開運童子のブログ -113ページ目

雨のあとに虹 その22

「ご注文は何になさいますか?」

久美子はカウンターで並んでいるお客さんに言った。

「ありがとうございます。」

と横で小百合が言った。今日は店長のひとみが休みの日である。

「お次のお客様どうぞ」

久美子が言った。

「お客様ご注文は何になさいますか?」

小百合が言う。混雑した時にはチームプレイが必要なのだ。

「ありがとうございました。」

久美子が言うと小百合も

「珈琲をお待たせいたしました。」

と言った。ふたりは次々にテンポよくこなしていった。

「お次のお客様!」

久美子は言って息をのんだ。昨日久美子に襲いかかった及川友宣が列に並んでいた。

「堀川さんはこちらをお願いします。」

小百合に言われて久美子は後ろを向いた。

「私の代わりにやって!」

小百合は言った。後ろの久美子は後ろの仕込みに変わった。これは事前に久美子の相談を受けた小百合がうまくやってくれたのである。

「お待たせいたしました。」

小百合が言った。及川が

「ちぇ!」

と舌打ちした。

「ご注文は何になさいますか?」

小百合に言われて

「ブレンドをひとつ。」

及川が言った。

「思ったより早く終わりましたね。」

俊之が言った。あすなろ会での行事が終わって駅の方に歩きながら

「子供相手だからそんなに遅くなれないしね。」

と未来が言った

「子供たちに喜んでもらえたかだろうか?」

翔太が明るい表情で言った。

「みんな喜んでくれたわよ。」

未来が言った。

「そういえば昨日ちょっとハプニングがありましてね。」

翔太が言った。

「ハプニングって?」

俊之が言う

「人気のない所で女性を襲った奴が居ましてね。」

翔太が言うと

「時々そういう変な男がいるのよね。」

未来が言う。俊之は

「その女性は20歳くらいじゃなかった?」

と言った。

「20歳くらいですね。」

翔太は言った。

「犯人はどんな男なの?」

未来が言うと

「及川友宣と言う24歳の男でしたよ。」

翔太が言うと

「やはり翔ちゃんだったね」

俊之が言った。

「彼女は高村さんのお知り合いでしたか?」

翔太が言った。

「高村さんにもそんな若い知り合いがいたの?」

と未来まで冗談半分に言った。

「そうじゃないよ。」

俊之が言うと

「嘘言ってもダメよ。」

未来が言った。

「聞かせてくださいよ。」

翔太も声を大きくして言った。

「駅ビルのコーヒーショップでミートソースを運んで来た久美ちゃんが誰かに押されてバランスを崩してね。」

俊之が言うと。

「その女性が高村さんのズボンにこぼしたのね?」

未来が言った。

「そうです。」

俊之が言うと

「それは絶対に脈がありますよ。」

翔太が言った。

「がんばりなさいよ。」

未来が言った。

「そうかな?」

俊之が言うと。

「決まっているじゃないの。」

未来が言った。

「そんな事言っても僕は46歳のおじさんだよ。」

俊之が言うと

「年齢は関係ないわよ。」

と未来が言った。

「僕もそう思いますよ。」

翔太も言った。俊之は

「そうだといいけどね。」

と言った。

「あの時は怪しい男を見かけたので警戒してよかったですよ。」

翔太が言った。

雨のあとに虹 その21

「ご注文は何になさいますか?」

久美子はカウンターで並んでいるお客さんに言った。

「ありがとうございます。」

と横で小百合が言った。今日は店長のひとみが休みの日である。

「お次のお客様どうぞ」

久美子が言った。

「お客様ご注文は何になさいますか?」

小百合が言う。混雑した時にはチームプレイが必要なのだ。

「ありがとうございました。」

久美子が言うと小百合も

「珈琲をお待たせいたしました。」

と言った。ふたりは次々にテンポよくこなしていった。

「お次のお客様!」

久美子は言って息をのんだ。昨日久美子に襲いかかった及川友宣が列に並んでいた。

「堀川さんはこちらをお願いします。」

小百合に言われて久美子は後ろを向いた。

「私の代わりにやって!」

小百合は言った。後ろの久美子は後ろの仕込みに変わった。これは事前に久美子の相談を受けた小百合がうまくやってくれたのである。

「お待たせいたしました。」

小百合が言った。及川が

「ちぇ!」

と舌打ちした。

「ご注文は何になさいますか?」

小百合に言われて

「ブレンドをひとつ。」

及川が言った。

「思ったより早く終わりましたね。」

俊之が言った。あすなろ会での行事が終わって駅の方に歩きながら

