ヤブヤンマ羽化殻 | はるきょん3

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胸に双眼鏡、ポケットにコンデジ、好奇心いっぱいで黒王号にまたがって福岡市周辺を探検する。野鳥や昆虫などの自然観察が主。他にはマラソン系。


篠栗町の鹿ポイントの池ではクロスジギンヤンマ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ホソミオツネントンボなどが観察されたのだが、期待していたヤブヤンマは見つからなかった。
池のほとりの樹で羽化殻を探してみたが、見つからず。クロギンはここで絶対に羽化しているはずなので見つかるはずなのだが。どうしてか?
これまでの経験から地上1m程度までを探していたのだが、ふと腰を伸ばして見上げた目の前の樹皮に大きな羽化殻があったのだ。おお!こんな高さに! (写真上)
そしてさらに見上げた木の樹皮にはもう一つ見つかった。この高さ何と180cmほど。
いずれも暗色で50mmぐらいの羽化殻。これまでの経験からはクロスジギンヤンマかギンヤンマのものと思われるが、ここではクロギンは何度もみたが、ギンヤンマは見てないので、どちら

もクロギンだろう。
その後羽化殻探索を続け、合計5個を拾得できた。いずれもサイズも色も形もクロギン型羽化殻だ。ぜんぶクロスジギンヤンマだろうなと思っていた。
帰宅後にこの5個を詳細に調べた。
#1から#5まで番号を付け、ポイントとなる部位の写真を撮った。
日本のトンボ、身近なヤゴの見分け方、神戸のトンボ(WEB)を参考にして識別した。
その結果、驚いたことにクロスジギンヤンマは2個だけで、あとの3個はヤブヤンマだったことが分かった。

ヤブヤンマにしてはちょっとサイズが大きいかとも思うが、他の特徴が一致しているのでヤブヤンマと確信する。

 

ヤブヤンマの羽化殻やっほー!
 

よく見れば産卵管と複眼の形、側棘など現場でも肉眼で分かるレベルのものだった。

ヤブヤンマ成虫についてはこちらを

 

というわけで大変有意義な羽化殻収集となった。

 


以下各羽化殻の特徴を記載する。

#1

 

 

 


サイズ:50mm
性別:♀
産卵管:あり、長さは9節の3/4ほど
側棘:7,8,9,10節
下唇:長い
下唇側片内葉片の先端外縁はなだらか
★クロスジギンヤンマ♀
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#2

 

 

 


サイズ:47mm
性別:♀
産卵管:あり、長さは10節の半ば以上に達する
側棘:6,7,8,9節
下唇:短い
下唇側片内葉片の先端外縁は直角
★ヤブヤンマ♀

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#3

 

 


サイズ:51mm
性別:♀
産卵管:あり、長さは第10節中ほどまで達する
側棘:6,7,8,9節
下唇:短い
下唇側片内葉片の先端外縁は直角
★ヤブヤンマ♀

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#4

 

 


サイズ:50mm
性別:♀
産卵管:あり、第9節の3/4ほどまでの長さ
側棘:7,8,9節
下唇:長い
下唇側片内葉片の先端外縁はなだらか
★クロスジギンヤンマ♀

 

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#5




サイズ:頭部欠損のためサイズ計測できなかったが、頭部以外は#1とほぼ同じサイズなので、推定50mm
性別:♂
産卵管:なし
側棘:6,7,8,9節
★ヤブヤンマ♂

6月19日、篠栗町にて