本日は地久節(ちきゅうせつ)といって、皇后陛下の御誕生日であります。

老子の「天長地久」より、戦前は天皇誕生日を「天長節(てんちょうせつ)」、皇后誕生日を「地久節」と申しました。皇后陛下におかせられては82歳の御歳を数えられ、誠に慶祝の至りに存じ上げます。

 

また、今日は、兼務神社の御神木の杉が枯れたので、木を伐る前にお祓いをおこなう予定です。

 

さて、昨日は、石川護國神社の秋季例大祭奉仕のため午前10時までに同社へ入りました。

 

 

神社庁金沢市支部を代表して着装参列する私でございみす。

 

 

参進の直前、参集殿前に列立する白山比咩(しらやまひめ)神社舞姫4名です。

 

御英霊に対し慰霊安鎮の誠をもって神楽「悠久の舞」を奉納されるのです。

 

 

白山本宮 加賀一ノ宮 白山比咩神社では、石川護國神社の春秋の例大祭に際し毎年舞姫を派遣されており、春は「浦安の舞」を秋は「悠久の舞」を神前に奉納なされているのです。

 

「浦安の舞」は、昭和天皇様が昭和8年の歌会始で「朝海(あしたのうみ)」という御題で世の太平を祈って御詠みになられた御製(ぎょせい)です。

 

天地(あめつち)の 神にぞ祈る朝なぎの 海のごとくに波たたぬ世を

 

この御製をもとに、昭和15年に皇紀二千六百年を奉祝して、時の宮内省楽長・多忠朝(おおのただとも)氏により作曲振付されたのが「浦安の舞」です。

 

昭和15年11月10日午前10時に全国の神社で一斉に奉納されてより、今日でも、神前神楽の代表的楽曲として多くの神社で盛んに舞われています。浦安とは心やすらかという意味で、古く我が国が浦安の国とも呼ばれたのは風土が美しく平和な国であったからです。

 

また、多忠朝氏の多氏は、神武天皇の皇子、神八井耳命(かんやいみみのみこと)の子孫で、その源を『古事記』や『日本書紀』を編纂した太安万麿(多安万呂)に発し、神楽の祖は平安時代初期の雅楽家・多自然麿(おおのじねんまろ)です。

それ以来千数百年楽家として歴代雅楽を家業として神楽、右方の舞の伝統を受け継ぎ、古くは近衛付に属して京都の公の舞楽には右方の楽人として仕えました。


東京遷都の時に召されて東京に移り、多忠朝氏は明治16年多忠古(おおのただふる)氏の長男として生まれ、明治31年に楽生として宮内省楽部に入り、同42に楽師として任官、昭和11年に楽長となり、同20年に楽長として退官されました。

 

昭和7年、楽部在職中に神社音楽協会を創設、「神社の御祭神にふさわしい神社音楽を」と、全国の神社で舞う神楽舞の復興や作曲・作舞等、神社音楽の創作、普及などに尽力されました。〔※一般社団法人 神社音楽協会HPより引用〕
 

なお、この「浦安の舞」の画像は、今年4月19日に斎行された石川護國神社春季例大祭の時のものです。

 

 

他の方のブログより一部引用させていただきますが、明治以降に国風歌舞(くにぶりのうたまい)や謡物(うたいもの)の手法で多くの神前神楽が製作されました。

 

紀元二千六百年を祝うにあたり、宮城広場には紫宸殿に模したものが建てられ、国を挙げて奉祝祭がおこなわれました。この際奉納された奉祝舞は二つあり、一つは「浦安の舞」でもう一つは「悠久の舞」で、いづれも楽長・多忠朝氏(神社音楽協会初代会長)の作曲振付によるものです。当時「悠久の舞」は男子4人によって舞われました。

 

その後「悠久の舞」はほとんど奏されることはありませんでしたが、東京オリンピック開催(昭和39年)を記念して、多静子氏(第2代神社音楽協会会長)が女舞を振り付け、新しい形式の神楽舞として原曲をそのまま使用して改作されました。


 

「悠久の舞」は、宏覚禅師(こうかくぜんじ)が元寇襲来を憂えて詠んだ和歌…。

 

末の世の 末の末まで我が国は よろずの国にすぐれたる国

 

を歌詞としています。

 

宏覚禅師は、蒙古襲来の国難にあたって京都の石清水八幡宮に参籠し、敵国降伏の祈祷文を捧げましたが(重文の『蒙古降伏祈願文』)、その願文の末尾に書かれていたのがこの歌で、『愛国百人一首』の37番にも選ばれています。

「悠久の舞」は現在4人の舞姫によって舞われ、春は桜の枝を持ち、秋は菊の花を持って舞われています。

 

 

舞装束は、天冠・小忌衣(おみごろも=青摺の模様が入り左肩より赤紐を垂らす)・単(ひとえ)・濃(こき)色の差袴(さばかま)というものです。

 

白山比咩神社では、先週まで神社音楽協会の先崎徑子先生(第3代会長)を迎えての神楽舞講習を終えたばかりなので、4人とも息の合った素晴らしい舞でした!。

 

 

まさに、神人和楽の境地でありました。

 

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