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HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

昨年劇場鑑賞した45作品のうち、未だブログ記事化出来ていない作品が、あと計13作品残っておりますので、次は、昨年久し振りに劇場鑑賞に出向いて来た、ミニシアターの京都みなみ会館で、昨年8月5日(金)に公開以降、本年の1月12日(木)までの長期に渡ってロングラン上映なされていた、パキスタン・アフガニスタンの人々に対する無償の医療行為のみならずアフガニスタンの大干ばつの再発予防対策のための用水路の建設・復興支援事業にまでも尽力された、故・中村哲医師のドキュメンタリー映画の劇場版『荒野に希望の灯をともす』を、私の父親が是非とも鑑賞したいと言うので、京都みなみ会館の会員更新時に貯まったポイントを活用して、父親ともども、私も100ポイント交換無料鑑賞にて、劇場鑑賞してきました。

 

※尚、11月22日(火)には佐川美術館に『水木しげるの妖怪百鬼夜行展』のWeb予約をしていたり、11月24日(木)には父親の通院日で送迎をする必要があったりと予定がギッシリと詰まっており、平日は、東寺の縁日の弘法市の日である21日しか空いている日がなかったので、仕方なく、11月21日(月)に観に行きましたが、当日は、案の定、ネットで調べて確認してみますと、京都みなみ会館の近くの格安な有料パーキングは、珍しく、弘法市に来訪している人たちのクルマで満車状態のようでしたので、とりあえずは、イオンモールKYOTOの屋内駐車場にクルマを止めて、京都みなみ会館まで徒歩で行く事にしたのでした。

 

鑑賞当時、昨年度の41本目の劇場鑑賞作品。

(※昨年度の京都みなみ会館での2本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

「百の診療所よりも一本の用水路を(22.11/21)」

ジャンル:ドキュメンタリー

製作年/国:2022年/日本

企画:ペシャワール会

制作/配給:日本電波ニュース社

公式サイト:http://kouya.ndn-news.co.jp/

上映時間:90分

上映区分:一般(G)

取材:柿本喜久男 / 大月啓介 / アミン・ウラー・ベーグ

CG:平野雄一

編集:櫻木まゆみ

音響効果:渡辺真衣 / 大島亮 

演奏:中村幸

構成/制作:上田未生

撮影/監督:谷津賢二

朗読:石橋蓮司

語り:中里雅子

出演:中村哲 その他

 

 

【解説】

2019年、アフガニスタンで用水路建設に邁進するなか武装勢力に銃撃されて死去した医師・中村哲の足跡を追ったドキュメンタリー。

 

アフガニスタンとパキスタンで35年にわたり、病や貧困に苦しむ人々に寄り添い続けた中村哲医師。

現地の人びとにその誠実な人柄が信頼され、医療支援が順調に進んでいた2000年、アフガニスタンの地を大干ばつが襲う。農業は壊滅し、人びとは渇きと飢えで命を落とす中、中村医師は医療で人びとを救うことに限界を感じる。

そこで彼は医療行為のかたわら、大河クナールから水を引き、用水路を建設するという事業をスタートさせる。これまでにテレビなどで放送された映像に、未公開映像、最新の現地映像も加えて劇場版として再編集し、中村哲の生き様を追った。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

 

 

 

 

中村哲医師の現地活動35年の軌跡。 

 

 

 

パキスタンとアフガニスタンで35年に亘って、病や戦乱、そして干ばつに苦しむ人々に寄り添いながら、その命を救い、生きる手助けをしてきた医師・中村哲さん。

 

 

所謂、ハンセン病患者が蔓延していたパキスタンのペシャワール病院のハンセン病棟に医療支援のため、1984年に中村哲医師が着任して以降、その誠実な人柄が現地の人々にも信頼され、やがて、その医療支援活動は、アフガニスタンの山村無医村の僻地の人々に対してまでも広がっていくのでした。

 

 

