開運童子のブログ -16ページ目

雨のあとに虹・Part2 その50

「国分さん。」

変装をした三田が言うと

「そんな服装でいると不自然で逆に目立つぞ。」

国分は言った。

「この服装の方がオタクみたいでごまかせるはずです。」

三田が言うと人通りが多い交差点を歩く人たちがふたりを避けている。

「用件はなんだ。」

国分が言うと

「僕の方はきちんと約束を果たしましたよ。」

三田は言った。

「あれでは失敗したようなものだぞ。」

国分が言うと

「国分さんも約束を果たしてくださいよ。」

三田は言った。

「北京五輪までを待っていれば楽しいショーが見られるさ。」

国分が言うと

「期待していますよ。」

三田は言った

 

「どうぞ!」

珈琲を置いて陽子が言うと

「ありがとう。」

俊之は言った。珈琲を飲んでから書類に捺印を押す俊之を陽子はじっと見ていた。社長室での俊之は書類に目を通して取引先と打合せをして恵子や立花に支持を出して報告を受けるのが日課である。広い社長室でゆったりした時間が流れているようでも効率よく仕事をこなす俊之はパソコンの画面を見ながら頭は物凄いスピードで回転していた。静寂を破って内線電話が鳴ると陽子が素早く受話器を取った。
「メガビューティの神宮社長からお電話です。」

陽子が言うと

「高村です。」

俊之は頷くとすぐに受話器を取って言った。

「突然だけど明日の夜の予定は如何ですか?」

さよ子が言うと

「明日の夜でしたら空いていますよ。」

俊之は手帳を見て言った。

「ゆっくり食事でもしませんか?」

さよ子が言うと

「僕は構いませんよ。」

俊之は短く言った。

「それなら予定を空けておいてください。」

さよ子は言った。

「空けておきます。

俊之が言うとさよ子はすでに電話を切っていたようであり機械的な音が俊之の耳に響いているだけであった。俊之は黙って受話器を置くと

「何かあったのですか?」

陽子は心配して言った。

「僕と食事がしたいそうだよ。」

俊之は言った。

「神宮社長が珍しい事もありますね?」

陽子が言うと

「神宮社長は男嫌いだったよね?」

俊之は言った。

「そのはずですよ。」

陽子が言うと

「その事はあまり考えないようにしよう。」

俊之は言った。

 

