あらすじ
小学生のとき、担任の先生と町の外からやって来た男が駆け落ちしたのを忘れられない主婦。東京でバツイチ子持ちの恋人との関係に寂しさを覚える看護師。認知症の義母に夫とのセックスレスの悩みを打ち明ける管理栄養士。父と離婚した母が迎えに来て、まもなく転校することになる小六の女の子。発達障害のある娘を一人で育てるシングルマザー。小さな町で、それぞれの人生を自分らしく懸命に生きる女性たちを描いた感動作。


ひと言
うん、これもいい!。やっぱり町田 そのこは全部いい!ということを再確認させてくれる一冊でした。ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の第2楽章(ラルゴ)の「家路」。学校の下校時の放送に一番多く使われているであろう名曲「遠き山に 日は落ちて……」。この本の最後を以下に抜粋しますね。ほらドヴォルザークが聞こえてくるでしょ。
「春風、今日は楽しかった?」「カレーがおいしかった。おばあちゃんに、お夕飯はカレーにしてって言った」「え!夕飯もカレーなの?」小さなぬくもりを握りしめて、校門を出た。「あ、お母さん見て。いちばんぼしだよ」春風が、空いている方の手で空を指す。綺麗な金色が輝いていた。「きれいだねえ。明日もきっと、晴れるね」「ほんとうだね」賑やかな夕暮れは過ぎ、明日を告げる星が静かに煌(きら)めいている。そっと、校舎を振り返る。わたしたちはここに集い、多くを学び、多くの失敗をし、多くを感じ、多くの記憶を重ねた。そして、それぞれの家に帰っていく。明日への希望を抱えて、明日を迎える支度をして、生きていく。人生の故郷をときどき振り返りながら、これからも、ずっと。

「四十四で、甘えたことを言ってるんかもしれません。だから、仕方ないことなのだからと言い聞かせて、受け入れようとしました。でも、寂しいし、虚しいし、辛いんです」ははあ、と義母が呟いた。壁の展示にしばらく視線を向ける。ばかなことを言っている嫁だと呆れたのだろうかと思っていると、「嫌やねえ」と苦々しく呟いた。「子どもは親の背中を見て育つち言うけど、あの子は父親の背中しか見とらんやったんやろうねえ」やれやれ、というように義母が頭を振った。「一緒にいて寂しいと思わないといけんなんて、そんな悲しいことありますか。夫婦は互いの人生を豊かにするために寄り添うんです。佳代子さん、あなた、嫌な思いをしたねえ」分かってくれるひとがいた。耐えきれず、涙が一粒だけ転がった。慌てて手の甲で拭う。「でもね、あたしは務の母親やけん、話し合って歩み寄ってくれち、言います」展示を見つめたまま、義母が続ける。務は務なりにあなたを大事にしとって、間に生まれた陵介ももちろん大事にしとる。あなたがもし離れていけば、務はきっと傷つくしいろんな苦労もする。愛情のかたちなんぞにこだわらんと、このまま一緒に生きていってやってくれんね、ち言います。やはり、そうか。胸に小さな穴が開き、そこがぐりぐりと押し広げられているような痛みを覚える。相談すべきひとを、間違えた。そりゃそうだ。このひとはどこまでも、夫の母だ。すみませんでした。嫌でもそう謝らなければいけないと口を開こうとした。「……けれども、あなたはあたしが娘やと決めたひとでもある。娘が泣きながら寂しいち言うんなら、あたしは我慢せえなんて酷いこと、よう言えん。辛いんなら、離れてしまいなさい、ち言うよ。やけん、務に、愛情のかたちが違うのが苦しい、っち伝えなさい。寂しくてたまらん、ち。言葉を砕いて本気で伝えてみて。それでも務が理解しないのなら、あなたが辛い思いをし続けなくていい。務と別の道を進みなさい」
「……お義母、さん?」義母がわたしを見て、そっと笑った。昔からのやさしい義母の笑顔でもなく、病気で曖昧になった笑顔でもない。今日何度か見た、意地の悪い笑顔でもない。わたしと同じ、女の笑顔だと感じた。「我慢して、諦めて生きんでええ。昔と違うて、何があっても死ぬまで連れ添わないけん時代やない。誰かの目やら体裁やらを気にして生きる時代でもない。いまは、自分に嘘ばつかんで、自分のために生きられる時代でしょうもん」「で、でも。自分のためと言っても、陵介が」「ええ。子どもは、確かに可哀相。やけん、もしそういう道を選ぶんやったら、ふたりでしっかりあの子を支えられる方法ば考えんといけんよ。あなたと務は、夫婦ちいう席からは降りられても、両親ちいう席からは決して、降りられませんけんね」ぽん、と腕をやさしく叩かれた。温かくて、力強い手のひらだった。
(第3話 クロコンドルの集落で)

