HALUの映画鑑賞ライフのBlog -55ページ目

HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

昨年劇場鑑賞した45作品のうち、未だブログ記事化出来ていない作品が、あと計13作品も残っておりますが、今回も、今月の2月1日(水)に、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで、1月27日(金)から全国公開して以降、話題を呼んでいる、東映創立70周年記念作品でもある総製作費20億円を投じて製作された時代劇大作の『レジェンド&バタフライ』の鑑賞に、年老いた父親と一緒に出向いて来ましたので、その節の感想を、先ずは、取り急ぎ拙ブログにも記録しておこうかと思います。

 

率直な感想としましては、キムタク信長よりも、綾瀬はるかさん演じる濃姫(別名:帰蝶)の方が、むしろ主役かと思うほどに、信長と濃姫の33年に亘る夫婦愛をクローズアップした新解釈の「信長公記」であり、戦国時代という舞台を借りた壮大なるラブストーリーであって、私が当初に期待していた内容とは、かなり違いましたが、コレはこれで予想外になかなか良く出来た良作ではありました。

 

今年(2023年)の3本目の劇場鑑賞作品。

(※今年度のイオンシネマ草津での2本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

 

「信長と濃姫の33年に亘る壮大な恋愛映画(23.2/1・2D)」

ジャンル:時代劇/ラブストーリー

製作年/国:2023年/日本

製作:『THE LEGEND & BUTTERFLY』製作委員会

制作会社:東映京都撮影所

配給:東映

公式サイト:http://legend-butterfly.com/

上映時間:168分

上映区分:PG12

公開日:2023年1月27日(金)

撮影:芦澤明子

編集:今井剛

音楽:佐藤直紀

脚本:古沢良太

監督:大友啓史

キャスト(配役名):

木村拓哉(織田信長) / 綾瀬はるか(濃姫:帰蝶) / 宮沢氷魚(明智光秀) / 市川染五郎(森蘭丸) / 和田正人(前田犬千代:前田利家) / 高橋努(池田勝三郎:池田恒興) / 浜田学(佐久間信盛) / 本田大輔(林秀貞) / 森田想(すみ) / 三上愛(生駒吉乃) / 増田修一朗(滝川一益) / 斎藤工(徳川家康) / 北大路欣也(斎藤道三) / 本田博太郎(織田信秀) / 尾美としのり(平手政秀) / 池内万作(柴田勝家) / 橋本じゅん(丹羽長秀) / 音尾琢真(木下藤吉郎:羽柴秀吉) / 伊藤英明(福富平太郎貞家) / 中谷美紀(各務野) / 武田幸三(森可成) / レイニ(長谷川橋介) / 野中隆光(蜂屋頼隆) その他

 

 

 

【解説】

木村拓哉と綾瀬はるかの共演で織田信長と正室・濃姫の知られざる物語を描く、東映70周年を記念して製作された歴史大作。

格好ばかりで「大うつけ」と呼ばれる尾張の織田信長は、敵対する隣国・美濃の濃姫と政略結婚する。信長は嫁いで来た濃姫を尊大な態度で迎え、勝ち気な濃姫も臆さぬ物言いで信長に対抗。最悪な出会いを果たした2人は、互いを出し抜いて寝首をかこうと一触即発状態にあった。そんなある日、尾張に今川義元の大軍が攻め込んでくる。圧倒的な戦力差に絶望しそうになる信長だったが、濃姫の言葉に励まされ、2人は共に戦術を練って奇跡的な勝利を収める。いつしか強い絆で結ばれるようになった信長と濃姫は、天下統一へと向かって共に歩み出す。

映画「るろうに剣心」シリーズの大友啓史が監督を務め、「コンフィデンスマンJP」シリーズの古沢良太が脚本を手がけた。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

▲大友啓史監督のサイン入りポスター

 

  信長を陰で支えた濃姫に焦点を当てた、新解釈の「信長公記」。

 

