時代劇好きな父親のリクエストにて、北野武監督作品には、『座頭市』(2003年)以来の20年振りの時代劇映画『首』を鑑賞するべく、昨年の12月6日(水)に、滋賀県草津市のイオンシネマ草津まで出向きました。
昨年(2023年)度の32本目の劇場鑑賞作品。
(昨年度のイオンシネマ草津での24本目の劇場鑑賞作品。)

「良くも悪くもビートたけし節が全開に炸裂!(23.12/6・2D劇場鑑賞)」
ジャンル:時代劇
製作年/国:2023年/日本
製作:KADOKAWA
配給:東宝 / KADOKAWA
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/kubi/
上映時間:131分
上映区分:R15+
劇場公開日:2023年11月23日(木・祝)
原作:北野武『首』(KADOKAWA刊)
製作:夏野剛
プロデューサー:福島聡司
撮影監督:浜田毅(JSC)
照明:高屋齋
美術:瀬下幸治
音楽:岩代太郎
サウンドデザイナー:柴崎憲治
衣装デザイナー:黒澤和子
録音:高野泰雄
編集:太田義則
VFXスーパーバイザー:小坂一順
助監督:足立公良
特殊メイク/特殊造形スーパーバイザー:江川悦子
装飾:島村篤史
殺陣師:二家本辰己
スクリプター:吉田久美子
キャスティング:椛澤節子
製作担当:根津文紀 / 村松大輔
能楽監修:二十六世観世宗家 観世清和
脚本・編集・監督:北野武
キャスト(配役名):
ビートたけし(羽柴秀吉) / 西島秀俊(明智光秀) / 加瀬亮(織田信長) / 浅野忠信(黒田官兵衛)/ 大森南朋(羽柴秀長) / 難波茂助(中村獅童) / 小林薫(徳川家康) / 岸部一徳(千利休) / 遠藤憲一(荒木村重) / 勝村政信(斎藤利三) / 寺島進(般若の佐兵衛) / 木村祐一(曾呂利新左衛門) / 桐谷健太(服部半蔵) / 矢島健一(本多忠勝) / 堀部圭亮(宇喜多忠家) / 仁科貴(蜂須賀小六) / 中村育二(滝川一益) / 東根作寿英(丹羽長秀) / 六平直政(安国寺恵瓊) / 荒川良々(清水宗治) / 大竹まこと(間宮無聊) / 寛一郎(森蘭丸) / 中島広稀(織田信忠) / 副島淳(弥助) / 津田寛治(為三) / 柴田理恵(遣り手婆・マツ) / 日野陽仁(茂助の父) / 劇団ひとり(丁半博打の客) / ホーキング青山(多羅尾光源坊) / アマレス兄弟:アマレス兄(丁次) / アマレス兄弟:アマレス太郎(半次) その他

【解説】
北野武が構想に30年を費やして監督・脚本を手がけ、「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで活写した戦国スペクタクル映画。武将や忍、芸人、農民らさまざまな人物の野望と策略が入り乱れる様を、バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出す。
天下統一を目指す織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、信長の家臣・荒木村重が謀反を起こして姿を消す。信長は明智光秀や羽柴秀吉ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。秀吉は弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らとともに策を練り、元忍の芸人・曽呂利新左衛門に村重を探すよう指示。実は秀吉はこの騒動に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。
北野監督がビートたけし名義で羽柴秀吉役を自ら務め、明智光秀を西島秀俊、織田信長を加瀬亮、黒田官兵衛を浅野忠信、羽柴秀長を大森南朋、秀吉に憧れる農民・難波茂助を中村獅童が演じる。
(以上、映画.comより、引用抜粋。)

あらすじ
時は戦国時代。史実の流れ的には、荒木村重の謀反から始まり、本能寺の変の後、山崎の合戦を経て、明智光秀の死までを描く。と言ったお話。

天下統一を掲げる織田信長(加瀬亮さん)は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。
そんな中、信長の家臣・荒木村重(遠藤憲一さん)が謀反を起こして姿を消す。

《第六天魔王》を名乗るだけあるほどに、サイコパスで、史上かつて無いほど最恐なパワハラ、セクハラな上に、尾張弁丸出しな主君像の信長は、明智光秀(西島秀俊)や羽柴秀吉(ビートたけしさん)ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。