「そっちの君。君はこれから、死ぬ気で勉強しなさい。そして、無事合格して、引っ越すその日にぜーんぶ、みんなにバラしてしまいなさい。それが、君のお母さんのためでもあるんだよ」美冬が、ゆっくりと顔を上げた。鼻の頭が赤い。「ママのため?」「そう。覚悟がきちんとあるひとなら、とうとう断罪される日が来たか、って腹を括るだろう。みんなに告白する勇気のなかったひとなら、君が、隠れた恋愛を白日の下に晒してくれたことに安堵するだろう。間違った恋愛に夢中になっていただけのひとなら、君が道を正してくれたことにいつか感謝するんじゃないかな。そして最後。『どうしてこんなことをしたのか』と激怒するひとだったら、君との関係をすっぱり断ち切るきっかけになる。そのときにはきっと、もう好きに生きなさいと言い捨ててあげられるだろうからね」
(第4話 サンクチュアリの終わりの日)

「結局さ、自分の口から自分の真実を話さないと、何にも伝わらないんだよ」夏海はカメラを自分に向けて、「ねえ群ちゃん」と話し始めた。「いまから説教じみたこと言わせてもらうね。どんな事情があっても、黙って逃げちゃだめなんだよ。そうしてしまえば、逃げた側が絶対的に悪くなる。相手に言い訳の理由を与えて、被害者の顔をさせてしまう。彼らは自分がしたことを反省しなくて、むしろ、逃げたやつが悪いって恨む。群ちゃんの苦しみや哀しみは、伝えるべきひとたちにきちんと伝わらなくなってしまったんだよ。そんなの、もったいないよ」……。……。「でもさ、それよりももっと……一番大事なのは、死ぬほど苦しんだ自分を、自分自身がリセットしてしまうなよってこと。自分のお墓に、誰かにとって都合のいい言葉を彫られてしまうようなもんなんだよ。そんなのだめでしよ。だから自分だけは、自分のために最後まで足掻くべきだ。ひとは、どれだけ辛くても、自分のために闘うことを放棄しちゃだめだ」三好さんもそう思わない?と夏海が見る。その目はどこまでも強くて、わたしを叱咤しているように思えた。
(第5話 わたしたちの祭り)

「先生って、画家のこと好きだったのかな」「そりゃ、最初はそうなんじゃない? 前に、やっぱりいまも画家のことが好きなの?って訊いたことがあるんだけど、縁だって言われた。好きとか嫌いとかそういうものを越えて、繋がったらもう切り離せないものがあるんだって。やっぱ、いろいろあったんだろうね」「そういう縁って、羨ましい気もするね」何もかもを乗り越えて、それでも繋がれるひとがいる。先生はすべてをリセットしたように思っていたけれど、すべてと引き換えにたったひとつの縁だけは摑めたのだ。その縁が、いまも彼女を支えている。「そうだね。でも、ひとにはそれぞれ、ひとじゃなくっても繋がれるものや場所があるんだよね。」……。
(第5話 わたしたちの祭り)

 

 

今日は前から行きたかった浅間町の「呑ひゃら」へお昼を食べに行きました。こちらのお店は食べログ居酒屋EAST百名店に2年続けて選出されているお店ですが、食べログの口コミを見ると、ほとんどの人がお昼の天ぷら定食か上天丼のことを書いてあり、この天ぷら、天丼が選出理由ではないかと思われます。開店10分前に到着しましたが、すでに3名の方がもう並んでいました。上天丼(1000円)をいただきます。ほとんどのお客が上天丼を注文しています。おいしい天ぷらの海老が3尾、キス、ナス、かぼちゃにピーマンが丼に盛ってあり、ごはんにもおいしいタレがたっぷりかかっていてとても美味しい天丼です♪♪。そしてこれが千円でいただけるなんて、行列必至も十分納得の百名店です。また伺わせてもらいます。ごちそうさまでした♪♪

 

