いきなり内輪話で申し訳ないが、このブログの初のまともなヒコーキ記事が「伊丹空港飛来機の紹介」であった。

かれこれ投稿から2年半が立ち、内容の改訂こそしているものの、追記や取消線だらけになりさすがにそろそろ全体的に刷新しようと書き直す運びになった。なお関空にやってくるエアライン(国際線編)も、現在改訂作業が進行中である。

なお旧版( https://ameblo.jp/hamudon8003/entry-12634469090.html 2020年 たまねぎ丼 )の更新は本記事の投稿を以て終了します。

 

 

さて、前のレイアウトを踏襲しつつ2023年版「伊丹空港飛来機の紹介」を始めよう。

注)機番は2023年4月時点で在籍している機体のみ記載。これ以降の変動については随時追加・取り消し線を記入する。

最終更新日:2024年6月21日

 

①777-300

・全日空

JA751A JA752A JA753A JA754A JA755A

残念ながら全日空・日航ともに777-300ERは定期運用が消滅してしまい、また非ERも日航からは完全退役したので、全日空が繁忙期の那覇・千歳・羽田線に投入するだけになっています。2020年でJA756A,757Aが退役するも残る5機は現在も稼働中です。

しかしながら機齢も決して若いわけではなく、国内線向け78Xが導入されているため、今後はますます見かける機会が減りそうです。

 

②777-200ER

・全日空

JA715A JA716A JA717A JA741A JA742A JA743A JA744A JA745A

2021年の飛行停止を経て一部が復活した772は、新コンフィグ(722)と旧コンフィグが半々の勢力で存在し、時刻表でも区別されています。特にJA74*A台については導入からまだ10年であり、機齢的にはまだまだの活躍が見込まれます。JA71*Aの機体は元々国際線機材であり、長距離国際線仕様で活躍後コンフィグはそのままに近距離国際線へ、そして国内線へと転用されました。74*A台の機体はERでこそあるものの当初から国内線仕様で、エンジンが前者はPW4077、後者がPW4074Dと異なる仕様になっています。スプールアップ時に4074Dが独特の低音を放つ点はベースになったPW4090の特徴を引き継いでいると言えます。運用は羽田線をはじめ那覇・千歳線に投入されまだ目にする機会は残されています。

 

・日航

JA702J JA703J

レギュラーではなくほぼ全滅に等しいものの、日航も羽田線に772を投入する場合があります。ただし全機退役まで秒読みであり、2023年3月の飛来を最後に姿を見せない可能性も十分あり得ます。→2023年8月に今度はJA703Jが飛来し、これが現在時点で最後の伊丹飛来です。2023年11月に公式なラストフライトが行われることが宣言され、よほどのことがない限りはもうお目にかかれないでしょう。→2023年11月営業運航終了後離日。日航から200シリーズの777は完全退役。

 

③777-200

・全日空

JA713A JA714A

経年化・需要減退に伴って一気に退役が進んでいる非ERの772は、現在は2機のみが現存しています。そこからはしぶとく生きています。コンフィグ的に区別はされていますが、特に路線が固定されているというわけではありません。

 

④787-9

・全日空

JA830A JA833A JA935A JA936A JA937A

2014年以来長らく2機だけだったドメ用789は2021年末から3機が増備され5機体制となりました。ほぼ毎日、羽田線・那覇線を中心に運用されすっかりお馴染みの存在となりました。

 

⑤787-8

・全日空(78P)

JA809A JA810A JA811A JA812A JA816A JA817A JA818A JA819A JA821A JA824A JA825A

(78M) *...AJXへ移籍

JA801A JA802A JA803A* JA804A JA807A JA808A  JA815A JA829A JA831A JA832A JA834A JA835A JA838A JA840A JA878A

2020年より暫定的に国内線での運用が始まった78M(=中距離国際線仕様機)は、国際の復活に伴い徐々に「本業」へ戻り国内線での運用は減少傾向にあります。2024年1月現在伊丹では1日に数便が設定されています。

元から国内線仕様の通称78Pは、羽田・那覇・千歳の常連機材で、11機が運用されています。時期によっては4機が並ぶこともあるなどかなり見かける頻度は高いと言えます。

 

・日航

・777-300ER

JA731J JA732J JA733J JA734J JA735J JA736J JA737J JA738J JA739J JA740J JA741J JA742J JA743J

2019年頃以降伊丹発着の定期運用が消滅していた77Wは、2024年1月現在臨時で羽田発着の国内幹線における投入頻度が高まっています。

かつて運航していた成田からは77Wの運用が消滅しているため、過去を振り返っても希少な羽田線での運用です。突発のシップチェンジで77Wが投入されたりあるいはその逆もあるので見かけたら撮っておきたい機種です。

2024年6月のプレスリリースで今年度に3機の退役が発表され、いよいよ退役に向かって動き出しました。


・787-8

JA846J JA847J JA848J JA849J

全日空とは異なりわずか4機しか国内線仕様機が存在しない日航。3機が羽田=伊丹に、残る1機が羽田=福岡に就く運用が多く事実上の伊丹=羽田専従機材といえます。国内線機材でここまで運用が限定的なのも珍しいのではないでしょうか。

