金剛鈴
密教、続けます。(ちょっと長いです)
更にそれぞれの曼荼羅のベースとなった経典の大まかな内容を見てみます。
もしかするとこの男女の原理を後押ししてくれる欠片が見つかるかもしれません。
まずは女性である「胎蔵界曼荼羅」の経典、『大日経』から・・・。
【参照:仏教と日本人 】
大まかに説明すると、「住心品」と「具縁品」から成り立っていて、
〝「住心品」は理論面を説くのに対して、「具縁品」以下は仏教儀礼の実践面を説いている・・・〟
「住心品」・・・
- 仏の智慧、悟りとは何か?
- 「心」が主題
- 〝悟りとは、求め て努力する決意(菩提心)を出発点とし、すべての者を救おうとする慈悲の心(大悲)を基盤とするといいます。さらに悟りの究極の目的は、自己を顧みず他者 に尽くすこと(方便)にあると説かれています。また、人々の心のあり様がそのまま悟りに他ならない(如実知自心)とも教え、160にも及ぶ心の状態を、段 階を追って分析・説明しているのです。〟
なるほど・・・。
あるべき悟りの「心」がそのまま、普段の己の「姿勢」となる、
よってその「姿勢」を正すことで、あるべき悟りの「心」を手に入れんとするであろう・・・。
そしてやはり慈悲の心・・・ 他者への慈悲
求め て努力する決意(菩提心)・・・
菩提(ボダイ)というのは、煩悩を断ち切って悟りを得ること、またそのようにして得た知恵のこと。
続いて、『金剛頂経』(こんごうちょうきょう)・・・
仏になるための瞑想法、修行法とのことらしいです↓
① 自分の心は月のように清く、それが悟りを求める心であると知る。
② その理解を深める。
③ 心に描いた月(自分)に五鈷杵(密教の仏具・仏のシンボル)を思い浮かべる。
④ それによって自分と仏が同体である事を知る。
⑤ 自分は仏のすべての特性を具えているという自覚を深め、悟りを完成させる。
面白いですね・・・。
なんだかこうして見てみると、「大日経」と「金剛頂経」は、「目標」と「対策」みたいです。
そういう関係性があったとは、、、ですね。
前記事でも挙げたこの「胎蔵」の意味とまた比較してみますと、、、
〝生をえた胎児が母胎の中に育まれ、
すこやかに生長してゆくように、
大悲の種を宿した人間の心が、
時あって内奥に潜む清浄な菩提心に自慢め、
悟りの世界に導かれてゆく、
人間の魂の屁開図とみなされよう〟
やはり、菩薩の心(慈悲)は元々人の中に備わっているもの。
それを成長させようと思う意思が出発地点となる。
種はあっても努力をしないと花は咲かないという感じでしょうか。
みんな赤ちゃんのときは相手を思いやる慈悲があるんだよ、
と、既にそこに菩薩の慈悲があるようにもとれます。
これまた私の色眼鏡の勝手な解釈で申し訳ないですが、、、
どうしても、この二つの経典が「男女」とか「夫婦のあり方」にみえてしまいます。
「大日経」は・・・ここが既に本来あるべき女性としての心。菩薩の慈悲はその女性の男性へ対する心。
妻から夫に対する心。
母になった妻から、父になった夫に対する心。
そういう女性の元々持っているはずの心が母性愛(種)。
そしてそんな女心を目覚めさせてくれるのは、男性である。
男性は女性を慈しみ、協力し合うことで、1つに感じあうことで、初めて男女は目的を掴み取れる。
① 自分の心は月のように清く、それが悟りを求める心であると知る
② その理解を深める。
③ 心に描いた月(自分)に五鈷杵(密教の仏具・仏のシンボル)を思い浮かべる。
④ それによって自分と仏が同体である事を知る。
⑤ 自分は仏のすべての特性を具えているという自覚を深め、悟りを完成させる。
月、これはもう間違いなくシヴァです。(だと思います。)
そして、五鈷杵とは何でしょう・・・?
もちろん、、、ヴァジュラです!!
ヴァジュラはいっぱいこのBlogでも出てきました。
<ヴァジュラについての過去記事>
インドラの武器と法隆寺
金剛力士の謎を解く!? ①
金剛力士の謎を解く!? ②
一日一回の抱擁
児童神の恐ろしい別の顔
ただ見ていただきたいのはこちら↓
ヴァジュラを持ってるのはインドラだけではありません!
