心と体と学びをはぐくむ園庭を

心と体と学びをはぐくむ園庭を

幼稚園保育園の園庭を、子どもが自然の中で遊び学べる場所にしませんか?

【ご案内】2月27日 小泉昭男さんと子ども・園庭・自然ついてじっくり学ぼう!オンライン講座→ 詳細

 

こんにちは、園庭研究所の石田です。

 

地域環境は、園児さんたちにとって園内とは異なる色々な人や場所、物事に出会えるとても大切な環境となっています。

 

けれど、その移動経路である道路は、車も通り、さらに歩道が幼児さんが安心して歩けるだけの幅がなかったり歩道がない道もあったりと、園児さんにとって安全とは言えない現実があります。

 

こうした移動時の安全性について多くの園が課題に感じていることが、私たち園庭調査研究グループでの地域活用調査でも示されました。

 

 

そうした中で、東京都港区さんでは、保育施設の周辺や保育施設が園外活動で利用する公園等の周辺を中心として、歩道と車道が分離されていない道路や見通しの悪い道路など特に配慮が必要な道路に「キッズ・ゾーン」を設定されるようです。

(注:キッズゾーンは、スクールゾーンと異なり、キッズゾーンには速度制限といった法的な規制はないようです。)

 

画像は港区さんHPより


(参照)

・港区さん資料→ 都内初!子どもの安全を守るキッズ・ゾーンの設定について

NHKニュースウェブ(こちらで、キッズゾーンの動画を見ることができます。)


合わせて港区さんでは、「子どもが集団で移動する際の安全を確保するため、私立認可保育園に対し、園外活動時の見守り等を行う支援者配置に要する経費を補助」も実施されることになりました。→ 広報みなと2020年2月11日「登降園・通学時や園外活動等の安全対策の強化」

​​​​​​

 

このキッズ・ゾーンについては、厚生労働省で「キッズ・ゾーンの設定の推進について」と通知が出されています。

 

そして「キッズ・ゾーンの設定の手順」として以下が挙げられています。

① キッズ・ゾーンの範囲の設定

市町村等においては、管轄内の保育所等の周囲半径 500 メートルを原則として対象の保育所等、道路管理者及び都道府県警察と協議の上、キッズ・ゾーンを設定する。

キッズ・ゾーンの範囲は、地域の実情に応じて柔軟に設定すべきものであり、散歩コースの経路等に鑑み、範囲を変更することが可能である。

 

② キッズ・ゾーンにおける交通安全対策の実施

緊急安全点検で危険箇所とされた箇所を中心に、優先度が高い箇所から取組みを進めることが重要である。

また、その具体策について、後述するキッズ・ガードの配置の積極的な推進など、ソフト面での対応を検討するほか、ガードレールの設置等のハード面や交通規制面での対応の可否については、道路管理者、都道府県警察と協議の上で検討する

具体策の実施に当たっては、近隣住民の意向なども踏まえ、地域の実情に即して対応することが必要である。

近隣住民との調整に際しては、保育所等を管轄する市町村等の保育担当部局等が中心となり、道路管理者及び都道府県警察と協力しつつ、調整を行う

 

(具体的な交通安全対策の例)

・キッズ・ガードの配置

保育体制強化事業(※)により、保育支援者が保育所外等での活動において見守り活動を行い、子どもが集団で移動する際の安全確保を図る。

(※)園外活動時の見守り等といった保育に係る周辺業務を行う者(保育支援者)の配置の支援を行い、保育士の業務負担の軽減を図る制度。

 

・路面の塗装等による注意喚起

散歩コースの安全点検の結果等を踏まえ、散歩コース箇所等に「キッズ・ゾーン」の文字を路面に塗装し、未就学児童が通行する可能性があることを自動車の運転手等に周知する

 

 

また、園での移動経路について、国土交通省・道路管理者や警察庁・管轄警察署と連携して安全点検等を実施していくためのフローチャートも掲載されています。→「未就学児が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検等実施要領

 

 

さらに、道路局から各地担当部署へ出されました「キッズ・ゾーンの設定の推進について(依頼)」では、「キッズ・ゾーンにおける交通安全対策をエリア対策の一種ととらえ、車両の速度や通過交通の進入の抑制を図るゾーン30(※) やハンプ等(※)の物理的デバイスの設置について積極的に検討されたい」と述べられています。