秀吉は弟・羽柴秀長(大森南朋さん)や軍師・黒田官兵衛(浅野忠信さん)らとともに策を練り、千利休(岸部一徳さん)の配下で、元・忍(しのび)で抜け忍の芸人・曽呂利新左衛門(木村祐一さん)に村重を探すよう指示。
実は、秀吉は、この村重の一件の騒動に乗じて、主君の信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。
そして新左衛門によって捕らえられた村重は光秀に引き渡されるが、光秀は村重を殺すことが出来ず、自身の城・亀山城下に匿う。
同じ頃、百姓の出からの成り上がり者の秀吉に憧れる百姓の難波茂助(中村獅童さん)は村を飛び出し、一路、戦場へ。
そこで茂助と出会った新左衛門は、出世して大名を目指そうととする茂助に、天下一の芸人になることが夢である自分自身と重ね、二人は以降、行動を共にする。
といったイントロダクションの映画でした。
感想
普段から、時代劇映画や大河ドラマなどで戦国時代の武将たちを、さも英雄的に描いた作風のドラマばかり見慣れてしまっているからか、この「本能寺の変」に至る理由・経緯には諸説ある中、たしかに目新しい着眼点で描いた「本能寺の変」に至る新説とも呼べるようなお話しの展開ではあったので、かなり異論はありますが、その点は北野武監督流に描いた世界観・歴史観なので、その全てを否定は致しませんし、「ほんまかいな?」と思いつつも、それなりに面白く観ることは出来ました。

劇中、戦国時代の所謂、「衆道(しゅどう)」とも呼ばれる男色の契りによって主従関係が成立していたといった、ホモセクシャルなBL表現など、北野武監督による大胆な解釈は、かなり斬新な切り口でなかなか面白かったのですが、但しながらも、それとは別に、そもそも論として、信長の子息・信忠への跡目相続をと謀る信長の本音を理由に明智光秀が本能寺の変を起こそうとしたといった理由付けがあまりにも無理があり過ぎました。

いくら戦国時代だといえども、ヤクザの任侠の世界ではないのですから、跡目相続には、それなりの大義名分が必要な事からも、古来から跡目を継ぐのは武家のならいとして血脈による家督相続が一般的なはずだったでしょうし、その血脈による跡目相続を巧みに利用したのが、秀吉による、後のあの清洲会議での策略だったはずですからね。

また、秀吉役が役作りを一切していない現代語を話すビートたけしのまんまだったのがあまりにも酷くて致命的すぎましたね。
あれでは本格時代劇に、ただひとり年老いたコメディアンが交じっているとしか受け取りようがないでしたし、ビートたけしさんとしては百姓から天下人に成り上がった秀吉役を是非とも自分自身でやりたい気持ちも重々理解は出来るのですが、個々にコントのようなアドリブによるシーンには笑わせられもしましたが、それはそれとして、映画監督の「北野武」としては、秀吉役についても、自らしゃしゃり出るのではなく、絶対に、他の俳優さんに任せた方が良かったように思いました。悪くいえば、ただひとり浮いていましたね。

たしかにリアルな合戦シーンや個々には面白い描写や演出も沢山有ったのですが、いくら群像劇とは言え、あまりにもお話しの主軸が定まっていない為、正直なところグダグダな感も否めなかったようも思えました。
良くも悪くもビートたけし節が全開に炸裂した作品でした。
なので面白いシーンを取っ付け貼り付けしたような映画と言った印象を受けました。
コント譲りの一発撮りという方針からかアドリブによる面白味も多々あったのですが、決して嫌いではないのですが、ちょっとおふざけが過ぎていた様にも思いました(汗)
そこをも含めて北野武監督。いやビートたけし流なのかも知れないのですが・・・。

原作を読まないとよく分らない部分もあるのかも知れないですが、私的には、落語家の祖とも言われる曽呂利新左衛門役の木村祐一さん=キム兄を、もっと主役の様に立ち回らせた方が面白くなったかも知れないとも思いました。

映画では、キム兄の演じる曽呂利新左衛門と中村獅童さん扮する武士になりたかった農民・難波茂助と二人でワンセットで狂言回し的な役回りにさせていたのかも知れないですが、曽呂利新左衛門の使い方がちょっと勿体なかったかも知れないですね。

史実に基づいてブス専だったらしい徳川家康(小林薫さん)もその通りに描いていた点も笑えましたが、そもそも、この映画は戦国BLラブコメディ映画だったのでしょうか(笑)
私的評価:★★★★(80点)
私的な評価としましては、北野武監督の映画に、そもそも真面目さを求めてはいけないのかも知れないのですが、ちょっとおふざけが過ぎた点が、私的には秀吉役のビートたけしさんがただひとり浮いてしまっていたように感じましたので、その点がかなり惜しまれましたね。
また、殊の外、『首』というタイトルだけに、首チョンパな残忍なシーンが多いのと、「衆道(しゅどう)」という同性愛による主従の絆に裏打ちされたホモセクシャルなシーンが多いのに圧倒された感もあったりと、今作における北野武監督流の「本能寺の変」の新解釈としては、なかなか意外性があって面白かったものの、色んな要素を盛り込み過ぎなのか、お話しの主軸が定まっていない為か、グダグダな感が否めなかったのが非常に残念でしたし、その点で「なんだかなぁ~!」といった感じでした。

なので私的な評価と致しましては、五ツ星評価的にも★★★★(80点)くらいの評価が相応しい作品かと思いました次第です。
○映画『首』本予告【11月23日(木・祝)公開】
今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。