阪神・淡路大震災 あれから30年
村上春樹の珠玉の連作短編を原作にした “地震のあと”の4つの物語
映画『ドライブ・マイ・カー』の大江崇允が脚本、ドラマ『その街のこども』『あまちゃん』で震災を描いてきた井上剛が演出する、奇妙で美しき世界。――ご期待ください
全4話。
堪能しました。
「村上春樹」
けっこうな数を読んでいると思います。
10代、20代くらいまでは感銘を受けて胸に深く残る作品も多々ありました。
だがしかし。
感受性が乏しくなる年齢なのかw最近は正直な感想を申しますと、
”ピンとこないな。。。。”
という感覚に陥ってしまいます(あちゃー)
あと、村上春樹の描く「性」の描写がなんかもう疲れてしまうのかも(笑)
このドラマが始まるにあたって原作を読み返しました。
1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。
そして2月、流木が燃える冬の海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界はしずかに共振をはじめる……。
大地は裂けた。神は、いないのかもしれない。
でも、おそらく、あの震災のずっと前から、ぼくたちは内なる廃墟を抱えていた――。
深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。
ああこれ、昔読んだなそういえば。
焚き火の話が好きだった。
今回のドラマも、やっぱり焚き火の話が好きかな。
焚き火のシーンもずっときれい。
釧路の話の2人の女性(北香那さん、唐田えりかさん)の"妙な感じ"も絶妙だった。
あと、橋本愛さんで始まって、のんさんで終わるのもグッときますね。
「あまちゃん」フォーエバー!!
そしてやっぱり。
"よくわからない"
ドラマでもあった。
でも、”よくわからないモノ”を考察する時間ってやっぱり必要だろ!
って思わされるドラマでもあった。
この地震大国日本においての、怖さや不気味さやいやーーーだと思う感じ、
そこはじわじわと伝わってきた。
普段、蓋をしてるそういうモノ。
"よくわからない"んだけど。
この地下の画の怖さは、
いつ、みみずくんが暴発するかわからない感、満載。
そしてとにかく。
俳優陣が豪華で、
俳優陣誰もが素晴らしい演技をされてて、
1話1話きちんと作られてる感がハンパなくて、
音楽もすばらしくて、
ってドラマでもありました。
こういうのってNHKドラマにしか出せない感じ、あるもんな。
4話。
3話で渡辺大知さん演じる「かえるくん」が神の子で、
でも神様はまわりの人を助けてなんてくれないって描写がある。
それが4話にもつながってるのか。
続・かえるくんは東京を、日本を、救えるのか。
30年前の片桐さん(髪が黒い頃)とかえるくんは東京を救えたけど。
このテロップの出る場面の画が、ぜんぶ怖いのよ。。。
30年後の片桐さん。
歌舞伎町のネットカフェで暮らしていて、スーツを着て警備員の仕事に出勤してる。
毎日歌舞伎町のゴミ拾いをしている。
かえるくんのことは覚えていない。
(かえるくん、風呂敷で荷物を背負ってる感じが良いな)
あと、のんさんの声が最高に合ってる。
みみずくんはこの30年間、人の不幸や憎しみのしみこんだ黒い土を食べ続けてお腹がパンパン。
(この30年って日本がどんどん暗くなってる時代を思わされる)
1話で出てきた白い箱はナゾなモノではなくて。
4話では地下を照らす明かりになってる。
(おおお!)
地下でみみずくんを探す片桐さんとかえるくん。
過去の、信用金庫時代に携わった人たちの憎しみに片桐さんが取り囲まれると、
のろってやるぅ
たすけてくれよ
おとうさんをかえして!
人殺しだよあんたは
そこは。
関西弁の謎の男に介護されている、車椅子に乗った片桐さん。
たくさんのお年寄りがいて。
でっかいSFみたいなビルが立ち並んでいる公園。
「神戸ふれあいホーム」って背中に書いてあるから、ここは神戸?
水辺にあるのはわかる。
(っていうか、これ実在してる建物なの?CG?)
なぜか立ててしまう片桐さん。
車椅子は?な片桐さん。
1995年1月16日の世界。
白い箱をとっとと片付けちゃう、関西弁の謎の男。
冷蔵庫怖い。
謎の男がずっと怖い。
笑顔たくさんなのにずっと怖い。
爽やかなのに胡散臭くて、
誠実そうなのに嘘満載感あって。
あんたがあん時もっと大きな声だしとったらあの子は助けられたし
あんたがあんとき見て見ぬふりせんかったらあの人の命も救えたし
な?
な?が怖えええええええ!
ちょー片桐さんそこでたらあかんよー
いやもう。
またもや、こんな錦戸亮見たかったな役。
怖えええええ。
こんな引き出しもあったんですね。
最高!
俳優錦戸亮!!!
そこを出たら赤い廊下の世界で。
今までの登場人物がたくさん出てきて。
苦しみの象徴みたいな世界。
赤い世界にいる関西弁の謎の男がこれまた怖い。
片桐さんがまた部屋に戻ると、
1995年1月17日5時44分と45分を行ったり来たりしてる。
このハコの中に居ればいいんです
謎の男は、かえるくんから片桐さんを引き離そうとしていた悪夢みたいなもんですかね。
ハコは1話のハコにもつながっているんだろうから。
安心=無関心
ってことか?
岡田くんは無関心の象徴だったってことか?
かえるくんを忘れないと生きてこられなかった片桐さん。
かえるくんは片桐さんの影であったと。
わかったようでわかんないけど(笑)、
ラスト、暗いトンネルから明るい方へ抜けていくのは希望もあって。
佐藤浩市さんがなんとも言えない表情をしてるのが印象的。
何度も見れば新たな世界がまた見えてくるドラマなんだとも思う。
”考えること”が楽しかった。
ありがとうございました!