ど~も~!みなみです!
昨日の記事もお読み頂きありがとうございました!!
ふふふ、連投、珍しいっしょ?!
ちょっとね、ホンッットに珍しいことに、今週・来週あたり時間ありそうな感じなので、
ひっっっさびさに、アシスタントブログの続きでも書いてみようかなぁ、と…
もう、何の話してたか忘れちゃったよね?!
前回、コチラの記事にて↓
3D素材を線画抽出したものに線幅修正かけることで、
イイ感じに線の強弱つけることができますよっ!&その具体的なポイントについて
お話させて頂いておりました~!
こういう感じの線画に仕上がっておりました!
ただ、このままだと漫画原稿として仕上がってはいなァい!!
もっと書き込みやトーン処理を駆使せねば、アシスタントの仕事とは言えぬ!!
……ということで、
今回はこれを漫画らしく仕上げていくことについてシェアして参りたいと思いまーす!!
ただ、あれよね……
仕上げって、一番ジャンルや好みの差が出やすい部分でもあり…
私自身は、女性向け・男性向け問わず、結構色々なジャンルのアシに入ってきたので、結果平均化されてわりとニュートラルな仕上げを好む感じなのですが…↓
一例:こんな感じこれはどちらかというと少年向け、かな?!ものによっては青年向けもイケるハズ…!
女性向けに振るなら描きこみもう少し減らして軽くするイメージ…!
で、前にも見せたけど、
同じ背景をゴリッッッゴリな青年誌畑のベテランアシさんが描いて仕上げると……↓↓
こうなるわけで
や~~~何度見ても美しすぎてやばい~~~~
このように、大分幅が広いので、なかなかセオリーとして「こう!」と言いづらい部分はあるのですが…
それでも、押さえておくといい基本の考え方はありますし、
最近は女性向けでも「令嬢もの」とか、お屋敷ババーン!ドレスじゃら~~ん!!西洋風なきっらっびっやっか~~!!な作品及び背景とか多かったりしますし、
そうなると豪奢さを出すのにわりと描きこみの知識って役立ったりすると思いますので、
基本の引き出しの一つとして押さえておいて頂けましたらと思います~!
ではでは、早速始めて参りますね~!
まず、描きこみという時に具体的に何を描きこんでいるか、というと…
一番大きいのは陰影ですね。
部屋の角や出っ張っている部分の下など、
暗くなる部分に格子状の線を引くことで陰影を表現しております…!
陰影はトーンでも表せるので、トーンのみで軽く表現することもありますし、
合わせ技でより重厚感や立体感を出す場合もあります。
ざっくり言うと、上から
・少年誌風
・女性誌風
・青年誌風
という感じになるかしら…?!
もちろん、上記のジャンル分けはあまり気にせず、お好みの塩梅でやって頂く感じでいいと思います!
陰影のトーンに関しては、影の部分を10%くらいのトーンを貼って、影の境目がくっきりしない部分に関しては境目をトーン削りで削る…という感じでいいと思います!
デジタルだと削りもかなりラクに出来ますが、仕上がりがキレイにできるかどうか、若干慣れがいる部分かとは思いますので、ブラシサイズや点の密度など色々いじりつつ模索してみてねっ!
(わたしのやつも拡大するとあんまりキレイじゃないな精進しますっ!!)
ではでは、ここでは主に
格子線の入れ方について解説していきますね!!
格子線を入れるにはアイツが絶対に必要になってきます…!
そう!!パース定規くんです…!!
格子線ってのは、要は「パースに沿った線」なわけですよ…!!
こないだ友達がアシ仕事で、屋外の地面にこの「パースに沿った格子線」を入れなきゃならなくて苦労してましたが、建物の中だろうが外だろうが森だろうが、
「このコマの中にはどんなパース定規が入るのかな」という意識は常に持っていた方がいいと思います!✨✨
まぁ、何もない地面とか森の中とか、普段パース定規使わないような場所についてはちょっと考え方にコツがいると思うので、その辺りはおいおい解説するとして
取りあえず、パース定規を使って描いた背景に関しては、
そのパース定規をそのまんま流用しちゃいましょう!!
で…今回の↓の背景の場合…
3D素材を使って線画抽出したんでしたね!!
「え~、描きこみのためにわざわざパース定規置くのかよ~~」と思ったそこのアナタ!!
きっと忘れているでしょう…!
3D素材の中にはもともと
パース定規が入っていて…
私が以前の記事で「3D素材の中のパース定規を後ほど使いますので、こちらも覚えておいてください!!」と言っていたことを…!!
※以前の記事↓
※さらに参考記事×2
この時の為に
・3D素材の移動は物体そのものではなくカメラを動かして
・LT変換後も3D素材&パース定規は取っておいてね!
と言っていたのですよ…!!
