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→ 「マリア2 受胎告知の謎」プレイ日記2 1周目「共通編~逃亡編」4話~6話

→ 「マリア2 受胎告知の謎」プレイ日記3 1周目「共通編~逃亡編」7話~エンディング

→ 「マリア2 受胎告知の謎」プレイ日記4 2周目「究明編」分岐点~第5話

→ 「マリア2 受胎告知の謎」プレイ日記5 2周目「究明編」第6~エンディング

 

 

前回のあらすじ→ さくらテレビの社会部に勤める国友真里亜は、上司の安藤乱から慈愛堂生物研究所の所長で生物学者の亜門京介博士からあるディスクを預かるよう言われ、取材をしながらも使いを済ませる。

 真里亜が取材をしたその日に亜門博士は何者かに殺害されてしまう。しかも容疑者として追われているのは研究所を案内してくれた亜門博士の助手・景山純であった。景山は名刺を頼りに真里亜の元を訪ね、安藤という記者に亜門博士から伝言があることを伝える。上司も関わっていることに興味を持った真里亜は景山を匿い安藤と話させようとしたが、安藤もまた景山と連絡を取る前に、事故で命を落としてしまった。

 

 真里亜は安藤の死は事故ではないとし、友人の桜沢比奈子と景山とともに協力関係を結ぶ。犯人が見つけていないと思われる博士が残した「人魚の涙」を探しに研究所に忍び込む計画を立て、博士が残したものを回収することに成功した。しかし、亜門博士が殺害された時に景山を部屋の中に閉じ込めた男、二階堂によって計画は察知され、追い詰められてしまった。景山に向かって銃の引金を引く二階堂は…

 

 

 「マリア2 受胎告知の謎」プレイ日記2回目です。今回から1周目で必ずプレイする「逃亡編」をプレイします。※もう一つのルート「究明編」は2周目になれば見られるルートです。

 

 今回もネタバレ容赦なく書いています。それでは、スタートします。

 

 

【第4話 ミッションインポッシブル】

 

 慈愛堂生物研究所で博士の遺した「人魚の涙」を回収するために忍び込んでいた真里亜は、目的のものを手にすることが出来た。しかし二階堂の罠にかかり、真里亜と影山は銃を向けられてしまう。

 

 

 

 二階堂の撃った銃の弾は、景山のこめかみを掠って二人の背後にいた警備員へとあたってしまった。最初から警備員を撃つつもりだった様子の二階堂に戸惑う真里亜。

 

 景山は警備員のポケットから落ちたボルトに気付くとそれを拾い、ショックを受ける真里亜を連れ走り出す。

 

 

 研究所の門まで出てくると、タイミング良く比奈子の車が止まった。急いで乗り込む二人。研究所を脱出することは出来たが、まだ安心は出来ない。比奈子は素晴らしいドライビングテクニックを駆使して、家までなんとか無事に着くことが出来た。

 

 ミッションが成功したと満足気な比奈子に、真里亜と景山は神妙な面持ちで大変なことになってしまったことを報告する。

 警備員と、真里亜の家にやってきた二階堂と名乗る刑事に挟み撃ちになったこと。そして二階堂こそが景山が目撃した亜門博士が刺された現場で出くわした男でもあった。二階堂が本当の刑事かどうかは疑問が残るが、警察手帳を所持し、警備員も「刑事さん」と呼んでいたことから本物の刑事である可能性もある。

 

 

 そして何より問題なのが、二人の目の前で二階堂は警備員を殺害してしまった。比奈子は警備員を巻き込んでしまったことにショックを受ける。

 

 しかし景山には疑問があった。二階堂が銃を向けた時のセリフ「君とも今日が最後だな」が引っかかっていた。あの場面で真里亜と景山をさして言うなら「君」ではなく「君たち」ではないのか。しかも銃を取り出した時、二階堂は景山のことを見ていなかったという。そして研究所から逃げる際もやけにあっさりと逃走することが出来た。二階堂は何故あれ以上二人を追ってこなかったのかが分からない。

 

 もし間違えて警備員を撃ってしまったのなら、尚更景山と真里亜を捕まえなければならないのではないか。

 

 

 しかし、故意だったとしても疑問はある。やたらと人を殺してしまっては二階堂が不利になる。だとしたら警備員を殺害する理由はなんなのか。しかも真里亜たちの目の前で。

 景山は嫌な予感がしていた。自分が亜門博士殺害の容疑をかけられたシチュエーションと同じだったからだ。しかも現場には景山に弾が掠った時の出血…血痕を残してしまった。十分現場にいた証拠となってしまう。もしこの予感が当たっていたら、景山は二人も殺害した凶悪犯にされてしまうが…。

 

 

 二階堂の目的が何かさえ知ることが出来れば良いのだが、彼が本物の刑事かどうかすら分からない。警備員との関係も。安藤と亜門博士が警察に行くなと言ったのは二階堂のことを知っていたからではないか?それも調べようがない。