 

(※)ゾーン30:生活道路における歩行者等の安全な通行を確保することを目的として、区域(ゾーン)を定めて最高速度30キロメートル毎時の速度規制を実施するとともに、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における速度抑制や、ゾーン内を抜け道として通行する行為の抑制等を図る生活道路対策。(→警察省交通局

(※)ハンプ:交通安全対策のために、道路の路面に設けられた凸状の部分(→ 国土交通省 国土技術政策総合研究所

 

 

文科省でも「通学路の交通安全の確保の徹底について」として、「各地域の関係機関等が連携して地域全体で通学路の安全確保を効果的に行うことが重要」「自らの交通ルール遵守はもちろんのこと,周囲の状況に注意して通行する必要があることを指導するとともに,校区の危険箇所における注意すべきポイントについて,保護者や地域ボランティア等が共通理解を図り,効果的な見守り活動が実施されるようにする等」と述べられています。

 

 

私も、園の地域活用について全国質問紙調査や訪問調査をさせて頂く中で、移動時の道路の安全性や、道路の危険ゆえに子どもが移動時にいろんな発見をしても、ゆっくり立ち止まることが難しい状況に課題を感じていました。

 

ただ、道路環境についてはよほど新しい町を作らない限り、大幅なハード面での変更は難しく、「どうしたものか…?」と考えあぐねていました。

 

こうしたハード面の課題に対して、この「キッズゾーン」は、車側に注意喚起するという点でとても良い対策だと思います。

 

合わせて、地域へのお散歩時に、園の保育者プラスアルファで「園外活動時の見守り等を行う支援者」がかなり重要になってくるのではないかと思います。

 

 

園へ地域活用調査に伺っていると、地域へ出かける移動経路の安全確保にとって、園の保育者だけでは人数的に十分でない、といったお声を聞きます。

 

お散歩に同行させて頂く中で、私もそう感じています。

 

先頭と最後に保育者が付き、その間に子ども4~6人に対して保育者が一人付くくらいでないと、車が通る道は厳しいと感じます。

となると、子どもが20人で出かけると、保育者(大人)は4~5人は必要になります。

 

園外に一クラス出かけるのに、保育者が4~5人園から不在となると、園に残る側としても厳しいのではないでしょうか。

 

うした事情に対して、もし地域の中に、お散歩に同行し見守ってくれる「保育支援者」さんがいて下さったら…。

 

園にとっても助かりますし、子どもにとっても先生とは違う人が一緒にいてくれる楽しさがあるのではないでしょうか?

 

 

また、ある園さんでは、地域の自治会さんが「園の子どもたちが安全安心して過ごせるように」と、自治体と話し合い、園前の道路を一方通行にして下さったそうです。

 

 

日本の密な都市環境の中では、道路環境をハード面から改善していくことは難しいのでは?と思っていました。

でももしかしたら、園と地域の方、行政においても保育・教育~警察~道路関係の部署が、一緒に子どもの環境について話し合い連携していくことで、色々な解決策が見えてくるのかもしれませんね。^^

 

 

 

園庭研究所 代表 石田佳織

お問い合わせ: 電話:080-2381-8611  /  メールを送る

園庭研究所まとめページ: 研修・ワークショップ /  園庭 好事例  /  園庭の研究紹介  /  園庭づくり

投稿・交流サイト→ Facebookグループ「園庭・地域環境での保育 交流グループ

調査研究→ 東京大学Cedep園庭調査研究グループ 

 

 

【園庭や幼児と自然のについての著書】

『園庭を豊かな育ちの場に:質向上のためのヒントと事例』

園庭園庭全国調査に基づいて、園庭での保育・教育の質をより高めるための視点や工夫をご紹介しています。面積が小さな園や制約がある園での工夫や、地域活用の工夫もご覧いただけます。

* 2019こども環境学会賞【論文・著作賞】を頂きました。

 