お話しの流れ的には、端的に言うと、美濃国の戦国大名・美濃のマムシこと斎藤道三(北大路欣也さん)の娘の濃姫(綾瀬はるかさん)を、和睦の証に、政略結婚で娶ることになった尾張国の嫡男で「大うつけもん(大馬鹿者)」こと、未だ16歳の織田信長(木村拓哉さん)が、その後、49歳で、ほぼ天下を手中に収めながらも、本能寺の変によって命を落とすまでの33年間を、信長を陰で支えた女性・濃姫に焦点を当てながらも、主に信長と濃姫の夫婦愛を中心に描いた、新解釈の「信長公記」とも言える作品。

 

 

  あらすじ。

 

濃姫の輿入れ早々に、軽薄で格好ばかり気にして思いやりのない信長の態度にブチ切れて、初夜に濃姫が夫である信長を、のしてしまう。

 

 

 

綾瀬はるかさん目当てで観に行ったら、殊の外、濃姫役の綾瀬はるかさんがクローズアップされたお話しに描かれていて、主役の木村拓哉さん演じる信長を喰ってしまうほどの重要な役回りで面白かったです。

 

 

決断力も行動力も今ひとつだった若き信長が、父・美濃のマムシこと斎藤道三譲りの人一倍強い意志を持つ濃姫によって徐々に成長していく前半部では、例えば有名な「桶狭間の戦い」は戦いの前夜に夫婦ふたりで軍議を重ね、出陣する時には、信長ではなく濃姫が「敦盛」を舞うといった新解釈で描かれていました。

 

 

肝心の合戦シーンの詳細な描写については、コロナ禍のためか、それとも撮影の経費削減のためなのか、その殆どが省略されていたのが非常に残念でしたが、今川義元軍4万5000人対織田信長軍5000人という圧倒的不利な状況下を、ただひたすらに天候のみを味方につけ、清洲城で待つ濃姫の不安な姿を撮し描写することにより、この戦の厳しさを表現していました。

 

 

またインタビュー記事によりますと、大友啓史監督曰く、濃姫の父・斎藤道三が、美濃国の内乱により、長良川の戦いで息子・斎藤義龍と戦い、討ち死にするのですが、その死を知って濃姫が自害をしそうになるのを、夫の信長が諫める場面は指折りの名シーンだったと自負されておられるとのこと。

 

 

 

  豪華な城郭のセットやVFX技術で忠実に再現された安土城にも驚き!

 

岐阜城や安土城の城郭のセットやVFX技術による眺望も、見事に再現していましたが、邦画も製作費の予算をを掛ければ、あそこまで豪華で忠実な城郭を再現することが出来るのかと、東映グループも東映創立70周年記念作品だけあって、全社挙げての本腰を入れた映画だなと、その点は感服致しました。

 

 

  唐突な無益な殺戮シーン以外は、概ね良作。

 

ただ疑問に思えたのは、尺が無駄に長い割りには、コロナ禍も関係したのか、それとも製作費の削減が理由なのか分かりませんが、桶狭間や長篠の戦いなどの有名な合戦シーンを殆ど撮さず、逆に、綾瀬はるかさんお得意のアクションを見せたいが為とは思いつつも、唐突に都の浮浪者達を37564にするような無益な殺戮シーンを盛り込むという点がやや理解に苦しみましたが、概ね良作で面白く観ることが出来ました。


 

 

♫陰の主役は映画を盛り上げた佐藤直紀さんのオリジナルスコアによる劇伴♪

 

陰の主役は、佐藤直紀さんのオリジナルスコアのサウンドトラックだったかも知れないですね。

大河ドラマなどのテーマ曲を担当されてられる作曲家だけあって壮大なスケール感が感じられる曲調でした。

 

 

思わず、私に至っては、鑑賞後に、iTunes Storeで配信されている『レジェンド&バタフライ』のサントラをダウンロードしてしまったほどでした。

 

 

本作では、主要な合戦シーンはあまり描かれていませんでしたが、信長との同盟関係を反古にして裏切った浅井長政を匿った比叡山延暦寺に対する焼き討ちに至るまでの僧兵たちとの戦いのシーンや、クライマックスでの本能寺の変は大迫力でした。

 

 

