原子ビンゴ | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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原子ビンゴ01
 
 自然科学に興味のない生徒が多く集まる専門科の理科授業では、とくに導入部分でさまざまな工夫が必要になります。こちらもそのひとつ。

 元素周期表は、水兵リーベぼくの船・・・などの丸暗記呪文が早い時期に登場しますが、無味乾燥なので、遊びながら元素記号と原子番号に馴染んでもらおうという発想でつくったのが、この「原子ビンゴ」。

 上の5×5のビンゴカード(真ん中のオールマイティマスは周期表を発見したメンデレーエフ)と、主な原子名を書いた下の表を配ります。
 

 

原子ビンゴ03

 記号と名称だけで、他の情報は書いてありません。ここから、24個の異なる元素(原子)を選んで、その名前を最初のビンゴカードに自由に書き入れてもらいます。自分で数字を書き込めるビンゴカードと考えてもらえばいいでしょう。
 次に、教師がビンゴ用の数字を書いたボールか、カードを引いて、黒板に数字を書いていきます。
 その数字を見て、生徒は手元にある教科書などの元素周期表を見て、原子番号を探し出し、その番号の元素名が自分のビンゴカードにあれば、その数字を書き込んでから、○を打ちます。
 メンデレーエフのマスはオールマイティ。これは普通のビンゴカードと同じです。
 ○が5つ直線に並んだらビンゴ。その手前はリーチ。これも普通のビンゴと同じルールです。

 以下のメモ(上のルールをざっくり書いたメモ)をいっしょに配っておけばよりわかりやすいですね。

 原子ビンゴ02

 せっかくなので、ゲームが終わったら、お勉強もします。
 

原子ビンゴ04
 

 この指示と、別表(下)をセットにしたものを配りましょう。
 

 

 

原子ビンゴ05
 

 自分の当たった元素だけですが、理科の苦手な人向けの導入教材なので、最初から無理はしません。

 これを記入するうちに、原理番号って何、原子量って何・・・と、周期表に書き込まれている数値と言葉が気になってきたらしめたもの。

 このビンゴゲームは、周期表についていろいろ学ぶ前に行うといいですね。

 ところで、ぼくは物理が専門なので、化学の用語の細かいところには無頓着。最初につくった授業プリントでは、元素という言葉をいっさい使わず、原子という言葉で統一しました。深い意味はなく、元素・原子の言葉の使い分けをあまり重要には思わなかったんですね。

 この教材をサークルや教研で紹介したところ、さっそく化学の先生から、「元素」と書くべき所を「原子」と書いてあるのは何か特別な意図があるのかと、突っ込まれした。

 おもしろかったのは、そのとき、「したり」とうなずいていたのは化学を専門とする人たちで、「ぽかーん」としていたのは物理を専門とする人たち。言葉一つで、その人の傾向が見て取れることがあるんだなあと、印象の深い出来事でした。

 もちろん、正式には「原子周期表」といういいかたは本来しません。「元素周期表」ですね。化学の教科書的な答え方はそちらをご覧になっていただくことにして、もうちょっと歴史的な話を。

 そもそも、元素つまりelementは、ギリシャ時代の地水火風の4元素(天界のエーテルも含めれば5元素)が始まり。地上のさまざまな物質を最小限の基本要素の組み合わせで理解しようとする試みは、こんな昔から行われてきたわけです。

 第五元素のエーテルと、アルコール、スピリッツ、化学物質のエーテル、物理学に登場する光の媒介物質のエーテルとの関係は、錬金術・科学の歴史の上で繋がっていますが、少し長いお話になるので、今回は割愛します。

 


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