舞台劇 からくりサーカス
〜デウス・エクス・マキナ 機械仕掛けの神編〜




御来場、
本当にありがとうございました。



なんと言ったらいいんでしょう。

わたし。


からくりサーカスとこの座組、すっごい好きです!






からくりサーカスは
本当に人生においてのデウス・エクス・マキナとなりえる言葉が沢山あるんです。


私は、勝の
「幸せが似合わない人間なんていない」
という言葉がとても好きだし


コロンビーヌの
「あたしはあたしがひとつって言うのが好きだな」
「あたしがしてあげたかったのよ」
という言葉が好きです。


勝の
ぼくは団員のみんなから

気持ちよく生きるための芸を教わっているんだ」

も好きですね



鳴海かな

「目つぶんなきゃ負けやしねぇ」

みたいな言葉も





藤田和日郎先生にお会いして

ひと目見た瞬間から

その滲み出るオーラというか。

ひとりひとりへの優しさとか。

本当に導師という言葉が相応しい。



あんな方になりたいと、心から思わせて頂きました。




りっぴー。ももこ。桃ちゃん。三枝さん。そして、アンサンブル翼ちゃん(ジャック・オー・ランタンなど担当)







女子楽屋が

たのしすぎて。笑。


わたしは普段、割と大人しく独りで黙々といるタイプなのだけど笑。


このメンバーでは、駄目だった!



朝からずっと曲かけて踊ってるし(なお振り付けはダサめ)

今日のお弁当のことしか考えてないし(わたしはラーメン)



楽屋に入る時にドアをノックして

「入ります」

「入られました」


っていうくだらないやりとりも。




終わってみて何故かこう、そういうくだらない日常がやけに愛おしく感じるのも、からくりサーカスという作品の力なのかもしれない。




劇中のどんな名場面をもしのぐあたたかいものが

あのカーテンコールの空間に集約されるように。





コロンビーヌという役を演じることに関しては



演出の村井さんに「なみおが演じるコロンビーヌ、でいいよ」と総初期に言われたことで



普段原作のある作品に出演するときは、

やはりアニメや声優さんなども意識したりするのですが


今回はストレートに「自分が漫画を読んだときのイメージ」を体現することを目指しました。




それでも、今回の作品はキャラクター全員

出たらハイライト

なかなか難しかった...!



