暑さ対策:植物を活かして、快適な暮らしの空間を! | 心と体と学びをはぐくむ園庭を

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幼稚園 保育所 認定こども園の園庭を、子どもが伸びやかに豊かな育つ場所にしませんか?

7月16日(土) 「園庭環境と保育者間での情報共有・園庭環境を育む園づくり」オンライン講座→ 詳細

※直前までお申込みいただけます。 

 

こんにちは、園庭研究所の石田です。急激に暑くなってきましたね。

夏の暑さが過酷になる中、子どもたちが安全に、のびやかに遊び暮らせる環境は整えていきたいですね。

けれど、子どもの外遊び環境は、まだ暑さへ対応が十分届いていないように思います。
それは、園庭も、校庭も、公園も。さらには街路であっても。

この点は、本気で、従来の戸外環境の形から転換していかないといけないように思います。

まだまだ、こんな環境が多いです。

遊具も熱くて、触れないレベルですよね。(石田の地域の公園)

真ん中は直射日光がガッツリくる開けた空間。樹木など木陰をくれる環境は端の方ばかり。(石田の以前暮らしていた地域の小学校)

 

でももし、こんな風に樹木が敷地全体に分散して植えられていれば。
もしくは、1箇所でも良いので、樹木があつまった林的空間があれば。

たとえ直射日光が当たる部分があっても、暑くなればさっと日陰に避難してゆったり遊べるのではないでしょうか?

 

3月の「園庭と環境共生デザイン~⾵と緑と⽔をいかす~」オンライン講座で、甲斐徹郎さん(株式会社チームネット)がこんなお話をしてくださいました。
なんと体感温度には、気温ではなく、表面温度が大きく影響するそうです!!
周囲の表面温度+気温/2=体感温度
ですので、建物や地表面の表面温度をどう抑えるかが重要なんですね。


温度を下げるためによく使われる「すだれ」。
水を霧吹きをかけると、その瞬間は10度ほど下がるそうですが、すぐに乾いてしまいます。
一方で、緑のカーテン(ツル性植物)を設けると、根からの水の吸い上げ+葉からの蒸散により、その周辺の温度が下がります。
さらに、建物をうまく植物で包み込むことで、庭全体が建物の表面温度を下げるそうです。

「うまく」というのは、北側南側でも植物の使い方が少し変わってくるためです(詳しくは、甲斐さんの書籍などをご覧ください。オンライン講座もまたお願いしたいと思っています。^^)

 

(絵は、甲斐さんの書籍『まちに森をつくって住む』(農文協, 2004)をもとに、石田が描きました)

このように、エアコンなどの住宅設備に頼らず、できるだけ太陽の光や自然風などの自然エネルギーを利用して快適な家づくりを目指すという設計思想・設計手法のことを「パッシブデザイン」と言うそうです。
ぜひ、あなたの園や学校、おうち、地域環境でもパッシブデザインを取り入れてみてくださいね〜。

 

 

園庭研究所 代表 石田佳織

 

お問合せ: 電話:080-2381-8611  /  メールを送る ・ kaori.hagukumi★gmail.com(★を@に)

園庭研究所まとめページ: 研修・ワークショップ /  園庭 好事例  /  園庭の研究紹介

園庭調査研究グループ:CedepグループHP

 

※ 園内研修や団体研修、園内研究支援など、いつでもお受けしています。ご希望の内容や方法に沿って構成いたしますので、お気軽にお問い合わせください。^^

 

 

【園庭や幼児と自然のについての著書】

『園庭を豊かな育ちの場に:質向上のためのヒントと事例』

園庭園庭全国調査に基づいて、園庭での保育・教育の質をより高めるための視点や工夫をご紹介しています。面積が小さな園や制約がある園での工夫や、地域活用の工夫もご覧いただけます。

* 2019こども環境学会賞【論文・著作賞】を頂きました。

 

『森と自然を活用した保育・幼児教育ガイドブック』

石田は以下を担当させていただきました。→第1章5「幼稚園施設整備指針と園庭調査を踏まえた屋外環境のあり方と自然」東京大学Cedep園庭調査研究グループ/第1章8「幼稚園教育要領等の5領域に合わせた先行研究」北澤明子, 木戸啓絵, 山口美和, 石田佳織

 

『保育内容 環境 第3版』

石田は第6章4節「自然環境と持続可能な社会」を担当させていただきました。