比叡山延暦寺を焼き討ちし、自らを「第六天魔王」(=魔王)と名乗って濃姫の助言さえ聞かなくなっていき、ダークサイドに染まっていく信長を描く後半部では、一時ふたりは離別して、信長の命令で、輿入れの時から侍従だった福富平太郎貞家(伊藤英明さん)の元に身を寄せさせられるのでした。

 

 

また濃姫の侍女・各務野役を演じるのは中谷美紀さん。

木村拓哉さんは、過去に、25年前の1998年にも、TBSドラマ『織田信長 天下を取ったバカ』にて、若かりし日の織田信長役を演じてられましたが、そのドラマ版の際の濃姫役が奇しくも中谷美紀さんその人でした。

 

 

侍従や侍女役にしておくのが勿体ないくらいの豪華キャスト陣でした。

また、徳川家康役に斎藤工さん。森蘭丸役に市川染五郎さん、斎藤道三役に北大路欣也さんといった脇を固める俳優陣も魅力に満ちた作品になっていました。

 

 

 

一旦、離縁をしてはいても、それでも再びふたりが愛を取り戻していく過程をドラマティックに映し出している点でも、本作は夫婦愛を描いた物語だったといえる作品でした。

 

と、まぁ何にせよ、綾瀬はるかさん目当てで観に行ったワタクシメにとっては満足のいく出来映えでした。

 

 

決して冷酷なカリスマではなく、迷いと葛藤の中で戦国の世を生きるという、新たなキムタク信長像、その彼を支えた綾瀬はるかさんのアクティブな濃姫の女性像が至って斬新でした。

 

時代考証も方言指導も、本当に、しっかりなされていて、天下取りに突き進んでいく信長の方言は次第に緩くなっていくのに対して、濃姫の方言は、至ってそのままで変わらないという台詞の口調の変化もよく工夫されていて実に良い出来映えでした。

 

 

パイレーツ・オブ・カリビアンっぽい展開は、源義経のチンギス・ハン伝説のような新解釈として「レジェンド」というタイトルなのかとも思いましたが、夢オチでしたね。

 

あと個人的に難癖を付けるとすれば、悲劇のヒロインの存在の重複を避けようとした結果としての古沢良太さんの脚本・演出だったからだとは思うのですが、信長の妹のお市の方が一切登場しないままに終わったのがやや残念でしたね。

 

 

最後に、宮沢氷魚さん演じる明智光秀による本能寺の変の謀反の理由がそういう理屈もありかも知れないと思わせるくだりも面白かったですね。

 

 

あと付け加えさせて頂きますと、168分といった、やや長尺な本編に加えて、特に本編上映前の予告編やCMがやたらと長いイオンシネマでは、鑑賞途中にトイレに駆け込んで行かれる年配者の観客も続出していましたので、今作のような長尺な作品については予告編などに割く時間を短縮して欲しかったですね(汗)

 

  私的評価:★★★★☆(90点)。

 

やや長尺な作品ではありましたが、サクサクッとお話しが進行するので、本作の上映時間も私にはそれ程にも苦ではなかったのですが、今回も一緒に観に行った年老いた父親が都合2回もトイレに駆け込んで行くなど、年配者の観客のトイレ事情を考えますと、本編以外の予告編などに要する時間も鑑みますと、かなり厳しかったみたいですので、今後は長尺な作品については、予告編やCMをなるべく割愛して時間短縮に努めて欲しいですね。

映画的には、信長と濃姫との33年間に亘る夫婦愛を描いた新解釈の「信長公記」ではありましたが、綾瀬はるかさん目当てで観に行ったワタクシメにとっては概ね満足のいく至福の時間とも言える出来映えではありました(笑)

 

従いまして、私的な評価としましては、五つ星評価的には、四つ星半の★★★★☆(90点)の高評価も相応しい作品かと思いました次第です。

 

東映グループが東映創立70周年記念作品として総力を結集して、邦画では珍しく製作費20億円を投じて作り上げた作品だけあって、映像といい、音楽といい、劇場の大きなスクリーン、大きな音響で観ると、かなり映える歴史大作かと思いますので、是非多くの観客にも足を運んで欲しい作品でした。

 

 

 

 

 

○映画『レジェンド&バタフライ』本予告【2023年1月27日(金)公開】

 

 

 