 しかし、一つはっきりしていることがあった。それは二階堂が生かして景山を泳がせているということは、まだその必要があるということ。そして…用が済めば、おそらく何のためらいもなく景山はすべての罪を背負わされ殺されるであろうことも。

 

 3人は見えない二階堂の裏の顔に恐れながらも、ミッション・インポッシブル作戦と名付け、この調査を続行する覚悟を決める。ここまで来たら、続けるしかない。

 

 

 警備員が目の前で命を落としたというショックからすっかり忘れていたが、真里亜が慈愛堂生物研究所から持ち帰った物の確認をすることになった。持ち帰った物は全部で5点である。

 

 「書きかけの博士の論文」「慈愛堂生物研究所のあゆみ」「ディスク」「人魚のカギ」「盗聴器」

 

 まず「書きかけの博士の論文(禁断の実にふれた人間たち)」については、後で景山に確認してもらうことにする。景山は真里亜がEVEの部屋に入れたことに驚いた。ヒントは旧約聖書だと亜門博士に言われたことを真里亜は話す。

 

 真里亜の話から「神はアダムの3番目の肋骨を使いてイヴを創造せり」という言葉を景山は思い出す。ガイコツのADAMがEVEの部屋の番人とは、そういうことだったのだ。

 

 

 比奈子は聖書は知らないが、英語の授業で「アダムのリンゴ(アダムス アップル)」がのどぼとけを表すというのは覚えていた。知らないだけで聖書の文言はどこかしらで耳にしているのかもしれない。

 

 話は戻って、もう一つEVEの部屋で見つけた冊子「慈愛堂生物研究所のあゆみ」は、慈愛堂グループについて書いてあるらしい。これも事件とは関係ないかもしれないが、予算や関係各所について後で確認してみることに。

 

 

 「人魚の涙」と書かれたディスク。これは針ネズミの置き物の仕掛けとPCのパスワード入力をクリアすることで入手出来た。生前の亜門博士が景山に見せたいと言っていた「人魚の涙」はディスクのことだったようだ。

 

 そしてディスク発見と同時に入手したのが仕掛け時計の人魚から入手した「人魚のカギ」。この鍵は慈愛堂生物研究所のものではないようなので、この鍵をどこで使うかも調べる必要がある。

 

 

 最後に、真里亜が所長室の電話から発見した「盗聴器」。盗聴器が仕掛けられていると知らなかった亜門博士は、景山との待ち合わせを電話でしてしまう。そこから犯人に行動が漏れてしまったのだ。二階堂が景山が部屋に来るタイミングを知っていたのもこのためだったようだ。

 

 これで全て持ち出したアイテムは確認出来た。あとは詳細を調べていくだけ。比奈子はこれらの物を亜門博士のカラクリを解いて持ち出した真里亜を称賛する。真里亜は亜門博士に取材として様々な話を興味を持って訊きだし、考えるよう約束したからこれらの謎を解くことが出来た。亜門博士は様々なヒントを与え、真里亜は今度来る前に調べておくと約束したからこそだった。

 

 景山は真里亜が大事なことを聞き逃さなかったから、何気ない会話から本能的に大切なことを聞き逃さない能力があるからだと真里亜を褒める。景山は亜門博士の、研究とは偶然の積み重ねのようなものだが、その偶然に気付くのが才能だという言葉を思い出していた。真里亜にもそういう才能があると景山は言いたかったのだった。

 

 今度はディスク「人魚の涙」を調べるためにPCを立ち上げる。ディスクはすんなりと開く事が出来たが、中身は想像できなかった内容だった。

 

 

 そこに入っていたデータはカタカナで表記された氏名の羅列…リストだった。

 

 しかしリストをよく見ると見覚えのある名前が入っていた。それは「ワシザキ マリア」。厚生大臣で時期官房長官と言われている政治家・鷲崎豪の娘だと言われている13歳の天才少女。本人かどうかはともかくとして、同姓同名の人物の名前が記載されている。そしてもう一つ気になる氏名を発見した。「タニヤマ ノブオ」。後藤海人の番組を見ている時に新番組の宣伝が入った時に見た名前と同じ。若くして亡くなったという天才音楽家の名だ。

 

 そのことを思い出した比奈子は、ワシザキマリアもタニヤマノブオも天才と呼ばれていることに気が付く。一瞬天才のリストなのではと思えたが…。

 

 景山はこのリストの名前が二人ずつ一組となっていることに気が付いた。ワシザキマリアは「ミドリカワ マコ」と。タニヤマノブオは「アサイ マサキ」と対になっているのだ。

 

 

 影山は何故このリストが「人魚の涙」なのか、そして人名リストがカタカナだけで表されていることに不自然さを感じていた。名前のリストであれば少なくとも漢字表記もないのはおかしいと…。音だけだから、ワシザキマリアと鷲崎マリアは別人の可能性もある。

 

 カタカナ表記なのは亜門博士が暗号を仕込んでいる可能性もあると考え色々試してみたが、今ある情報だけでは意味のある言葉が浮かび上がることはなかった。

 