カメラ移動させていれば、3D素材と中のパース定規のパースが一致しているので、素材の中のパース定規がそのまま描きこみ格子線を描くのに流用できる、って訳です!!
ようやく伏線回収出来ましたね!!
Σ記事の更新遅すぎだわ誰が覚えてるんじゃい!!って話ですよねすみませんホントすみません勘弁してつかぁさい泣泣
…というわけで、
3D素材の中にあるパース定規を…
LT変換した後のフォルダに移動させて…
その中に描きこみ線用のレイヤー(個人的にはベクターがおススメ)を追加すれば…!!
このパース定規に沿った描きこみ線が描ける準備が整いましたァ~~!!
(あ、私わりと描きこみ線全般を「汚し線」と呼んでいるフシがあるので、今回もそう書いちゃってありますがお気になさらず~)
※あ!ちなみに、なんだかんだ3D素材にのっかってるパース定規が若干ズレている場合もなくはないです
ので、その場合は、写真トレースの時同様、上手いことアイレベルや消失点の位置を調整してあげてくださいませ~
イチからパース定規置くよりは多少ラクではあるハズなので…
ではでは、前置き長くなりましたが、実際に格子線を描きこんで参りましょう!
描きこみのポイントはいくつかあるんですが…
この辺り、流派みたいのが分かれてそうなフシもあるんだよなぁ…🤔
ざっくり言うと
・等間隔派と
・ランダム派
に分かれているような気がします…!
ちなみに、私は「ランダム派」。
分かります…?!
格子線の間隔や長さが、わりとランダムな感じ…!!
そこまで重たく描きこみたくない場合も、ランダムに入れることで描きこみ度合いの微調整ができるので、その辺りの塩梅を確かめつつやりたい場合はこちらがおススメ…!
等間隔派は、おそらくこんな感じ…!
試しにほんの一部分だけ描いてみたんだけど、まぁ初めてなのでへっぽこなのは勘弁して頂いて笑笑線もっと細くしなきゃだなー、反省、反省
こう、細かく等間隔に線を重ねていくやり方、というのかな?!
細かい分、陰影がより繊細に描きこめるイメージかなぁ…!
緻密に描きこみしたい方はこちらの方がオススメかも…!
ちなみに、ちなみに。
何故格子状に描くのかって分かります…?!
完全に持論ではありますが、
理由の一つ目は、
パースに沿った線で描く事で、平面の向きを分かりやすくすること。
例えば、この柱ね。
こう、全体図で見れば「ここに柱があって手前に出っ張ってるんだな~」みたいなのもわりと分かりやすいかとは思うのですが、
これを拡大した上で描きこみ線を取っ払ってしまうと……
ホラ、何がなんだか分からなくないです…?!
「なんで部屋の角の線が二つあるの?間違い??」みたいに思われても仕方ありません…
でもそこに、格子状の描きこみ線が加わるだけで…!!
柱を構成する平面の角度がちゃぁんと伝わってきて、「あ、手前に出っ張ってる柱があるんだな~」というのが伝わるようになりますっ!!
シンプルな陰影だけだったら、縦線だけでもそれっぽくなる場合もありますが(昔は私もそうやってたw)、
平面の角度をしっかり伝えるためには、格子状で描いてあげることがとっても大事だったりします!!
この仕事はトーンでは出来ない!!
あと、もう一つの理由としては、
線の密度と強弱によって、影の濃淡をシンプルに表現し、伝えることができる
という部分かと思います!!
線の描き始め=線が太い部分=影の濃い部分となっていて、
線の描き終わり=線が細い部分=影が薄まっていく部分…という風に、
線の強弱と密度によって、影の濃淡を表現することが出来る訳です!
カラー原稿であれば簡単に表現できる濃淡の差ですが、
モノクロ原稿で印刷に出やすくかつ美しく濃淡の差を表現するのって意外と難しいもの…!!
この技術は、モノクロで美しく繊細な濃淡表現をするための答えの一つであり、貴重な漫画の伝統技術だなぁ…と思っております!!
とは言え、これも今言った理屈だけ分かっていれば簡単に理想的な格子線が引けるかというとそうでもなくって
淡くなっていく部分の線の密度の塩梅とか、なかなか難しくってね
私も、等間隔派の線の密度のフェードアウトの仕方はまだよく分かってなくって(だからさっきの半端クオリティ笑笑)
取りあえず、ランダム派の描きこみ方で良ければ、ちょっと一緒にやっていってみましょっか!!
取りあえず、どの辺りが影になるのかを自分の中でざっくり把握します!
先程の線画↓
でいうと…
大体この辺りでしょうか…!
部屋の角や天井、モノの下、出っ張った箇所の下などなど…!
光源を意識しつつ「大体この辺りかな~…」というのを押さえておきましょう!