『森と自然を活用した保育・幼児教育ガイドブック』

石田は以下を担当させていただきました。→第1章5「幼稚園施設整備指針と園庭調査を踏まえた屋外環境のあり方と自然」東京大学Cedep園庭調査研究グループ/第1章8「幼稚園教育要領等の5領域に合わせた先行研究」北澤明子, 木戸啓絵, 山口美和, 石田佳織

 

『保育内容 環境 第3版』

石田は第6章4節「自然環境と持続可能な社会」を担当させていただきました。

 

【ご案内】2月27日 小泉昭男さんと子ども・園庭・自然ついてじっくり学ぼう!オンライン講座→ 詳細

 

こんにちは、園庭研究所の石田です。

先日少しご紹介しました「森と自然の育ちと学び」連続セミナー2021のご案内です。

 

 

(以下、主催者の(公財)国土緑化推進機構さまからの文章です。)


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
        「森と自然の育ちと学び」連続セミナー2021
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【日時】
 《第1回(効果影響)》 2021年3月2日(火) 13:30~17:00
 《第2回(養成研修)》 2021年3月5日(金) 14:30~18:00
 《第3回(地方創生)》 2021年3月8日(月) 13:30~17:00
 《第4回(保幼小連携)》2021年3月9日(火) 13:30~17:00


【会場】オンライン会議システム「ZOOM」、「YouTube」

【主催】森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク、(公社)国土緑化推進機構

【プログラム】

┌───────────────────────────────
3月2日(火) 13:30~17:00

第1回/“自然保育”の効果・影響と 効果を高める仕組みづくり
└───────────────────────────────

 

《概要報告》
①『“自然保育”が子どもの発達に及ぼす影響・効果の先行研究概要と効果を高めていく仕組みづくり』 北澤 明子(秋草学園短期大学)
②『「自然保育」の身体活動量や体力・運動能力面の効果と、既存データを活用した効果の測定方法』 新戸 信之(秋草学園短期大学)
③『PDCAサイクルによる「自然保育」の子どもの発達への効果・影響の評価』 室井 修一(国立青少年教育振興機構)

④『コロナ禍における海外の「自然保育」に関わる政策動向と研究動向』 柴田 千賀子(仙台大学 体育学部) 


《事例報告》
①『「自然保育」による子どもの”非認知的能力”に関する調査事例~「森のようちえん」の卒園児のレジリエンスと自尊感情~』 酒井 真由子(上田女子短期大学)
②『静岡県内におけるコロナ禍における「自然保育」の動向」~アンケート調査結果と各園の取組事例から~』 山本 由加(しずおか環境教育研究会「エコエデュ」理事長)
③『屋外活動を基本とした幼児教育の可能性~コロナ禍のピンチをチャンスへ~』 泉 真理(上越教育大学附属幼稚園 副園長)
 

《総括》質疑応答、ワークショップ、相談会

 


┌───────────────────────────────
2021年3月5日(金) 14:30~18:00

第2回/“自然保育”の効果・影響と 効果を高める仕組みづくり
└───────────────────────────────
《概要報告》
①『ドイツの保育者の養成課程とその特色』 大道 香織 (広島大学大学院 院生)
②『「自然保育」に関わる保育者等の養成・研修の現状と課題』 山口 美和(上越教育大学大学院 学校教育 研究科)
③『保育士・幼稚園教諭等の養成・研修の状況と自然保育の保育者・指導者等に求められる資質・能力等』 松本 信吾(岐阜聖徳学園大学)
④『Haus des Waldes(ドイツ・BW州)の森林教育指導者育成と今後の岐阜県における指導者育成のあり方』 萩原・ナバ・裕作(岐阜県立森林文化アカデミー森林総合教育センターmorinos(モリノス))

《事例報告》
①『保育者養成校における「自然保育コース」の設置~「信州やまほいく」制度創設と連動して~』 酒井 真由子(上田女子短期大学)
②『公立専修学校における「森と自然を活用した保育・幼児教育」の指導者の育成』 岐阜県立森林文化アカデミー 森林総合教育センター morinos(モリノス)
③『市内の全保育園が連携した「森と自然を活用した保育」の推進』 岐阜県 関市
 

《総括》質疑応答、ワークショップ、相談会

 