○「レジェンド&バタフライ」 ~THE LEGEND&BUTTERFLY テーマ曲~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

昨年劇場鑑賞した45作品のうち、未だブログ記事化出来ていない作品が、あと計13作品も残っておりますが、今回は、今年の1月に入り、滋賀県大津市のユナイテッド・シネマ大津にてセカンド上映してくれていた、『ケイコ 目を澄ませて』を、その公開日の1月20日(金)に鑑賞に出向いて来ましたので、その節の感想を、取り急ぎ記録しておこうかと思います。

 

率直な感想としまして、決して派手さはない作品ですが、非常に良く出来た映画で、それを裏付けるかのように、現在、今作が、昨年の2022年度の邦画の幾多の賞レースを席巻し、牽引している事もあり、拙ブログの複数人の読者の方からも、「出来ればこの映画の感想をブログ記事化して欲しい」との旨のリクエストも頂戴しておりましたので、拙い感想文ではありますが、今回は、その『ケイコ 目を澄ませて』の感想について、先ずは、他の作品よりも優先してブログに記録しておこうかと思います。

 

今年(2023年)の2本目の劇場鑑賞作品。

(※今年度のユナイテッド・シネマ大津での1本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

「岸井ゆきのさんの演技力に大注目の快作(2023.2/20)」

ジャンル:ヒューマン/ スポーツ

製作年/国:2022年/日本

製作:『ケイコ 目を澄ませて』製作委員会(メ~テレ、朝日新聞社、ハピネットファントム・スタジオ、ザフール)

制作会社:ザフール

配給:ハピネットファントム・スタジオ

公式サイト:https://happinet-phantom.com/keiko-movie/

上映時間:99分

上映区分:一般(G)

公開日:2022年12月16日(金)

原案:小笠原恵子「負けないで!」(創出版)

撮影:月永雄太

録音:川井崇満

ボクシング指導:松浦慎一郎

手話指導:堀康子 / 南瑠霞

手話監修:越智大輔

編集:大川景子

脚本:三宅唱 / 酒井雅秋

監督:三宅唱

キャスト(配役名):

岸井ゆきの(小河ケイコ) / 三浦友和(ジムの会長) / 三浦誠己(林誠) / 松浦慎一郎(松本進太郎) / 佐藤緋美(小河聖司:ケイコの弟) / 中島ひろ子(小河喜代実:ケイコの母) / 仙道敦子(会長の妻)/ 中原ナナ / 足立智充 / 清水優 / 丈太郎 / 安光隆太郎 / 渡辺真起子 / 中村優子 その他

 

 

 

【解説】

「きみの鳥はうたえる」の三宅唱監督が「愛がなんだ」の岸井ゆきのを主演に迎え、耳が聞こえないボクサーの実話をもとに描いた人間ドラマ。元プロボクサー・小笠原恵子の自伝「負けないで!」を原案に、様々な感情の間で揺れ動きながらもひたむきに生きる主人公と、彼女に寄り添う人々の姿を丁寧に描き出す。

生まれつきの聴覚障害で両耳とも聞こえないケイコは、再開発が進む下町の小さなボクシングジムで鍛錬を重ね、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。嘘がつけず愛想笑いも苦手な彼女には悩みが尽きず、言葉にできない思いが心の中に溜まっていく。ジムの会長宛てに休会を願う手紙を綴るも、出すことができない。そんなある日、ケイコはジムが閉鎖されることを知る。

主人公ケイコを見守るジムの会長を三浦友和が演じる。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

  実在の女性ボクサーの自伝に着想を得た、三宅唱監督のオリジナル作品。

 

生まれつき耳が聞こえない障碍を持ちながらもプロボクサーのテストに合格し、2013年までに通算3勝1敗の戦績を残された小笠原恵子さんの自伝『負けないで!』を原案にし、着想を得た、三宅唱監督が作ったフィクションのオリジナル作品。

 

 

  あらすじ。

 

大まかなお話しの流れとしましては、

嘘がつけず愛想笑いが苦手な小河ケイコ(岸井ゆきのさん)は、感音性難聴という生まれつきの聴覚障碍のために、両耳とも聞こえない。

 

 