呑ひゃら

名古屋市西区浅間1

 

今日は職場のゆかいな仲間たちとこの4月転勤された方々の計12名で、新栄の「ARON 分店フータオ」で楽しいひとときを過ごしました。

 

 

美味しい広東料理がいっぱい。この立派なタコも美味しい料理にして出してくれました。

 

 

美味しい料理をいただき、話もはずみ、気がついたら、4時間近くのときが経っていました。

 

 

みんな30代、40代の人がほとんどで、ひとりだけ歳が離れているのに、声をかけてもらいほんとうに楽しいひとときを過ごさせてもらいました。これからも人に好かれるような行動と言動に気を付け、また誘ってもらえるような日々を過ごしていきたいと思います。今日はたのしいひとときをほんとうにありがとうございました。

 

ARON 分店フータオ

名古屋市中区新栄1

 

 

あらすじ
海沿いの小さな田舎町に暮らす晴奈は、高校三年生。母親と二人で戸建て住宅に住んでいる。母親は、晴奈のことを「小春」と呼ぶ。小春は晴奈の姉で、高校三年生だった10年前に忽然と姿を消してしまった。警察をはじめ、町を挙げての捜索も実らず、いつしか「小春は神隠しにあったのだ」と町中で噂されるようになり、晴奈の一家は周囲から避けられるようになっていく。さらに小春の失踪が原因で母親は精神の均衡を崩し、父親は家を出ていってしまった。それ以降、晴奈は家を一歩も出られなくなってしまった母親と、ふたりでずっと暮らしている。当然のように、晴奈も学校で疎外されていたが、人一倍熱心に勉強に励み、生徒会の活動にも参加するなどして、指定校の推薦枠を獲得することに成功する。「この町を出る。ここから逃れる」。姉の失踪以降、その思いだけが晴奈を支えていた。高校卒業が迫ってきたある日、晴奈の帰宅途中に、海沿いの公衆電話が鳴り出す。ある予感におののきながら受話器を取る晴奈。そこから聞こえてきたのは、10年前に失踪した姉の声だった…。


ひと言
読み終えて、「なんじゃこりゃ!」というのが正直な感想です。ヤングケアラーを描きたかったのかもしれませんが、姉の失踪、誘拐、神隠しについては、原因についても、その後のことも一切解決されず、消化不良がずっと残ります。帯の静岡書店大賞の文字が目に入ったので借りて読みましたが、よく見ると「踊れ、かっぽれ」などで大賞を受賞した作家の作品というだけで、この作品が大賞ということではありませんでした。そりゃそうだろ。他にも静岡書店大賞の文字につられて手に取った人も多いと思います。こんな紛らわしい詐欺のような帯はやめてほしいです。

「お父さんが十年どう過ごして、なにを思っていたか、話してもいいか」と尋ねた。数秒黙ってから晴奈は、首を強く左右に振った。黙ったのは考えるためではなく、拒む勇気を出すためだった。この十年、お父さんがつらくなかったわけがない。娘がいきなりいなくなって、手がかりもなにもないまま、時間が過ぎていく。お姉ちゃんを失った晴奈より、耐えがたい苦しみがあっただろう。再会したときのお父さんの反応から、それは確信している。お父さんのあきれるほどの不誠実さが、お父さんの心を守っていたことは、晴奈にもわかる。だけど、お父さんの十年間を聞くわけにはいかなかった。「いやだ。聞いたら、お父さんの十年間のこと、きっと許しちゃうから」これから晴奈とお父さんが親子としてやり直すためには、晴奈がお父さんを許してはいけないし、お父さんは晴奈に許されてはいけない。もっと何年も経ってから許したり許されたりする日は来るかもしれないけど、それが今であってはいけないと、晴奈は思った。「そうだな」お父さんは小さな声で呟くと、今まで申し訳なかったと、深く、深く頭を下げた。
(第五章)
 

 

 

 

あらすじ
海を見下ろす住宅地『うつくしが丘』に建つ、築25年の三階建て一軒家を購入した美保理と譲。一階を念願の美容室に改装したその家で、夫婦の新しい日々が始まるはずだった。だが開店二日前、偶然通りがかった住民から「ここが『不幸の家』って呼ばれているのを知っていて買われたの?」と言われてしまい……。わたしが不幸かどうかを決めるのは、家でも他人でもない。わたしたち、この家で暮らして本当によかった。「不幸の家」で自らのしあわせについて考えることになった五つの家族の物語。


