パトリオット・デイ(2016) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

2013年4月にアメリカのボストンで起こった爆弾テロを題材にしたテロドラマ。

(テロドラマとは双葉十三郎先生の造語)

実際の映像などを交えて物語はドキュメント風に展開します。

 

2013年4月15日はパトリオット・デイ(愛国者の日)と呼ばれ、

同日に開催されるボストンマラソンは全米屈指の市民マラソン大会だった。

 

この日を狙ってイスラムのテロリスト兄弟が爆弾テロを計画する。

爆弾は圧力鍋に大量の釘を入れて時限式で爆発するようになっていた。

 

当然、警察は警備していたものの、

爆弾テロまでは予想しておらずテロは実行され、

子供を含む多くの市民やランナーが犠牲になった。

 

直ちにFBIを主導にした大規模な捜査本部が設置され、

大きな倉庫の中に事件現場が再現される。

 

防犯カメラや市民らの持つスマートフォンなどを徹底的に分析していくうちに、

事件発生時に不審な行動をしている白い帽子の男を発見。

地元刑事の協力を得ながら不審な男の足取りを追っていき・・・

 

まず、この作品、

事件の再現度が高くて生々しい。

やはり実際の映像を挟むとすごいですね。

今や防犯カメラやスマートフォンレベルのカメラでもとてもきれいな映像が撮れるから全く違和感を感じない。

実際にテロが実行されるシーンのショックは、

『ブラック・サンデー』(1977)の飛行船がゆっくりスタジアムの上空に現れるシーンに匹敵します。

 

 

そして捜査の段取りの良さ。

これがFBIの実力なのだろうと思わせるに十分な描写でした。

説得力もあります。

 

犯人は逃走し、

ボストンの街は戒厳令のような外出禁止令が発令されるのですが、

テロリストを許さないという市民の協力もありこの作戦が功を奏する。

 

思わぬ銃撃戦など、

ヒリヒリするような緊張感が最後までだれることなく続き、

犯人たちや被害者、関係者たちの証言、

亡くなった人たちへの弔辞のテロップなどが流れてエンディングとなるのですが、

最後に実際にテロで足を失った夫婦が数年後のボストンマラソンに義足で出場してゴールするシーンには涙が出ました。

テロには決して屈しないというメッセージが強く伝わるいいシーンでした。

 

P.S

ケヴィン・ベーコンも歳をとったなあ・・・

『パトリオット・デイ』Patriots Day(2016)

ピーター・バーグ監督作品 133分