再開発が進みつつある東京都内の下町の一角にある小さいが歴史のあるボクシングジムで、ジムの会長(三浦友和さん)が見守る中、ジムのマネージャーの林(三浦誠己さん)やトレーナーの松本(松浦慎一郎さん)などからホワイトボードを使いながらの”会話”をして指導を仰ぎながら、日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続けるのでした。

 

 

平素、彼女は、シティホテルの客室清掃員として働きながら、弟で健常者の聖司(佐藤緋美さん)と同居するマンションから毎朝早く出てロードワークに励む日々でしたが、昨今のコロナ禍で皆が始終マスクをしているため、仕事のみならず、様々な局面で、相手の口元の動きが読み取れない不自由さを感じていたのでした。

 

 

実家の母(中島ひろ子さん)からは「いつまでボクシングを続けるつもりなの?」と心配され、言葉に出来ないもどかしい想いが心の中に溜まっていくのでした。

そんな中、「一度、お休みしたいです」と書き留めた会長宛ての休会届の手紙を、なかなか出せずにいた或る日、ジム自体が閉鎖される事を知り、ケイコの心の中が”雑音”の如くザワザワと動き出すのでした。

 

 

そしてジムの会長もまた眼の具合が悪く、視力自体を失いつつあったのでしたが・・・。

 

 

といったイントロダクションの映画でした。

 

  岸井ゆきのさんの巧みな演技力に注目!

 

所謂、実録物映画ではないとは言え、小笠原恵子さんという実在の聴覚障碍を持つプロボクサーをモデルにした主人公・小河ケイコを演じる岸井ゆきのさんを取り巻く、日常を切り取ったようなあたかもドキュメンタリー映画を観ているかの様な錯覚を覚えた作品でした。

 

先ずは、まさにゼロから身体を作り上げて、ボクシングの基礎を学び、プロのレベルに見えるボクシング技術の習得を行ない、そして台詞に頼らず手話と目元などの表情だけで感情を相手(観客)に伝える演技を会得するといった、どちらか一方だけでも非常に難易度が高く大変な役作りの挑戦を、僅か3ヶ月の期間に、ジムに通って本格的なトレーニングに日々鍛錬を積みながら、東京都聴覚障害者連盟に通いながら手話を学ぶなど、この映画1本の主演のために同時にこの二つの難題に取り組んだ点をからも、彼女を高く評価したいですね。

 

この努力が実った今作で、岸井ゆきのさんも新境地を開拓することが出来て、本作は、まさに彼女の代表作にもなるかと思いました次第です。

 

  エンタメ映画の対極に位置するような、日常風景を切り取ったドキュメンタリー風な作品。

 

また、所謂、エンタメ映画のようなドラマ性を帯びた面白味がある映画というよりも、むしろ、その対極にあるような、先ず、日常風景を切り取ったような演出にするべく、かなり映画の撮影・録音などの技巧的に優れた映画だったかと思いました。

 

 

工事中の建物や鉄橋を渡る電車の音、道路を行き交う自動車の音などの何気ない生活音や環境音、ジムでのトレーニングでの音以外は、同居する弟・聖司役の佐藤緋美さんのギター演奏の音を除き、あえて効果音や劇伴を極力排して、観客に感じさせなくしている点が、上手かったですね。



そして、聴覚障碍者の主人公ケイコ役演じる岸井ゆきのさんの演技が巧かった点を具体的に挙げますと、例えば、遠方から俯瞰でロングショットで撮っているシーンなどで、背後から自転車が近づいて来ているのも耳が聞こえずに全く気付かない風な演技をしているシーンなど、さり気ない日常を映したシーンがすごく印象的でした。

 


またケイコが付けてる日記帳を読む、会長の奥さん(仙道敦子さん)のナレーションの台詞に被せるが如く、会長(三浦友和さん)とケイコのトレーニング風景が上手く動作がマッチしていた点なども印象に残っています。

 



またジムの会長役の三浦友和さんのいぶし銀な演技も素晴らしく、ボクシングを通して、まさにケイコと心が通い合っているのが伝わって来るかの様でした。

 

 

