大谷羊太郎 瀬田の唐橋殺人事件
「瀬田の唐橋が見たいな」。カーラジオから流れるエルビス・プレスリーノオールドナンバーを聴いていた六十歳になる路子の父親は数日後琵琶湖に出かけ、東京へもどると姿を消してしまう。上記を鵜から生存が危ぶまれた。彼はかつてバンドマンとして全国を歩いたことがある。捜査の手掛かりは当時の仲間と、彼が琵琶湖畔で映した数枚の写真だけだった・・・。
大谷羊太郎 玉虫色の殺意
芸能評論家・町田卓二はある日突然身に覚えのない殺人事件の容疑者にされてしまう・・・。その日、町田がマンションの自室に帰ると吸い差しの葉巻が灰皿で煙を上げていた。誰も入れるはずのない密室にその部屋はなっているのだが。続いて見知らぬ男から「入ったのは俺だが訳は今は言えない」と電話がかかった。それもマンションのすぐそばのボックスからだ。深夜になると女性アイドル歌手から「死にたい」と言ってきた。彼のせいで自殺する、とこれも身に覚えのない噂が流れているタレントからだ。そしてちょうどその頃、ある男が町田の名刺を持って殺されていた。
大谷羊太郎 殺意の交差点
<おれは、必ず有名人になる。もしその才能がなければ、金持ちになって名声を手にしてやる>拝原欣次はこうして財産のある女性を狙う。志摩子はレストラン・チェーンの女社長。豪華な邸宅に住み、伊豆と軽井沢に別荘を持っている。年齢は一回り上の44歳だが何、構うものか、金のためだ!こうして拝原は志摩子と結婚する。ところが夢は無惨に破れて拝原は僅かな金額を受け取るだけ。裏切られた思いの拝原に殺意が芽生える。完全ナアリバイを設定し、妻が在宅なのを確かめて寝室に忍び込んで殺そうとするが意外や意外そこには・・・。緻密な、二重三重に用意されたトリック、絶対失敗のない殺人計画、それが何故?
大谷羊太郎 「秩父山景」三層の死角
27歳の東京世田谷のOL・上原厚子は苦労して溜め込んだ2千万円を男に騙され持ち逃げされた。男を追って秩父近郊、黒山三滝までやって来た彼女は激情からつい男を殺してしまう。しかし、金は戻らなかった。一方、同時刻に東秩父で強盗事件が発生、農家から2千万円が盗まれた。そしてこの金は偶然にも厚子の入手するところとなる。事件が事件を呼び、青年が事故死させられ、厚子を包む捜査の輪もせばまってきた。しかし、事件はその深層で別の展開をしているのだった・・・。
大谷羊太郎 鳥羽・葛西水族館殺人事件
大阪「海遊館」で葉子の父、名取興業社長の事故死についての疑惑をほのめかした元社員・今泉が、東京ベイエリア「葛西臨海公園」で殺された。彼は、葉子の夫で現社長の輝夫を疑い、水族館に手掛かりを捜していたのだ。連続殺人の容疑がかかる輝夫は、今泉の足跡をたどり鳥羽水族館に赴いた。だが輝 夫も、風船の揺れる自宅の一室で変死体に!?輝夫の残したジュゴンの観察メモに秘められた真相とは・・・?
大谷羊太郎 尾瀬草紅葉殺人事件
燃え立つ炎のような草紅葉に彩られる尾瀬の秋。ドライブの足を伸ばして草原を訪れた人材派遣会社スタッフの美雪は、品のある初老の女性と知り合う。だが彼女は美雪に「亡くなった娘によく似ている」と告げ、手作りのミズバショウの造化を遺して失踪した。一方、奥多摩の山中で美雪にそっくりな女性の死体が発見され、しかもその胸にはミズバショウの造花が・・・。警視庁捜査課警部の叔父とともに真相を追う、美雪の事件簿四編。
大谷羊太郎 横浜・佐世保港灯り殺人事件
朝鮮戦争末期、佐世保港のあかりを見下ろす丘で米軍水兵が変死した。39年後、事件の真相を追って甥の青年が来日。彼は、当時外人バーのバーテンだつた柏村と唐崎を横浜に訪ね、叔父の親友が遺した証言をもとに、二人を鋭く追及する。そこで明かされた事実から、柏村の胸にも、事件当夜不審な動きをしていた唐崎への疑惑が・・・。だが嫌疑を残したまま唐崎が殺された!ハーバーライトの揺れる港街に、時を経て浮かび上がる殺人の謎。
大谷羊太郎 神戸異人館恋の殺人
警視庁捜査一課の村岡刑事は、久々の休暇で神戸の旧友を訪ねた。初恋の人・野本由加との再会に甘い期待を抱く村岡だが、北野異人館近くで起きた殺人事件の容疑者を目撃、更に翌日、旧友の妹の恋人だった男の殺害現場の第一発見者となり、警察の厳しい追及を受ける破目に陥った。偶然か、罠か。村岡の容疑を晴らすべく異人館、三宮、ポートアイランドとその足跡を辿る八木沢警部補の胸に由加への疑惑が深まっていく・・・。
大谷羊太郎 牡丹灯籠殺人事件
ある夜、大学生の翔はゆきずりの美女に一目惚れした。なんとが近づきたいと尾行した翔は青山霊園で美女を見失う。さらに彼女が名乗った名前のOLは既に自殺して青山霊園に葬られていることが判明した。やがて、夜だけその美女が翔の前に現れるようになると同時に不可思議な事が・・・。そしてついには隣人が殺された!
大谷羊太郎 やまびこ129号逆転の不在証明
レイプ事件が発端となり、女が殺された。しかし容疑者は三人の証言者に支えられた鉄壁のアリバイで武装していた。大宮駅から宇都宮に向け東北新幹線に乗った容疑者が東京で犯行におよぶ事は可能なのか?はみ出し警部補・八木沢がつきとめた意外な真相とは・・・。