 

しかし、2000年。アフガニスタンに大干ばつが襲い、農業は壊滅し、飢えと渇きで瀕死の人々が中村哲医師の元に押し寄せたのですが、もはやこの事態は医療で支えるのには限界でした。

 

 

 

そして、起こった9.11アメリカ同時多発テロと、それに続く報復措置の名の下のアメリカ軍によるアフガニスタン空爆。

 

 

そこで中村哲医師は誰も想像しなかった決断をするのでした。

それは用水路の建設作業でした。

大河クナール川から水を引き、乾いた大地をよみがえさせるという途方もない計画でした。

 

 

果たして医師に用水路建設など出来るのか。無謀と言われた挑戦が始まった。専門家もいない中、始まった前代未聞の大工事は苦難の連続でした。

 

 

数々の技術トラブル、アメリカ軍による容赦ない空爆、そして、更に、日本で待つ幼い息子の死・・・。

 

 

中村哲さんはそんな困難を一つひとつ乗り越えて、7年の歳月をかけて用水路を造り上げるのでした。

 

 

 

そして用水路が運ぶ水で、荒野は緑の大地へと姿を変え、命の気配を宿した農村がよみがえり、現在、約65万人を支えている。

 

 

 

中村哲さん、凶弾に倒れる。 

 

2019年12月4日。さらなる用水路建設に邁進する最中、中村哲さんは何者かの凶弾に倒れてしまう。

その訃報は世界中を駆け巡り、アフガニスタンは悲しみに沈んだのでした。

その突然の死は、多くの人々に深い悲しみをもたらしたのでした。

 

 

ですが、その一方で私たちに強く問いかけもするのでした。

中村哲医師が命を賭して遺したものは一体何なのか、その視線の先に目指していたものは何だったのか。

 

 

ということで、中村哲医師が遺した文章と1.000時間におよび活動記録をもとに、現地活動の思索とその実践をたどるべく、谷津賢二監督などが、21年間記録し続けた映像を中心に、テレビ放送した内容に未公開映像や最新映像を加えて、今回、劇場版としてリメイク。

 

 

この映画は、混沌とする今の時代を生きるすべての人に贈る、中村哲医師の現地活動35年の軌跡を追ったドキュメンタリーの完全版でした。

 

 

慈善事業の裏での葛藤の日々を知り、思わず感涙。 

 

中村哲医師によるパキスタン・アフガニスタンでの医療支援行為やアフガニスタンでの用水路事業については、私も、ニュースなどで、大まかには伝え聞いてはいましたが、この慈善活動の原資とするべく、帰国した際には日本国中を度重なる講演で行脚して、より多くの支援金を募る多忙な日々を送られていて、脳腫瘍の為に余命幾ばくもない幼い息子さんと会って遊ぶようなひとときを過ごす余裕さえもない過酷な状態で、葛藤の日々だったという事実を、この映画で初めて知りました。

 

自分の家族との時間をも犠牲にしてまで、アフガニスタンでの用水路事業や飢餓で苦しむ人々に対しての食料配給事業に尽力されていた事実を知って、もはや涙無しでは観ていられませんでした。

 

 

私的な評価:★★★★★(100点満点) 

 

中村哲さんが”蒔いた種”を、今度はアフガニスタンの現地の人々が自らの手で開拓するべく、凶弾に倒れ、亡くなられた中村哲さんの意志を受け継ぎ、引き続き、用水路の建設作業・改修作業などを行なっており、見事に”花”を開いて、その”実”を結んでいる点でも、単なる一過性の慈善事業とならなかった点も評価したいですね。

中村哲医師が命を賭してまで成し遂げようとした、医療支援行為や、この用水路建設事業には本当に頭が下がる思いでしたし、ただ単に「中村哲さん。本当によくやりましたね。」「大変でしたね。」のみでは無く、その先をも考える良い機会となりました。