┌───────────────────────────────────────────
2021年3月8日(月) 13:30~17:00

第3回地方の豊かな自然を活かす“自然保育”による地方創生~移住促進から保育者確保まで
└───────────────────────────────────────────
《概要報告》
①『自然豊かな地方の子育てへの都市住民のニーズ』 坂本 祐子(県民健康科学大学/群馬パース大学)
②『自然豊かな地方の子育て環境の良さを活かした移住促進の可能性』 坂本 祐子 (県民健康科学大学/群馬パース大学)・浅野 由子 (日本女子大学 家政学部 児童学科)
③『保育者の”働きやすさ”の向上に資する「自然保育」の価値』 浅野 由子 (日本女子大学 家政学部 児童学科)
④『保育者養成校と連携した学生・生徒等と地域の園等の関わりの創出による保育者確保・流出抑制』 柴田 卓(郡山女子大学短期大学部 幼児教育学科)

 

《事例報告》
①『子育て世代と保育人材の確保に向けた「自然保育」のブランディング~地方創生計画における位置付けと「地域おこし協力隊」の配置等~』 長野県 安曇野市
②『「信州やまほいく」による移住促進による山間部の保育園の継承~「50年の森林ビジョン」の策定を通した森を活かした仕事・暮らし・子育ての促進~』 長野県 伊那市
③『地域資源を活かした「自然保育」による移住促進と、保護者の子育て支援・起業支援』 岡本 麻友子(森のようちえんウィズナチュラ 代表)
 

《総括》質疑応答、ワークショップ、相談会


┌──────────────────────────────────────
2021年3月9日(火) 13:30~17:00

第4回/“アクティブ・ラーニング”時代の森と自然を活かした保幼小連携の促進策
└──────────────────────────────────────
《概要報告》
①『森林・自然等の地域資源を活用した保幼小連携の基本的理論~幼児期と学童期の学びの視点の違いを踏まえて~』 山口 美和(上越教育大学大学院 教育研究科)
②『小規模特認校の特色と自然保育との親和性』 山口 美和(上越教育大学大学院 学校教育研究科)
③『森林・自然を活かした幼児期と学童期(小学校低・中・高学年)の段階的な学びと保幼小連携の実際』 柳原 高文(名寄市立大学 社会保育学科)

 

《事例報告》
①『地域資源を活かした“ふるさと教育”で繋ぐ「保育所保育指針」と「学習指導要領」』 塩満 恭子(認定こども園神田保育園 園長・益田市保育研究会)
②『「しが自然保育認定制度」と森林環境学習「やまのこ」事業等の展開~多様な事業から生まれる、保幼小連携の多様な芽~』 滋賀県 琵琶湖環境部 森林政策課
③『小規模特認校における“森林・自然を活かした特色ある教育活動”とつながる「森のようちえん」』 澤村 幸夫(大津市立葛川小・中学校 校長)・西澤 彩木(びわ湖の森のようちえん 代表)
④『「自然ふれあい施設」における保育園・学校等の受入と出前支援(裏山整備・活用の支援)』 佐藤 洋(都留市宝の山ふれあいの里ネイチャーセンター 学芸員)
 

《総括》質疑応答、ワークショップ、相談会

 

【申込】以下の申込フォームからお申込下さい。
    https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfZ0xLgew1di928nwCJ1VE4kZk58BBbC2vPY-LCk7wbQs6aow/viewform
    ※なお、上記フォームがご利用頂けない場合は、以下までご一報ください。
【お問合せ先】「森と自然の育ちと学び」連続セミナー2021 運営事務局
        E-mail:mori.shizen.net@gmail.com
【参考情報】
 ○「森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク」参加方法等はコチラ↓
  https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/244/jichitainetwork.html

※ ご登録頂ければ、リアルタイム参加でなくともアーカイブをご覧頂けます。

 

 


近年、子どもの主体性・協調性・自己肯定感等の「非認知能力」等を育む観点からの「保育・幼児教育」の質の向上や、子育て世代の「移住促進」、新たな「森林空間利用」の促進等の多様な視点から、「森と自然を活用した保育・幼児教育」への関心が高まっています。


こうした中で、 2018年10月に設立された「森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク」には、約120の自治体が参画するに至っています。

 

