3D映画の誕生は意外と古く、
1922年には、「The power of love」が作られており、
1952年から1954年あたりが“立体映画”の最盛期だったという。
1954年にはヒッチコック監督の名作、
「ダイヤルMを廻せ」も立体映画として作られたそうだ。
(私は立体映画としては観ていません)
その後散発的に立体映画が製作されるものの、
映画の主流となることはなかった。
風向きが変わってきたのはやはり、
2009年ジェームス・キャメロン監督作品の、
『アバター』の大ヒットがきっかけだろう。
この作品のヒットを受けて様々な作品が3Dで制作、公開されるようになった。
「3D映画」が2010年の日経トレンディヒット商品ベスト30の第2位に選出されている。
それだけ熱いブームだった3D映画も、
2022年現在かなり下火になっているように感じる。
3D、2D同時上映がされることが多いが、
私は2Dを選んで観るようにしている。
その要因は何だろう?
私なりの解釈では、
- 立体化しても作品の印象(感動)が変わることがない。
- 字幕作品(私は吹き替えよりも断然字幕派)の場合字幕が見難い。
- 3Dとして制作されることが優先されるが故の作品の質の低下。
- 高い
- Netflix等配信サービスの増加と家庭用3D受像機の定着率の低さ。
などだと思う。
あれだけ熱を帯びていた家電メーカーの3Dテレビの促進も、
今やほとんど感じられない。
2次使用としての3D映画ソフトの価値を見出すことができないからだろう。
2時間半から3時間、
3Dの驚きを持続することはできないし誰もが慣れてきてデメリットの負担を多く感じてしまう。
ユニバーサルスタジオジャパンの「ターミネーター」くらいの10分くらいの尺でちょうどいい。
制作会社も費用対効果を考えると衰退は必然だと思う。
東京ディズニーランドにも「キャプテンEO」なんてものがあった。
そういうアトラクション的なもので十分なのだ。
中でももっとも大きい要因はやっぱり、
「質の低下」だと思う。
評判になった「アバター」でさえ私にはつまらなかった(この作品は3Dで観ている)。
最先端技術を使った世界観を展開してはいるが、
ストーリー自体は古臭い。
西部開拓時代の先住民たちをアバターたちの世界に置き換えただけだ。
技術に見合う作品が連発されていたら時代は変わっていったかもしれないが、
この手の作品の制作陣は新しい技術をひけらかしたいがために、
ストーリーその他先の映画人たちが培ってきた映画文法を軽視しているように思われる。
映画人たちが学んできた手法は物が向こうからこちらに向かってくることではないのだ。
それよりも効果的な「演出法」をちゃんとした映画人ならわかっている。
サイレントからトーキーに、
モノクロからカラーに変わっていった映画だが、
3Dはその延長になることはないようだ。
映画黎明期からあった技術が21世紀になっても定着していないのがすべてを語っている。
今日の私、
何が言いたいのかな(汗)
わかってくれるひといるといいな・・・