 

 影山の提案で、まずリストは置いておいてもっと分かりやすい所から片付けていくことにする。先程一旦置いた「慈愛堂生物研究所のあゆみ」から調べることにする。

 

 慈愛堂グループに関しては景山も詳しくは知らないらしい。慈愛堂生物研究所にある高い機材を購入する資金の出どころは慈愛堂病院だと考えていた。研究所でとれた研究データはすべて慈愛堂病院へ送られるからであった。

 

 比奈子が冊子の中身を確認した所、実は慈愛堂生物研究所の機材のほとんどが「ヒール財団」という団体からの寄付によって購入されたものであると記載されていた。景山はそのことを知らず、たまに慈愛堂生物研究所からヒール財団に研究データを送るだけの協力関係にあると考えていた。

 

 

 ヒール財団とは、世界中の難病や伝染病の研究をしている組織で、母体は国際組織である。なので資金は世界中から集まるはずであり、絶滅生物や希少動物の研究をする慈愛堂生物研究所に機材の寄付をすること自体はおかしくないかもしれない。特に亜門博士は生物学の研究者として有名だから、ヒール財団がそこに目をつけたのかもしれない。

 

 しかし、何故慈愛堂生物研究所はヒール財団から多額の寄付をもらっているということを研究員に大々的に知らせないのだろうか。こうやって冊子に記入するくらいはするけれど、あまり公にしたくないことなのかと勘ぐってしまう。

 

 俄然ヒール財団に興味を持った真里亜たち。今度は自分がテレビ局の取材を装って潜入すると比奈子が張り切る。ターゲットは冊子に写真も載っているヒール財団理事長「緑川冴子」。真里亜はずっと前に見たことがある気がするというが、思い出せない。景山は慈愛堂生物研究所にデータを取りにくる緑川とたまに挨拶を交わす程度には知っているという。

 

 

 ヒール財団の理事長自らが直接取りにくるというデータがなんなのか、そのことも気になった。亜門博士と緑川理事長がなんのデータをやりとりしていたのか、景山は知らない。ジュゴンのデータだと考えていたという。慈愛堂病院に送るデータは亜門博士の助手である景山が管理しており、それらのデータは良く知っていた。ヒール財団へ送るデータに関しては亜門博士だけが管理していたという事実が匂うと真里亜と比奈子は言う。

 

 研究所の方は真里亜に任せたから、今度は自分が潜入したいという比奈子ではあるが、取材と称すると聞き出せる内容には限りがある。しかも比奈子はシステム開発室の所属なので、もしテレビ局に問い合わせされると疑われてしまうだろう。

 それに景山としては比奈子には自由の身でいて欲しいと言う。景山は勿論のこと、真里亜も二階堂には素性が知られてしまっている。3人の中で比奈子だけは顔も名前も知られていない、いわば自由の身なのだった。概ね景山と真里亜が動き、どうしても二人が動けない時は比奈子に調べて欲しいと伝えると比奈子は渋々ではあるが納得した様子だった。

 

 

 まだこれからどうするか、など決まっていないことは多いが、今日はエネルギー補給のため眠ることにした。

 

 

 朝8時。ニュースを確認すると慈愛堂生物研究所で第2の殺人事件が起きたと早速報道されていた。男女二人組が押し入ったこと、警備員(水谷敦)を殺害されたことが伝えられる。

 そしてやはり二つの事件に関わった最重要容疑者として景山の名前が上がってしまった。現場に残った血痕の分析はこれから詳しく行うとしているが、もう決まっているような報道ぶりだ。

 

 ついに真里亜も、名前まで明かされることはなかったが目撃者の証言として体形、髪形などが報道されている。

 

 

 目撃者とはおそらく二階堂のことだろう。景山も真里亜も、亜門博士の助手と安藤乱の部下だったことから最初から二階堂の計画に組み込まれていたのかもしれない。しかし罠にはめた相手が悪かったと後悔させてやると真里亜は意気込む。

 

 比奈子は再び自分がヒール財団に行った方が良いのではないかと言う。二人が顔を知られたのは事実で、下手すれば捕まってしまうのではないかと心配していた。

 

 影山はこれまでと作戦を変更することを提案する。相手の先回りをすることを考えようということで、ヒール財団理事長の緑川冴子が、この件に関わっているかどうか確認するため尾行しようと言う。先回りとは言ったが、どこから調べれば良いのか分からないから、とにかく亜門博士や安藤と関係がある人物や組織を片っ端から虱潰しに調べようというものだ。

 

 比奈子がいつも通り会社へと出勤している間、比奈子の車を使って緑川を尾行することになった。ミッション・インポッシブル開始である。

 

 

 

 ヒール財団付近で待っていると、緑川冴子が出てきた。尾行しようとしたその時、真里亜はヒール財団前に見覚えのある車が停まっていることに気が付く。ナンバーも見覚えがあった。昨夜逃げるために比奈子の車に乗った瞬間、研究所前に停まっていた車が気になったという。正に目の前に停まっているのはその車だった。てっきり二階堂がパトカーに乗ってきたのだと思ったから気になっていたという。