そして2020年度には、 「効果影響」「保育者等養成」「地方創生」「保幼小連携」4つのテーマで、学識経験者と自治体担当者等との対話を通して、新たに課題解決の理論・方法論等を検討・整理する「森と自然の育ちと学びラボ2020」を開催しました。


そこで、その成果を広く共有するため、全国の自治体・園等の先進事例や国内外の先行研究を報告するとともに、多くの地域の関係者と意見交換を行うために「連続セミナー」を開催します。

 

是非、全国からの多くの方々にご参加頂くとともに、ご関心をお持ち頂けると方々にご紹介頂けると幸いです。

 

 

 

石田も、裏方でお手伝いさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。^^

 

園庭研究所 代表 石田佳織

お問い合わせ: 電話:080-2381-8611  /  メールを送る

園庭研究所まとめページ: 研修・ワークショップ /  園庭 好事例  /  園庭の研究紹介  /  園庭づくり

投稿・交流サイト→ Facebookグループ「園庭・地域環境での保育 交流グループ

 

 

【園庭や幼児と自然のについての著書】

『園庭を豊かな育ちの場に:質向上のためのヒントと事例』

園庭園庭全国調査に基づいて、園庭での保育・教育の質をより高めるための視点や工夫をご紹介しています。面積が小さな園や制約がある園での工夫や、地域活用の工夫もご覧いただけます。

* 2019こども環境学会賞【論文・著作賞】を頂きました。

 

『森と自然を活用した保育・幼児教育ガイドブック』

石田は以下を担当させていただきました。→第1章5「幼稚園施設整備指針と園庭調査を踏まえた屋外環境のあり方と自然」東京大学Cedep園庭調査研究グループ/第1章8「幼稚園教育要領等の5領域に合わせた先行研究」北澤明子, 木戸啓絵, 山口美和, 石田佳織

 

『保育内容 環境 第3版』

石田は第6章4節「自然環境と持続可能な社会」を担当させていただきました。

 

【ご案内】2月27日 小泉昭男さんと子ども・園庭・自然ついてじっくり学ぼう!オンライン講座→ 詳細

 

こんにちは、園庭研究所の石田です。

 

今、私が暮らしているつくば市で、保育・幼児教育施設さんが市内の林や里山を日常的に活用できるような、森や自然のネットワークを作れないかと動き始めています。

 

先月は、市の子ども部幼児保育課さんと教育局学務課さんのご協力のもと、園長会所長会で、先生方から森での保育についてニーズを聞かせて頂きました。

 

短い時間でしたが、先生方からは「そうした豊かな自然の中で子ども達が過ごすことは大切だと思う」といったお声や、「園の近くに森があるが、どこを使って良いのか分からず…」「ただ行くだけでなく、そこでどんな経験ができ、学びを深めていけるのかも合わせて考えていければ」といった課題やこれからへの示唆を頂きました。

 

 

実は、こうして市内で森や自然のネットワークを作れないか、と考えるようになったのは、以下のような経緯ときっかけがありました。

 

私は全国各地で色々な園へお伺いしてきたのですが、「地域の森で保育をしていきたいが、そうした場所や人へどう繋がればよいのか分からない」というお声をよく伺ってきました。

 

このブログでも何度か書いてきましたが、子どもにとっての屋外環境としては、

1)「いつも過ごせ最も身近な場所」「自分たちで自由に創造できる場所」としての園庭

2)「地域や社会とつながることができる」園周辺の地域環境(お散歩など)

3)「より豊かな/本来の自然に触れられる」森や林などの地域の自然地

の3つの環境があると良いのではないかと私は考えています。

 

 

森や林など、地域のより豊かな自然地は、園庭にはない良さがあります。

 

それは、自然の多様性・不規則性があるので、子どもの興味や好奇心をくすぐるものが実にたくさんあることです。

地面の凸凹や斜面、登りたくなる岩や木、飛び越えたくなる溝、といった物理的環境の多様さもそうですね。

そして、あらゆる生き物や、土や水、太陽といった自然がつながり成り立っている生態系を体験できること。

これは、近年その重要性が世界中で言われています ‘サステイナビリティ(持続可能性)' の土台となる部分です。

健全な生態系がなければ、私たち人の生活も成り立ちません。そして、その生態系の状態を身をもって経験・理解していくことが、持続可能性にとってとても大切になってきます。

