少し間が空いてしまいましたが…
前回、前々回と福島県にある日本三大磨崖仏のひとつ、
大悲山の石仏をご紹介していました。
詳しくはこちらからどうぞ↓
風化が進んでいるのが残念ではあるものの、
さすがに『日本三大』と言われるだけあり、
規模が大きい素晴らしい石仏群といった印象でした。
しかしいくら素晴らしい石仏群であっても、
大悲山の石仏を参拝するために南相馬に行くのは
ややハードル高めかな、と思うわけです。
そこで石仏、大仏好きの皆さまにおすすめしたいのが、
大悲山の石仏から約30キロ、車で40分ほどの場所にある百尺観音です。
30キロという時点で感覚が麻痺していると思われるかもしれません。
30キロは東京⇔横浜間の距離ぐらいです。
ですが東北を移動する距離感覚において、30キロはとても近い。
ここまで来たなら、そこも寄っとけ感覚です。
ということで、
大悲山の石仏まで来たなら百尺観音にも寄っとけ。
な、百尺観音に行ってきました。
ここで言う百尺観音とは福島県相馬市にある、
正式名称 百尺聖観世音尊像のこと。
拙著『夢みる巨大仏 東日本の大仏たち』に掲載させていただき、
このブログでは2017年に力一杯応援もしています。
上のブログを読んでいただければわかるのですが、
百尺観音は1931(昭和6)年に建設がはじまり、
八十八尺(約26メートル)で建設が止まり現在にいたる、
未完の磨崖仏です。
なのでまだ百尺観音ではない八十八尺観音ですね、正確に言えば。
それでも大変立派なものです。
わかりづらいと思いますが、上の写真に人が4人…かな、写っています。
人の大きさから観音さまの大きさが想像できると思います。
↑腰から下が未完の部分。
この観音さまは個人の方がつくり、個人の方が管理しています。
1931(昭和6)年に地元の仏師、荒嘉明氏が彫り進めるも、完成を見ず他界。
それを引き継いだ二代目がモルタルで表面を固めるなどし、
三代目、そして現在の四代目に未完のまま引き継がれました。
東日本大震災により手の部分が落下するなどの損傷を受け、
クラウドファンディングを行い一部修復されたと聞いていたのですが…
左が2017年に参拝したときの写真。
右が今年2024年の写真。
正直、その差がよくわかりません。
ちょっと奇麗になったかな…?
と思うので、新たに掘り進められたとかではなく、
表面の補修を行ったのかもしれません。
売店にいらっしゃった方にお話をお聞きすると、
「途中まで着手したところで資金が尽きてしまった」
とのことでした。
宗教法人ではなく、行政の管理下にもない個人が、
このような巨大な仏像を維持していくのがいかに困難か…
ということがわかります。
なんとか維持存続していただきたいと思っていますので、
大変微力ではございますが、こちらで応援させていただきたく、
再度ブログを書きました。
現在クラウドファンディングを行っているという情報はありませんが、
気にかけていれば、何か動きがあった際に協力できると思います。
現地に行ける方はぜひ、大悲山の石仏とともに参拝してみてください。
どちらも石仏、大仏好きの方には必見!
それぞれ違った迫力があります。