コロンビーヌは勿論可愛くて、切ない。

そんな役ですが


あら、あら、あら、と歩いてくる動きの不気味さや

手の仕草の多様さなどは出せたらなと。


毎公演違った動きをしてみたり。




台本にある「ラララ」という3文字。

何を口ずさもうかと思った時、

稽古中はよく、ぶたちゃんの歌を歌っていたけれど

彼女が作中で手に持っていた大好きな恋愛小説「風と共に去りぬ」の映画版の"タラのテーマ"を口ずさんでみた。


だけど、ただ盲目に恋に恋する乙女なのではなく

その裏に同じくらい

「憧れたところでどうせ自分は人形で、叶うはずはないし、理解もできない」ことを誰より的確に分かっているような。



そんな退廃的なところがコロンビーヌの美しさだなぁと思っていました。



コロンビーヌが豚ちゃんの童歌を気に入っているのも

フランスのクローグ村や巡った地方で、養豚場農家から出荷されるぶたちゃんをよく見ていたのかもしれない。

その愛らしいブーブー鳴く姿と、いずれ食用として出荷されることとの対比を考えれば、それもまた彼女たちオートマータと似たものを感じたのだろう。






360度の劇場も、

とても面白いなと思いました。

ドラマや映画では、決まったキメ角度からしか演技を見れないけれど、

ほとんどのお客さんが斜め後ろや真横、真後ろから見ている。

"表情"なんていくらでも繕える。

顔が見えなかろうと、ただそこに存在する、それもまた素敵なことだな、と。






最高の三人withバイジン。


小坂涼太郎とはなんだかんだ3回目の共演で、

わたしは彼のギャグセンスが心底大好きで心底ツボなのだが、

兼ねてからよく「芝居めっちゃうまくなりたい」って言ってたなぁ、と。

今回がっつり彼の芝居を見て、めっちゃいいな、って。なりたいと、なれるんやな、って。

クレイジーでトリッキーなバイジン。最高だなぁ。



そしてパンタローネ塚本さんは、

まるでディズニー映画の流れるアニメーションをみているような、そんな現実離れした"オートマータ"という存在の体現がすごい。

尊敬して止みません。


アルレッキーノひろやさんも、

また塚本さんとは別の切り口からオートマータを表現していて、最古の三人それぞれらしさがあり、本当にご一緒できて幸せでした。






フェイスレス洋二郎さんもね、

本当にカッコよすぎて。

打ち上げではずっと「洋二郎さんみたいになりたいです」「うん、辞めたほうがいい」って話しておりました。

尊敬。うん、洋二郎さんみたいになりたい。







たぶん、宝塚にいたら

わたしが大湖せしるさん(前半のコロンビーヌ役)の役をわたしがやるなんて

絶対ありえなかったですよね。


せしるさんはスターで、わたしはスターでは無かったのだ。

わたしなりには、役者人生を生きて来られたんだろうか、少し立ち止まると、不安なことばっかりです。






からからまわる歯車は。

人生をどこに運んでいくのでしょうね。




勝の優しさという歯車がコロンビーヌを幸せに。


コロンビーヌの幸せな最期の歯車は、ディアマンティーナの歪愛を加速させ。


ディアマンティーナの愛は、愛を間違えたバイジンの元へと帰っていく。




色んな歯車が、からから廻って。

出来上がった 舞台劇「からくりサーカス」

人間の、しろがねたちの、オートマータたちの生きたという記録が、何かが皆様の記憶に残れば、それほど嬉しいことはありません。




特段意識はしていなかったのですが、

見にきて下さっていた、かないみかさん(アニメ版ディアマンティーナ役)に

「悠木碧ちゃんにそっくりだった!」

とおっしゃっていただいて、

アニメで、舞台で、たどり着いたコロンビーヌに同じものがあったならば、凄く嬉しいなと思いました。





トラちゃんの勝ちゃん、

本当に、あったかくて、優しくて。

最期の瞬間は、毎日ほんっっとうに嬉しかった!

人の肌のあたたかさが、わかったような気がした。





今回の打ち上げで演出の村井さんが

「昔演出をはじめたとき、評論家たちに面白いけど分からない、と言われた。それがだんだんわからないけど面白いに変わっていき、いまはわからないから面白いを目指してやっている」と。




今回のいわゆる舞台からサーは

漫画の後半20何巻分を2時間半にまとめていて

原作やアニメをご覧でない方には

ストーリーや設定はわからないと思うんです。




でも、説明しなくていい、観る側が想像できる余白がたくさんあることが、わたしはとても素敵な空間だったなと思います。



それぞれの役者が役と背景を背負って板の上に立てば

余計な説明などいらぬのだ、そんな気がしました。


そんな素敵な役者ばかりだったから、

わたしはとても好きな座組でした。







このぶたちゃんは

お土産もって

ママのとこへかえる





打ち上げで。

藤田和日郎先生が、ひとりひとり目を見てお話して書いてくださいました。家宝です。





コロンビーヌメイクがとても上手になった気がします!笑

なかなかここまでメイクすることもないので

日々楽しかったなぁ...!


毎日ディアマンティーナ役の桃子と、今日はどうだ、今日は盛れてない!って騒いでおりました。






そんなこんなで

長々と、読んで下さりありがとうございました。




連日くださったお手紙やプレゼント、色紙。


大切におみやげもって帰りました。


本当に、ありがとうございます。





コロンビーヌ役に、からくりサーカスに出逢えたこと

間違いなく人生の宝物です。








ーすべては歌でおわるー






やっぱりくまがすき。









なみお