 

 

 やはり真里亜の視力(2.0)に間違いはなかった。その車から出てきたのは二階堂で、緑川と会うためにここに来たようだった。景山と真里亜のいるところでは話している内容は聞こえないが、二階堂が頭を下げる様子から知り合いであることは分かった。

 

 

 ここでは緑川と二階堂が知り合いだということしか分からない。この事件に緑川が関わっているかもしれないことも。車の中で見ているだけでは埒が明かないということで近付いてみることにする。塀の後ろに隠れながら限界まで近付くと…

 

 

 緑川の口から「人魚の涙」は探し出せたのかという話が聞こえてきた。二階堂は手に入れていないが、亜門博士が安藤に電話でホルモン抽出が成功したことを伝えていたから確実だと返答をする。緑川は二階堂に「人魚の涙」が手に入らなければM計画が実行できないと、7月7日までには必ず見つけて欲しいと催促しているようだった。

 

 緑川は希望の丘教会で「まこ」が待っているから行かなければと、これから予定があると言って二階堂とわかれる。

 

 この話を聞いていた真里亜たちは混乱する。そもそも「M計画」などという言葉は今まで聞いたことがなかったからだ。その「M計画」は7月7日に実行されるという。二階堂と関係がある上に「人魚の涙」を探しているということは緑川も亜門・安藤の殺害に関係してないとは言い難い状況になってきた。

 

 

 緑川は「人魚の涙」を必要としている。真里亜たちが知る「人魚の涙」はリストの入ったディスクだ。しかし、二人の会話内容から察すると、亜門博士が抽出したというホルモンのことを指している様子だった。

 真里亜が探し出した「人魚の涙」であるリストはまだ解析できてはいないが、一歩くらいは連中に先んじたのではないかと考えることも出来る。

 

 真里亜は先程緑川が会いに行くと言っていた「まこ」という人物が気になった。景山は緑川が研究所に来る度によく「まこ」の話をしていたと、自慢の一人娘らしいという話をする。独身であり、シングルマザーとして一人で娘を育てていると…。景山の印象では、クールな才女のイメージの緑川が子離れできていないように感じる程に、子供の話をしている時の緑川は雰囲気が変わるという。

 

 

 真里亜は緑川が向かった希望の丘教会について景山に尋ねる。景山はクリスチャンであった亜門博士の影響で多少は希望の丘教会のことを知っていたようだ。丘の上にあって綺麗な教会ということで、デートスポットとしても有名だとか。

 

 亜門博士がクリスチャンであったという話を聞いて、真里亜は思い出したことがあった。それは安藤乱についてで、実は安藤もクリスチャンで、希望の丘教会に埋葬されるという話を局内で聞いたという。

 

 これまで見えなかった亜門博士と安藤乱の共通点が一つ見つかった。真里亜は希望の丘教会へ行ってみようと言う。

 

 

 夕焼けの希望の丘教会は確かに美しかった。そこで二人は墓に沢山の百合の花を供える緑川を見つけた。緑川の様子は悲痛であった。彼女にとって大切な人間がそこに眠っていることが伺える。

 

 

 墓参りが終わった緑川は神父らしき人物と挨拶を交わしていた。親し気な様子で話す二人は初対面ではないらしい。近付いて話をきくわけにはいかないため、遠くから様子を見るしかない。

 

 

 緑川が去ると、景山と真里亜は彼女が祈っていた墓を確認するために近付こうとする。すると真里亜は近くにある墓に「N.TANIYAMA」と刻まれているのを発見した。名前の部分がイニシャルになっているため違うかもしれないが、「タニヤマノブオ」を想起させた。偶然とは思えず、二人は帰る時に神父に訊いてみることにした。

 

 

 緑川が花束を供えた墓を確認しようとしたところ、思いがけない真実を知る。墓に刻まれていた名前は「MAKO・MIDORIKAWA」。緑川冴子の一人娘、「まこ」はすでに亡くなっている人物だった。

 

 この真実に真里亜は寒気を覚える。緑川も二階堂も「まこ」が生きている人物であるように振る舞っていた。あの言動にはどういう意味があるのか。

 

 困惑する真里亜と景山に神父が話しかけてきた。神父は二人が「まこ」の墓参りにきた人物だと思ったようだった。

 

 

 

【第5話 M計画】

 

 

  神父から「まこ」の知り合いかどうか尋ねられた景山は堂々と知り合いだと答える。神父は先程緑川が帰ってしまって行き違いになったことを親切にも教えてくれた。景山も普段の姿とは想像できないような調子で神父に話を合わせる。真里亜は景山にこんな度胸があったとはと半ば呆れた。

 

 