ひと言
すごく引き込まれて2日で読みました。うーん、これもすごくいい!!もう町田 そのこさんのマイベスト3が何かわからなくなってしまいました。時間を逆にさかのぼってこの家に住んだ人たちの物語が書かれているので、最後のエピローグがとても生きてくると思います。最後の最後「数分後、裏庭で笑い声がおきた。」で締めくくられるのもとてもいいですね。町田 そのこさん素敵な作品をありがとう。

「何だか不思議な日だわねえ。ずっとここにいた人を見送ったかと思えば、入れ替わるように新しい人を出迎えるなんて。でも、そういうものなのねえ、きっと」老女がしみじみと言い、それから「縁起がいいわね、あなたたち」と続ける。川の流れと一緒。古いものが去るときは、流れが変わって溜まっていた悪いものまで全部浚(さら)っていってくれるのよ。あの家はよくない噂があったけど、でもきっとあの人が去ったことで流れが変わるでしょうよ。意味が掴めずに、譲が小首を傾げて曖昧に笑う。美保理は、なるほどと呟いて、夕暮れの空を仰いだ。薄墨が広がり始めた空では、雲がゆるゆると流れて去っていく。きっと 、そういう意味であって欲しい。このもの哀しい別れが、しあわせの欠片(かけら)として残るように、そういう意味を持って欲しい。「明日から、頑張ってね」老女の言葉に、譲が頭を下げる。美保理も頭を下げた。「きっと大丈夫です。しあわせの場所にしていきます」美保理の胸の内に、信子の言葉が蘇る。
しあわせは人から貰ったり人から汚されたりするものじゃないわよ。自分で作りあげたものを壊すのも汚すのも、いつだって自分にしかできないの。
多分、これからも何度となく自分に言い聞かせるのだろう。と美保理は思う。しあわせを見失いかけたときに、きっと、何度も。
ただ信子さん、思うんです。しあわせはやっぱり、人から貰うこともありますよ。それをいつか、機会があったら伝えたいです。明日、ふたりの店はうつくしが丘にオープンする。
(第一章 おわりの家)

「山郷さん。わたしね、夢ってとても乱暴な言葉だと思うの」忠清の顔から笑顔が剝れ落ちる。こんなにも正面から非難されるとは、思わなかったのだ。しかし、信子はそんなつもりはなかったらしい。紐をぎゅっと握って、「一種の暴力、そう思ってわたしは生きてきたのよ」と独りごちるように続けた。言いかえれば我優なのに、きれいな言い方をしてるだけ。夢を叶えたい、っていうのは我儘を通したいっていうのと同じこと。それに、一生をかけてでも叶えたいなんて言われたら、他人はそれをなかなか否定できないでしょう。ましてや、手助けすればどうにかなりそうなことなら、手を貸さざるを得なくなるかもしれない。それって乱暴じゃない? 夢なんて、振りかぎしていいものじゃないのよ。聞きながら、どうやら信子は自分自身のことを言っているのだと気付く。この老女もまた、自身の夢で誰かを苦しめたのだ。
(第四章 夢喰いの家)

「あなたの言う通りだ。実は、もう止めてしまおうと考えています。止めようと思ったことは、ありますか?」訊くと、幸太郎は「もちろん」と頷いた。「当たり前ですよ。でも、俺の場合はちょっと事情が違ったんです 。もう止めたいと言ったとき、妻が言ったんですよ。だからあなたは、お義母さんの気持ちが分からないのね。恵まれた坊ちゃんには、チャレンジすることすらできない人間の辛さなんて分からないんでしょうって」手で弄んでいた缶をぺこりと音を立てて潰し、幸太郎は小さく笑う。
(第四章 夢喰いの家)