この事実に優るもの自体がないのと、ドキュメンタリー映画としても、僅か90分によくまとめ上げてられたので、五つ星評価的には、文句なしの★★★★★(100点満点)が相応しい作品でした。

 

このドキュメンタリーこそ、より多くの人たちに観て頂きたい映画でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

○劇場版「荒野に希望の灯をともす」予告編 ~中村哲医師 ドキュメンタリーの完全版~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

まだ昨年に劇場鑑賞した映画45本のうち、計13本が未だにブログ記事化出来ていないのですが、ようやく今年1本目の映画初めとして、時代劇好きの年老いた父親のたっての希望で、今作を、1月16日(月)に、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで鑑賞に出向いて来ました。

 

しかしながら、率直な意見を申しますと、<近江商人>である設定の必然性の微塵も感じられない作品であり、また、時代考証も何も考慮していない、ぶっ飛んだ設定のコメディ時代劇であって、謂わば映画のタイトルを騙った詐欺案件とも思える映画でした。

 

とは言え、出来映えの如何は別にして、拙ブログの記録として、一応は留めておきたいと思います。

 

今年(2023年)の1本目の劇場鑑賞作品。映画初め。

(※今年度のイオンシネマ草津での1本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

「『近江商人』である必然性が全くなかったぞ!(23.1/16)」

ジャンル:コメディ/時代劇

製作年/国:2022年/日本

製作会社:KCI

配給:ラビットハウス

公式サイト:https://oumishounin.com/

上映時間:114分

上映区分:一般(G)

公開日:2022年12月30日(金)

音楽:RIO

主題歌:AMAEBI「non Standard」

劇中歌:田野優花「cha」

脚本:望月辰

監督:三野龍一

キャスト(配役名):

上村侑(銀次)/ 小鷹狩八(銀次:幼少期) / 森永悠希(蔵之介) / 黒木ひかり(楓) / 大里菜桜(楓:幼少期) / 筧利夫(伊左衛門) / 前野朋哉(眼鏡職人の有益) / 田野優花(お仙) / 鳥居功太郎(大工の佐助) / 矢柴俊博(平蔵:柏屋の主人) / 大橋彰:アキラ100%(銀一:銀次の父親) / 村田秀亮:とろサーモン(喜平:薬売り)/ たむらけんじ(孫太郎)/ 真飛聖(伊左衛門の妻) / 渡辺裕之(佐助の親方)/ 小松勇司(大善屋の番頭:菊次郎)/ 堀部圭亮(大津奉行)/ 高梨瑞樹・徳江かな・落合亜美(おひさ・おとよ・おみつ)/ 藤岡弘、(大津藩主) その他

 



【解説】
江戸時代、大坂や伊勢と並ぶ日本三大商人に数えられた近江商人たちの活躍を描いた時代劇。現代の経済においては「裁定取引」(アービトラージ)と呼ばれる取引方法に着目した近江商人たちが、そろばん片手に知恵をふりしぼり、商売で勝負に出る姿を痛快に描く。

ある近江商人との出会いから、大津の米問屋・大善屋で丁稚奉公することになった銀次は商才を発揮し、店の仕事はもちろん、ケガをして働けなくなった大工を救済する方法を考えたり、閑古鳥が鳴く茶屋に客寄せのアイデアを出したりするなど、さまざまな方面で町の人たちを助けていた。そんなある時、悪らつな奉行の罠で大善屋が千両もの借金を背負わされてしまう。銀次は店を守るため、大津と15里(60キロ)離れた堂島の米の価格差を利用した裁定取引を思いつく。飛脚でも半日かかかる距離を越え、情報を迅速に入手するため銀次は仲間とともに作戦を練る。

銀次役は「許された子どもたち」で注目された上村侑が務めた。銀次の先輩・蔵之介役に「ちはやふる」シリーズなどで活躍する森永悠希、銀次や蔵之介とともに働く楓役に「アルプススタンドのはしの方」の黒木ひかり。監督は「老人ファーム」「鬼が笑う」の三野龍一。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