そして、本作で、最も特徴的だったのは、エンディングが作り物の映画的でなくて、あくまでも、日常を切り取ったような生活音、環境音と街の風景のみで終わる仕掛けがなされている辺りも新鮮味があって面白い試みだったように感じました。

 



ドキュメンタリー映画を観ているかのような錯覚を起こすような映画で、決して派手さはない映画ですが、私は好きな作品でした。

 

  劇的な展開はないが『ミリオンダラー・ベイビー』の師弟関係とも似て非なる映画。

 

あのクリント・イーストウッド翁による名作『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)のような重くヘビーでドラマチックな見せ場のある作風ではないですが、その父娘のような師弟関係にある二人の関係性は、本作とも似て非なる映画かも知れないですね。

 



私は、この『ケイコ目を澄ませて』の三宅唱監督の作品は今作が初見でしたので、監督さんはじめ撮影・録音など、実に才能溢れるスタッフさん達だなと感心した次第です。

 

  16㎜フィルムを使うこだわりの逸作。

 

最後に、私は鈍感だからか、あまり気が付かなかったのですが、今作は、デジタルではなく、あえて16㎜フィルムを使って撮られた映画だったそうで、そう言われてみると、画面の質感や人物などの映り具合が幾分か優しくどこか温かみ感じる映画だった様な気もしました。
 

 

 

 

 

 

 

  私的評価:★★★★☆(ほぼ満点の90点)。

 

エンタメ映画慣れしてしまっていると、ついつい劇的なドラマ性の帯びた作品から得る鑑賞後のカタルシスを作品に求めてしまいがちですが、この映画の場合には、所謂、実録物映画ではないですが、ドキュメンタリー映画かと勘違いしてしまうほどにドラマ性を極力排した映画で、映画を盛り上げるような効果音も劇伴も一切無い映画ではありますが、ほとんど話すこともない聴覚障碍を持つケイコの一挙手一投足を通して、その不器用な生き様を、障碍を持つからとか健常者だとか関係なく、1人の人間としてその閉ざされた心の変化の在り方を上手く活写している点がすごく良かったです。

面白味というか派手さはないのですが、心にジワッと沁みてくる映画のようで私は好きですし、多くの方々にも鑑賞をお勧めしたいですね。

 

と言うことで、私的な評価と致しましては、五つ星評価的にも、ほぼ満点の四つ星半の★★★★☆(90点)も相応しい映画かと思いました次第です。

 

現在も、昨年(2022年)度の邦画の幾多の賞レースを席巻し、牽引しているのも良く理解出来るほどの出来映えの作品でした。

 

『さかなのこ』にて、日本アカデミー賞の優秀主演女優賞にノミネートされている、のん(能年玲奈)さんを応援している身ではありますが、この映画を観た後では、最優秀主演女優賞には、岸井ゆきのさんの受賞こそが相応しいと思わざるを得ないですね!

 

○12月16日(金)公開|映画『ケイコ 目を澄ませて』本予告

 

 

 

◎安藤サクラさんの劇的ビフォーアフターな役作りに感嘆したボクシング映画の『百円の恋』(2014年)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

先日のロック歌手のシーナ&ロケッツの鮎川誠さんの訃報にも驚きましたが、この度、大阪・MBS毎日放送の高井美紀アナウンサーが先月1月25日に急逝していたことが明らかになりました。

但しながら、死因については、ご家族なのか会社側の都合によるものなのか、プライバシー配慮とのことで明らかにはされていません。

享年55歳。

 

通夜および葬儀は近親者のみで執り行ったとのこと。

 

突然の死に接し、同僚や知人らからは悲しみの声が上がりました。

昨日2日、同局が発表されました。

 

 

高井美紀アナは神戸女学院大卒で1990年にMBS毎日放送に入社。『MBSナウ』や『VOICE』といった報道番組のキャスターを長年務め、落ち着いた語り口に定評がありました。

 

 

私生活では外科医と結婚し、2000年に長女を出産後、復帰。

現在はつい最近まで、テレビは『皇室アルバム』のナレーションや生活情報番組『住人十色』のナビゲーターや『ザ・リーダー』、『医のココロ』などに出演、ラジオでも『日本一明るい経済電波新聞』などを担当していた、まさに在阪局を代表する看板アナウンサーのおひとりでした。