では、実際に線を引いていってみましょう!!
思い立った部分から、パース定規に沿ってざくざくと線を引いていきます。
影が濃い部分から線を描き始めて、淡い方へ抜いていくのが鉄則です!
あとランダム派の場合、影が濃い部分は線を長く、そうでない部分は短めの線を引く…みたいな感じで、全体を見ながらあちこちバランスよく引いていく感じがいいかも…!
あまり描きこみを重たくしたくない場合、どこで描きこみをやめればいいかの判断を付けやすくするためにも、全体にバランスよく線を入れていくことで、ちょうどいい塩梅を自分で見つけやすくなると思います
例えば、ある一か所から時間をかけて攻めていった結果、やっぱり描きこみ重すぎだからやり直し…とかなったらすごい時間のロスになってしまいますので
もくもくもく…。
たまーに、明らかに間違えちゃった線とかひいちゃって、しかもそれに気付いたのが少し後で、戻るボタンでやるのもなぁ…みたいな時は、
消しゴムの「ベクター消去」の「線全体」モードで消すと、消したい線だけ丸ごとキレイに消せるのでオススメ!!(これが出来るからベクターやめられない!✨)
手前にモノがあったりして、陰影線をそこだけ消したい時は「交点消し」で一発で消せます!
ベクター消去についてはコチラの記事をご参照ください~!↓↓
あと、私流なんだけど……
窓枠の下とかは、端の方をちょっと影線長めに描いたりする、かも…!
これさ、
ホラ、外壁とかだと、両端に雨ジミ垂れたりするじゃない?!
なので外壁側の窓枠はそういう汚しの意味も込めて両端側を長めに描きこみ線描いたりするんだけど、
雨ジミ関係なく、似たような長方形の枠の下に同じような感じで線引くとなんか妙な「おさまりのよさ」みたいなのが出るような気がして、なんかつい室内とかでもやっちゃいます
ホラ、黒板とかでもやっちゃう…笑笑🤣
※あくまで自己流です。
同じ事やってアシ先の先生に怒られちゃった!とかあったらごめんねぇ!!
あ、あと、今やってて思ったんだけど…
この椅子、角度がナナメでパース定規にパースが乗っかってないものなんだけど、それに他のと同じパース線で格子状に影つけるとちょっと変だねww🤣
格子にしないで片方の角度の線だけにしたらわりと誤魔化せるかな?!🤔
小さい箇所だし、わざわざパース定規置き足さなくても、フリーハンドでそれっぽくしちゃうのも手だと思うし…!(大きくしてみるとちょっとアレかもだけど、引きで見たらそんなに気にならないハズ!)
まぁ、そんなこんなで拡大・縮小を繰り返して確認しながら描きこみを進めていって…
陰影線に関しては、ざっくり、こんな感じかなぁ…!
こういう、ホワイトボードのわずかな凸凹とかにも陰影線つけてあげると、
ぐっとそれっぽくなったりするよ!
こういう、気付くか気づかないか分からない部分をしっかり描くかどうかで、全体的なクオリティにぐんっと差が出る場合もあるから、こういう細かい部分こそ大切に描いてあげるのもひとつ…
もちろん全部全部に描きこみ気合い入れ過ぎちゃうと逆に効果的じゃなくなったりもするから、メリハリが大事だったりもするんだけどね
引きで見てみて、「ここ物足りないな~」と思う箇所にはちょっと細かい部分も書き足してみる…みたいな感じ!!
さっきも書いたけど、
拡大・縮小めっちゃ繰り返すの大事!!
私は拡大・縮小をショートカットキー登録して、ワンタッチで簡単にできるようにしてるよ~!
皆さんもぜひぜひ!!
それと…
現時点だと、ちょっと天井ヘンだね🤔💦
これは、天井の継ぎ目の線みたいな描きこみを入れた方がいいなぁ…!この辺りはまた次回かその次あたりに入れて調整するね!
……とまぁ、お気づきの通り、
私も毎度、やりながら気付いて調整して…って感じよ
ある程度最初に目星付けてやってみて、その通りに終われることもあるけど、
「やってみたものの、ここヘンだなぁ…じゃぁこうしてみよう!!」みたいな事も多いし、なんだかんだやってみながらの日々試行錯誤ですっ!
でもその試行錯誤が全部引き出しになるから、「ちょっとヘンだなぁ」はむしろ成長できるチャンス!!と思ってむしろニヤリとしながらやってます~
次回は、「ランダムに描く」ということについてもう少し突っ込んで語るか、
先に陰影以外の描きこみについて語るか…どっちが先がいいかな~。う~~ん!
まぁ、どっちかについて書きます笑笑
今がブログ書きためのチャンスだからな~!
しばしマメに書こうと思ってますんで、お付き合い頂けましたら嬉しいです~!
また次回!!