加藤職長
……言っているかもしれません(汗)。

■ 5W1H+「条件」を意識する

 

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吉田部長
正直でいいね(笑)。

まずは、こんな点を意識して伝えてみよう。

 

何のためにやるのか(Why)
いつまでにやるのか(When)
何を・どんな風にやるのか(What・How)
誰と・どこでやるのか(Who・Where)
そして、どんな条件(状況)なのか

 

つまり、5W1H+条件だね。

 

加藤職長
え、そこまで詳しく、ですか?
正直、ちょっと面倒ですね……。

 

吉田部長
じゃあ、加藤職長が逆の立場だったらどう思う?

完璧じゃなくていい。
大事なのは、作業員が「今日の動き」をイメージできることだよ。

 

加藤職長
なるほど……それならできそうです。
あとは、作業員に確認していけばいいんですね。

■ 期待を言葉にして、共有する

 

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吉田部長
そうだね。
そのときにもう一つ大事なのが、
上司として何を期待しているのかを言葉にすることだ。

 

例えば、こんな伝え方はどうかな。

「時間がギリギリかもしれないな。
そこはクリアしてほしい。〇〇さんならできると思う。

 

でも、無理はしなくていい。
難しそうだったら、すぐ報告して。手伝うから」

 

こう伝えておくと、
作業員は“安心して”動けるようになる。

 

加藤職長
作業内容だけじゃなくて、
自分が何を期待しているのかも伝えるんですね。

 

吉田部長
そうそう。
ただ「期待しているよ」だけだと、
何を期待されているのか分からなくて不安になることもある。

そこから誤解も生まれやすい。

 

だから、
「作業の内容」と「期待」をどう受け取ったか、
一度、確認してみよう。

 

加藤職長
……それ、できていませんでした。
認識がズレたままだと、
違う行動になってしまいますね。

 

吉田部長
だから、こんなふうに聞いてみるといい。

「今日の作業のポイントは、何かな?」

 

もしズレていたら、
「そうか、私の伝え方が悪かったね」
そう言って、相手を責めずに、
認識を合わせる対話を重ねていくんだ。

 

加藤職長
認識を合わせる……。
それができていなかったから、行き違いが起きていたんですね。
やってみます。

■ 今回の問い

「作業員(社員)は、上司の言葉をどう受け止めているでしょうか?」

 

相手の“認識”に、
きちんと目を向けていきましょう。

 

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休憩時間に「何を飲もうか?」こんなシーンになればいいですね。

 

次回もお楽しみに。

 

著書の紹介です。