「育子さんには今日でしばらくはお会いできないですね。」

立花は総武スポーツププラザのポスターを取り終えた育子に言った。

「そんなに大げさに考えなくてもいいですよ。」

育子が言うと

「五輪の合宿も近いですからあまり無理をしないでください。」

立花は言った。

「北京では平常心で戦う事がメダルに繋がるはずです。」

育子が言うと

「凄い精神力ですね。」

立花は驚いたように言った。

「自分の卓球が出来れば結果は黙ってついてきてくれますよ。」

育子が言うと

「そのように考えられれば恐いものなしですよ。」

立花は言った。

「北京五輪は世界のトップレベルの選手が集まるから気を引き締めないとすぐに負けてしまいますよ。」

育子が言うと

「総武はメインスポンサーとして全面的にバックアップさせていただきますよ。」

立花は言った。

「ありがとうございます。」

育子が言うと

「私も社長たちと一緒に北京まで応援に行きますよ。」

立花は言った。

「みんなで北京に来て仕事は大丈夫ですか?」

育子が言うと

「大丈夫ですよ。」

立花は言った。

「仕事に支障が出ませんか?」

育子が言うと

「それも仕事の一環ですから社員全員で役割分担しますよ。」

立花は笑顔で言った。

雨のあとに虹・Part2 その49

「警部。」

菊池が困ったような表情で桜田に言った。

「どうかしましたか?」

桜田は珈琲を飲みながら冷静な顔で言った。

「高村さんの周辺で困った事が起こりましたよ。」

菊池が言うと

「矢島建設の社長の事ですか?」

桜田は言った。

「その矢島正一が交通事故を起こしましたよ。」

菊池が言うと

「それなら担当は刑事課ではなくて交通課だよ。」

桜田は言った。

「実は捜査一課が担当する事になって交通課から引継ぎを受ける事になりました。」

菊池が言うと

「これ事故ではなかったという事ですね?」

桜田は確認するように言った。

「その通りだよ。」

岸田が部屋に入って来て言うと

「官房長。」

桜田は岸田に言った。

「矢島さんの車に細工がしてあってブレーキが利かなかったそうだよ。」

岸田は言った。

「矢島さんに恨みを持つ誰かがやっと考えるのが自然ですね。」

桜田が言うと

「君ならかやるなと言ってもかってに捜査するだろうからね。」

岸田は言った。

「官房長には敵わないですね。」

桜田が言うと

「最初から君がやりやすいようにしたよ。」

岸田は言った。

「今回はどうして官房長が直接ご指示なさるのしょうか?」

桜田が言うと

「増田が約束を実行に移してくれなくてね。」

岸田は微笑みながら言った。

「それはどういうことですか?」

それまで黙っていた菊池が言うと

「私も高村俊之さんに会いたくなってきたからね。」

岸田は言った。

「高村さんは犯人ではありませんよ。」

菊池が言うと

「あの増田が一目置く男はどんな人物か見てみたくなったよ。」

岸田は静かに言った。

「育子さんの北京五輪の壮行会も兼ねてみなさんもご歓談ください。」

春香が言うとそれぞれ思い思いに話を始めていた。

「1年前の高村さんでは想像が出来ないほど運気を上げたね。」

天門が俊之に言うと育子や久美子は翔太や矢島と話をしていた。

「先生のアドバイスのおかげでここまで来る事が出来ました。」

俊之が言うと

「高村さんの努力があったからだよ。」

天門は言った。

「先日はお世話になりました。」

泰子が遠慮しながら言うと

「大事に至らずによかったね。」

俊之は言った。

「私みたいな者がこのような素敵なパーティに来てよかったのですか?」

泰子が言うと

「僕たちはみんな友達で仲間だよ。」

俊之は言った。

「ありがとうございます。」

泰子が言うと

「何も遠慮は要らないからね。」

俊之は言った。

「僕みたいなのを仲間にしてくれて嬉しいです。」

待っていたように関口が言うと

「僕の方こそ関口さんにはお世話になってばかりでお返しが出来ていないね。」

俊之は言った。

「当社に何か用ですか?」

立花が国分を見かけて言った。

「別に用はないよ。」

国分は立花に言った。

「川嶋は社長の高村と一緒に外出をしています。」

立花が言うと

「そうですか?」

国分は言った。

「弊社の玄関前を歩き回られては困りますので遠慮してもらえますか?」

立花は国分を睨みつけていったのであった。

「そうでしたか?」

矢島建設の社長室で早苗は微笑んで電話の向こにいる俊之に言った。

「そういう理由ですので矢島を叱らないでください。」

俊之が言うと

「それなら最初から私に言えばいいのよ。」

早苗は言った。

「早苗さんにですか?」

俊之が言うと

「私も病院を抜け出す協力をしたかったのに残念ね。」

早苗は言った。

「さすが早苗さんですね。」

俊之が言うと

「病院を抜け出すのなら私ひとりでやってみせるわよ。」

早苗は言った。

「早苗さんの言葉をあとで矢島に言っておきますよ。」

俊之は微笑んで言った。

雨のあとに虹・Part2 その48

「天門先生。」

春香が天門の姿を見かけると言った。

「白仁さん。」

天門は笑顔になって言った。

「天門先生とお会いするのは空港でお目にかかって以来ですね。」

春香が言うと

「そんなにお会いしていませんでしたか?」

天門は言った。

「あれから4ヶ月ですものね。」

春香が言うと

「空港の帰りにもこの赤坂総武ホテルで食事をしましたね。」

天門は言った。

「今日あの日と同じ高村さんが主役ですよ。」

春香が言うと

「高村さんは思ったより早く出世したね。」

天門は嬉しそうに言った。

「春香さん。」

育子が言うと

「天門先生。」

久美子が言った。

「これから楽しいサプライズがあるわよ。」

春香が言うと

「私も待ち遠しいですよ。」

天門が言った。

「本当に大丈夫ですか?」

翔太が言うと

「心配はいらないよ。」

松葉杖を使って腕や脚にもギブスをはめている矢島が言った。

「無理しないでください。」

泰子は言った。

「僕が先に行ってドアを開けますよ。」

関口が心配して言った。

「大丈夫だよ。」

矢島は笑顔で言うと矢島の目に春香と天門に久美子と育子が映っていたのである。

「こちらです。」

陽子が言うと

「この場所は以前に来た部屋だよね?」

俊之は言った。

「空港のあとに使用した部屋のようですね。」

陽子は意味ありそうな微笑みを浮かべて言った。

「川嶋さんもこういう時に冗談を言わなくてもいいのにね。」

俊之が言うと

「間に合ってよかった。」

直子が言うと声が俊之にも聞こえたのである。

「久保田さんみだいですね。」

陽子が言った。

「直子さんも一緒だと春香さんの案件なのかな?」

俊之は言った。

「こちらのドアから入りましょう。」

陽子が言ってドアを開けた。

「これは凄いね。」

俊之は部屋に入ると言ったのであるがすぐには次の言葉が出なかったのである。育子が真ん中に座っていてその隣の席は空いていた。その席を囲んで久美子に翔太に天門に関口に直子が立っていた。それだけではなく矢島までが泰子に支えられて立っていたのである。俊之はこの部屋にいる全員があらたまった服装をしている事に気づいていたのであった。

「驚いたでしょう?」

俊之の傍に来ていた春香が言った。

「みんな集まってどうしたの?」

俊之が言うと

「今日は社長と育子さんのお誕生日ですよね?」

陽子は微笑んだまま言った。

「今日はみんなにサプライズされましたよ。」

育子が言うと

「お誕生日おめでとう。」

久美子は言った。

「昼間で仕事忠なのにありがとう。」

俊之が言うと

「高村はもっと感激してくれないと困るな。」

矢島は言った。

「矢島さんは病院を抜け出して来てくれましたからね。」

翔太が言うと

「今頃は奥さんも驚いている頃ですね。」

泰子は言った。

「今日はこの時間から開始するのが運気向上だからね。」

天門が言うと

「私が特別に天門先生に診ていただいたのですよ。」

春香は言った。

「おめでとうございます。」

関口が俊之の前に来て言うと俊之は笑顔になった。