  漫才師・とろサーモンの村田秀亮さんの演技は評価。

 

まだ冒頭の銀次の幼少期の頃の薬屋の喜平との出会いと別れまでは、観客を泣かせようとしているのが見え見えな流れながらも、この辺りまでは良かった。

薬屋の喜平役を演じていたのが、漫才師、とろサーモン・村田秀亮さんというのもエンドロールで確認するまで気が付かないほど好演もされていた点は確かに評価はします。

 

 

  方言がゴチャ混ぜ状態で耳障り!

 

ただ、滋賀弁(近江弁)を話す配役が誰一人も居なくて、れっきとした、まともな方言指導も居ないからなのか標準語と関西弁の配役がゴチャ混ぜだったのも耳障りで仕方なかったでしたね。

 

 

  時代考証を無視し過ぎな、ぶっ飛びな展開。

 

そこから、眼鏡職人の有益(前野朋哉さん)や大工の佐助(鳥居功太郎さん)などに解決策を授けていく辺りから、あたかも、江戸時代の<お助けマン>の如く、本筋とは離れて、妙におかしな具合にお話しが展開していくと思っていたのですが、馴染みの茶屋の看板娘・お仙(田野優花さん)を茶屋の看板娘番付で一位にするべく妙案を授けるのですが、それが、まるで地下アイドルの握手会に、♥マークに、「L・O・V・E」って叫び応援するヲタ芸であったり、遂には、ミニコンサートを披露するなど、時代考証があまりにぶっ飛んでいるし、コスプレ感満載で、コメディ時代劇にしても羽目を外し過ぎて観るに堪えなかったですね。

 



 

あれでは、時代劇を愚弄するにもほどがあると思いました。
なので、いくら痛快コメディ時代劇でも、最低限の時代考証は守って欲しかったです。

 

  「近江商人」である設定に必然性がない!

 

本当にお話しの展開も強引すぎるし、そもそも<近江商人の三方よしの精神>の用い方自体が間違っているし、近江国(現:滋賀県)の大津から大坂の堂島までは、途中に大きな山々も幾つもあるはずなのに、あんな方法で情報を伝達するのは、あまりにも安直で無謀な作戦ですよね。

 

 

 

 

 

  故・渡辺裕之さんの遺作にするのが可哀想なくらいに酷い作品。

 

残念な出来映え過ぎて、私的には、この作品を以て、あの故・渡辺裕之さんの遺作にしておくのが本当に可哀想なくらいの酷い作品にも感じました。

 


 

いくら痛快コメディ時代劇だとしても、私的な感想としましては、このような映画に異常に高評価を付けている人の感性を疑います。
この映画の関係者の人たちで仲間同士の内輪のみで喜んで観ているかのように感じました。

 

 

ですので、いくらご当地映画を謳った作品とはいえ、<近江商人>とは名ばかりの中身が伴っていない映画ですので、ご当地の滋賀県にある、イオンシネマ草津やイオンシネマ近江八幡で上映延長をなされるのは要らぬ犠牲者を増やす一方なので、今一度ご再考願いたいです!

 



これならば、今年の映画始めには、韓国のパニック映画『非常宣言』でも観ておくべきだったと、この映画に期待していたはずの父親ともども、出鼻をくじかれた形になり、後悔しきりでした。

 

  私的な評価:☆(星半分の10点)

 

以上から、私的な評価としましては、五つ星評価的には、とろサーモンの村田秀亮さんの演技の上手さを評価し加点して、厳しすぎる採点評価かも知れないですが、星半分の☆(10点)のみの極めて低評価とさせて頂きました。

 

  池上彰さんご紹介の予告編がそもそも罪作りでした。

 

○映画『近江商人、走る!』 予告 <60秒>

 

 

 

