キオビミズメイガの騙しのテクニック | はるきょん3

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胸に双眼鏡、ポケットにコンデジ、好奇心いっぱいで黒王号にまたがって福岡市周辺を探検する。野鳥や昆虫などの自然観察が主。他にはマラソン系。

 

 

6月初旬に久山町で撮影していた蛾。3週間たってやっと判明した。

6月は昆虫界が一番賑わう時期なので、自然観察に出るたびに続々と出現する昆虫たちに夢中になり、ちょっと後回しにしてしまっていた。
クリの樹の下で見つけた小さな蛾で、最初はルリシジミかなと思い、そうなら興味はひかなかったのだが、飛んで飛んで草地の隅の地上10cmの空中に停止したので、え?!!どうして??マジックか? と興味をひいたので撮影したもの。
よく見るとクモの巣に引っかかっていたのだった。右側に主の小さなクモが写っている(クモは未調査)。

見ると、この蛾は翅の模様が奇麗だ。後翅にはくっきりと黒い斑点が5つ並んでいる。前翅には黄色の特徴的な模様がある。ニホンヤモリの4本指のような形の模様だ。全体的に淡黄色で複眼の黒は後翅の黒斑と同じ色、サイズ。

こうした蛾は自分では、なんの仲間かの勘が全く働かないので絵合わせで調べるしかない。
そこで、最近重宝している 山渓社のくらべてわかる蛾 の出番だったのだが、残念ながらこれをもってしても手がかりさえつかめず。
ただ、絵合わせで多くの蛾の形を見るうちメイガの類かもしれないと思ったので、引き続いて頑張ってネットで絵合わせをしているうちに偶然見つけることが出来たのだった。苦労して探し当てるとビールがうまい。

キオビミズメイガ 祝!初見

翅のデザインをあらためてよく見ると、ウラナミアカシジミと同様の騙しのテクニックを感じる。つまり頭部の位置を惑わせて天敵に襲われたときに頭部を守ろうとする意図だ。前翅の模様は後方を指しているし、頭部から一番離れた後部に複眼モドキの黒斑を5つも配置して、そちらに注意が向くように仕向けていると思う。

それから、撮影後クモの巣からはあっさりと離れて元気に飛んで行った。クモに毒を注入されてなかったのだろうか。
6月5日、久山町にて