個人情報保護について
今回の震災復興関係の対応をしていると、個人情報保護の壁がでてきます。
例えば、震災孤児についてですが、行政では、5月24日現在、155人の震災孤児が確認できています(宮城県80人、岩手県57人、福島県18人)。そして、あしなが育英会さんへの震災孤児の特別一時金の申請は、5月20日現在で、63人です。しかしながら、行政の155人とあしなが育英会さんの63人の子どもたちがリストの突き合わせはできていません。
あしなが育英会さんが把握している震災孤児を、行政側が知らないということが起こりうるわけです。
お父さんかお母さんのどちらかを亡くした子どもたちで言うと、、行政は、まだ、調べることができていません(現場の行政職員の皆さんも被災者であり震災孤児の把握がまずありきであることは責めることはできません。厚生労働省にはいろいろと申し上げようと思いますが。)。あしなが育英会さんでは、震災遺児から、777名の特別一時金の申請が来ているとのことで、お父さんかお母さんを亡くした子どもの把握は、あしなが育英会さんにご協力いただければ、進むわけです。
しかしながら、行政とあしなが育英会さんに、リストの突き合わせについてお聞きすると、個人情報保護の壁が出てくるわけです。
子どものケアよりも、個人情報保護が優先される状況。
震災でご主人を亡くした5歳のお子さんと二人目のお子さんを授かったばかりのお母さんがいらっしゃいます。震災のショックと産後のうつと、5歳のお子さんの「お父さんはどこにいるの。」と問われる状況に、精神的にまいっているお母さんそして二人の子どもたちのケアは、両親を亡くした子どもたちと同じように行政が寄り添っていかなければならないのではないでしょうか。
今は、お父さんかお母さんが生けていれば、震災孤児の後になってしまいます。
今回の震災では、そのお父さんもお母さんも、津波で根こそぎ町が壊滅し、働く場所もない場合が多い。
生活に対する不安や絶望が生み出され、自殺や子どもたちへの虐待の問題も起こるのではないかと心配もされています。
災害等非常時には、救援、保護を優先する考えをより広げなければならないのではないかと考えますし、部門会議等で発言していきたいと思います。
これから、被災者の皆さんの生活に、心の問題等新たな問題が起こり始めます。
今から、できることを始めなければ。
“がんばろう日本!”
花咲宏基