○映画『近江商人、走る!』 予告 <30秒>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。

昨年劇場鑑賞した45作品のうち未だブログ記事化出来ていない作品が、あと計14作品残っておりますが、次は、先ず、3年前のミニシアターエイド基金などで微力ながらも支援させて頂いていたのですが、その節のリターン品である、ミニシアターの京都みなみ会館で利用出来る未来チケットの有効期限が昨年の2022年末日となっていて、未だその未来チケットで映画が観に行ける状態だったのに気付いたのでした。

 

そこで、この『AKAI』というドキュメンタリー作品。

現在俳優の赤井英和さんが<浪速のロッキー>と呼ばれていたプロボクサー時代にスポットを当てたドキュメンタリー映画なのですが、2022年9月9日全国公開の作品でしたが、京都府下の上映館はMOVIX京都のみの単館上映だったので、仕方なく観るのを半ば諦めていました。

 

ですが、ラッキーなことに、11月4日(金)から、京都みなみ会館でもセカンド上映してくれる事を知り、11月17日(木)に、新型コロナ禍の以前に老朽化から一時休館後、リニューアルして営業再開されて以降、初めて、京都みなみ会館まで、その未来チケットを有効活用するべく、独りで鑑賞に出向いて来ましたが、このドキュメンタリー映画の感想や、新しくなった京都みなみ会館についてなど、その他諸々について、今回は採り上げたいと思います。

 

鑑賞当時、昨年度の40本目の劇場鑑賞作品。

(※昨年度の京都みなみ会館での1本目の劇場鑑賞作品。)

 

 

 

「かつて日本中を熱くさせた天才ボクサーがいた。(22.11/17)」

ジャンル:ドキュメンタリー

製作年/国:2022年/日本

配給:ギャガ

公式サイト:https://gaga.ne.jp/akai_movie/

上映時間:88分

上映区分:一般(G)

映像協力:朝日放送テレビ / 阪本順治

音楽:上倉紀行

編集・監督:赤井英五郎

出演:赤井英和 / エディ・タウンゼント / 大和田正春 その他

 

 

【解説】

俳優、タレントとして活躍する赤井英和のプロボクサー時代にスポットを当てたドキュメント。

1980年にプロボクサーデビューし、21戦19勝16KO2敗の戦績を上げた赤井英和。「浪速のロッキー」の愛称で多くの人から愛された赤井は、85年の大和田正春との対戦でKO負けを喫し引退。自身の自伝をベースにした阪本順治監督の「どついたるねん」で俳優デビューを飾った。本作は再起不能のダウンから復活し、自分自身を演じた「どついたるねん」の映像、世界王者に挑戦したブルース・カリー戦、そして大和田正春戦の試合映像にインタビューを交え、多くの人を熱狂させた赤井英和の実像に迫っていく。

監督は赤井英和の長男で、自身も現役のプロボクサーとして活躍する赤井英五郎。

 

(以上、映画.comより、引用抜粋。)

 

 

  リニューアル後の京都みなみ会館初体験。

 

先ず、久し振りに出向いたミニシアター・京都みなみ会館についてですが、この映画館が一時休館後、前にあった場所から九条通を挟んで北側に移転し、リニューアルオープンされて以降、初めてこの劇場で映画を鑑賞しましたが、エレベータも完備していて、新たに結構広い障碍者用トイレも完備してあったりとバリアフリーにも根ざしたユニバーサルデザインを施された劇場に生まれ変わっていて、すごく機能的でオシャレなミニシアターになっていて驚かされました。

 

 

 

 

以前は、無料駐車場完備の映画館でしたが、移転に伴い駐車場が無くなってしまって以降は、観に行くのがついつい億劫になってしまいがちでしたが、今回は、近くの有料パーキングにクルマを止めて観に行きましたが、それほどバカ高い駐車場料金でも無かったので、考えを改めて、今後も目ぼしい作品の上映があれば、ちょくちょく利用したいと思いました。

