巨大銀行も逃れられない会計操作の誘惑:究極編 | 連結会計よもやま話

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公認会計士試験や日商簿記検定で難解と言われる連結会計その他について色々と書き綴って行きます。
長年培ったノウハウの公開を通じて皆さんのレベルアップのお手伝いをさせて頂きたいと考えております。

公認会計士。税理士。日商簿記検定。中小企業診断士。

各種試験の受験者の皆さん。こんにちは。

 

先日のカルロス・ゴーン氏の逮捕に関する投稿。

彼の就任当時、瀬戸際にあった日産自動車は減価償却方法の変更により298億円もの利益を計上したことをお伝え致しました。

しかし、それは表に出ている金額で、変更に伴う利益のかさ上げは千億円単位と個人的には考えています。

ゴーン日産自動車会長を逮捕!逮捕容疑の金融商品取引法違反とは?

 

このような瀬戸際にあった大企業が会計操作に手を出すことは、日産に限らず過去何度かありました。

日産のケースは利益(フロー)に影響を及ぼす操作ですが、

今回のケースは資産と資本(ストック)に影響を及ぼす操作です。

以下、ご参照下さい。

わかしお銀行~驚愕2倍の逆さ合併~ 

これは当時は準国有化の観測もあった三井住友銀行がB/Sを一気に健全化する為に行った、究極の脱法行為です。

日産の場合は千億円単位の操作額と見込まれますが、

こちらはもっと凄く2兆円以上の操作額。

その究極とも言える破壊力は、これを機に【逆取得(逆さ合併)】と【共通支配下の取引】での時価評価の禁止規定が『企業結合に関する会計基準(34項・41項)』の中に設けられたことからも分かります。

 

わかしお銀行 - Wikipediaコチラもご覧下さい。

三井住友銀行との「逆さ合併」の項目の下から4段目。

三井住友銀行とわかしお銀行を対等の立場にする為の

わかしお銀行の株式の移動。芸が細かく用意周到です。

当時の吸収合併に向けた不退転の決意が表れています。

 

コチラはWikipediaで触れていない内容まで切り込んでいます。

三井住友銀行はなぜ脱法行為を選んだのか?(三菱地所との対比)

 

最後に、今回の事例や今後本格化するであろう、

フィンテックやキャッシュレス化による衝撃も考えると、

銀行も決して安泰な企業ではないと思う次第です。

 


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