「そーちゃん、ちょっと、待ってて」そう言って、真尋は荒木家へ駆け戻った。真尋の部屋のテーブルに、目当てのものが置いてある。それを摑んで、すぐに惣一の元へ帰った。どうしたの? と不思議そうに訊く惣一に、「ひとつ、一緒に埋めてもいいかな」と訊く。「いいけど、何?」真尋が手を開く。手のひらに載っていたのは、黄ばんだ歯だった。「何、それ」「わたしの、歯」それは、かつて『捨てなさい』と言われた歯だった。大祐の封筒の底にあったのは小さな桐箱で、中を開けると歯がひとつだけ入っていた。蓋の裏には父の字で 『真尋の初めての歯』と書かれていた。あの日、真尋は泣きながら『歯のお墓』を作ったのだ。大事にされなかった己の歯のために、狭い庭の端っこにそっとお墓を作って、弔った。そのあとすぐに父の出奔騒動があってすっかり忘れていたけれど、父がそれを掘り返して持ち去ったのだろうと思う。どうして、父がそんなことをしたのか分からない。父が本当は自分に愛情のようなものを抱いていたというのか。いや、そんなことがあるわけがない。では、どうして死ぬまで持っていたのだろう。考えても、答えはでない。「埋めていいの?」「うん。持ってても、どうしていいのか分かんないと思ってたの。それに」苗の横に歯をぽとりと落とし、土をかける。あの日の思い出は、すぐに見えなくなった。「わたしの『しあわせの家の目印』も、ここにする。いつか自分の『しあわせの家』を作るとき、わたしもここに来る。そのときは、子どもがいてもいいな」そうだ、子どもを持ったとき。そのときは、父の気持ちが少しくらい分かるかもしれない。父が何を思ってあの歯を持ち続けていたのか。わたしのことを、どう思っていたのか。そんな日が、きっと来ますように。
(第五章 しあわせの家)

 

 

今日は星が丘へ行く用事があり、その帰り「Boulangerie ぱんのいえ」に立ち寄りました。以前にも訪れたのですが、店の外にも人があふれ、多くのパンが売り切れ状態だったので何も買わずに帰ったことがあります。今日は雨天ということもあるのか、多くのパンがありました。ぱんのいえオリジナルかれーパン(227円)じゃがマヨフランス(254円)ちくわぱん(217円)チーズクロワッサン(216円)をいただきます。まず食べたかったちくわぱんですが、ちくわをこんな風においしくパンに合わせられるんだとびっくり。かれーパンはマ・メゾンの系列らしくとても美味しいカレールウがたっぷり入っています。じゃがマヨフランスは小さめのジャガイモが丸々入っていてこれもとても美味しいです。チーズクロワッサンは中にハムが入っていて上にチーズとマヨネーズをのせて焼き上げてありとても美味しいです。パン自体がとてもおいしくそしてどのパンもとてもお値打ちでコスパ抜群のお店で、これは店の外にも人があふれるのも納得。他にもおいしそうな食べてみたいパンがいっぱいです。リピ確定。これからは車で前を通ったときは必ず立ち寄るようにします。ごちそうさまでした♪♪♪

 

Boulangerie ぱんのいえ

名古屋市千種区星が丘元町1

 

あらすじ
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋。そしてともには生きられなかったあの人のこと――。 大胆な仕掛けを選考委員の三浦しをん氏辻村深月氏両名に絶賛されたR-18文学賞大賞受 賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作。その他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。


ひと言
最近は町田 そのこ作品にずっぽりハマっています。以前、町田 そのこさんの「ぎょらん」を読んだとき、その感想に「この「ぎょらん」は間違いなくマイベスト3に入る作品」と書きましたが、これもいい!すごくいい!間違いなくマイベスト3いや町田 そのこ作品のマイNo1かもしれないです。それにしても「カメルーンの青い魚」がデビュー作だというのも驚かされるし、全5編がうまく絡みあって全体としてすごくいい作品になっているのもビックリ。図書館に次の町田 そのこ作品の「うつくしが丘の不幸の家」の予約を入れてあり「用意ができました」というメールがちょうど今日届いたので、次の町田 そのこ作品も非常に楽しみにしています。

りゅうちゃんは物珍しそうに眺めては、ほら見ろサキコ、綺麗だぞと言った。私は 小さな水槽の横に書かれた説明書きをぼんやり眺めた。アフリカン・ランプアイ。カメルーン、ナイジェリア原産のメダカです。名前の通り、青く光る眼に特徴があって――。水槽の中には二匹の魚が泳いでいた。青く見える瞳の綺麗な、とても小さな魚だった。私はそれを見ながらりゅうちゃんに言う。この魚、カメルーンが故郷なんだって。カメルーンってすごく遠いんでしょう。なのに、こんな小さな街の小さな水槽にいて、可哀相だね。そんなことねえよ、とりゅうちゃんは言った。どんな生き物だって、その場所に適応して生きていけるもんさ。現にこいつらは仲良く泳いでるじゃねえか。だけど私はそうだねとは言えなくて、じっと水槽を見つめた。
(カメルーンの青い魚)