 

 

  惜しまれる吉田由利香館長の退社。

 

昨年、ミニシアター・エイド基金の際の未来チケットを使って、ようやく新しくなった京都みなみ会館に出向いた訳ですが、リニューアルオープンに際してや、新型コロナ禍の中、京阪神ミニシアター13館・応援Tシャツの販売展開や、ミニシアター・エイド基金の活動の際にも、すごくご尽力なされていた看板娘的な吉田由利香館長が退社をなされていた事実も最近になって知りまして、少々寂しい気分になっていました次第です。

 

  『AKAI』:浪速のロッキーのドキュメント。

 

さて、肝心の映画『AKAI』についてですが、朝日放送テレビに残るプロボクサー時代の赤井英和さんに関するアーカイブ映像のあまりにもの豊富さに、先ずは驚かされました。

あの当時は、『がんばれ元気』や『あしたのジョー2』などのボクシングアニメの人気にも象徴されるように、プロボクシング人気が、まだ高かったからか深夜帯にも、ボクシング番組を放送していたようですね。

 

 

それに加えて、浪速高校・近畿大学当時のアマチュア時代の貴重な映像や赤井英和さんご本人の語録も交えて、近畿大学にボクシング推薦で進学し、オリンピック代表候補(補欠)として注目を浴びるも、ソ連によるアフガニスタン侵攻に端を発した、西側諸国及びイスラム諸国を中心とした、1980年のモスクワ五輪ボイコットのために、五輪出場の夢が絶たれてプロ転向を果たすまでの経緯については、私も全く知らなかったので、今回このドキュメンタリー映画を観て、赤井英和さんも「あのモスクワ五輪ボイコットの犠牲者だったのか」と見識を新たにしました。

 

 

「オリンピックに出られないのなら、プロに転向して世界を獲ります!」と誓って、その年1980年に学生プロボクサーに転向し、鮮烈なデビューを飾り、通算戦績は21戦19勝16KO2敗(※デビュー12連続KO<試合時間計72分>は日本タイ記録)を残した、不世出の天才ボクサーだった赤井英和さんの謂わば<黄金時代>を、赤井さんの長男で、アメリカの大学在学中に本格的に映像について学び、自身もプロボクサーでもある赤井英五郎さんが、この新型コロナ禍で本職のボクシングも出来ない状況下にある時間を活用し、朝日放送テレビや、阪本順治監督などの全面協力の下で、苦労をして初監督したドキュメンタリー映画。

 

 

大阪市西成区生まれからか<浪速のロッキー>の愛称で呼ばれ、多くの人々から心底愛された様子は、今池商店街の人々からの声援や、朝日放送テレビの看板番組の「おはよう朝日です」のスポーツコーナーでの花井悠さんなどとの軽妙なやりとりからも伝わって来ました。

 

  本作中、ブルース・カリー戦が白眉。

 

特に、いま振り返って観ても、世界王者に挑戦した1983年の「ブルース・カリー戦」での、荒削りながらも、どつきどつかれのまさに息を呑む壮絶な試合映像が凄かったですね!TKO負けではありましたが、本当に凄い試合でした。

 

この敗戦にショックした赤井英和さんが引退をほのめかして失踪した一件については、あえて深掘りされていなかったのですが、もう今ならば明らかにしてくれても良かったようにも思いましたが、まだNGなのでしょうかね。

 

 

  エディさんの言葉が心に残りました。

 

名伯楽エディ・タウンゼントさんをトレーナーに仰ぎながら、再び世界戦への前哨戦として臨んだ、1985年の「大和田正春戦」ではKO負けを喫し、脳に重大な損傷を受け急性硬膜下血腫、脳挫傷と診断され、生死の境を彷徨いながら、ドリルで開頭手術をするなどの大手術の結果、奇跡的に一命を取り留めはしましたが、ボクサーとしての復活は叶わず、志半ばで現役引退。