「子供相手だからそんなに遅くなれないしね。」

と未来が言った

「子供たちに喜んでもらえたかだろうか?」

翔太が明るい表情で言った。

「みんな喜んでくれたわよ。」

未来が言った。

「そういえば昨日ちょっとハプニングがありましてね。」

翔太が言った。

「ハプニングって?」

俊之が言う

「人気のない所で女性を襲った奴が居ましてね。」

翔太が言うと

「時々そういう変な男がいるのよね。」

未来が言う。俊之は

「その女性は20歳くらいじゃなかった?」

と言った。

「20歳くらいですね。」

翔太は言った。

「犯人はどんな男なの?」

未来が言うと

「及川友宣と言う24歳の男でしたよ。」

翔太が言うと

「やはり翔ちゃんだったね」

俊之が言った。

「彼女は高村さんのお知り合いでしたか?」

翔太が言った。

「高村さんにもそんな若い知り合いがいたの?」

と未来まで冗談半分に言った。

「そうじゃないよ。」

俊之が言うと

「嘘言ってもダメよ。」

未来が言った。

「聞かせてくださいよ。」

翔太も声を大きくして言った。

「駅ビルのコーヒーショップでミートソースを運んで来た久美ちゃんが誰かに押されてバランスを崩してね。」

俊之が言うと。

「その女性が高村さんのズボンにこぼしたのね?」

未来が言った。

「そうです。」

俊之が言うと

「それは絶対に脈がありますよ。」

翔太が言った。

「がんばりなさいよ。」

未来が言った。

「そうかな?」

俊之が言うと。

「決まっているじゃないの。」

未来が言った。

「そんな事言っても僕は46歳のおじさんだよ。」

俊之が言うと

「年齢は関係ないわよ。」

と未来が言った。

「僕もそう思いますよ。」

翔太も言った。俊之は

「そうだといいけどね。」

と言った。

「あの時は怪しい男を見かけたので警戒してよかったですよ。」

翔太が言った。

雨のあとに虹 その20

電話を切った久美子も緊張して胸の鼓動が早くなった。

「仲良くうまく付合っていれば就職などに自分に有利になるかもしれない。」

と純子が言ったが久美子も考えないわけではなかった。店長のひとみから親しくするように頼まれた時には断る理由がなかった。このような深夜に電話をした自分の行動にあるひとつ感情以外に理由が見つからなかった。

 都心から私鉄の急行で1時間ほど離れた郊外の小都市に俊之は降り立った。今日は恵まれない子供たちの施設であるあすなろ会にボランティア活動をする日である改札口を出て足早に歩く俊之に冬風が冷たかった。俊之は久しぶりに来たこの街に心なしか懐かしささえ感じた。

「おはよう。」

後ろから吉田未来が声をかけてきた。

「おはようございます。」

俊之は答えた。

「今日1日よろしくね。」

未来が言った。

「こちらこそ!」

俊之が言う。未来とは出会って数ヶ月だが明るく気配りが出来る性格の良さに惹かれるものがある。未来は既婚者で仕事と子育てを両立してきたのだ。

「今日は子供たちに少しでも楽しい思い出が作れるようにね」

未来が言う。

「僕も楽しませてもらおうかな?」

俊之が言った。

「少し力仕事があるから若い人に声をかけておけば良かったかな。」

未来は言う。

「僕だってそれくらい出来ますよ。」

俊之が言った。駅前の通りを歩いて街路樹が多くなったところで木陰から翔太が姿を現して

「高村さん」

と言った。

「翔ちゃん!」

俊之が驚いて言うと

「今日はボランティアですね。」

翔太は言った。

「すまないが翔ちゃんに頼みがあってね。」

俊之が言うと

「解かっていますよ。」

翔太が言う。

「さすが翔ちゃんだね。」

俊之が言うと

「力仕事も任せてくださいよ。」

翔太が言った。忍者のように現れた翔太に未来はびっくりしている。それでもすぐに気を取り直して

「あなたはイケメンね。」

未来は言った。

「ご苦労さん。」

榊原は三友商事の応接室でひとみに言った。

「それはかまいません。」

ひとみが言う。

「君は相変わらずだね。」

榊原が言う。

「私はただ真相を知りたいだけです。」

ひとみが言った

「それはすぐに明らかになるはずだ。」

榊原は言った。

「本当に解かるのですか?

ひとみが言うと

「時間が経てば解るよ。」

榊原が言う。

「榊原さんはすでに何かご存知のようですね?」

ひとみに言われて

「今ははっきり言えない状態でね。」

榊原が言った。

「あの男が麗子さんを裏切ったのは確かな事よね?」

ひとみは言った。