(→ 自然の中のつながりについては、こちらの記事でも触れています。)

 

 

ただ、3つ目の森や林などの地域の自然地は、一園だけで取り組むことはなかなか難しいのではないか、と感じて来ました。

 

 

そんな中で…。

私は、3年前につくばに越してから、つくば市の隣にある里山で活動するNPOに参加しているのですが、その環境が素敵なので「園の子達にも来て欲しいな!」と思い、会の中で相談してきました。

 

そして、つくば市の子ども部幼児保育課さんと教育局学務課さんに繋いで頂き、里山の一団体として、近隣の園さんが里山に来れるようサポートしていきたいというお話をさせて頂きました。

 

そこで市の方が、「一団体ではなく、市内のこうした森の団体を地図にまとめてもらえれば、市として園へ紹介しやすい」「園としてはより近くの場所を知れると、通いやすくて嬉しいのではないか」とご助言をくださったんですね。

 

私は「これだ!」とハッとさせられました。

 

 

森での保育は、「森のようちえん」として、森での保育を中心に置いた保育方針を持たれた園が有名ですが、そこまで徹底された森の保育でなくとも、どの園もどの子もが日常的に地域の林や里山などを利用できるような状況になれば、と考えていました。

 

その視点に立った時、つくば市の方のご助言のように、市内の森に関わる各団体さんや林の所有者さん、森など自然地に近い環境を持つ公園(市の担当部署)とつながり、市内全体で、子ども達の森での保育・教育を支えていけるような仕組みを作れると良いかも!と思ったんですね。^^

 

 

 

この動きは始まったばかりで、どう展開していくか分かりません。

 

昨年末〜1月には、園長会所長会で先生方からお声を頂き、その後2園の先生から直接ご連絡を頂いてゆっくりお話し、森や自然のネットワークの可能性を改めて感じました。

また、市内の森のようちえんさん2団体さんともお話し、この動きの中で、例えば、森での保育についての研修等のコラボについても考え始めています。

 

2月は、市内の各森の団体さんにご挨拶に伺っています。

やはり多くの団体さんが、子どもたちが日常的に林や里山に来て体験できることの大切さや、嬉しさを感じておられるようです

 

こうして、お一人お一人一団体一団体からお話を伺う度に、子ども達や自然への思いに触れさせて頂き、幸せな気持ちになります。

 

こうした方々の思いがつながっていき、子ども達の環境がさらに楽しくなって行くと良いな、とワクワクしています。

 

また状況のご報告をしますね。^^

 

写真は、スウェーデンの園での森の活動。スウェーデンでは暮らしのそばに森があり、自然享受権のもとに誰もが森など地域の自然を楽しむことができます。ここでの暮らしも、森のネットワークを作れればと私が思った根っこにあるのかもしれません。→ 自然享受権

 

 

園庭研究所 代表 石田佳織

お問い合わせ: 電話:080-2381-8611  /  メールを送る

園庭研究所まとめページ: 研修・ワークショップ /  園庭 好事例  /  園庭の研究紹介  /  園庭づくり

投稿・交流サイト→ Facebookグループ「園庭・地域環境での保育 交流グループ

 

 

【園庭や幼児と自然のについての著書】

『園庭を豊かな育ちの場に:質向上のためのヒントと事例』

園庭園庭全国調査に基づいて、園庭での保育・教育の質をより高めるための視点や工夫をご紹介しています。面積が小さな園や制約がある園での工夫や、地域活用の工夫もご覧いただけます。

* 2019こども環境学会賞【論文・著作賞】を頂きました。

 

『森と自然を活用した保育・幼児教育ガイドブック』

石田は以下を担当させていただきました。→第1章5「幼稚園施設整備指針と園庭調査を踏まえた屋外環境のあり方と自然」東京大学Cedep園庭調査研究グループ/第1章8「幼稚園教育要領等の5領域に合わせた先行研究」北澤明子, 木戸啓絵, 山口美和, 石田佳織

 

『保育内容 環境 第3版』

石田は第6章4節「自然環境と持続可能な社会」を担当させていただきました。