以下,個人情報保護のための工夫を適宜施してあります。

 

 中3の佐藤一郎君(仮名)からの質問を受けた,とある夕刻のことです。

 「ところで,解の公式の導出だけど,念のため復習しておこうか? 君は何通りでできる?」

 「2通りはできますね!」

 「なるほど! まず,どんな方法?」

 「教科書通りの方法が一つ目です」

 「その場合,第一手は何?」

 「両辺を(xの2次の項の係数)aで割ることです」

 「それから?」

 「定数項を右辺に移項してから,2乗の和の展開公式に持ち込むために,(xの1次の項の係数)b/aの2乗を両辺に加えてから,左辺を平方完成します。それから,平方根の定義に基づいて2つの1次方程式を導きます。それぞれの1次方程式を解いて得られた2つの解を,複号を用いて書けば完成ですよね?」

 「素晴らしい! 展開公式,等式の性質,平方完成,平方根,1次方程式の解き方といった,式変形の際に求められる基礎事項をはっきりさせながら,導出の流れを実に分かりやすく述べられたね!」

 「ありがとうございます! でも…」

 「でも?」

 「僕のクラス担当の数学の先生は,授業中,そうした基礎事項は大事だから,黒板の説明をノートにしっかりと書き写せとさんざん言って,教室を歩き回って,一人一人のノートのチェックまでしたんです。でも,2次方程式の授業では,その基礎事項を無視して公式を無理やり暗記させて,その公式への数値のあてはめばかりをやらせたんです。数学は積み重ねの教科とさんざん言われたのに,基礎事項の積み重ねの様子を省く授業を行うなんておかしいと思いませんか? 僕は,橋先生から,2次方程式が2次関数にどのようにつながるかを聞いているので,それほど心配ではないんですけど…。ここで基礎があやふやなままにしておくと,来年,高校で数学を学ぶ際,式変形がうまくできなくなるんじゃないですか? 生徒がつまずくことがほぼ間違いない授業を学校で行っていいんでしょうか?」

 「う~ん…」

 

 さて,どのように返答すべきでしょうか?

 以下,個人情報保護のための工夫を適宜施してあります。

 

 中3の佐藤一郎君(仮名)からの質問を受けた,とある夕刻のことです。

 「ところで,解の公式を忘れた場合,君はどのように対処するの?」

 「解の公式という指定がなければ,平方完成で解いてもいいと思います。解の公式という指定があれば,解の公式を平方完成によって導いてから,与えられた2次方程式を解けばいいと思います」

 「素晴らしい! どちらでも確実に解が導けるね! 小テスト直前の授業で私が説明したことをよく確かめて自分のものにできているね!」

 「でも,学校の授業では,そうした方法を全然教えてくれませんでした…」

 「おやおや! どんな授業だったの?」

 「教科書の解の公式を何度も言わせて,丸暗記させられました。その後,練習問題のプリントを何枚もやらされました。これなら,家で宿題としてやれば十分じゃないですか? 同じことを言うようですけど,忘れたらどうしようもない方法しか教えない授業,困ったときにうまく対処する方法を教えない授業なんて,わざわざ登校してまで受ける意味があるんでしょうか?」

 「う~ん…」

 

 さて,どのように返答すべきでしょうか?

 以下,個人情報保護のための工夫を適宜施してあります。

 

 中3の佐藤一郎君(仮名)からの質問を受けた,とある夕刻のことです。

 「確かに,中学生として,解の公式を覚えて,必要な数値を代入して解を求められるようにしなければならないことは分かります。でも,解の公式そのものを忘れてしまった人は,どうすればいいんでしょうか? 『解の公式を用いて解きなさい。途中式も書きなさい』という出題に対して,お手上げじゃないですか?」

 「う~ん…」

 

 さて,どのように返答すべきでしょうか?

 以下,個人情報保護のための工夫を適宜施してあります。

 

 中3の佐藤一郎君(仮名)からの質問を受けた,とある夕刻のことです。

 「先週の2次方程式の小テスト,お陰様で満点でした!」

 「素晴らしい! 答案用紙,持ってきた?」

 「これです!」

 「どれどれ…。いやあ,途中式も実に見やすく書けたね。特に直すところはないよ! 解き方も含めて,模範解答と言えるね。この調子でどんどん続けてくださいね!」

 「ありがとうございます。ところで,橋先生に聞きたいことが一つあるんです」

 「何?」

 「解の公式について,どうして,中学校では,導き方を大切にしないのでしょうか? 授業では,途中式を必ず書きなさいとしょっちゅう言われたんですけど,解の公式については,教科書に書いてある導き方はできなくてもいいから,公式を覚えて,a,b,cに値を代入して解を出せるようにしなさいと言われました。確かに,解の公式を用いて解を求められるようにはなったんです。でも,途中式を大切にしなさいと何度も繰り返す数学の先生が,2次方程式の解の公式を導くための途中式を大切にしていません。どうも,方針が一貫していないように思うんです。どう思いますか?」

 「う~ん…」

 

 さて,どのように返答すべきでしょうか?