 この教会の墓所に眠る人達のために、毎日夕方に「希望の鐘」を鳴らしているという神父。これから準備があるという神父を引き留め、真里亜は先程見つけた「N.TANIYAMA」と刻まれた墓がタニヤマノブオの墓なのか尋ねると、神父は肯定する。やはり7歳で亡くなった天才ピアニスト「谷山誠夫」。今度テレビで特集される人物で間違いないようだ。

 

 話の流れから、知り合いがここに眠っていると言ってしまった真里亜は知り合いを亜門博士だと答えてしまった。神父は亜門博士を知っていた。事件の話になってしまい、慌てて景山は別の話にそらし、教会の来歴などを尋ねる。

 

 

 それから鐘を鳴らす時間だと神父は教会へ戻って行った。暫くすると鐘の音が丘に響き渡る。時間は6時33分。亜門博士が人魚が涙を流す時間だと言った時間と一致する。偶然なのか、理由があるのか。あまり神父と話すと憶えられてしまうという危惧もあるが、ばれたらばれたでその時だと開き直る。訊きたいことが沢山ある。

 

 

 教会を訪ねると、神父は快く招き入れてくれた。鐘の音を聞いたことを伝え、鳴らす時間は決まっているのか訊く。神父は鐘をいつも決まった時間、6時33分に鳴らしているという。

 

 この時間は時計の長針・短針・秒針が丁度そろう。土と空気と水の要素が調和し、おだやかなうねりがこの丘を包み込むようにという願いをこめる意味があるんだという。しかし実際はキリスト教では3つの要素は「父」「子」「聖霊」の三位一体のことを指す。3は縁起が良い数だが、時計の針を三位一体に見立てることには抵抗があった神父に、友人であった亜門博士が「水・風・土」に見立てることを提案したという。

 

 

 神父は自己紹介していないことに気付き、レヴィと名乗った。真里亜と景山も名前を訊かれる。慌てた真里亜は「景山」と名乗り、それに合わせて景山は「国友英太郎」と名乗る。

 

 

 真里亜は割れがあるマリア像が飾られているのを見つけた。その像は棚から落ちた時に壊れてしまったという。神父は修復して飾っているようだった。子宝に恵まれなかった女性がこのマリア像に毎日祈りを捧げた所、解任したことから「奇跡の像」とも呼ばれているという。純粋な願いをこめればきっと叶うと…。

 

 真里亜が医者で作曲家の高野潤が寄贈しこの教会で結婚式の時に流すという「マリアのテーマ」という楽譜を見つけた流れから、カセットでその曲を聞かせてもらう。

 

 そして奇跡のマリア像に二人で願いを込め祈った。

 

 

 

 再び、「まこ」の墓を確認することにする。そこには享年7才と刻まれている。レヴィ神父の口ぶりでは亡くなって大分年数が経っているようだった。何故緑川が「まこ」が亡くなったことを隠していたのかと考えるが、景山は亡くなったと一言も聞いたことがなかったというだけで、ただの言葉の行き違いというのも考えられる。

 

 それ以上に重要なのは緑川と二階堂の関係だった。緑川は「人魚の涙」と口にしているため、この件とは無関係とは考えられない。彼らが7月7日に実行するという「M計画」。二階堂は7月7日前に何かアクションを起こしてくるかもしれない。それはおそらく、すべての罪を被せた景山たちを殺すという目的であろう。

 

 真里亜は「まこ」の墓に備えられた大量の百合の花束から2輪の花をもらった。亜門博士と安藤乱の供養を帰ったらしようと考えている真里亜は、今度来た時に「まこ」に花を持ってくると約束する。

 

 

 すると花束の間に写真が落ちていることに気が付いた。緑川冴子と、少女が写っている。写真裏に「真子」と書かれていることから、この写真の少女が緑川の娘、真子だということが分かった。

 

 真里亜はその写真を見て驚く。そこに写っている真子の顔は、鷲崎マリアとうり二つだったからだ。以前比奈子からもらった写真と比べて見ても、面差しが似ているとか他人のそら似というレベルではない。しかも鷲崎マリアと緑川真子の名前は人魚の涙のリストで対になっていた名前でもある。

 

 

 姉妹か、双子だと思われるが、そうなるとあのリストは双子のリストだとも考えられた。しかし双子のリストを巡って何故人が二人も死ぬことになるのかは分からない。

 

 真里亜は真子の母親が緑川だとしたら、父親が誰なのかに疑問を持つ。以前も景山は言っていたが、研究所内の噂ではシングルマザーらしいから父親に関しては周りに知られていないらしい。

 

 一方の鷲崎マリアは、鷲崎豪と礼子夫人の子供だとされている。そうなってくるとやはり顔が似ていることの説明が付けられず、どちらかの子供が養子ということになる。しかしどちらかの娘が養子だったと過程して考えても説明がつかない綻びが出来てしまうのだった。

 

 

 そろそろ比奈子も仕事から帰っているだろうと考え、戻ることにする。その前に電話をかけ、比奈子に調査報告をする。緑川と二階堂はやはり繋がりがあること、それから真里亜は自分達が緑川を追いかけているうちに希望の丘教会に辿り着いたことを話し、教会で得た情報は後で改めて報告することにした。一方比奈子の方でリストを調査した結果、社のデータベースから全員が実在の人物であること、今までテレビ局で扱ったことがある人物であることが確認出来た。