 

 

本日3日のMBSの帯番組の『よんチャンTV』の番組冒頭でも、高井美紀アナの死去を悼む報道をなされていましたが、メイン司会の河田直也アナからも、事故死か病死かについても言及がなかったので逆に謎が深まるばかりでしたが、非常に哀しいですが「あえて詮索をしないで欲しい死に方」(自死か!?)だったということなのかも知れないですね(汗)

 

私と同い年・同学年だったということもあり、勝手に親近感を持ってテレビでのご活躍を目にしていたのもあって、単なる視聴者に過ぎない私でもショックを隠しきれない状態でした。

 

親交のあった漫才師のハイヒールのモモコ(58歳)さんは、2日、Instagramで「信じられんすぎる ご飯の約束してたのに」「悲しすぎる 神様が決めた人生やったんかな」と無念さをつづってられました。

 

 

故人のご冥福を心からお祈り申し上げます。合掌。

 

 

<在りし日の高井美紀アナのYouTube動画>

○#14 『湯~沸くのつぶやき ~お湯が沸く間の独り言~ 』 高井美紀アナ

 

 

 

 

 

 

【2023年1月の劇場鑑賞作品】

昨年は、1月のみの時点で9本も劇場鑑賞しておりましたが、今年の1月は、ここ京都市内においても、十年に一度の大寒波の襲来による積雪や異常な冷え込みもあって、劇場鑑賞に出向くのもかなり億劫になってしまい、結局、以下の2本しか劇場鑑賞出来ませんでした。

 

・『近江商人、走る!』(☆:星半分の10点)

・『ケイコ 目を澄ませて』(★★★★☆:90点)

 

今年初の映画初めの作品として、時代劇映画好きな私の父親のたっての希望で観に行った『近江商人、走る!』という映画が、既にブログ記事化してある通り、あまりにも、くだらない過ぎて鑑賞に要した時間を返して欲しいくらいに酷くて、非常に稀なくらいな手厳しい評価を下しました。

本当にわざわざ映画館で観る価値のない凡作でした。

 

 

一方、それに対して、ユナイテッド・シネマ大津でセカンド上映してくれていた『ケイコ 目を澄ませて』が非常に良く出来た快作でした。

 

 

お話し的には、感音性難聴という生まれつきの聴覚障碍を持つ女性ボクサーの映画の為、生活音やジムでのトレーニングの音以外に効果音やBGMも一切無い中、ケイコの心の揺れや心情を非常に巧く撮っており、ケイコ役の主演の岸井ゆきのさんのボクサーとしての演技もそうですが、本当の聴覚障碍者の如き演技力も実に素晴らしかった!

またジムの会長役の三浦友和さんのいぶし銀な演技もすごく良かったでした。

 

 

 

そんな素晴らしい作品だからか、現在も邦画の賞レースを席巻し、また牽引しているにも拘わらず、このような作品が、ユナイテッド・シネマ大津では、まさかの1週間で上映打ち切りという事態で何たるタイミングの悪さ。

そんなにも観客の入りが悪いのであれば、イオンシネマ草津や、今は無き昨年に閉館した大津アレックスシネマのように劇場毎の個別のTwitterアカウントを持って、もっと宣伝するべきなのかも知れないとも思われましたね。

 

 

 

 

 

 

▲『負けないで!』小笠原恵子・著(創出版刊・定価1,100円+税)

 

現在、購入済みの原作本『負けないで!』を読んでいる途中ですが、出来れば早めに、この『ケイコ 目を澄ませて』の感想や作品の魅力についてなどをブログ記事にして欲しい旨のリクエストを複数人から頂戴していますので、私も出来る限り早めに、近日中にはブログ記事にしてアップしたいとも思っています。

 

私のこの作品のブログ記事化をお待たせしている読者の方々、どうかもう少しお待ちください。

 

今月の2月も、寒波による風雪や底冷えが続くようですが、叶うことならば、せめて週一本のペースででも劇場鑑賞出来たらと思っている次第です。

 

<オマケ画像>

【今夜の恵方巻など節分の日の母親手作りの家庭料理】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。