しかし、救急搬送された大阪市富永病院の担当医の先生の腕前が良かったのか、赤井英和さん自身の生命力が凄かったのか、一命を取り留めることが出来たのは良かったです。

 

 

退院後の赤井さんに対して、エディ・タウンゼントさんの「アカイ!こんなになっても、これからもそばに残ってくれる人だけが本当のトモダチよ。分かったネ!」というような言葉が、やけに的を射ていて心に残りましたね。

 

 

その後、映画『またまたあぶない刑事』(1988年)に用心棒役としてゲスト出演し俳優デビューをした翌年、赤井さんが自身の半生を振り返った自伝を書いた、その本をベースに、阪本順治監督の初監督作品である『どついたるねん』(1989年)で、れっきとした主演俳優としてデビューを飾ったのですが、本作は、そんな引退の引き金となった大和田正春戦後の開頭手術の模様やリハビリの様子、それまでの華麗な戦績のビデオ映像などを映し、<浪速のロッキー>として活躍した<黄金時代>とも謂うべきプロボクサー当時の赤井英和さんの実像に迫った作品となっています。

 

 

  人生の第一章・ボクサー時代に特化した内容のドキュメンタリー。

 

今の奥様・佳子さん(再婚)や佳子さんの子供である長男の英五郎さん達家族との絡みのシーンが殆ど無く、あくまでも<浪速のロッキー>時代の赤井英和さんの栄光と挫折、そして俳優として再スタートした点についてのみ特化したドキュメンタリー映画になっているので、やはり、長男で編集・監督をなされた英五郎さんが、あくまでもボクサー目線で観た映像作品にしたかったのかも知れないですね。

 

※但しながら、パンフレットの中には、現在のご家族との事も沢山収録されています。

 

学年は違えど同世代を大阪で過ごして数々の喧嘩にまつわる伝説を残してられたらしい、プロレスラーの前田日明さんとの絡みや逸話も一切語られることもなかったのも私的には残念でした(苦笑)

 

若旦那さんこと坂東玉三郎さんのご紹介で、篠山紀信さんの手により撮ることになった、若かりし日の赤井英和さんのお写真を今回ポスターに使用していますが実に格好いいですよね。

 

  「生きてるだけで丸儲け」を体現した男。

 

それにしても、人生の第一章では栄光と挫折に遭遇されたようですが、一命を取り留めて復活した後の第二章では俳優・バラエティタレントとしても大活躍されている事を考えれば、まさに「生きてるだけで丸儲け」な人生を体現されている人そのものでしょうね。

 

  私的な評価:★★★★☆(90点)

 

長男でもある監督の赤井英五郎さんからすれば、ボクサー目線で観た、父・赤井英和さんの<浪速のロッキー>時代を中心に、格好良かった面のみにスポットを当てた編集にしたかったのかも知れないですが、ブルース・カリー戦後の失踪の一件の内幕や、今でこそ話せる、家族だからこそ話せる内容なども、もっと斬り込んで深掘りしても良かったかなとも思いましたので、そこの辺りも、もっと赤井英和さんご本人に逸話について突っ込んで欲しかったですね。

 

また、今作の映画の中で、<浪速のロッキー>だけに、ビル・コンティ作曲の映画『ロッキー』での使用曲を使っているのは悪くはないですが、やや安直すぎた感じもしましたね。

 

それらの点が、少々惜しいので、五つ星評価的には、ほぼ満点ながら、★★★★☆(90点)にしましたが、思わず固唾を呑むような、世界王者に挑んだブルース・カリー戦のVTR映像を観るだけでも充分価値が有るボクシング映画かとも思いましたので、ボクシングファンには是非ともお勧めのドキュメンタリーかと思う次第です。

 

○【公式】映画『AKAI』本予告 9/9(金)公開

 

 

 

○映画『AKAI』赤井英和の伝説連続KO勝利の本編シーンを解禁!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。