「この魚は、何ていうの? 綺麗だね」晴子が水槽を撫でる。「チョコレートグラミーっていう、熱帯魚」「へえ、旨そうな名前」「ミルクチョコレートみたいな色だから、それが由来なのかな。この魚ね、あたしに似てるの」細い指がガラスを辿る。何気なく見ると、手の甲に薄い痔が広がっていた。それって田岡のときの、と言うと晴子の眉尻がぐっと下がる。痣を隠すように背中に回した。「こないだまで腫れてて、ずっと湿布貼ってたの。こんなになるなんて、思わなかった」「そりゃあ、あれだけ殴ればね」あのとき、反応のない晴子に業を煮やしたのか、顔を覗きこんだ田岡の鼻っ柱を、晴子はいきなり全力で殴りつけた。ごりっと鈍い音がして、ひょろ長い田岡の体が倒れる。パァッと鼻血が舞って、女子の数人が悲鳴を上げた。その声をかき消すようにして『あたしの家族を悪く言うなぁぁっ!』と甲高い絶叫がする。あれが晴子の声だと瞬時に判断できた奴は、いなかったんじゃないだろうか。椅子を蹴って立ち上がった晴子は、大量の鼻血に動揺して唸る田岡に馬乗りになり、頬に拳を叩きつけた。『あたしは、負けない!こんなの、怖くない!』殴りながら、晴子は目を真っ赤にして泣いていた。小さな拳は何度も田岡の顔に振り落とされ、鈍い音が響く。
(夜空に泳ぐチョコレートグラミー)

カランと、コップの中の氷が鳴った。ふむ、と少しだけ考える。「教わるもんじゃなくて、体で覚えてくもんだよ、そんなの。ひとから叩かれたら痛い。だけど同じことができる手のひらを、自分も持ってる。こういう気付きの繰り返しだろ」晴子の瞳が持ち上がった。薄暗い玄関の中で、俺に向けられる。「いつ気付くかなんて、個人差だよ。気付かないままでいることが問題なんだ。だから、晴子が気付いたと思うならそれでいいんじゃないかな」「啓太くん、すごい……」晴子の声に、感嘆の色が見えた。説教くさいことを言った自分に気付き、途端に恥ずかしさを覚える。別に、大したこと言ってないだろ。ていうか、こんなの母親の受け売りだし!「お母さん、かあ」
(夜空に泳ぐチョコレートグラミー)

「暗くてよく分からないかもしれないけど、この町って、すり鉢みたいな形をしてるんだ。向こうの山と、いまあたしたちのいるこっちの山が緩やかに繋がっていて、その中にあるの。あの辺りの光の集合体は、すり鉢の底かな」晴子の喋り方は、耳に優しい。雑音なく伝わる。うん、と頷いた。何となくイメージが湧く。「おばあちゃんはね、ここは少し大きな水槽なんだよって言ったの。この町は水槽だって」頭の中のすり鉢が、自分の家の玄関に置かれた金魚鉢にすり替わった。金魚鉢の底には色とりどりのビー玉が沈んでいる。あの幾つもの光はビー玉の輝きなのだと思えてくる。「そしておばあちゃんは、私は晴子のチョコレートグラミーになってあげるからねって言ったの」「 マウスブルーダーって、こと?」晴子が目をぱちくりさせた。俺が知っているとは思わなかったらしい。あれから調べたんだ 。どこが晴子と似てるのかなって 思って 。親が 口の中で稚魚を育てて外敵から守る魚だって、ウィキペディアに書いてた。そう 言うと、そういうところが頭がよくなる理由なのかなと感心したように晴子は頷く 。「俺、あのとき晴子は卵から孵(かえ)ったんだと思ってた。でも、ちょっと違った 。晴子はずっと、烈子ばあちゃんの口の中にいたんだな」晴子が、笑う。頬に優しい窪みができる。「おばあちゃんが、この世界からあたしを守ってくれてた。あたしを捨てたお母さんから、騒ぎを馬鹿にする世間から、全部から」晴子が夜空を見上げる。それから、まるで昔話をするような口調でそうっと続けた。「この水槽の中で哀しい思いをしないように、辛い思いをしないように、私が守ってあげる。焦らなくっていいんだよ。あんたのペースでいい。いつか自分で旅立てると思えるその日まで、私の中にいたらいいんだよ」
(夜空に泳ぐチョコレートグラミー)