暴風雨一族
そして前に記述してましたこちら↓
〝仏教タントリズムの儀礼において、
男性原理「活動」は金剛(ヴァジュラ)によって、
女性原理「智恵」は鈴(ガンター)によって
象徴される。〟
女性の鈴はどこだ?って思いますよね・・・。
あるんです・・・↓
【ドゥルガー】
戦う殺戮の処女神。
各地で広く信仰、敬われている。その性格とは反対に獅子に乗った美しい美女としてあらわされる。
●性別:女性神
●仕事:戦いの女神。殺戮と破壊を好む。
●装身具:三叉戟、チャクラ(円輪型武器)、ほら貝、槍、雷、鈴、水瓶
●乗物:ライオンまたはトラ
●夫:シヴァ
実際に密教の儀式で使われる鈴は、「金剛鈴(ガンター)」と言って、まさにヴァジュラと鈴の合体したものみたいです。
興味のあるかたは検索して写真を見てみてください。
曼荼羅から始まって、かなりダラダラ長引いてますが、、、
まだあるんです。かなりマニアックな内容になってきてます?が・・・。
楽しいですね。
男と女のダンス
引き続き密教についてです。
〝仏教タントリズムの儀礼において、
男性原理「活動」は金剛(ヴァジュラ)によって、
女性原理「智恵」は鈴(ガンター)によって
象徴される。〟
面白いのは、、、
その仏教タントリストたちが行う儀礼は、
〝座ったまま金剛(ヴァジュラ)を右手に、
鈴を左手に持ちながら腕を動かす。
それは「男」と「女」のダンスである・・・〟
とあるんです。
曼荼羅の説明でのこの言葉↓
〝理という物理的なものの形の世界[胎蔵界]と、
智という精神的なものの働きの世界[金剛界]という
二つの世界が揃ってはじめて密教世界であるとともに、
仏の本質をも意味するのである。〟
この言葉と比べてみると -
物理的な世界「胎蔵界」が女性であり、
精神的な世界「金剛界」が男性のようです。
実際どういうことなのか探るために、
両界曼荼羅(胎蔵界まんだら&金剛界まんだら) に戻ってみたいと
まず、「胎蔵界(たいぞうかい)」、「金剛界」の「界」とは・・・・
基体・要素・本質という意味だそうです。
そして気になったのは「胎蔵界(たいぞうかい)」の「胎」という
この字からすぐに思い浮かぶのは、やはり「母胎」や「胎児」
その理由から、〝女性〟を物理的な世界の「胎蔵界」
ではそもそも「胎蔵」の意味とは何なんでしょう・・・?
〝生をえた胎児が母胎の中に育まれ、
すこやかに生長してゆくように、
大悲の種を宿した人間の心が、
時あって内奥に潜む清浄な菩提心に自慢め、
悟りの世界に導かれてゆく、
人間の魂の屁開図とみなされよう〟
まさに母胎と胎児でした!
胎蔵界曼荼羅は別名「大悲胎蔵生曼陀羅」。
〝大悲の種を宿した人間の心・・・〟
人間は悟りを知らない限り、
(勝手にですが)ここに「慈悲」という意味も加えたらいいかもしれないですね。
辞書では「慈悲」は元々仏語で、〝仏、菩薩が人々をあわれみ、楽しみを与え、
では、それに対して「金剛」の意味とは・・・?
〝物を打ち砕く武器として用いられていたもので、
それが心の中の煩悩を砕き、除く智恵と考えられ真理を意味し、
金剛界は『真理を本質をするもの』という意味である〟
とあります。
これも勝手な解釈ですが、
どこか男性的とも思える内容ですね。
男性はやはり頭で論理的に考えて物事を進めていく傾向がありますもんね。
そういう意味で、筋の通った力強い知恵(真理:永遠に変わることのない正しい筋道)です。
しばらくは密教について書かせてください。
つづく。
謎のタントラ・・・
ここはかなり興味をそそるので一気にいきます。
タントリズムの続きです。
そもそもタントラ経典には4つの種類があるそうです。元々基礎となるものはやはりインドにあったそうです。
<※13世紀仏教学者のプトンにより確立。これはチベット密教になります。インド密教のもあるみたいですが。>
○ 所作タントラ
○ 行タントラ
○ ヨーガ・タントラ
○ 無上ヨーガ・タントラ
1つずつ見ていきましょう。
所作(しょさ)タントラ
祭壇の作り方、仏の供養の仕方といった、儀礼の所作(しょさ:行いのこと)/呪文が主に述べられている。
行(ぎょう)タントラ
代表的なものは『大日経』
儀礼、ヨーガの実践、シンボリズムなどが統一されている。
究極の目的は悟り。
ヨーガ・タントラ
代表的なものは『金剛頂経』
悟りを目的にしてることは『大日経』と同じであるが、主な違いとして主尊である大日如来(神)の規定である。
ここで一旦説明を入れます。
前記事 で曼荼羅について勉強したときに出てきたこの二つの経典、
『大日経(だいにちきょう)』&『金剛頂経(こんごうちょうきょう)』が出てきました!
仏教タントリズムの代表的なこの二点の経典。
9世紀の初めに空海が中国から、曼荼羅の図 を持ってきたそうです。
(曼荼羅&この経典についてはまた後ほど掘り下げます。)
そして最後の無上ヨーガ・タントラは色んな意味で理解しにくく、誤解を受けやすいということですが・・・。
もちろん元々はインドにあったもので、日本にも漢訳で伝わってはいるものの実践形態は存在しなかったそうです。
一方でネパール、チベットにおいては盛んに実践されたということですが、、、
何でしょうね?
〝奇怪な顔の尊格が、同じような姿の女神(妃)を抱いている〟
そんな仏がこの無上ヨーガ・タントラには登場する・・・。
すぐにピンときますよね。
相当面白くなってきました・・・。