 

⑥A350-900

・日航

JA01XJ JA02XJ JA03XJ JA04XJ JA05XJ JA06XJ JA07XJ JA08XJ JA09XJ JA10XJ JA11XJ JA12XJ JA13XJ JA14XJ JA15XJ JA16XJ

2022年からようやく伊丹での運用が始まった359。当初は那覇線に、その後羽田線が追加され現在は2、3機が並ぶ姿も見られるようになりました。羽田線は基本的に787とA350で占められているのが現状です(2024年6月時点では羽田線からは基本的に離脱しています)。2024年6月現在那覇線にはX12というコンフィグの機体が充てられており、ある程度決まった機番の機体で運航されます。

 

 

⑦767-300ER

・全日空

JA608A JA609A JA610A JA611A JA614A JA615A JA616A JA617A JA618A

最盛期には30機を越えて運用されていた763も、気付けば10機を切って勢力を落としつつあります。ここ数年で退役やエアドゥへの移籍が進んだうえに現在76Eによる運用は消滅(臨時便・欠航便乗客救済機材変更除く)し*、76Pだけが羽田線の一部か、機材変更で地方路線での運用に留まっています。 *2023年末~2024年においてPW1000Gの点検に伴う救済のため投入

 

・日航

JA601J JA602J JA603J JA612J JA613J JA614J JA615J JA622J JA623J

日航は2015年頃から順次A41コンフィグの国際線仕様機をD転して非ERの767を置き換えました。767では初となるFクラスの設定やSKYNEXT化、Wi-Fiなど乗客的に極めて近代化したA25コンフィグで差別化を図りました。2016〜18年は羽田=伊丹に集中投入、ほぼ全便がこのA25運航便で占められていました。

現在は羽田=伊丹線は787とA350がより快適な機材として存在感を増しており、追い出された767は自身が追い出した非ERの持ち場であった地方路線に活躍の場を移し、Fクラスを提供などサービスの質の向上に貢献しています。

 

⑧A321

・全日空

JA131A JA132A JA133A JA134A JA135A JA136A JA137A JA138A JA139A JA140A JA141A JA142A JA143A JA144A JA145A JA146A JA147A JA148A JA149A JA150A JA151A JA152A

国内線の主力であった767を置き換えたA321。特にneoについてはそれなりのキャパと併せ国内線機材ながら個人モニターを全席に備えるなど運航側も乗客側も使いやすい機材になっています。それゆえ羽田=伊丹などの幹線から地方路線まで幅広い路線を運航しているのが特徴です。伊丹では羽田・千歳線での運航が多いですが、鹿児島・函館・仙台など中核都市への路線へも投入されています。現在エンジンの点検作業のため3月頃までは羽田や済南で休眠する機材もあり、その分は767が代替中です。

 

JA111A JA112A JA113A JA114A

neo導入までのツナギであるceoは、運用はneoと共通ながら個人モニターがないなどの違いはあります。短期運用と(導入当初は)アナウンスされており、来年・再来年あたりには動向が見えるかもしれません。

A321neoがあまり稼働できていない現状、希少な輸送力として全国を忙しく飛び回っています。

 

 

⑨A320

・全日空

JA211A JA212A JA216A JA217A JA218A JA219A JA220A JA222A

ここ数年、時折伊丹発着便で運用されていたA320neoは国際線の本格再開に伴い羽田・成田へ集結、国内線運用の場合も羽田発着の地方路線での運用に限られ伊丹では機材故障の代打運用などの突発的シップチェンジでの飛来に限られています。

 

⑩737-800

・全日空

JA51AN JA52AN JA53AN JA54AN JA55AN JA56AN JA57AN JA58AN JA59AN JA60AN JA61AN JA62AN JA63AN JA64AN JA65AN JA66AN JA68AN JA69AN JA70AN JA71AN JA72AN JA73AN JA74AN JA75AN JA76AN JA77AN JA78AN JA79AN JA80AN JA81AN JA82AN JA83AN JA84AN JA85AN JA86AN JA87AN JA88AN JA89AN JA90AN

日本全国を縦横無尽に飛び回る738は、39機を擁しています。活躍の幅が広いのはA321と似たような要素ですが、A321が基本的に羽田ベースであるのに対し、738はほぼ羽田に帰らず数日ごとに全国のベースを回る機体があるのが特徴です。例えば一旦羽田を出てしまうと伊丹ベース運用数日のち中部、そこから那覇ベースを2,3日やってから再び中部に戻って数日飛び、その後再び伊丹…と全国を転々とするパターンも存在します。したがって全国に飛ぶといっても地方=地方もしくは中核=地方を中心に飛んでいるとイメージすればいいかもしれません。

 

・日航 *...JTAへの移籍  ...国際線仕様機

JA301J JA302J JA304J JA305J JA306J JA307J JA308J JA309J JA311J JA312J JA314J JA315J JA316J JA317J JA318J JA319J JA320J JA321J JA322J JA323J JA327J JA328J JA329J JA330J JA331J JA332J JA333J JA334J JA335J JA336J JA337J JA338J JA339J JA340J JA341J JA342J JA343J JA344J JA345J JA346J JA347J JA348J* JA349J JA350J*