晴子が、俺の腕を摑んだ。痛いくらい強くて、その強さに驚く。「ねえ、啓太くん。あのとき言ったよね。よくやったって。あたし、ちゃんとやっていけるよね!?」田岡を殴る晴子の手を止めたとき、俺は確かに言った。もういい、晴子はよくやったって。それは、自分に抱きついて泣き出す孫に、烈子さんがよく口にした言葉だった。よくここまで頑張った。晴子、よくやったね。みんなのいる校門で、大きな声で彼女はいつもそう言っていた。「言ったよ。だって、俺は昔の弱かった晴子を知ってたから」だから、烈子さんがいたら絶対に口にしたであろうことを言った。「いまは、あのときの晴子が死にもの狂いで外に飛び出したんだってことも知ってる。自分一人で生きていく為の、一歩だったことも」晴子の手があの日のように震えている。その手を解いて、ぎゅっと握り返す。「あのときから、晴子はちゃんと泳げてる。俺がびっくりして笑えるくらい、強くなった。だけど、本当に行くの? 晴子は、それでいいの?」繋いだ晴子の手は小さくて、頼りない。俺がもっと力を込めたら潰れてしまいそうだった。けれど、俺以上の力で握り返してくる。「嫌だよ。怖いよ。でも、あたしは考え方を変えるの。啓太くんがここを離れても生きていく覚悟を持って泳いでいるのを見たら、あたしもやれるはずだって思ったの。あたしだって、できる。泳いでいける」「……でも。でも、晴子は、ひとりじゃないか」俺には、さっちゃんがいる。でも、晴子には。晴子の瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちる。それを拭わないまま、晴子は俺に言う。だからね、啓太くん。お願いだから、もう一度あたしを褒めて。よくやったって、褒めて。そうしたらあたし、頑張れると思う。ひとりでも、頑張れると思うから――。
(夜空に泳ぐチョコレートグラミー)

「ねえ、晴子ちゃん。怖がらなくっても、大丈夫だよ。ほら、これ見て」何かを察したのか、由里ちゃんが背にした門扉に掲げられた古ぼけた看板を指差した。「ここは『うみのいりぐち』なんだよ。この中では、世界中の哀しみや苦しみから逃げられるの」晴子が看板を不思議そうに眺める。それから答えを求めるように私の顔を窺った。「昔、助産院をやっていたの。そのときの、名前よ」「なんだか、変な名前。うみのいりぐちなんて」「ふふ、不思議でしょう。由来はね、振り返ってごらんなさい」高台にあるこの家から遠くをみれば、水平線が見える。あの海は遠い昔に私が死に場所にしようとし、そしてある女性が海になった場所だ。「海が見えるでしょう。あの海は、世界中に繋がってるの。ここで生まれた子どもたちはあの海のような広い世界に飛び出す稚魚たちなのよ。だからここは、海に向かうための入り口。この中は、海に出る準備をするための場所、ってそういう意味なのよ」
「準備をする場所……」「あたしも、ここで生まれたんだよ!!」由里ちゃんが明るく言えば、晴子がそれに応えるようにぎこちなく口角を持ち上げる。看板を見上げながら、思いだす。ねえ清音。ここを出たら、何にでもなれるのよ。ひとは海にだってなれる。育むものになれる。それってとても素敵でしょう。私、ここにはこの名前しかないって思うの!あのときの自分の興奮ぶりに思わず笑う。そして私は小さな晴子の手を取り、門を潜(くぐ)った。
(海になる)
 

 

 

今日は6月23日 この日以降に本当の沖縄の悲劇が始まるのですが、組織的な戦闘が終わったとされる沖縄慰霊の日です。NHKのTVでは正午の黙祷を中継しないので、ネットのライブ映像での沖縄全戦没者追悼式に参列しました。

 

 

その後、鶴舞の沖縄郷土料理のお店「ゆうなんぎい」へ遅いお昼を食べに行きました。10日ほど前から仕事が休みの6月23日の追悼式後に食べに行こうと決めていました。ソーキそばのランチ(1200円)をいただきます。紅しょうががとてもよく合うソーキそばにジューシーといわれる沖縄の郷土料理の炊き込みごはんも美味しいです。テーブルにある沖縄の島胡椒ピパーチをかけるとソーキそばの味がより引き締まってまた美味しくなります♪。今年の秋には2019年に焼失した首里城の復元工事も完了するので、またきれいに修復された首里城を観にいきたいです。ごちそうさまでした♪♪