 

 そして二階堂自身について。二階堂は本物の刑事であるという。だからこそ亜門博士も安藤も警察に行かないようにと言ったのかもしれない。

 

 比奈子は一人で家にいることが不安になったようで、早く帰ってきて欲しいという。真里亜も景山も、比奈子を一人にしていることが心配なので急いで帰ることにする。

 

 教会を出ようとしたその時、こちらに歩いてくる人影を見つけた。それは…二階堂だった。

 

 

 二階堂はこれまで自分がしてきたこと全て景山と真里亜になすりつけるようなことを言って二人を挑発する。

 

 景山が目的を訊くと、二階堂は人類の為に必要なことをすると言う。そのためには一人や二人の犠牲は厭わないと。二階堂がここに来た理由はやはり「人魚の涙」が目的で、二人に保管場所へ連れて行けと言う。

 この件から完全に手を引けばこれまでのことはチャラにするなどと取引めいたことを言うが、これまでの彼の行動を考えると何か企みがあるように思える。

 

 

 真里亜は自分達が死ねば「人魚の涙」は別の人間の手に渡るだけだと二階堂に対抗しようと試みた。それは嘘だと笑う二階堂に、真里亜が「M計画」と人魚の涙については御見通しだと言うと…二階堂の様子は段々と感情的になってきた。

 

「M計画」という言葉が彼を刺激したようだった。

 

 

 全て御見通しなら「M計画」のMの意味を知っているはずだと詰め寄られた真里亜と景山は二階堂の豹変ぶりと、Mの意味を答えられないことで危機感をおぼえる。二階堂は何をするか分からない様子だった。

 

 

 その時、二人の後ろから「マーメイドだ」と答える声が聞こえ、一人の男が姿を現す。男はすでにM計画がなんなのか掴んでいると改めて二階堂に向かって言う。

 

 二階堂が銃を取り出す。

 

 自分に任せて逃げるようにと男が真里亜と景山の前に立つが、二人は突然現れたこの人物に任せることを躊躇う。しかし言われた通りにこの場を任せることにする。その際男は真里亜のジャケットのポケットに何かを入れる。

 

 

 男は、死んだと思っていた安藤乱であった。

 

 

 

【第6話 乱さんが残した矛盾】

 

 車に乗り込む景山と真里亜。景山は男が何者なのか、置いてきて良かったのか、そして「M計画」がマーメイド計画であることを何故知っていたのかと混乱していた。そんな景山に、真里亜はあの男が安藤乱であることを言い出せずにいた。

 

 

 真里亜の様子から、真里亜があの男が何者か知っていると考えた景山は問い詰める。真里亜は安藤乱であることを景山に告げた。駐車場の事故で亡くなったと思われた安藤がどうやって生き延びたのかという疑問はあるが、景山は比奈子の身を案じて、まずは帰宅することを優先する。

 

 無事家に帰り着くと、比奈子の方は何事もなかったようで、亜門博士が安藤に渡すつもりだったディスクの解析に没頭していたようだ。

 

 

 比奈子に先程二階堂に殺されそうになり、そこに安藤が現れたことを報告する。比奈子は安藤が生きていたという喜びよりも、駐車場で亡くなったのは誰だったのかという疑問の方が勝ったようだった。誰かが代わりに死に、しかも安藤は生きているのに名乗り出ず身を隠してしまった。そのことに不信感を露わにする。

 

 不信な行動をとる安藤を、真里亜は信じると言い切る。比奈子も、勿論信じたいというが…安藤の行動には理解出来ない矛盾点がある。比奈子は誰が敵で誰が味方なのかを明確にしたいだけだった。信じたい真里亜とは逆に、景山と比奈子は安藤の行動の穴を突く。景山と真里亜を庇ってあの場に残ったのではなく、二階堂と知り合いだったから残った可能性も0ではない。今の段階では、敵味方両方の可能性がある。

 

 

 真里亜は景山に、もし生きていたのが亜門博士だったらどうするかと訊くと、景山は何があっても博士を信じると言い切る。真里亜も景山と同じように、何があっても安藤を信じたかった。しかし比奈子は、それは間違っているのではないかと考えていた…。もし安藤の行動の謎が解けたら、矛盾は解消される。それが分かる時が来ればよい、主張が割れ始めそうになった3人は、そう考えた。

 

 安藤が言っていた「M計画」のMはマーメイドという言葉。「M計画」を実行するために「人魚の涙」が必要らしいということを、今日緑川と二階堂が言っていたことを比奈子に話す。二階堂が「人魚の涙」を渡せと言ってきた時も必死な様子だったと…。

 

 

 二階堂達は「人魚の涙」を何かのホルモンと考えており、真里亜たちの手元にある「人魚の涙」はディスクだ。その相違点にはどういう意味があるのだろうか。自分達が手にしているものに何の意味も価値もない可能性がある。

