雨のあとに虹・Part2 その52
「それでは我々はこれで失礼いたします。」
菊池が言うと
「これも警察の仕事ですからご理解ください。」
桜田は言った。
「仕事だから仕方がないですよ。」
矢島が言うと
「矢島さんの自動車に細工をした人を必ず捕まえてください。」
久美子は言った。
「我々が必ず捕まえますからご安心ください。」
桜田が言うと
「お疲れ様でした。」
早苗は言った。
「ご協力ありがとうございました。」
桜田が言うと菊池も会釈をして病室を出て行ったのである。
「本当に自動車に細工をされていたのですか?」
久美子が言うと
「あの刑事が言うのだから間違いないと思うよ。」
矢島は言った。
「矢島さんは人に恨まれるような人ではありませんよ。」
久美子が言うと
「それは解りませんよ。」
早苗は冗談混じりに言った。
「お前は相変わらずきつい事をいうな。」
矢島が言うと
「あなたは若い頃から羽目をはずしていましたからね。」
早苗は言った。
「言われてみればそうだな。」
矢島が納得したように言うと
「建設会社の社長ともなれば気の荒い社員も相手にて恨みを買うかもしませんね?」
早苗が言うと
「矢島さんは大変なお立場ですね。」
久美子は言った。
「お立場と言うほど上品なものではないよ。」
矢島が言うと
「高村さんのような気品が無いからだめなのよ。」
早苗は言った。
「その代わりに言う事を聞かない奴は腕の関節を外してやっつけてやるよ。」
矢島が言うと
「腕の関節を外すのですか?」
久美子は驚いて言った。
「今では俺の得意技になっているよ。」
矢島が言うと
「最近は誰かの間接を外さなかったですか?」
久美子は矢島に言った。
「あれから半年近くも経ったとは時間が流れるのは早いね。」
俊之が言うと
「この半年間はいろいろあったよ。」
千晴は言った。
「純一くんは残念な結果になったね。」
俊之が言うと
「それはお父さんの自業自得だから仕方がないよ。」
千晴は言った。
「純一くんもかなり追いつめられていたようだね。」
俊之が言うと
「どんな理由があっても脅迫をしてはいけないよ。」
千晴は言った。
「脅迫は犯罪だからやってはいけない事だよ。」
俊之が言うと
「叔父さんの婚約者だった女性が転落した状況が映っているビデオを警察に見せればいいのに脅迫をするから殺されたのよ。」
千晴が表情を少しだけ顔に出して言った。
「そのビデオは翔ちゃんがうまく処理してくれたよ。」
俊之が言うと
「あのイケメンのお兄さんの事ね。」
千晴は言った。
「翔ちゃんは元警察の特殊部隊SITに所属していたから力になってくれて感謝しているよ。」
俊之が言うと
「叔父さんの婚約者だった女性は事故死だったのでしょう?」
千晴は言った。
「警察もそれで処理をしているけど一部の刑事さんは今でも事件だと信じているらしいよ?」
俊之が言うと
「叔父さんもこれからは変な事件に巻き込まれないように注意してね。」
千晴は言った。
「僕には翔ちゃんたちがいるから大丈夫だよ。」
俊之が言うと
「それなら安心だね。」
千晴は言った。
雨のあとに虹・Part2 その51
「こんにちは。」
久美子は病室のドアを開けて言うと矢島は起き上がって桜田と菊池に話をしていた。
「こんにちは。」
桜田が言うと
「失礼しています。」
菊池も言った。
「忙しいのに病院に来てもらってすまないね。」
矢島が言うと
「私がいてお邪魔ではないですか?」
久美子は言った。
「遠慮しなくていいよ。」
矢島が言うと
「矢島さんに確認をしていただいたところですから大丈夫ですよ。」
桜田は机においてあった写真を久美子に見せるようにして優しく言った。
「この男が俺の車に細工をした可能性が高いらしいよ?」
矢島は言った。
「細工をしたのはこの人ですか?」
久美子が言うと
「現段階では断定は出来ませんが可能性が強いとだけ申し上げておきます。」
桜田は言った。
「この人はサッカーの三田選手ですね?」
久美子が言うと
「彼の立場が立場ですので我々も慎重に捜査を進めているわけです。」
桜田は言った。
「俺はこの男に会った事がないから変な気分だな。」
矢島が言うと
「矢島さんは三田と面識がのであればどうして被害に会われたのか動機がありませんね。」
菊池が言うと
「育子さんと私は三田選手に面識がありますよ。」
久美子が言うと
「そうですか。」
菊池は驚いて久美子の目を見て言った。
「まさかあなたが恨みを買う可能性は少ないと思いますよ。」
桜田は言った。
「意外と恨まれているかもしれないですよ。」
久美子が言うと
「もっと詳しく話を聞かせてももらえないでしょうか?」
桜田は言った。
「はい。」
久美子が言うと
「みなさんお昼でもどうですか?」
早苗が病室に入って来て言ったのである。
「1時間で戻って来るよ。」
俊之が言うと
「田中さんを呼びましょうか?」
陽子は言った。
「歩いて行くから大丈夫だよ。」
俊之は言うと社長室のドアを開けた。
「行ってらっしゃい。」
陽子が言うと俊之は廊下をエレベーターホールに向かって歩いていた。静かな廊下を俊之が歩くとこの会社の主に対して静かな時間が少しだけ流れて俊之はすぐにエレベーターの前に立った。すぐにエレベーターのドアが開くと俊之は中に入るとすぐにドアが閉まりエレベーターは静かに降下して行ったのである。
石井千晴は喫茶店の席に座ると少しだけ緊張感を覚えたのである。久しぶりに叔父の俊之に会える事を思うと嬉しさの半面に緊張感を隠せなかったのであった。千晴が時計を見るとまだ約束の時間までには10分ほどの余裕があった。千晴はオレンジジュースを口に持っていくとストローで少しだけ口に入れた時に喫茶店の自動ドアが開いて俊之が入って来た。
「叔父さん。」
千晴は右手を上げて言った。
「千晴。」
俊之は千晴の前に歩いて来て言った。
「相変わらず叔父さんは時間に正確だね。」
千晴が言うと
「千晴も早かったね。」
俊之は言った。
もうひとつの物語・12月の雪
「ごちそうさま。」
私が言うと
「ありがとうございました。」
若い女店員さんが言って
「また来てください。」
店長さんが言った。
「また来ます。」
私が言うと店長さんは微笑んでいた。
「外は雪ですよ。」
若い女性店員さんは言った。
「雪が降るって言っていたかな?」
私が言うと
「雪だったらいいですね。」
若い女性店員さんは言った。
「雪だったらいいね。」
私は言った。
外に出ると雲空が暮れなずみ冬の夜がそこまで来ていた。雪は降っていないけれど今日だけは雪が降ったら楽しいかもしれないと私は思った。