 

沖縄郷土料理 ゆうなんぎい 名古屋鶴舞店

名古屋市中区千代田3

 

 

 

 

あらすじ
NHK「わたしの日々が、言葉になるまで」からスピンオフ書籍が誕生!番組は、「大きな仕事をやり遂げたときの気持ち」や「ケンカのあと、仲直りのきっかけの言葉」など、日常の中にある一場面を取り上げ、小説や歌詞、漫画のセリフなどを題材に表現の妙を味わう教養バラエティ。本書では、番組にもゲストとして出演していた本屋大賞受賞作家の町田そのこさんを著者に迎え、言語化に関する57の悩みに答えていただきました。


ひと言
図書館で見つけて「あっ 町田 そのこさんの本だ」と思って借りました。読み終えて、うーん、悪くはないのですが、自分が求めている町田 そのこさんの本ではないような気がしました。町田 そのこさんごめんなさい。

かつては、一度の手紙でできるだけ多くの気持ちを伝えようとしていました。だから、まずは自分の気持ちや考えを整理するところから始めなければなりませんでした。自分の気持ちと向き合う時間が必ずあったのです。でも、今は思ったことがあったら、とりあえずポンと送ってしまう。送れてしまう。「やばいよね」だけ書いて、相手から「わかる」と返信があれば、それだけですべてが伝わった気になってしまう――。そんなやり取りを続けていると、自分の感情にしっかり向き合っていないことに気付かないまま、流してしまうくせがついてしまいかねません。自分の感情のかたち、色合いや性質というのはじつは不変ではなく、少しずつ変わりゆくものです。ハツと気付いたときには、感情と上手く付き合えなくなってしまうかもしれないのです。
(第1章 自分を整える)

きっと流されがちなタイプの人は、内容の妥当性は別として、相手の熱意みたいなものを感じたら、それに押されてしまうのではないでしょうか。強く言われると圧倒されてしまう。でも誰だって、急に熱いものを飲まされて、「はい、どんな味でしたか?」と迫られたら、とっさに返す言葉は見つからないでしょう。だって、熱すぎたら味なんかわからないから。ですので、熱が冷めるのを待って、落ち着いてからもう一度飲んで考えてみる時間が必要です。流されること自体はもう仕方ない。でも、「その意見、いいと思うし、私もそうかもなって思い始めている。だけど、もうちょっとだけ考えさせて」と一呼吸置く時間をもらいましょう。他人の意見を一旦受け入れて、自分の中でじっくり検討してみることができる人は柔軟な人だと思います。
(第1章 自分を整える)

自分が伝えたいことを100パーセント伝える難しさはもちろんですが、伝達率80パーセントでも、80パーセントなりにいいところがあるようにも思います。そこから新たに生まれ、広がっていくものもあるはずですから。だから、まずは気持ちを伝えること。誤解や言葉足らずを恐れすぎて、言葉にすることに二の足を踏むのはもったいない。100パーセント伝わらなくても、ゼロではない。きっと、あなたの言葉を待っている人はいます。
(おわりに)

 

 

今日は前から行きたかった伏見の「海の台所 大波屋」へお昼を食べに行きました。ネットの口コミでは、伏見界隈のサラリーマンの御用達、行列必死のお店ということなので開店約10分前に並んで一番乗りです♪。日替わり定食が牡蠣フライのあんかけと黒板に書いてあったのでどうしようか悩みましたが、最初から決めていたお刺身定食(1050円)をいただきます。鮮魚の7種盛に野菜サラダに小鉢そして茶わん蒸しまでついてとてもお値打ちなメニューです。サラダのドレッシングがとても美味しく量もたっぷりで、茶わん蒸しも美味しいです♪。もちろんお刺身も新鮮で品数も十分で、私はおかわりしませんでしたがごはんのおかわりも無料です。こりゃお昼に行列になるのも納得なリピ確定のお店です。お店を出たときには10人以上の列ができていました。次はサラリーマンの休憩時間を外した1時過ぎに伺います。とても美味しかったです♪ごちそうさまでした♪♪。

 

海の台所 大波屋

名古屋市中区錦1