こんにちは。
人と組織を咲かせる人財育成コーチ
吉田裕児です。
12月もあと少しですね。
先週は、夫婦で少し早めの忘年会を兼ねて、
奈良の世界遺産を巡ってきました。
朝の静かな空気の中で、
飛鳥・奈良時代に思いを馳せる時間となりました。
「旅は、心を整える時間」
かもしれませんね。
今週も心を整えて、
誰かの花を一緒に咲かせていきましょう。
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今週の名言は、
君がつまずいてしまったことに興味はない。
そこから立ち上がることに関心があるのだ。
‐エイブラハム・リンカーン‐
つまずいた瞬間より
立ち止まり、向き合う時間が
人を育てる
責める声を手放したとき
未来への一歩が始まる
そんな思いで物語を書いてみました。
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ちゃんと指示は出している。
手順も伝えている。
それでも、なぜ災害やトラブルは起きてしまうのでしょうか。
前回は、現場リーダーを育てることが、会社の未来をつくる、
という視点から物語が始まりました。
今回のテーマは、
災害(トラブル)の本当の原因はどこにあるのか。
そして、経営者・幹部が現場リーダーにどんな関わりをすれば、
現場はグッドサイクル(組織の成功循環モデル)に変わっていくのかということです。
ある日、現場で墜落(高いところから落ちる)災害が起こりました。
作業員は大けがを負い、休業は4日以上。
事故のショックと責任の重さに、若手の加藤職長は深く落ち込みます。
会社の上司である吉田部長に、相談を持ちかけました。
もし、あなたが吉田部長だったら、
この場面でどんな関わり方をするでしょうか。
加藤職長
災害を起こしてしまいました。
あいつが、ちゃんと手順通りにやってくれれば……。
吉田部長
相当混乱しているようだね。
誰かを責めるのは後でいい。
まずは一緒に、本当の原因を考えてみよう。
加藤職長は、何が原因だと思う?
加藤職長
作業員には、ちゃんと指示を出していました。
それなのに、どうして手順を省いたのか……。
吉田部長
そうか。
作業員が手順を守らなかったと感じているんだね。
では、なぜ守らなかったと思う?
加藤職長
正直、わかりません。
本人の不注意じゃないかと……。
吉田部長
では、ひとつ聞いてもいいかな。
もし、加藤職長が作業員の立場だったら、
その指示をどう受け取るだろう?
加藤職長
えっ……私が作業員だったら、ですか。
(少し考え込む)
吉田部長
指示を出したときの場面を、もう一度思い出してみよう。
加藤職長
……そういえば、私も焦っていました。
とにかく今日中に終わらせてくれ、と
強く念を押した気がします。
吉田部長
もし、その言葉を自分が受け取ったら、どう感じる?
加藤職長
今日中に終わらせることが一番大事だ、
そう受け取ったかもしれません。
それに、私も忙しそうにしていて、
終わらない、難しいとは言いづらかったかもしれません。
吉田部長
そうだとすると、
今回の災害は作業員だけの問題だっただろうか。
加藤職長
自分では、ちゃんと指示を出したつもりでした。
でも実際には、焦りを生む指示と、
相談しづらい空気をつくっていたのかもしれません。
吉田部長
ここで気づいてほしいのは、
災害の原因は本人の不注意だけではないということだ。
不注意を招く、
職長と作業員の関係性。
そして、指示の伝え方。
そこにも目を向けてほしい。
現場ではよく、
ちゃんと言えば伝わる。
できないなら聞いてくればいい。
そう考えがちだ。
しかし実際には、
焦りを与える言葉、
相談しづらい雰囲気、
忙しさが生む無言の圧力。
こうした見えない要因が重なり、
作業員は手順を省略する選択をしてしまうことがある。
加藤職長
私は結果を出すことばかり考えて、
作業員のことを考えずに指示を出していたのかもしれません。
自分のことしか見えていない職長でした。
吉田部長
そこに気づけたなら、大丈夫。
これから一緒に、関係性の築き方と伝え方を考えていこう。
吉田部長がしているのは、
教え込むことでも、叱ることでもありません。
一緒に立ち止まり、問いを投げかけ、
気づきを引き出しながら伴走する関わりです。
現場リーダーを責めるのではなく、
現場リーダーと一緒に、
本当の問題は何かを考えていく。
その関わりがあるからこそ、
現場リーダーもまた、
作業員を責めるのではなく、
一緒に問題を考える存在へと変わっていきます。
■あなたへの問い
「その指示は、どう受け取られているでしょうか。」
指示は出している。
ルールも決めている。
それでもトラブルが起きるとき、
一度立ち止まって考えてみてください。
次回は、
加藤職長が作業員との良好な関係性を築き、
伝わる指示ができるようになる物語をお伝えします。
どうぞお楽しみに。
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