「ねーあなた御近所のM子さん1週間前になって
ドタキャンしたそうよ」
「ドタキャンか 女は怖いね」
といいながら、ご主人様は独身のころのある記憶をたどり始めました
当時の、ある深夜、電話のベルがなった
しばらく前にあきらめた女性からだった
すぐ車で来てほしいという
彼女の部屋のドアの前に到着すると、ご主人様を、押しのけるように出てきた女性は
ドライブして
と促した
しばらく車を走らせ、深夜の川に沿った駐車場に車を止めると、
彼女は2週間後に結婚すると告白した
そしてなぜ一度も連絡しなったのかと彼女はなじった
彼女のつれない態度にあきらめたつもりであったご主人様は、その話を聞いて
以外に思い、
また少しわがままなような気もしたのだった
しかし、もとより追いかけていた彼女である
油絵の具のつややかな黒のような闇に、
街燈の光に照らされた川の漣が窓の外に
ゆれ
抱き合い一緒に逃げようと、ささやくのもしぜんのなりゆきだった
数日後、彼女から電話があった
実行を促す内容だったが、ご主人様は日常からかけ離れた異常さを感じ
あいまいに返事をしてしまった
その後彼女は結婚式を破談にし、相手から損害賠償を請求されたとのことだった
それは数ヵ月後に聞いた話だった
それきり一度も彼女から電話はなかった
男性から見て、魅力的だった彼女は男には不自由はなかったようで
しばらくして結婚したとのうわさを聞いた
彼女にとってドタキャンは何を意味したのだろうか
男は社会のしきたりを尊守する。しなければ誰からも相手にされなくなってしまう
が女性にとっては愛が最優先
社会のしきたりを破壊すればするほど、それらより愛を優先したことになり
愛の価値は高まる
「あなたはむかしドタキャン教唆したのよねー」
奥様がご主人様に言いました
「俺は女性に利用されただけだよ。
いうなれば愛のいけにえだよ」
ドタキャンされた男性がかわいそうです
ワン ![]()