前回はVideoPadという動画編集ソフト(無料版)を使ってみましたが、今回はFilmora(無料版)を使ってみました。
使いやすさはFiimoraの方がよさそうだったのですが、致命的な問題点が。
動画を見ていただくとわかりますが、無料版では画面にソフトの宣伝が透かしで入ります。大切な動画画面がきちんと見られません。
有償版にすればその問題は消えますが、超初心者にとっては、お試しでいろいろ実際に動画を作ってみて、使い勝手を十分試してから、どのソフトを購入するか決めたいところ。
その点で、透かし宣伝で大事な画面が見にくいこのソフトは、バツ。
これだと、何本か作って試してみようという気が起こりません。
たぶん、これの無料版を何回も試すことはないので、有償版にすることもないと思います。
VideoPadより使いやすい部分もあったので、残念。
また、使いやすそうな別のソフトを探してみます。
この動画は、ラザフォードのα散乱をモデル実験にしたものです。
薄い金箔にα粒子を当て、その散乱の様子から、原子の内部構造を調べ、原子核の存在が発見されることになった、歴史的な実験です。
ラザフォードのお師匠にあたるトムソンは「プディングモデル」という原子モデルを提唱していました。ぷるぷると震えることのできるプリンのような原子本体が一様に正に帯電していて、その中に、スイカの種のように負電荷を持つ電子が埋まっているというモデル。プリンの中で電子がぷるぷると震えるときに電磁波を放射して原子が発光するというモデルです。
このモデルは原子が安定して存在できるので、当時は一番有力な原子モデルでした。
同時期に日本の長岡半太郎は「土星モデル」を発表しています。正電荷の塊のまわりを、土星の輪のように電子が列をなして回っているというモデルです。このモデルは、電子が円運動するとき電磁波を出して速度が落ち、最後には墜落してしまうので、安定なモデルとはいえませんでした。
ラザフォードはトムソンの「プディングモデル」を実証すべく、アルファ線を原子に当てて散乱させる実験を行ったのですが・・・
「プディングモデル」が正しければ、原子全体に正電荷が分布しているので、正電荷を持つアルファ線は原子を突きぬけるとき、原子の正電荷から少しずつ力を受けて進路が曲がることになります。この場合、アルファ線の進路はあまり曲げられません。
実験結果は意外なもので、ほとんどのアルファ線は予想通りほとんど曲がらずに金箔を突きぬけるのですが、一部のアルファ線の進路は信じられないほど大きく曲げられました。中にはほとんどユーターンして来た方へ戻ってしまうものまでありました。
この結果から、ラザフォードは、原子内部のごくせまい範囲に正電荷と質量が集中しており、アルファ線がその近くを通ったときだけ、大きく進路を曲げられるのだと予想しました。この正電荷と質量が集中した部分が原子核で、ラザフォードの実験結果から考えると、原子の10万分の1くらいの大きさになります。
だから、よほど原子核に近づかないとアルファ線は大きく曲げられません。
机の真ん中に置いた磁石が原子核、指ではじいている1個の磁石がα粒子に当たります。
原子核磁石に近づくと、α粒子磁石の進路が急激に変化することがわかります。
なんとなくやってみた実験でしたが、手間いらずでα散乱の様子が見られて、ぼくも林ヒロさんも大満足。
ただし、この実験を行うには、このテーブルのように、あまり鉄材を使わず、机面が使い込まれてつるつるになっている台が必要です。
磁石をはじいてみてあまりブレーキがかからないようなら、使えるでしょう。身近にある机面を試してみてください。
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