最盛期には日本最大級の50機を運用していた日航ですが、リースバックやJTAへの移籍で勢力は微減、2023年現在41機を運用中です。うち7機は国際線機材ですが、ほぼ内際兼用といった運用状況なので機番リストに加味しています。ただし伊丹において国際線機材の定期運用はなく、滅多に飛来しません。

 

11 E190

・日航

JA241J JA242J JA243J JA244J JA245J JA246J JA247J JA248J JA249J JA250J JA251J JA252J JA253J JA254J

日航傘下のジェイエアが運航するE190は、14機が退役進むCRJの置き換えと鹿児島県内路線に捻出されたE170の穴埋めとして導入され、伊丹を拠点に地方路線に投入されています。

需要がもっとも低かった頃には羽田線に投入されたこともありましたが、今考えるとバグみたいなレアオペレーションでしたね。

ジェイエアでは初のクラスJを備え、1日数往復の路線でもクラスJが利用できるようになりました。現在は14機が運航され、最後の1機が改修中、7/11にそれが終われば全機改修という状況になっています。

 

12 E170

・日航

JA211J JA212J JA213J JA214J JA215J JA216J JA217J JA218J JA219J JA220J JA221J JA222J JA223J JA224J JA225J JA226J JA227J JA228J

2009年の就航から間も無く20周年を迎えるE170は、元々小牧をベースにしていたものの、まもなく日航本体の再編に伴いJEXのあとを継いで伊丹にベースを移転し、伊丹発着便で集中的に運用されていました。しかし2017年以降は退役の進むJACのQ400の後継として鹿児島発着の県内離島路線にも充当されるようになり、東北から鹿児島まで18機で飛び回っています。初期の機体にはなかったオートブレーキが後々追加されたり、VOR/LOCアンテナ装着機の導入で悪天候時の運航率が向上するなど徐々にグレードアップを続けています。離着陸回数も多いため、まもなく後継機問題が浮上すると思われます。エンブラエルの詳細については別記事「【大解剖】エンブラエルE-Jet 」( https://ameblo.jp/hamudon8003/entry-12787885018.html )をご覧ください。

 

 

13 CRJ700

・IBEX

JA05RJ JA07RJ JA08RJ JA09RJ JA10RJ JA11RJ JA12RJ JA13RJ JA14RJ

日本で唯一CRJを運用するアイベックスは伊丹にも数機が運用に就きます。

1機が退役したものの残る9機で夏スケは回す予定で、それ以降機材が削減されるのかどうかも含めて不透明です。全便が全日空とのコードシェア便で、主に全日空のQ400と737-500の中間程度の需要がある路線・便について最適な座席数を提供します。

 

14 DHC8-Q400

・全日空   

JA841A JA842A JA843A JA844A JA845A JA846A JA847A JA848A JA850A JA851A

JA852A JA853A JA854A JA855A JA856A JA857A JA858A JA859A JA460A JA461A JA462A JA463A JA464A JA465A

24機が伊丹をベースに運用されるQ400は、近くは高知、遠くは青森まで幅広い路線で運用されています。伊丹以外のベースが千歳や福岡(ORC)と限定的であるので、どんなにあちこち回っても2,3日に1回は伊丹に戻ってくる印象です。エンジンが極めてハイパワーであり巡航速度も早くまた燃費もよいため所要時間をジェット機と変えずして低燃費での運航を実現しています。

JA855AからはQ400NGなので機内のレイアウトがやや更新されています。詳細は別記事( https://ameblo.jp/hamudon8003/entry-12791576002.html )をどうぞ。2026年からの退役開始が報じられたほか本年度末以降本格的に後継機選定に入るとのことで活躍も後半戦に入ってきています。

 

 

15 ATR42

・JAC

JA01JC JA02JC JA03JC JA04JC JA05JC JA07JC JA09JC JA10JC JA11JC

2015年に発注、2017年から運航が始まったATRは、JACが運航を担当して、サーブを置き換えました。ATR自体は11機を調達したものの、うち2機はATR72でこちらは伊丹発着便には投入されません(台風避難による飛来例はあり)。JACはATRの整備を実施していることもありグループのHAC、並びに後述天草エアラインに機材を貸し出す場合もあります。

 

 

 

・天草エアライン

JA01AM

2015年にDHC8-100の後継として導入されたATRは、DHC8と同じく1機で1日10レグをこなします。その真ん中、お昼時に熊本を往復する運用があります。唯一九州を出るレアフライトでもあります。1機しかいないので乗員訓練・整備の折には計画運休が行われていましたが、JACが同じATRを導入したことから機材の融通を効かせる契約を結び、天草エアラインの機体が飛べない場合はJACの機体が飛ぶ場合もあります。

 

さてさて、最後まで読んで下すった方はいらっしゃるのかしら。最後の一文をまるまる変えないのは大丈夫かしら。ともあれ伊丹でのスポッティングを楽しみにする一助になったのであれば光栄です。