とりあえず、2日目の報告から。
分科会の土肥さんの発表を見たかったのですが、今日の午後の発表という事で、日程的に見ることができませんでした。
・・・が、運良く、分科会の休憩時間に、会場の廊下で午後の発表の準備をしている土肥さんに遭遇。事情を話して、実験のいくつかを見せてもらいました。
冒頭の写真は電池につないだコイルを電磁石とする電磁力車。コイルの作る磁場の向き(電磁石のNSの向き)がわかるように、100円ショップの方位磁針もセットしてあります。
電流を流しておいて、コイルに磁石を近づけ、電磁石のN極と磁石のN極が反発するようにすると、クルマが動き出します。磁石がコイルから離れないように動かすと、クルマの動きは止まらず、どんどん動いていきます。(当然、磁石のS極を近づけると、クルマは磁石に引っぱられます)
理屈がどう、というより、単純にオモシロイ。コイルの作る磁場の向き(右ネジの法則)を、実感できる実験としては最高だと思いました。
次は、こちら。
なんでしょう。
ビー玉2つを、輪ゴムとセロテープで連結しています。白いシートは、100円ショップでも売っている、滑りにくくするためのシートです。
こんな風に、シートの上に片方のビー玉を乗せ、もう一つは手で持ち、下のビー玉をくるくる回転させて、輪ゴムをどんどんねじり、こぶができるまで回します。
そのあと、つるつるの床の上に置くと・・・
ビー玉2つが近づいたり遠ざかったりしながら、重心まわりに回転します。
金属球でも同じ実験ができます。
2つの球の質量を変えると、重心の周りに回転するので、重心の位置が不動点として見られます。
これ、連星のモデル実験としても使えるなあ・・・
次は、以前、先進科学塾で音の講座を開いたときに見せた実験。あの報告の時、きちんとブログに書かなかったので、もう一度写真に撮らせてもらいました。
コカ・コーラ(他のボトルでもできますが、土肥さんによるとコカ・コーラのペットボトルが一番良い音がするそうです)の二つのペットボトル(片方は500mL、もう片方は1.5L)を連結させ、小さい方のペットボトルを手で握って、その握り具合で、大きい方のペットボトル内の気圧を変化させます。
こうして、手作りの叩き棒で大きいペットボトルを叩くと、気圧の高い(小さいペットボトルを握る力が強い)ときは高い音、気圧の低い(握る力が弱い)ときは低い音が出ます。
何度か練習して、握り具合を調整すると、うまくドレミファの音階が出せるようになり、気圧ボトル楽器になります。
2つのペットボトルは、フタを背あわせで接着し、真ん中にドリルで穴をあければよいそうです。
この写真の装置は、タイプが古いもので、フタにあけた穴にさらにビニールチューブを通していますが、改良版では、このチューブはいらず、接着したフタにドリルで穴を開けるだけでよいとわかったそうです。
さて、写真に撮らせてもらった装置の最後・・・
CD盤の両面の中央に厚手の強力タイプの両面テープを貼り、それに100円ショップで手に入るスピナーを表裏1個ずつ、接着させます。
両目のスピナーを同じ方向に回して、床に置くと・・・
CD盤はジャイロ効果で、床に垂直な状態のまま、進み始めます。
オモシロイ!