 

 影山は亜門博士が仕掛けた罠かもしれないと考える。彼らが求めるホルモンを「人魚の涙」だと誤認させ、本物のホルモンは全く別の所にあるのではないかと。そしてディスクの方の「人魚の涙」も、隠されていた方法が複雑であったため、何も意味がないものとは思えない。

 

 

 真里亜と景山の報告が終わり、今度は比奈子が調べた内容の検証に入る。電話で話していた通り、リストにあった名前は一度でもテレビ局に取り上げられたことがある天才の子供たちだということが分かった。そしてその子供たちに共通する点があった。鷲崎マリアとデータがなかったもう一人の子供以外全員7才で死亡していたのだ。

 

 真里亜は今日鷲崎マリアについて知ったことを比奈子に伝える。緑川の一人娘、緑川真子が鷲崎マリアと双子だということを。緑川真子は比奈子がデータベースから探すことが出来なかった子供であった。

 

 もし鷲崎マリアが鷲崎豪の本当の娘でもそうじゃなくても、スキャンダルになるかもしれない。緑川真子は鷲崎マリアと同じ年だとしたら6年前に亡くなっている計算になる。そして真子もまた7才で亡くなっているため、やはり他の子供たちと同じように突然亡くなってしまっている。

 

 

 真子とマリアが双子である場合の両親は誰なのか。父親は鷲崎豪と謎の人物、母親は緑川冴子か鷲崎礼子となる。

 

 比奈子はマリアの母親は礼子に間違いないと言う。リストを調べた時に出てきた情報によると、鷲崎豪のサイトに産まれたばかりのマリアを抱っこしている礼子の姿が載っているからだ。夫人が慈愛堂病院で出産したことは書いてあるが、双子だったという情報はない。3人が写った写真を見ても、双子であることを隠して養子に出すほどの何かがある様子が感じられない。両親は確実に鷲崎豪と礼子夫人としか考えられなかった。

 

 

 今までスキャンダルの一つもないクリーンなイメージの政治家が、何故双子が産まれたことを隠すのか?そしてヒール財団理事の緑川冴子は一人娘が養女であり、死んだことすら誰にも言っていないということになる。しかし一方では真子の墓参りを欠かしたことはない。

 

 これまでのことに希望の丘教会が関わっているのは何故か考えた。「人魚の涙」のリストに載っている子供たちはそこに埋葬されている。亜門博士は6時33分、教会の鐘が鳴る時間に人魚が涙を流す時間を設定した。そして安藤も亜門博士もクリスチャンであり、教会をコンタクトの場所にしていた可能性もある。

 

 教会に何か残っているかもしれない。景山は逃亡の身である自分はなるべく夜に行動した方がいいだろうと言うので、暗くなった今、教会に行く事にした。お化けに怯える比奈子も加え、3人で。

 

 

 夜の希望の丘教会へ到着、百合の花束を目印に再び緑川真子の墓の前に立った。

 

 比奈子が写真を確認しても、やはり真子と鷲崎マリアは瓜二つに見えた。 もっとよく墓を調べると、真子の生没年に気が付く。1982年生まれで1989年没ということは…鷲崎マリアと緑川真子は4才年の差があることになり、双子じゃないということになる。

 

 

 似ているのに双子じゃなかった事実には皆驚いたが、どう考えてもどちらかが養子になったとは考えにくかったから、そこは

なんとなく納得出来た。似ているのはただの偶然なのか…?このことは事件とは無関係なのか…?似すぎている他人について説明は一切出来そうにない。

 

 

 安藤は一体どこにいったのだろうかと考える景山と比奈子だが、真里亜は一人安藤の居場所を知っていた。二階堂から逃げた時、安藤はこっそりと真里亜のジャケットにメモを入れていた。

 

 そこには「明日朝8時、希望の丘教会で会おう。そこで全てを話すから真里亜たちが集めた情報も持参して欲しい、信じて一人で来るように」と書いてあった。

 

 

 家に戻ると、比奈子が明日の午前中はゆっくり休んで3人でワインをあけようかと提案する。真里亜が元気がないようだから、疲れているのだと思ったらしい。それと、先程安藤を疑ってしまったことに対する比奈子なりの謝罪の気持ちからでもあった。

 

 

 

 翌朝、真里亜は約束の時間に間に合うよう準備する。集めた情報、「人魚の涙」のディスクと「人魚のカギ」、そして解析出来なかったが最初に亜門博士から預かったディスクを持つ。

 

 

 そして黙って出ていくことに後ろめたさがあったので、景山と比奈子には行き先の書置きを残しておいた。

 

 

 希望の丘教会へ入ると、そこには確かに安藤乱の姿があった。疲れ果て髭は伸びっぱなしであり、しかし追い詰められた者のギラつきが目に表れている。真里亜が見たことがない姿だった。

 

 