 「今回,提案したいのは次の通りです。『○○○○○での○○をしっかりと受けてきた生徒諸君の入学を希望します』,はいかがでしょうか?」

 「これも悪くないね! 」

 「別の言い回しも探してみます!」

 「恐らく,すぐ見つかるんじゃないかな?」

 

 筆者からの提案(?)の後,彼がどのような取り組みを見せてくれるのか,楽しみです。

 

 「表現力を豊かにできないのなら,数学に限らず,本校の問題で合格点を取るだけの実力は得られないんじゃないかなあ…。多面的な見方ができない生徒は要らないからね…」

 

 出題者の独り言? 当該高校過去問分析中,しょっちゅう聞こえてくるのですが…。

 

 「過去問研究は,本当に奥が深いと感じますね。やり始めると,新しい疑問が生まれるので…」

 「確かに! なら,そうした研究を更に深めるための質問をぶつけようかな?」

 「お願いします!」

 「あなたが出題者の立場なら,受験生に対して,例えばHP上で,どのように学習せよと伝えたい?」

 「そうですねえ…。『○○○○の有無を精査します』,はいかがでしょうか?」

 「悪くないね! では,いつものように,納得するまで清書してみるかい?」

 「勿論です!」

 

 筆者からの提案(?)の後,彼がどのような取り組みを見せてくれるのか,楽しみです。

 

 「入試問題の出題基準をできるだけ平易な言葉で表現することができないのなら,数学に限らず,本校の問題で合格点を取るだけの実力は得られないんじゃないかなあ…。簡明な文言で必要事項を表現できない生徒は要らないからね…」

 

 出題者の独り言? 当該高校過去問分析中,しょっちゅう聞こえてくるのですが…。

 

 「さて,○○○○について,引き続きもう少し考えてみよう。このキーワードを出題者全員が共有化しているはずだけど,なぜだろう?」

 「その科目の先生方の誰が出題者になっても,一貫して水準以上の生徒を採れるようにするためだと思いますが?」

 「素晴らしい! ところで,出題者が異動したら,どうなるかな?」

 「転出者,転入者,いずれも着任先で出題者として入試問題作成は可能でしょう」

 「そうした観点まで持てるのなら,各付属校の過去問研究,まだまだ続けてみては? 続ければ続ける程,それまでに発見できなかったことが発見できるように思うね」

 「では,次回に!」

 

 筆者からの提案(?)の後,彼がどのような取り組みを見せてくれるのか,楽しみです。

 

 「学校全体の目指す方向を正確に把握することができないのなら,数学に限らず,本校の問題で合格点を取るだけの実力は得られないんじゃないかなあ…。指導者の一貫したスタンスに沿って学習できない生徒は要らないからね…」

 

 出題者の独り言? 当該高校過去問分析中,しょっちゅう聞こえてくるのですが…。

 

 「ところで,○○○○について,もう少し考えてみよう。このキーワードに気づくかどうかで,状況はどのように変化するかな?」

 「○○○○か○○○○では?」

 「見事!」

 「気づいた人にとっては,毎回の出題基準は極めて単純だと言えそうですね」

 「その通り! 各付属校の過去問研究をもう少し続けてみては?」

 

 筆者からの提案(?)の後,彼がどのような取り組みを見せてくれるのか,楽しみです。

 

 「枝葉末節に捉われるようでは,数学に限らず,本校の問題で合格点を取るだけの実力は得られないんじゃないかなあ…。大局的な視点が持てない生徒は要らないからね…」

 

 出題者の独り言? 当該高校過去問分析中,しょっちゅう聞こえてくるのですが…。

 

 「細かい相違点を議論することは不要ではないでしょうか? なぜなら,共通点として,○○○研究を慎重に,という点を押さえれば,個々の問題の出題意図が読めるように思うからです」

 「なぜだろう?」

 「法人全体の方針だと思いますけど…」

 「最も簡潔に纏めると?」

 「○○○○?」

 「素晴らしい! 分析を続けてみよう!」

 

 筆者からの提案(?)の後,彼がどのような取り組みを見せてくれるのか,楽しみです。

 

 「法人全体の方針もじっくりと探求しないようでは,数学に限らず,本校の問題で合格点を取るだけの実力は得られないんじゃないかなあ…。枝葉末節に捉われる生徒は要らないからね…」

 

 出題者の独り言? 当該高校過去問分析中,しょっちゅう聞こえてくるのですが…。

 

 「各教科を見てみたのですが,小学6年生に対して,かなりの○○○○○を求めることがわかりました」

 「彼らと高校で一緒になるわけだからね。ところで,他の付属高校の問題は見た?」

 「まだですけど,共通点と相違点について,調べてみたいと思います」

 「注目する点を2点に絞ったのは見事だね! さて,それぞれをどれだけ簡潔に把握できるかな?」

 「やってみます!」

 

 筆者からの提案(?)の後,彼がどのような取り組みを見せてくれるのか,楽しみです。

 

 「付属高校の横の関係もじっくりと探求しないようでは,数学に限らず,本校の問題で合格点を取るだけの実力は得られないんじゃないかなあ…。学校法人全体の運営について関心を持たない生徒は要らないからね…」

 

 出題者の独り言? 当該高校過去問分析中,しょっちゅう聞こえてくるのですが…。