ぼくも、前に買っておいたスピナーがたくさんあるので、さっそく作ってみようと思っています。
なお、土肥さんによれば、これらの実験のいくつかは、やはり別の会で知り合った青森の野呂先生が発表している諸実験から学んだとのこと。
ぼくは面識がありませんが、楽しい実験をFBでたくさん披露されているそうです。
こちらは、1日目の夜の、ぼくと林ヒロさんの行ったナイター。「ブーメランからピラミッド・高感度霧箱まで」という、何が何だかわからないタイトルのナイターです(笑)・・・
主要なテーマは、ヒロさんの開発した高感度霧箱を広めよう、ということ。ナイターの講座もそれを中心に組みました。
時間あわせのため、途中でぼくが『いきいき物理マンガで実験』で紹介した厚紙ブーメランの作り方と原理を体験+理解していただくコーナーもつくりました。
みなさん、子どもに戻って、無我夢中で挑み、最終的には全員ブーメランを無事、手もとに戻せるようになりました。
ブーメランの運動原理や作り方については、多々誤解されている面があり、正しい理解をして、うまく作れるようになっていただく、という意図もありました。
つい先日、紹介したばかりの自転車の輪の歳差運動装置も持っていって、実験体験をしていただきました。
紙ブーメランは、指導者がやりかたさえしっかり理解すれば、子どもたちも(小学生でも)うまく、ブーメランを作って飛ばせるようになります。
ぜひ、職場に戻られたあとは、子どもたちとブーメラン作りを楽しんで下さい。
ブーメランコンテストも紹介しましたので、余裕があれば、ぜひやってみてください。具体的なやりかたについては、一番下のリンク先に、ブーメランコンテストの記事を紹介しておきました。
なお、前にちょっと書いた「いいことがあるかも」というのは、じつは、参加者の皆さんに高感度霧箱を差し上げる、ということでした。
今回持っていったたくさんの霧箱は、名大の「ひらめきときめきサイエンス」関連のイベントで参加者が作ったもので、そのアドバイザー(というか、シンクタンクというか)になっていただき、メール等でアイディアをいただき、力になっていただける方に、差し上げることになっていました。
ナイター前にそれを公表してしまうと、参加者が増えて、用意した霧箱の争奪戦になってしまうかも、と思い、事前のナイター説明文にはその旨は書かなかったのです。
参加された皆さん、おめでとうございます。
ナイターの最後は、放射線がらみで、名大F研のミューオンによるピラミッド探索の裏話的スライドショー。NHKスペシャルでも何回かにわけて紹介された新しい「ミューオン考古学」の紹介です。
ちょっと、おまけですが、このナイターの時、面識のない若い先生から、突然「いつもブログ見てます」といわれ、びっくりしました。「本も、本屋で購入しました」といっていただき、嬉しかったです。
お楽しみ広場という大きなイベントに参加できないスケジュールだったので、著者割引本の販売は無理かなとは思っていたので、ナイター参加者に紹介できるくらいの数と、ちょっとだけ持っていったのですが、思いがけず何人もの方に購入いただき、即席のサイン会まで開くことになりました。
そういえば、まったく予定のなかった1日目の全体会の時、頼まれて持っていった本の受け渡しをしているときに、別のある先生が「これを待っていたんだ」と購入したいとの申し出がありました。(YPC横浜の物理サークルの先生だと思います)
たまたま、そのとき、一冊余分に鞄に詰め込んでいたので、それを買っていただきました。これも、嬉しかったですね。『いきいき物理わくわく実験』シリーズをご存じの方でした。
土肥さんにもわざわざ顔を出していただいて、「『いきいき物理マンガで実験』、むちゃくちゃおもしろいですね!」と褒めていただき、恐縮しています。
ところで、おまけの話ですが、翌日、土肥さんから、ぼくが生徒にいわれて書き始めた授業公開の記事(物理ネコ教室)について、すごく参考になっているともいわれ、最近不思議に思っていた謎が解けました。
もともと、あのコーナーは、ぼくが今年受け持っていない生徒から、ぼくの授業プリントが欲しいといわれたことで始めたものです。
来る生徒来る生徒に授業プリントをコピーして渡し、内容も教えるというのは、今のぼくの仕事形態では無理があるので、このブログに公開するからそっち見てね、ということで始めたのです。
したがって、特に試験が近づく頃には、こちらの記事のアクセスが急増します。
ところが、試験が終わってからも、妙にアクセスの多い日が、ちょくちょくあって、一体誰が見ているんだろうと、謎だったんですね。
どうも、物理を教える側の人が結構覗かれていて、参考にしていただいているらしいということが、土肥さんの話でわかりました。
なんとなく、そんなことがあったらいいなとは思っていたので、嬉しいお話でした。
全体会や、分科会の報告は、また日を改めて。
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