 安藤は心配かけたことを謝罪する。真里亜はまず、安藤の車に乗っていて被害にあった人物が誰なのか尋ねる。しかし安藤も知らない人物であったという。亜門博士の事件もあり、忙しさもあり…財布を忘れたことを思い出してキーを差したまま車を降りたという。走っていると背後で爆音がして、振り返るとすでに自分の車は燃え上がっていたという。

 

 安藤はすぐに自分の命が狙われたとさとる。一旦姿を隠し、死んだふりをすることにした。命を狙う相手から目をそらすために。警察は血液型が一致したとしてそれ以上遺体について調査しなかったことが安藤には幸運だった。安藤は妻に生きていることを知らせ、遺体の確認の際は安藤自身だと答えるようにと頼んだという。安藤は妻を巻き込まないため、あれから一度も妻の前に顔は出していない。

 

 安藤はここまで話すと、今まで姿を隠していた自分を信じられるかと真里亜に尋ねる。真里亜は正直、分からなかった。話をきいてみなければ分からないのだ。安藤は信じるかどうかは真里亜自身に任せると言う。これから信じがたいことが起こるのだからと…

 

 

 安藤は何故真里亜が逃亡の身になるようなことをしたのかと言う。長い間テレビ局で働いている者として、テレビの報道を見れば大体今後どういうことになるか分かる。一連の殺人事件の関係者として真里亜の名前がニュースに出るのは時間の問題だと安藤は感じていた。

 

 真里亜はまず慈愛堂生物研究所で亜門博士から景山を紹介されて出会ったことを説明する。景山については安藤も亜門博士から聞いていた。亜門博士が一番信頼を寄せていたのが助手の景山純だったことも以前真里亜に言った通りだ。

 亜門博士が殺害された日の夜、景山は亜門博士が残した言葉を忠実に実行するため…安藤に連絡をとるために安藤の部下の真里亜を訪ねてきた。そして安藤も殺害されたと知った時、手を組むしかないと覚悟を決めた。慈愛堂生物研究所に忍び込み、亜門博士が残したものを回収する。

 

 安藤は真里亜から一連の話を聞き、ニュースで報じられたのはそのことだったかと理解した。そして今真里亜たちが何処に潜伏しているのか訊く。

 真里亜は安藤のこの質問には黙っていることにした。完全に安藤から情報が引き出せるか分からない。手の内はあまり明かさない方が良いといいと判断した。

 

 

 真里亜は、昨日二階堂から真里亜たちを庇った安藤がどうしていたのか訊ねる。

 安藤はあの後二階堂と取引きしたという。真里亜が持っている「人魚の涙」を受け取り、二階堂に渡すことで、真里亜と景山を見逃して欲しいという取引だ。

 

 この話に真里亜は矛盾を感じた。この取引きには安藤のメリットがない。これでは二階堂も信じなかったのではないかと…。そのことを真里亜が指摘すると、安藤は何を二階堂に要求したか答えた。それは交通事故で亡くなった自分の娘のことだった。それは後で説明するという。

 

 

 話を戻して真里亜は亜門博士の部屋で見つけた「人魚の涙」のディスクと「人魚のカギ」を出す。安藤はカギに反応する。これが一番探していたものだったようだった。この「人魚のカギ」はM計画研究のための秘密研究所のカギだったのだ。

 

 研究所はヒール財団の地下にあり、世界最新鋭の設備を誇る。

 

 真里亜は「M計画」のMがマーメイドだと安藤が言っていたことを思い出す。度々この事件に出てくる人魚。マーメイドは何を意味するのか、安藤に尋ねる。

 

 マーメイドは人造人間のコードネーム。そして人造人間とは「ヒトクローン」のことだった。

 

 

 鷲崎豪の一人娘、鷲崎マリアは第1号のヒトクローン成功体であった。M計画とはヒトクローン実験の事だったのだ。幾人ものマーメイドたちがこの実験のために命を落とていった。

 

 緑川真子は優秀な遺伝子同士を受精させ、その受精の段階で遺伝子操作をして生まれてきた。それ故に生まれながらに高い知能を持つ、本当の天才だったという。

 

 それでは、緑川真子の両親…遺伝子は誰なのか? そしてM計画がヒトクローンの研究だとしたら、その目的は?

 

 

【続く】

 

 

 …というわけで、今回は逃亡編6話までをお届け致しました。前回も言った通り、自分が選んだ選択肢による情報を書いています。選択肢によって知ることが出来る情報と出来ない情報があるという作りですので、余裕があれば色んな選択肢を楽しんでも良いと思います。

 

 今回は分岐の要となるリアルタイムパートはありませんでした。次回のリアルタイムパートでエンディングが分岐します。一応その辺も自分がプレイして判明したところは記しておきたいと考えています。

 

 それにしても、段々話がヤバイというか難しくなってくる気配がします。次回はもっと大変なことになりそうなので、覚悟して臨みたいと思います。

 

 

 

「マリア2 受胎告知の謎」プレイ日記3 1周目「共通編~逃亡編」7話~エンディング